こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。

今回は当院で患者様よりよくご質問いただくことをテーマにお送りします。
ズバリ、「保険の治療と、自由診療の治療、どうちがうの?」

保険治療と自費治療の違いとは?

よくある誤解として、「絶対に必要な医療は保険、見た目を良くしたいなら自由診療」というのがあります。
自由診療に見た目の良い綺麗な詰め物や被せ物があるのは事実ですが、綺麗な贅沢品だから保険が効かない、というわけではないのです。

まずは、日本の保険制度の歴史からお話ししていきたいと思います。

日本の保険制度

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戦後すぐのころには医療保険そのものがありませんでしたので、すべてが自由診療でした。

しかし、お金持ちと庶民で、受けられる医療に差があるのは良くないということで、健康保険の制度ができました。

しかし、歯科治療のちょっと特殊な面、「貴金属を使う」という部分に問題がありました。

口の中で使える、割れず錆びたり腐食したりしない詰め物・被せ物の材質として、当時は金以外の選択肢が非常に乏しく(*)、その金がとても高価だったのです。
そこで「金」以外の歯科用金属の研究が行われました。登場したのが「金銀パラジウム合金」という金属です。
(*注: 小さな噛み合わせ面だけの虫歯の場合は、アマルガムという水銀化合物を使うこともできました。)

金銀パラジウム合金は

  • 「詰め物は割れない」
  • 「錆びない・腐食しない」
  • 「金より安い」

という点で、非常に優れていましたので、国は医療保険で使える金属にこれを指定しました。

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http://www.kimurashika.net/

しかし、金銀パラジウム合金には大きな欠点もあります。
それは「硬すぎる」こと。

金と違い、とても硬い金属であるがゆえに、咬む力によって歯が痛んでしまいやすい
象牙の筒に、ピッタリサイズの金属の釘を入れて、体重をかけて釘にぐりぐりと力をかけると、象牙の方が壊れてしまう・・・といえば、イメージしやすいでしょうか。
実際、咬む力はその人の体重相当と言われています。

詰め物は割れませんが、

  • 歯の方が割れる
  • ヒビが入る
  • 詰め物との境目の歯質が壊れて虫歯が再発する

などを起こしやすいです。

この欠点のせいで、医療保険が適応される日本では盛んに使われていますが、日本以外の国ではほぼ使われていないのです。

 

一方、金は最も歴史がある歯科用金属ですが、今なおとても優れた金属として世界中で使用されています。

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http://www.kimurashika.net/

金の優れている点

  • 力が金にかかると伸びるので、詰めた穴にしっかり広がって隙間ができにくいので虫歯が再発しにくい
  • 金が柔らかいので、歯の方が割れたりヒビが入りにくい

差額請求の時代

みんなが歯科用金属として金を使うと、国全体では予算が足りない。
でも、金銀パラジウム合金より、金の方がずっと性質が良い。
保険が効かなくても、良い詰め物を入れたいという患者さんも多かったのです。

ついでに、当時の世情として、保険での歯科の診療報酬が当時の物価などと比較しても安すぎるという背景もあり、国は「報酬が足りない分は差額を請求しても良い」という通達を行いました。
すると、通達があいまいすぎて、勝手にいろんな差額が患者さんに請求されるようなこともあり、揉めに揉めた結果、今の「保険診療」と「自由診療」のルールができたのです。

つまり、保険診療とは、多種多様な歯科治療の選択肢の中で、国が保険適応可と指定した治療だけです。

保険のルールが出来上がってからも、医科でも歯科でも治療技術はどんどん進歩しました。
新しい材料、新しい薬、新しい技術・・・しかし最先端すぎる医療や、研究的側面のある医療、審美的側面の強い医療、より安価な方法で代用が効く医療などは健康保険には相応しくない、というのが国の方針です。

こうして除外された医療が「自由診療」になります。
本当に必要な優れた治療法は保険適用されているはず、と考える方も多いかと思いますが、実はそうでもありません。
日本でしか使われていない金銀パラジウム合金による詰め物は、その代表例かもしれませんね。

歯科医療全般を図にすると以下のようになります。

歯科医療全体

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次回は、保険の効く歯科治療と効かない歯科治療について、どんなものがあるか解説します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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