イビキの仕組みと睡眠の質のお話

こんにちは!つぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。

すっかり暖かくなってきましたね。朝に布団から出たくなくなる季節は過ぎ、心地よい春の朝を皆さん楽しんでおられるかと思います。

 「歳をとったら、眠りが浅くなって朝が眠い…」

「太ってから妻にイビキがうるさいと言われる…」

「ときおり、自分のイビキで目が覚める…」

「春の朝は花粉症がつらいので嫌いです」

 

おや、春眠暁を覚えずどころでない方々がいらっしゃいますね。

最後の花粉症のお話はまた、別の機会を設けさせていただくとしまして、今回はイビキについてお話です。

どうしてイビキは出るの?

そもそもイビキってどうして寝ている時だけ鳴るの?

そもそも、どうして息をするだけで音がでるのでしょうか。
息を吐くだけで大きな音が出るなんて、まるでホイッスル(笛)のようですよね。

 

これはホイッスルの構造です。

ホイッスルの構造が分かる画像

画像:http://www.ekouhou.net/

 

 

 

 

マウスピースと書いてあるところが口をつけて息を吹き込むところです。
ここから息を吹き込んで、排気口から息が抜けていきます。

この排気口に細い羽根のようなパーツがあり、この細い羽根の部分に息が当たると風切り音が鳴ります。
奥の共鳴室でこの風切り音が共鳴して、大きな音が鳴るんですね。

 

さて、次はヒトの喉の構造です。

人の喉の構造が分かるかんたんな断面図

画像:https://kotobank.jp/

上顎の喉のすぐ近くには軟口蓋(なんこうがい)といい、その先端に口蓋垂(こうがいすい)が垂れ下がっています。

軟口蓋のお向かいには舌がありますね。

ホイッスルとちょっと構造が似ていませんか?

 

鼻の穴や口がマウスピース、口蓋垂がある部分が排気口の羽根、鼻の孔が共鳴室です。

なぜ起きているときにはイビキが出ないの?

起きているときは頭が直立していますから、下顎と舌は重力で下に引っ張られ、気道は広い状態です。
気道が広ければホイッスルの排気口のように風切り音が出る場所がなくなります。

 

一方、寝ている時は横になっていますから、下顎と舌は重力で下に引っ張られ、気道を押しつぶして塞いでしまいます(舌根沈下)。

舌根沈下で気道が舌で狭くなっている状態の図

 

 

 

 

 

 

 

舌根沈下により狭くなった気道と口蓋垂の部分がちょうどホイッスルの排気口のような形になって風切り音が出ます。
これがイビキの正体です。

イビキが悪化する要因は何?

 冒頭のお悩みに戻りましょう。

「歳をとったら、眠りが浅くなって朝が眠い…」

「太ってから妻にイビキがうるさいと言われる…」

「ときおり、自分のイビキで目が覚める…」

 

どうして、歳をとったり太ったりしたらイビキが出やすくなるのでしょう。

また、イビキが出ると眠りが浅くなるのでしょうか。

 舌は筋肉の塊

他の場所の筋肉と同じく、舌も加齢により筋力低下します。

すると重力に抵抗して同じ位置に留まる力が弱くなりますから、睡眠時の舌根沈下は大きくなります。
舌が大きく沈み込めば、その分気道が大きく圧迫されます。

 

また、太ると喉周りについた脂肪が物理的に気道を細くしてしまいますので、ちょっとの舌根沈下でも気道が強く圧迫されてしまうのです。

イビキが出るようになると、眠りが浅くなった

これはイビキが眠りを浅くするというより、気道が狭くなることによって睡眠時に十分な呼吸ができないことによることが多いです。
この状態が悪化したものが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」といって、寝ている間に十分に呼吸できないため眠りが極端に浅くなってしまう病気です。イビキはそうした病気のサインでもあるのです。

 まとめ

  • 寝ている時にいびきが出て、起きている時はいびきが出ないのは舌根沈下による
  • 舌は筋肉なので、加齢とともに筋力が衰え、舌根沈下しやすくなる
  • 太ると脂肪が気道を細くするので、少しの舌根沈下でも大きく気道を塞いでしまう
  • 気道が塞がれた状態は呼吸がしにくいので睡眠が浅くなる

いかがでしたでしょうか?

さて、次回は「イビキと睡眠時無呼吸症候群、そしてその改善法」をテーマにお送りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。