そもそもどうして親知らずを抜いた方が良いと言われることがあるの?

こんにちは、つぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。

今日は「生えてこなければいいのに~…」と言われる歯No.1、親知らずに関するお話です。
親知らずは別名「智歯(ちし)」とも言い、18~24歳ころに生えてくる3番目の奥歯です。

原始人にはちゃんと親知らずが生えていたのをご存知ですか?

親知らずは、原始人のころはちゃんと生えそろっていた人が多かったことがわかっています。
しかし時代と共にちゃんと生えなかったり、横を向いて生えてきたり、そもそも最初から作られなかったりするようになりました。

なぜ時代とともにちゃんと生えなくなったのでしょうか?

顎の大きさと親知らず

原始人は硬い生の食べ物をガリガリと食べていたので、幅広のしっかりした顎をしていました。
顎がしっかりしていたので、親知らずが生えるスペースがちゃんとありました。

しかし、人間が加熱調理をするようになってから、1000年単位のゆっくりしたペースで人類の顎は退化しました。
その結果、顎が小さくなり、親知らずが並ぶスペースが足りなくなってきてしまったのです。

顎がほっそりしていると親知らずが生えるスペースが足りなくなる?

歯は、先に生えてくる歯の方が良い位置を占めてしまいます。
よって、顎がほっそりした方は、最後に生えてくる親知らずの生えるスペースが足りなくなってしまいます。
スペースが足りないと上手く生えてこなかったり、歯が横を向いてしまったりします。

親知らずが横を向いて生えていると、どうして良くないの?

下の写真は、親知らずが横を向いている写真です。

親知らずが横向きにはえている写真

写真はご本人の許可を得た上で掲載しています。

左端の親知らずが、生えるスペースが足りないために横を向いてしまっています。

この患者さんはまだ十代で、親知らずの根っこが完成していません。
根っこがどんどんできていっても、手前の歯に引っかかっていますから、生えてくることはありません。

 

では、こういった親知らずを置いておくと、どんなリスクがあるでしょうか。

①手前の歯に虫歯を作ってしまう

親知らずが横向きにはえて横の歯が虫歯になっている写真

写真はご本人の許可を得た上で掲載しています。

これは本当に残念なことです。

横を向いている親知らずと、その手前の歯の間はお手入れが非常に難しく、虫歯にしてしまう方がとても多くいらっしゃいます。

しかも、手前の歯の歯茎より下の部分に虫歯ができることが少なくありません。
その場合、痛みが出るまで虫歯があると本人が気づかないばかりか、治療しても予後が悪いこともあります。

②下顎の前歯の歯並びが悪くなってしまう

これも全ての方がというわけではありませんが、特に女性では珍しくありません。

「若い時は歯並び悪くなかったのよ~。歳をとったら、なんだか前歯がガタガタになっちゃってね…」と年配の方がおっしゃっているのを耳にしたことはありませんか?

歯は常に、顔の真ん中に動こうとする性質があります。
例え歯茎の中に埋まっている歯でも、その性質は消えません。
ゆっくりと親知らずが手前の歯を押すために、奥歯が少しづつ手前にズレて、前歯の歯並びを悪くしてしまうことがあります。

③矯正治療の後、歯並びを逆戻りさせてしまう

これも②と同じ理由によります。
せっかく時間と費用をかけて歯並びを治したのに、十数年後に後戻り…は悲しいですよね。
矯正治療をなさる方の場合は、あらかじめ親知らずを抜くことをおススメしております。

抜かなくても良い親知らずの条件は?

  • まっすぐ生えていて、手前の歯に悪さをしていない
  • お手入れができている
  • 矯正治療の予定が無い

この条件を満たしている時は、親知らずを抜かねばならない理由がありません。

虫歯や歯周病にならないように、お手入れを続けていきましょう。

やっぱりMI!~時には守るために抜かねばならないこともある~

痛くならないかぎり、できれば抜きたくないのに、
歯医者で「抜きましょう」と言われることが多い、親知らず。

逆に言うと、ご本人に自覚はないけれど、抜かねばならない状態であることが少なくない歯とも言えます。

「親知らず以外の他の歯や歯並びを守るため」に抜く必要がある親知らずを抜くのも、また一つのMI(ミニマル・インターベーション=侵襲を最小限に留める治療の取り組み)の一つと言えるでしょう。

ご自身のお口の中の親知らずが抜いた方が良い状態かどうかが分からない、という場合はお気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • 生えるスペースが足りないと親知らずは真っすぐ生えてくることができない。
  • 他の歯や歯並びを守るために、親知らずを抜いた方が良いことある。
  • 自分の親知らずが抜いた方が良いかどうか分からない場合はご相談を!

最後までお読みいただきありがとうございました。