自治体による予防歯科の推進

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。

皆さん、「おとなの歯科健診」「歯科妊婦健診」をご存知ですか?

正確に言えば、
「歯科妊婦健診」という制度はなく、「おとなの歯科健診」の対象者が40歳、50歳、60歳、妊娠中の方、というだけなのですが、妊婦の方は産婦人科での妊婦健診が言い慣れておられるのと、母子手帳への記載などもあるので、特別に歯科妊婦健診と言うことが多いです。

どうして無料で歯科健診が受けられるの?

日本人の場合、40歳以上で歯を失う理由の大半が歯周病によるものと言われています。

他にも、歯周病は様々な病気を引き起こしたり悪化させたりすると言われています。
関連記事:歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気

中日新聞は2011年に、定期的に歯科医院で口腔ケアを受けているひとは全ての病気の医療費が少なくなるという報道しています。
関連記事:中日新聞の記事

自治体は保険者として医院での窓口負担以外の7割を医院に支払う組織ですから、歯科健診に行ってもらうことで医療費削減を期待しているんですね。

健康寿命を延ばす、その入り口が予防歯科

これは単に「市民が歯科健診に行けば、医療費が安くなって財政的に良い」というだけのお話ではなく、「歯科健診をきっかけに、糖尿病や脳血管障害といった重篤な病気になったり病気が悪化する確率を下げることで、市民の健康寿命(健康に暮らし働ける期間)が延びた上に医療費まで安くなる」という取り組みです。やらないなんてもったいですよね。

そういう訳で、全国の自治体で節目健診として歯科健診が無料で受けられるのです。

妊婦さんはどうして年齢を問わず、無料で歯科健診が受けられるの?

妊娠中は女性ホルモンの関係で歯周病菌が増えやすく、その結果歯周病になりやすいことが研究により分かっています。
また、歯周病を持つ妊婦さんの場合は、そうでない場合と比較して早産になってしまう確率が7.5倍も高いと言われています。

関連記事:妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由

最近では、歯周病菌の一種であるフゾバクテリウムが流産を起こすという症例も、わずかですが報告があるようです。

赤ちゃんのためにも妊婦さんは歯科健診をうけて、歯周病の予防と治療をした方が良いのです。
子供は社会の宝ですから、自治体がちゃんと制度で応援してくれているんですね。

妊活の一環として、歯科健診を受けることをおススメします

「おとなの歯科健診(検診)」の40歳、50歳、60歳の方と妊婦の方の違い…それは歯科健診の目的がご自身のためか、赤ちゃんのためかということですね。

節目健診で歯周病の指摘を受けた場合は、そこからじっくり治療していけば良いのですが、妊婦の方は「早産リスク」など赤ちゃんへの悪影響が既にある状態になっているわけです。

本当は、「赤ちゃんが出来る前、妊活中に歯周病が無いかチェックしておき、もし歯周病があれば早めに治療しておく」が理想的です。

「おとなの歯科健診(検診)」「歯科妊婦健診(検診)」の受け方

制度としての「おとなの歯科健診(検診)」は、40歳、50歳、60歳の方は岩国市から、がん検診と一緒に受診票が郵送されてきます。

妊婦の方は妊娠届け出時に受診表を渡されます。
どちらも、事前に任意の歯科医院(正確には「おとなの歯科健診実施医療機関一覧」に掲載されている歯科医院ですが、岩国の場合はほぼ全歯科医院が応じていると思います。)に電話予約を入れ、受診票を持って受診するだけ。

「おとなの歯科健診(検診)」では、レントゲン撮影が必要な精密な検査や、治療は含まれていませんので、もし治療した方が良い状態であれば別途で費用がかかります。
もし、引き続き治療が必要となった場合は、次回の予約は「再診」からになるので初診料と再診料の差額(600円程度)分、窓口の費用負担が軽くなります。

 

クリニックによって差はあるかと思いますが、当院では歯科衛生士による事前検査と歯科医師による検診で、約20分程度の所要時間です。
当院は完全予約制のため、受付からお帰りまで約30分となっています。
せっかく受診票が送られてきたら「痛いところが無いから」と捨ててしまわず、ぜひ使ってみてください。

まとめ

    • 40歳、50歳、60歳、妊娠中の方には市から「大人の歯科健診(検診)」の券がもらえる
    • 40歳以上の日本人の歯を失う原因のNO.1は歯周病
    • 歯周病は糖尿病、心臓病、脳血管障害を悪化させる可能性がある
    • 歯周病にかかっている妊婦の早産の確率は、健常者と比較して7.5倍という報告がある
    • 大人の歯科健診(検診)の券を使用すると、検診のみだと無料。
      その後、治療が必要な場合は初診料と再診料の差額分600円ほど安く受診することができる

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

院長ブログの目次はこちら