こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。

今回はH30年1月5日の朝日新聞デジタル版で報じられた、ちょっとホットな話題をご紹介します。

歯周病が認知症の症状を悪化させる仕組み

認知症の6割を占めるアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞の中にアミロイドβという「ゴミ」が溜まることでダメージを受け、このダメージの蓄積が認知症の症状につながると言われています。

今回の報道は、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、名古屋市立大学などの研究グループが、アルツハイマー病を持つマウスが歯周病により脳のアミロイドβ量が増え、認知能力も低下したというもの。

歯周病菌が直接アミロイドβを分泌するわけではなく、歯周病菌を攻撃するために体の免疫細胞がサイトカインというタンパク質を分泌し、これがアミロイドβを増やす原因になっていると予測されるようです。

歯周病の予防や治療で、アルツハイマー病の予防や進行抑制ができる!?

実は、今までも統計上

「歯が少ない、無い人は認知症の発症率が高い」
「歯を失くして入れ歯を使っていない人は認知症になりやすい」
「歯が無い人は転倒リスクが高い」
ということは知られていました。

  • 歯は膨大な情報を脳に送る感覚器官でもあり、歯がないことで脳に送られる情報が減ることによって認知症になりやすくなるのかも
  • 歯がないと転びやすくなるので、転んで骨折などを機に認知症になる人が多いもかも

などと予測されていました。

今回の研究では、新たに歯周病菌そのものがアルツハイマー型認知症の原因因子になっている可能性があるとのことです。
いずれにしても、生活習慣病である歯周病を予防することで、認知症の発症や進行をできるだけ少なくすることができるんですね。

他にも、「歯周病によって悪化する可能性が高い病気、なりやすくなる病気」には糖尿病、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、関節炎や腎炎などが知られています。
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これらの恐~い病気を、歯周病という「予防できる病気」が招いてしまったり、悪化させてしまうというだなんて…とても残念なことです。

「俺の若いころは誰もそんなの教えてくれなかったよ。歯周病になって歯を失くした後にそんなこと言われてもなぁ~…」

 

お気持ちは良く分かります。
昔は、歯周病と全身疾患の関係はあまりよく分かっていなかったとはいえ、歯を失くしてしまってから知ってしまうと、とても残念ですよね。

でも大丈夫。
歯周病は「管理できる」病気でもあります。

すでに失くしてしまった歯や、保存できないほど悪化した歯はやむを得ない場合は抜いて、入れ歯やブリッジなどで補う

関連記事:歯を失ってしまった後、どんな治療法があるの?

重度の歯周病は手術で治す、軽度~中等度の歯周病は毎日のセルフケアと定期的なブロフェッショナルケアで治す、自分が歯周病かどうか分からないときは自治体の無料検診でチェックする

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歯周病はいろんな方法で「治療」「管理」をすることができるのです。

歯周病は治療より予防の方が、重症より軽症の方が通院回数が少なくてすみ、費用も安い

重度の歯周病の治療法で「手術」と書きましたが、一般の方は「歯周病の治療のために手術する」と聞くと驚かれる方が多いです。
当院でも歯周ポケットが5~6㎜ある場合で、一般的な歯石取りをしてもあまり改善せず、かつ手術により大きな改善が期待できそうな場合は症例によりお勧めすることがあります。

しかし、患者さまによってはかなり勇気が必要な方もおられるようです。
歯周病が軽度であればあるほど、治療の痛みも少なく、通院回数も少なく、治療費用も安くなります。
どんな病気も「早期発見・早期治療」が一番良いということですね。

まとめ

いかがでしたか?

  • 歯周病により糖尿病、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、関節炎や腎炎など様々な病気が悪くなると言われている
  • 歯周病は「管理できる」病気である

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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