こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

季節も変わり、暑い日も増えてきましたね。
ジュースやアイスクリームに誘惑される季節ですが、気をつけてくださいね。

最近質問をお受けしたものの中に、以下のものがありました。

Q「うちの子は歯が弱いんです。気にしていない家庭もあるのにどうして?

私も歯が弱いので遺伝でしょうか?」

 

Aお答えとしては、一部は遺伝であり、一部は遺伝でないものがあります。

 

今回は歯の強さと遺伝というテーマでお話していきます。

 

具体的にどんなものがあるのか解説していきます。

遺伝するもの

1)歯の性質

実際に歯の性質が強い方は存在します。

しかし実際に診療室でお見かけするのは、親子で歯の弱い方で、その方たちのほうが遺伝要素が強いです。
エナメル質や象牙質の厚さや質、こういったものが遺伝しています。

2)噛み合わせ、歯並び、鼻炎などの体質

あごの大きさや歯の大きさは遺伝要素が強いため、結果的に歯並びやかみ合わせはかなり似てきます。
また、鼻炎などがあると、お口での呼吸(口呼吸)となり、口の中が乾燥しやすくなることで、虫歯にになりやすくなる原因となります。

3)唾液の性質

唾液の性質は年齢で変化していく部分が大きいのですが、遺伝も多少関係ありそうです。
唾液の量が少なく、さらに粘ついていると唾液の自浄作用(何もしなくても歯の清潔が保たれるという作用)が減り、虫歯になりやすくなります。

遺伝ではないもの(家庭環境によるもの)

1)生活環境

一緒に生活している以上、食べ物の好みや選択は、家庭によって大きく異なり、また家族で似てきます。

ご両親が飴などをよく食べる、間食が多い、お茶やお水でなくジュースが多い生活だと、お子さんも似てくる結果、虫歯が増えてきます。

小さいお子さんの場合だと、もともと生まれ持った歯が弱さより、良くない生活習慣によるものの方が、より口腔の状態を悪化させます。

2)虫歯菌の性質

虫歯菌は家族内で伝播する(伝わる)と言われています。

お子さんに伝わる約半分が母親から、20~30%が父親からと言われています。

菌の種類や組み合わせによっても、虫歯になりやすい部位などが変わっていくと言われています。

 

親子ですから似てくるものは多いのですが、環境の因子が多く、ある程度自分でコントロールできます。

 

その証拠に、オーストラリアでは、先住民族のアボリジニの方々は砂糖の無い、原始的な生活をしている時代はほぼ虫歯がありませんでした。

しかし、西洋式生活と砂糖の入った食生活になってからは、虫歯が非常に増えたという歴史があります。

つまり、遺伝よりも環境の方が虫歯への影響力が大きいということですね。

 

以上の理由から、

絶対に虫歯にならないとは言い切れませんが、虫歯になりにくい環境を作ることができます。

ご自分やお子さんのリスクを把握しながら、そういった生活を目指していくことをおススメします。

まとめ

いかがでしたか?

  • 遺伝するものには、歯の性質、噛み合わせ、歯並び、鼻炎などの体質、唾液の性質などがある。
  • 遺伝しないが、家族間で似てくるものには、生活環境、虫歯菌の性質などがあげられる。
  • 虫歯への影響は、遺伝よりも環境の因子が強い。
  • 従って自分のリスクを把握できれば、虫歯にならない生活を逆算できるので、それを目指しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。