こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。

今日は、母乳と虫歯の関係についてお話したいと思います。

卒乳が遅いと虫歯が多いことは疫学的には明らかであるとされています。

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母乳で虫歯になるの?

ちなみに、母乳単独では虫歯にならないことが分かっています。

虫歯というのは、口の中の細菌が「糖を分解して酸を作る」ことで、歯が溶ける現象です。

母乳には、乳糖という糖の一種が含まれていて、口の中の細菌の作用によって、歯を溶かす材料となります。
しかし、母乳に含まれている乳糖のみの場合は、濃度が低いために虫歯にはならないのです。

離乳食と母乳、両方を口にするようになると、虫歯のリスクが上がってしまいます。
よって、離乳食が始まったら食生活管理が大事になります。

子どもが1歳半を超えているけど、まだ卒乳できていない…

「1歳半を超えているけど、まだ卒乳できていない!どうしよう…。」という方もいらっしゃるかもしれません。

できるだけ早く卒乳に向かってチャレンジすることが、虫歯リスクを小さくすることは言うまでもありませんが、「食生活管理」のポイントを覚えていくことも重要です。

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食生活管理のポイント 夜間授乳

子どもが夜泣きするので、夜間授乳がやめられない

母乳と虫歯の関係性としては、不規則な授乳や夜間授乳が不規則な食生活に結び付きやすく、それにともなって虫歯を作ってしまうのではと言われています。

特に、夜間授乳は非常に虫歯リスクが高いことで知られています。

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「でも、夜泣きがすごくて、そうも言っていられないんです」というお母さん。

わかります。現実問題として、すごく大変ですよね。

でも、いつかは卒乳しなければいけませんし、卒乳が遅れると虫歯になりやすくなります。
低年齢での虫歯治療は、泣いて暴れるのを抑えての治療になってしまいがちです。

また、泣いて暴れるお子さんの治療を行う場合、安全に治療するために介助スタッフが大勢必要となるため、大学病院をはじめ、多くの歯科医院で順番待ちがおきています。
当院も含め、3か月待ちというケースも少なくないのが現状です。

…それではかえって可哀そうですよね?

しかも4歳以下で虫歯になってしまったら、その後永久歯に全て生え変わっても、生涯虫歯リスクは(虫歯を低年齢で作らなかった人と比べて)高いままになってしまうと言われています。

「今日、いますぐ卒乳が難しい」と思われても、1歳を越えたら卒乳に向けて準備を始めていただくことをおススメします。

卒乳がまだだけど、離乳食が始まっている…どうしたらいいの?

では、卒乳が出来ていないけれど離乳食が始まったという時期は、どうすればよいでしょうか?

結論から言うと、歯を強くする、虫歯ができにくい環境をつくっていくことが必要です。

具体的には、フッ素の応用、虫歯の直接的原因となる砂糖の摂り方に注意するのが良いのではないかと思います。

母乳と虫歯の関係以外に、乳児期に注意しないといけないこと

離乳期は虫歯以外にも、舌の使い方が変わっていくことで、飲み込み方を学習していくとても重要な時期です。

おっぱいを飲むことと、固形物を食べることでは、舌の使い方が異なるからです。

赤ちゃんがおっぱいを飲む時、舌の動きとしては前後方向の動きが主体となり、舌の位置も口の中で低い位置にあります。
この飲み込み方を「幼児型嚥下」と言います。

赤ちゃんが離乳食を食べるようになると、舌を上顎に押し付けて飲み込む「成人型嚥下」を始めます。

しかし、乳児期~離乳期にかけて「正しい呼吸と嚥下」を獲得できず、「幼児型嚥下」がいつまでも残ってしまうことがあります。
幼児型嚥下が長く続くと、出っ歯になってしまいやすくなると言われています。

舌の使い方は、歯並びにも影響を及ぼしてしまうこともあるんです。

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舌の使い方や、指しゃぶり、ぽかんとあいた口、…こうした「お口の悪い癖」は、一度身に付けてしまうとトレーニングしないとなかなか取り除けない、歯並びの難敵です。

卒乳しても、飲み込む時に舌を前に突き出してゴックンしていると気づかれたら、年齢に合わせた、「呼吸と嚥下を正常にする」トレーニングがあります。不安な方やご興味のある方は歯科医院でご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 母乳だけ飲んでいる時は虫歯になりにくいが、離乳食が始まったら要注意
  • 卒乳は1歳半までをめざした方が良い
  • 夜間授乳は虫歯をつくりやすい
  • 虫歯だけでなく、卒乳時期は歯並びにも影響を及ぼすことがある

最後までお読みいただき、ありがとうございました。