こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

朝晩はもはや寒い感じになり、秋も深まってきておりますね。季節の変わり目は風邪などを引きやすく、今年はインフルエンザが早めに流行しているらしいので、注意しましょう。

 最近気になった患者さんの相談に、お口がポカンとよく空いている、前歯が噛めていないというものがありました。実際にお口をみると前歯が噛めていない状態で、舌がチロチロと見え、いわゆる開咬(かいこう)といわれるものでした。最近よく相談を受ける不正咬合の一つでもありますので、今回はその原因と対策についてお話していきます。

1)開咬(かいこう)の原因は?

 開咬の原因は大きく2つに分けられ、指、爪、ものしゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、口呼吸、舌小帯(舌の下の筋)の付着が原因となって、舌が低位になることにより生ずる『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがあります。その両方が並行して起きている場合もよくあります。

2)指しゃぶり、ものしゃぶりの場合

 指しゃぶり、ものしゃぶりは不安や緊張を和らげる心理作用があると言われ、1歳半から2歳ぐらいまではある程度しょうがないものです。ただ、3歳以上ではその後の歯並びに影響するといわれておりますので、そのあたりまでには中止できるようにしましょう。

指しゃぶり、ものしゃぶりの対策とは?

 対策としては、ある程度周囲の話が分かるようになったら話して聞かし、眠い時に指が入るのであれば、手をつないで眠るとか、手にテーピングしたり、ミトンをはめたりして、物理的に入れにくくするなどの地道な対策が有効です。ただ、心理的な面の影響も強いので、その子の性格や発達状態によっては、スムーズに中止するのが難しい場合もあります。おしゃぶりは指よりも柔らかいので、影響はやや少なめにはなりますが、お勧めはできない習慣です。

3)舌癖の場合

 上下の歯の間に舌を押し付けるような習慣を舌癖と言います。本来の正しい舌の位置は上顎の前歯の後ろから、口蓋(口の天井)に舌全体を軽く押し付けているのが正しい姿勢です(したはうえに(舌は上に)!)。その位置にないと、舌の姿勢が悪いということになります。その結果、歯並びに影響したり、発音(サ行、タ行)の発音がおかしくなる場合があります(例:サクラがさいた→タクラガタイタに聞こえる)。

舌癖の原因とは?

 原因としては、指しゃぶりなどの残存、卒乳の遅れ、舌小帯が強いこと、口呼吸などがあります。指しゃぶりは(2)で説明した通りです。母乳の摂取は舌を使って搾り取る、幼児嚥下の典型ですので、2歳以降では悪影響の面が強くなります。

 口呼吸は、舌小帯が強いことと表裏の関係です。呼吸に用いる筋肉、つまりは舌を含めた口周囲の筋肉が発達していないことによって生じます。筋肉ですので、トレーニング次第によっては発達する可能性もありますが(したはうえに(舌は上に)!)、一度も経験していないところに、舌を意識的に持っていくのは難しいと思います。

ある程度、矯正器具を用いることも必要ですし、呼吸筋のトレーニングのために、お口にテープなどを軽く張って、鼻呼吸を意識させることも効果的です。
また、舌や上唇の小帯が強そうな場合は、付着部分を少し切除し、筋トレを頑張ることが結果的には最も効果的です。

いずれにしても、お口の状態はいろいろと診査してみないとわかりません。そのうえで、メニューや矯正装置を選択しますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 開咬(かいこう)の原因は指しゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがある。また、両方併発している場合も多い。
  • 指しゃぶりなどの場合は、3歳ぐらいまでに中止できたら、影響は少なめであると言われている。
  • 舌癖の場合は、原因を追究したうえで、その改善と舌の姿勢の改善(お口の筋トレ)の併用が重要。

具体的にお子さまの状態などが気になる、という保護者の方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。