こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
「アマルガム」って聞いたことがあるでしょうか?

アマルガムとは?

水銀が50%程度、他にも銀、銅、亜鉛、スズなどの金属が原料。
粉末にした金属を水銀で練って使う。水銀の有害性から、現在ではほぼ使われていません。

現在、あらゆる詰め物は「接着」「合着」のどちらかで歯にひっつくようにされています。
接着と合着については、院長が前に記事を書いていましたので、よろしければ読んでみてくださいね。(参考リンク:https://tsuboidental.com/2017/01/05/incho-26/

このアマルガムは、接着や合着の技術が登場するさらに前、なんと1826年から使われていたと言われています。歯にくっつく作用が無いのに、どうして歯の穴を埋めることができるかと言うと、固まるときに膨張するアマルガムの性質を用いるんです。

穴を内開き(アンダーカットがある形)に削って、ペースト状のアマルガムを詰めると、時間が経って固まるときにアマルガムが膨張して、外れなくなる、という仕組みです。

今でも大学の講義でアマルガムは習うはずですし、僕も学生時代には虫歯を削った後にアマルガムを詰めるための穴の削り方も習いました(実はアマルガムに限らず、被せものなど、材料によって歯の削り方が違うんですよ)。

しかし、実際の治療としては、一度もアマルガムを触ったことがありません。
というのも当時から水銀が有害であるのはよく知られていましたし、コンポジットレジンという歯科用プラスチックに置き換わっていたからでした。
とはいえ実際のところ、平成28年までは保険が効く治療法であったようです。

最近の治療ではないにせよ、いまだにお口の中にアマルガムが入っているのをよく目にします。
水銀の有毒性がクローズアップされるまでは、安価で手軽な治療法として重宝された歴史があるからでしょうね。

アマルガムの有毒性

水銀が体に良くないことは、おそらく多くの方にとって周知のことでしょう。

アマルガムも、50%水銀化合物であること、そして強度が低く劣化しやすいことから、アレルギーや神経症状の原因となることがあります。

実際、医科からの依頼でお口の中の金属を全てやりかえることもあります。
金属アレルギーはアマルガムだけではなく、歯科用のいわゆる銀歯(金銀パラジウム合金)でも起こることがあるのですが、アマルガムは特にアレルギーを起こしやすいことで知られています。

お口の中ってけっこう過酷な環境です。

熱いものや冷たいもの、酸や水に常にさらされ、奥歯にはその人の体重と同じくらいの負荷がかかります。また、メチルメルカプタンなどの金属を腐食させるガスを出す細菌も棲んでいます。


アマルガムも、他の金属も、そう言った作用で腐食していくのです…。
腐食して、端っこから欠けていったり、溶けたり、錆びたり、金属イオンを萌出して歯や歯茎に刺青のように色を移したり。もちろん、その結果、虫歯になってしまうことも非常に多いのです。

ホワイトニングなどの薬剤でも溶けるので、ホワイトニングの前にはアマルガムのやりかえはやったほうがいいのかもしれませんね。

アマルガムで修復された部位が多いほど血中水銀量が増加すると言われています。
血中の水銀は、母乳にも移行してしまいますから、授乳中のお母さんのお口にアマルガムがあると、赤ちゃんまで水銀にさらされてしまうわけです。

アマルガムは虫歯になっても、勝手に外れてくれない

アマルガムは、アンダーカットに嵌め込まれた形で歯にひっかかっているので、下に虫歯が出来ても簡単に外れてくれません。
傷んできていても、ご本人は分からないことがほとんどです。
もっと言えば、ご自身の口の中に水銀化合物が入っているとご存知でない方も、とても多いです。
アマルガムの見た目は銀色ですから、「銀の詰め物」と思っておられるんですね。

アマルガムだけということでもないのですが、修復物にはやりかえの時期がきます。
端っこが欠けてきたり、色が変わってきたり、劣化してきているようだったらやりかえるのをお勧めしますよ。

定期検診の時にもチェックしますし、気になるようならいつでもご相談くださいね。

まとめ

  • アマルガムは50%水銀化合物で、今はほぼ使われなくなった歯科用金属です。
  • まだ多くの方の口腔に、アマルガムが残っている現状です。
  • アマルガムは、アレルギー、神経症状などの原因となることがあります。
  • 定期的に歯科医院でチェックを受けて、傷んだ詰め物はやり替えるようにしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。