こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

 いやはや、新型コロナウイルスのせいで前回に引き続き世間では大変な状況が続いています。その中で、最近の話題の一つとして新型コロナウイルスと味覚障害がクローズアップされています。

味覚障害は歯科とも関係があるので、少し調べてみることにしました。

結論から言うと、新型コロナウイルスと味覚障害の詳細なメカニズムはまだ明らかでなく、経験的によく見出される症状の一つのようです。

コロナに関してはフェイクニュースを言うわけにはいかないので、今回は、一般的な味覚と味覚障害についてお話していきます。

味覚と味覚の発達について

味覚は「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の5味があり、舌表面に存在する味蕾と呼ばれる感覚器で感じ取ります。

小児歯科的に解説すると、これらは生後3か月ぐらいから10歳ぐらいの間に徐々に分化していく事がわかっています。

甘みは炭水化物を、旨味はタンパク質を、塩味はミネラルを感じとり、「おいしい」と感じるようにできているんです。

一方、酸味は傷んだ食品の可能性を、苦みは毒物の可能性を感じさせるので、小児の場合は不快な味としているようです。

お子さんの発達のためには、いろんな味の経験をさせるのが大事です。
本人の発達に合わせて無理なく見守りましょう。

味覚障害の原因

 日本耳鼻咽喉科学会の報告によりますと、近年味覚障害の人は増加傾向にあり、日本で40万人程度いると言われています。

ざっくりいうと300人に1人ぐらいの比率です。

味覚障害の主な原因

味覚障害は以下のもの等が原因で起こります。

  • 加齢
  • 亜鉛の不足
    亜鉛には味を感じる細胞の再生を促す作用があります。
  • 口腔疾患
    口腔内が乾燥することなどによって、味覚障害が出ることも
  • 鼻づまりやアレルギー性鼻炎
    風味障害が起こることも
  • 糖尿病や腎臓・消化器などのさまざまな病気の合併症
  • 薬の副作用
  • ストレスによる「心因性」

亜鉛の不足

 亜鉛による味覚障害は比較的頻度が高いです。
薬物による副作用の味覚障害の改善に、亜鉛が使われることもあります。

 舌表面の味蕾は10日前後で新しく代謝するのですが、その過程で必須なのが亜鉛です。亜鉛が不足すると感覚器自体が少なくなってしまします

口腔乾燥

 もう一つ多いのが口腔乾燥です。

口が乾燥すると、舌の表面がめくれるようにつるつるになってしまったり、
逆に舌表面が苔むしたようになる舌苔がついた状態になってしまいます。

よく言われていることで、薬剤の中には唾液を減少させてしまうものも多く、内臓の調子や、体調の悪化に伴ってダブルで味覚に影響してしまいます。

加齢

加齢は味蕾の代謝と口腔乾燥に影響するので、やはり大きな原因因子です。虫歯や歯周病も原因因子に挙げられますので、健康なうちに治療しておきましょう。

ストレスによる心因性、さまざまな病気の合併症

ストレスによっても亜鉛は大量に消費されてしまいます。
味覚の刺激によって脳内快楽物質であるドーパミンが分泌されます。
おいしいものを食べると、幸せを感じるようにできているんですね。

一方で、心や神経の病気でドーパミンを十分に出せない状態になると、味覚に影響が出てしまうこともあります。

また、今回のコロナもそれに入るのかはよくわかりませんが、病気の一症状として味覚障害が発生することがあります。
そして、単に舌の火傷程度でも味覚が感じにくくなる場合もあります。

人間の体は食べているものでできており、味覚はQOL(生活の質)に大きくかかわります。

コロナウイルスも心配ですが、症状を見極めたうえでおいしく食べて、ウイルスに負けない体を維持しましょう。

まとめ

いかがですか?

  • 味覚は「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の5味があり、舌表面に存在する味蕾と呼ばれる感覚器で感じ取ります。
  • 近年味覚障害の人は増加傾向にあり、主な原因は、「加齢」「亜鉛の不足」「口腔乾燥」「薬の副作用」、ストレスによる「心因性」などが挙げられています。
  • 原因が相互に関連しあっている場合も多くあります。
  • 今回のコロナウイルスのように、病気の一症状で報告される場合もあります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。