歯周病と妊娠について

こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
新型コロナも5月ごろと比較すると落ち着いてきた印象ですね。
最近になってやっと妊婦健診に来院される方が、コロナ禍が来る前と同じくらいになりました。
当院も、いっそう気を引き締めて安全な歯科医療の提供を続けていきたいと思います!
さて、今日は妊婦健診と妊婦さん、そして歯周病の話題です。

妊婦健診で、歯科の検査項目があるのは何故?

歯周病はいろいろと全身的に影響を及ぼすということが明らかとなってきています。

参考リンク:

歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気

特に今回は妊娠と歯周病との関係について考えてみようと思います。

妊娠すると、歯肉炎といって歯ぐきが腫れやすくなります。
これを妊娠性歯肉炎と言います。

妊娠が歯周病を悪化させるワケ

歯肉炎の状態が進む(悪化する)と歯周病と呼ばれる状態へと移行していきます。
これは原因として妊娠によってホルモンバランスが変化することによって起こるようです。
女性ホルモンであるエストロゲン(聞いたことあるのでは?)やプロゲステロンなどの影響によります。

エストロゲンは歯周病細菌の増殖を引き起こすホルモンです。
そしてプロゲステロンは炎症作用と関係のあるホルモンであります。
これらのホルモンは妊娠時に増えていきます。

妊娠後期には、月経時の10~30倍にもなったりします。
ですので、妊娠後期にかけて歯肉炎が悪化することがあるようです。

そうはいっても歯肉炎の直接の原因は歯周病菌であり、お口の中に歯周病菌が少ない状態(きれいに歯磨きが出来ている状態)ですと、歯肉炎も起こらないか、軽度で済みます。

お母さんの歯周病と、お腹の赤ちゃんの関係

お母さんが歯周病になっていると、低体重児の出産、早産のリスクが高まります。

特に早産については、歯周病のお母さんはそうでないお母さんの7.5倍もリスクが高くなってしまうと言われています。7.5倍というと、ちょっとギョッとする数字ですよね。

歯周病というのは、細菌が歯の周りに存在し、細菌が血中に供給されている状態であると言えます。
さらには、血流に乗り胎盤をも通過し胎児に感染するのではないかと考えられているようです。

歯周病により炎症が広がると、炎症な関連してプロスタグランジンという物質が作られます。
プロスタグランジンという物質は、通常、出産が近くなると分泌され、それがきっかけとなり子宮の収縮が起こり陣痛、出産へとつながっていきます。

娠中のリスクファクターと言えば、喫煙、アルコールなどがあげられますが、歯周病の危険度はそれらをはるかに凌ぎます。

こうした理由から、赤ちゃんとお母さんの健康のために妊婦健診に歯科健診が含まれているんですね。

妊婦健診を活用しましょう!

妊娠に対して、歯周病が大きなリスクであることは明らかであると思います。
もちろん、まずは歯周病にならないことが重要です。
歯の周りの汚れ、歯石などをキレイに取り除くことが基本となります。

とはいえ、歯科医師や歯科衛生士でさえ、セルフケアだけで歯石がつくことを完全に防ぐことはできません。
セルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアの両方をうまく活用して防ぐのがベストだと思います。

妊婦さんに対して、妊婦健診の案内もあるかと思います。
歯科をしっかりと活用して、不必要なリスクを減らしましょう!

まとめ

いかがでしたか?

  • 妊娠すると「妊娠性歯周炎」になりやすい
  • 妊娠性歯周炎はホルモンバランスの変化によって起きる
  • 妊婦健診を活用しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。