こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

 かなり秋も深くなってきました。今年は昨年の暖冬とは異なり、寒い日も多くなるようです。コロナ対策のおかげで、インフルエンザの流行が小さいといううわさもありますが、いずれにしてもいつもの冬とは違います。気持ちを切らさずやっていけるといいですね。

つぼい歯科クリニックでは、治療計画を立てたり、患者さんへのご説明のために、口腔内カメラをよく使っています。
実際、写真に残すといろいろなものが見えてきて、皆さん改めて口の状態に関心を持たれます。
最近患者さんから、健診の時にプラークの成り立ちや色などについて聞かれることがありました。
虫歯や歯周病は生活習慣病な面があるので、日々の生活が変われば、プラークの状態は変化していきます。今回はプラークとプラークの成り立ちについて説明しようと思います。

実は僕は大学院生時代に虫歯の原因菌やプラークを中心に研究しておりました。気をつけますが、今回は少しマニアックになるかも。。

 1)口と大腸、細菌数が多いのはどっち?

大人の人で300~700種類、よく磨けている人の口の中には1000億~2000億個、あまり磨かない人、磨けていない人には4000億~6000億個、ほとんど磨かない人には1兆個もの細菌がいるとされています。一方、大腸には1gあたり100万個ほどの菌しか存在しておりません。

 種類が異なるので、一概に比較はできませんが、お口の方が圧倒的に多いです。また、口腔内のほうが、砂糖の量などの食べ物の内容によって、プラークが増加しやすいなど環境の影響が表れやすいという特徴があります。

 2)口の細菌がインフルエンザや新型コロナウイルスを重症化させる!?

 プラークに含まれる菌を善玉菌と悪玉菌に分けるのは、人間の都合でしかないのですが、歯の表面にまず付着するのはいわゆる善玉菌です。その善玉菌を足掛かりにして、次々に菌が接着していきます。それらの菌は糖分を材料にして菌体外多糖という、のり状物質を産生し、プラークの内部がいわゆる酸欠状態になります。

 酸欠状態になって最も活性化するのが、歯周病原因菌やう蝕原因菌です。そしてさらに増殖することにより、菌数と病原性が強くなっていきます。

 病原性が強い菌の塊はそれだけで危険です。菌の塊が体内に入ると発熱等体調悪化の原因となる可能性が高まり、インフルエンザ等の罹患率も高めていると言われています。きちんとしたデータはなだないですが、コロナウイルスでも同様だと言われています。

 3)プラーク(歯垢)を落とすには?

 とにもかくにも人間にとって悪影響を及ぼすプラークの破壊しかありません。病原性が低いうちは破壊も簡単なので、歯磨き程度でどうにかなります。
しかし固く固着したものは丁寧にはがしていく必要があります。
これが皆さんのイメージする歯科医院でのクリーニングです。

僕は大学時代に、子供に多いオレンジ色のプラークの組成を調べたことがあります。
オレンジ色のプラークの下は脱灰(虫歯になりかけ)していることが多く、少し厄介です。
ただ、調べてみると、そこに存在している菌はあまり病原性の強くないS.sanguinisと言われる常在菌が多かったです。
虫歯になる人は、歯質にもよりますが、ここからさらにねっとりした感じの白いプラークが多くなります。

一方、黒い色素状のプラークがつく人もいます。
目立つのでよく質問を受けますが、砂糖との関連はないようで、どうも病原性もあまりない様です。
しかし、ある程度歯周病が心配な年齢(40歳以上くらい)になってくると、歯肉の中から黒い塊となった歯石が取れてきます。
タバコを吸っておられる場合、特に付着が多いです。
こちらは色合いや雰囲気も凶悪な感じですし、実際病原性の強い歯周病細菌が多くおります。

 いずれにしても、敵(プラーク)を知り、また自分の歯の性質などの状態を知ることが個々人の対策を考える上で最も重要です。
歯科医院では、その方の口の状態に合わせたケアの方法、使う薬剤、歯周病の重症化予防処置の間隔などもお伝えしております。
お気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 口腔内には、大人の人で300~700種類、よく磨けている人の口の中でも1000億~2000億個、ほとんど磨かない人には1兆個もの細菌がいます。
  • プラークはいわゆる善玉菌の歯への付着に始まり、時間および環境の悪化によって菌数や病原性が強くなっていきます。病原性が強い菌の塊はそれだけで危険です。
  • プラークのリスクに応じた予防が重要で、その対策方法(薬剤、来院期間)も異なってきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。