こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
再び新型コロナの波が大きくなってきてしまいましたね。

資料を見ると、コロナについてもインフルエンザ同様、1日3回~4回歯磨きすると、感染予防になるようです。新しい生活様式の一つに歯磨きも入れていきましょう。

お子さんの定期健診の時に、滑舌などのしゃべる機能について質問を受けることがあります。今回は滑舌をテーマにお話していきます。


人間は赤ちゃんの時はみんな上手にしゃべれませんが、大きくなっていくにしたがって、上手にしゃべれるようになっていきます。
当然、その程度には個人差があります。中には滑舌トレーニングによって、発達を手助けしてあげた方がいい場合もあります。

1)上手にしゃべるってどういうこと?

上手にしゃべるということは、以下の定義ができます。

  • 『あいうえお、あかさたな』とひとつひとつの音がはっきりしていて、一定のテンポを保ちながら発音ができる
  • 言葉がつまる、噛んでしまうことがない

歯科で判断できるのは、特に発音についてです。
歯科では特に『さしすせそ、たちつてと』が気になります。
この2行の音については、舌がお口の中の正しいスタート場所(スポット、と言います)にあり、上手に舌を動かさないときれいに聞こえません。

口で呼吸する癖があったりすると、舌の筋肉が鍛えられず、この「スポット」に舌を当てることが難しくなってしまうことがあります。
すると、滑舌が悪くなってしまうのです。

こうした場合は、トレーニングによって舌の動きを改善してあげる必要があります。

2)舌の正しい動きとは?

舌の正しい動きはまずスタートポイント(スポット)に舌があることから始まります。

そもそも歯は、舌と唇に押されて、バランスが取れる位置に並びます。

舌の位置が正しい位置にないと歯は前に溢れだします。
骨格の影響もかなりありますが、前に歯が溢れだすと出っ歯さんや開咬(口を閉じても前歯が上下で当たらない咬み合わせ)になり、
舌がやや下よりに押し出すと受け口さんになります。

3)お口のトレーニングで鍛えたらどうなる?逆に、鍛えないとどうなるの?

牛タンなどを食べたことがある人なら良くわかると思いますが、舌は細かな、柔らかめの筋肉の集合体です。

舌のトレーニングとは、舌の筋トレです。

筋トレには筋力をつける(強い力を出せるようにする)ことと、機能を向上させる(動きを良くする)両面がありますが、舌、口周囲ではトレーニングすると機能がまず向上します。
また、機能が一定以上のレベルに達すると、舌や口の周りの筋力のバランスが取れて舌、口の周囲が「キュ!」とコンパクトにまとまります。

一方、筋力が足りない場合は、他の体のパーツでもそうですが、弱い一部分が大きく変形していきます。これが歯列不正の主たる原因です。

口輪筋(こうりんきん)という、口を閉じる筋肉の力が弱ければ、歯は前に飛び出て出っ歯さんとなってしまいます。
また、噛む筋肉が弱ければ、開咬(かいこう)といって、口を閉じても前歯が咬まない(奥歯しか咬めない状態)になってしまうのです。

参考リンク 歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて

歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて

4)口と口の周囲の筋トレをしようと決意しました!まずできることは?

簡単にできるトレーニングは3つです。

  1. 『イー、ウー』音を繰り替えすような体操
  2. 大きめなボタンを唇で挟み唇を鍛えるボタンプル
  3. 割りばしなどを噛んで大きく発音する割りばしトレーニングなど

人間は縄文時代には、1回の食事で4000回噛んでいました。
しかし現代では、1回の食事あたり噛む回数は600回程度と劇的に減少しています。

噛む回数の減少が、このような筋肉や機能の減退をひきおこし、様々なトラブルを起こしているのは間違いないです。
よく噛むこと、筋肉をトレーニングすることを意識していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

  • 上手にしゃべるということは、ひとつひとつの音がしっかり一定のテンポを保ちながら発音ができること、言葉がつまる、噛んでしまうことがない、と定義できます。歯科で判断できるのは、特に発音についてです。
  • 舌の正しい動きはまずスタートポイントに舌があることから始まります。舌もしくは口周囲の筋がバランスよくないと、不正咬合が生じます。
  • 現代になって食事の時の噛む回数が劇的に減少したことが、こういった不正咬合を引き起こしています。噛むことだけでなく、口周囲の筋肉をトレーニングすることも意識しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。