こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。

コロナの第5波、急速に終息の雰囲気ですね。
よかったなあと心の底から思う反面、子ども達を取り巻く環境に、コロナ禍のひずみが顕在化してきているようですね。
昨年度よりも不登校や自殺が増えているという報道も見聞きします。
長い休み明けによく出る話題ですが、大変難しい問題です。

「(子どもの)指しゃぶりがやめられません」という保護者の方からの相談が最近増えています。

今回は指しゃぶりをテーマにお話していきます。

指しゃぶりすべてが悪いわけではない

指しゃぶりは低年齢の時期は正常な発達過程の一つの行為です。
しかし、ある時期からはやめてほしい問題行動として捉えられます。

子供の成長発達と指しゃぶり

乳児期(1歳まで)

日本小児歯科学会の見解では、乳児期(1歳まで)の指しゃぶりは、乳児期の発達過程における生理的な行為とされています。

幼児期前半(1歳~2歳)

幼児期前半(1歳~2歳)からは、遊びの過程で指しゃぶりは減少していきます。
眠い時や退屈な時だけで指しゃぶりを行うのであれば、発達によって自然と減少していきます。

幼児期後半(3歳~就学前)

幼児期後期(3歳~就学前)からは、社会性の発達と共に、指しゃぶりなどの悪習癖は減少していく可能性が高いと言われています。

しかしながら頻繁な指しゃぶりの場合、3歳以降からは、噛み合わせや咬合などの口の形に影響を及ぼす可能性が高まり、上顎前突や開咬(前歯がかみ合わない)になると言われています。

問題行動となる指しゃぶり

就学以降にも継続している場合は、指しゃぶりなどは問題行動とされます。
原因追究などにおいて、心理学的な面からのアプローチが重要になります。

指しゃぶりをやめさせるには?

幼児期後期からの、やめたいけどやめられない程度の習癖の場合、おすすめなのは指しゃぶり以外に別のおもちゃなどに興味を持たせることです。

保護者の方におススメしている方法

  • 手遊び歌などのスキンシップを多めにし、眠たくなったら手を握って眠るまで待つこと
  • 手に絆創膏など違和感強めのものを張っておき、手を口に入れたら気付かせること

また幼児期後期には、兄弟姉妹ができて環境が変わり、赤ちゃん返りと共に一時的に頻度が上がってしまう場合があります。
気持ちの落ち着きとともに頻度が下がっていく場合が多いです。
しばらくはおおらかな気持ちで見守っていくことが大事です。

影響が大きな場合の歯科的・心理学的アプローチとは?

歯並びに指しゃぶりが悪影響を与えている場合

指しゃぶりの力が強いと、歯並び矯正で器具が歯や顎にかける力よりも、強い力が顎にかかります。
そこで歯並び矯正を開始するためには、指しゃぶりの癖を止めていること、もしくは止めたいと思っていることが重要になります。

お子さま本人が、例えば「保護者の方の注目を集めたいために指しゃぶりを行う」などの心理が原因なら、やみくもに叱っても指しゃぶりの癖はやめられません。
ある程度の年齢のお子さんの場合、「なぜ指しゃぶりをしてしまうのか」そして「どうなったら指しゃぶりを止めたいと思えるのか」という点について心理学的に追究しないと効果が低いです。

指しゃぶりが収まってきた場合、開咬(かいこう)であればタンクリブと言われる、咬合関係に舌や指が入らないようにする装置が有効です。

開咬(かいこう)

また前突(ぜんとつ)に関しては、歯列幅の拡大と、ブラケットを用いた矯正が有効である場合が多いです。
(抜歯を伴う、伴わないなど状態の診断も必要となります)

前突(ぜんとつ)

指しゃぶりについてご心配な方は、お気軽にご相談下さい。

まとめ

いかがでしたか?

  • 指しゃぶりは1-2歳児では発達に伴う生理的な行為とされますが、3歳以降はなるべく、就学以降(6歳以降)はやめるべき習癖とされています。
  • 癖(習癖)をやめるには、本人の自覚、そしてやめるという決心が大事です。必要に応じて、原因追及や行動変容のために、心理学的なアプローチを行います。
  • ある程度習癖が落ち着けば、タンクリブ、拡大装置、ブラケットなどを組み合わせた矯正治療が適応となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。