
はい、あります。「ノンクラスプデンチャー」「ミラクルデンチャー」などがこれにあたります。
「ノンクラスプデンチャー」は金属のバネの代わりに柔軟性のある樹脂のバネを歯にひっかけます。
「ミラクルデンチャー」は入れ歯の着脱方向を工夫した入れ歯で、金属のバネを使わずにピッタリと歯に収まる、コンパクトな入れ歯です。
ただし、入れ歯の大きさや設計によっては、金属パーツが一部あった方が安定性は高くなることも多いため、個別にご相談ください。
入れ歯に慣れるまで、人によっては時間がかかることがあります。最初はクルミ程度の硬さのものから始めて、慣れるにしたがって段階的に通常食に近づけていきましょう。1~3カ月後には、ほとんどの食品が食べられるようになっていることが多いです。
ただし、極端に硬い食品(煎餅、アタリメなど)や粘着性食品(餅、キャラメルなど)は慣れた後も入れ歯ではなかなか食べにくいことが多く、避けた方がよいでしょう。
新しい入れ歯を作った後、粘膜の薄い部分は入れ歯が強く当たると感じることがあります。基本的には、入れ歯が強く当たって痛い部分は歯科医院で調整してもらいましょう。
クッションタイプの義歯安定剤を用いると楽になりますが、歯があった部分の骨(顎堤)の吸収が進んでしまうことが多いため、避けた方が良いです。クッションタイプの義歯安定剤は「急場をしのぐ期間だけ」「次回の歯科医院受診までのつなぎ」程度の使用にとどめてください。
当院では、週1回の受診で4~5回かかることが多いです。
①概形印象(精度の高い型を採るためのオーダーメイドの型つくり)
②精密印象(精度の高い型どり)
③咬合採得(噛み合わせの記録を取る)
④試適(試作品で確認する)
⑤義歯装着(完成した入れ歯の装着)
という流れです。
ただし、小さな部分入れ歯の場合は2~3回で完成することもありますし、総入れ歯で、顎骨の吸収が大きな症例ですともっとかかることもあります。
早く入れ歯が欲しい場合は、当院の院内技工士が特急作業を行うことで、週2回受診することで通勤期間を短くすることも可能です(予約の空き状況によります)。
保険の入れ歯は、設計や使用できる素材が限られています。アクリルレジンという樹脂と、コバルトクロムという金属でできたバネ(クラスプ)で製作されます。
一方、自費の入れ歯にはそうした制限がなく、様々な設計や素材を選択できます。バネが金属色ではないピンク色の部分入れ歯や、装着方法を工夫することでバネが無い部分入れ歯、サイズが小さい入れ歯、上顎を覆う部分が薄い金属でできている総入れ歯、インプラントと組み合わせてパチっと固定して使用する入れ歯などがあります。小さい入れ歯、外れにくい入れ歯、目立たない入れ歯など、自分のライフスタイルや優先したい点に合わせて、最適な入れ歯を選ぶことができます。
小さな入れ歯では、喋りにくくなるというケースは少ないですが、前歯の内側に入れ歯の床やバーなどのパーツがあると、喋りにくいと感じることが多いです。どのくらいで慣れるかは、義歯の設計や個人により差がありますが、1週間~1か月程度で慣れる方が多いです。どの音も発音しにくい、というわけではなく、サ行・タ行・カ行などが発音しづらいと感じる方が多いようです。
どうしても慣れないと感じた場合は、入れ歯の厚みや適合を確認して、調整可能かご相談ください。
日本の保険診療では、原則として6か月以内は新たに入れ歯を作ることはできません。これは、入れ歯を紛失してしまったり、入れ歯が合わない場合や、前回入れ歯を作成した医院から別の医院に転院した場合でも、例外ではありません。6か月経過後か、自費診療でなら、2個目の入れ歯を作製することが可能です。
「痛いところがある」「噛みにくい」「外れやすい」けれども使えないこともない、という古い入れ歯をお持ちの場合は、先に古い入れ歯を使えるように調整しておき、その後に新しい入れ歯を作製すれば、古い入れ歯を予備として持つことができるようになります。一度、ご相談ください。
入れ歯を装着すると痛みが出ることは珍しくありません。入れ歯は石膏模型を用いて製作されますが、石膏は粘膜の厚みや弾力を再現できないため、主に粘膜が薄い部分が入れ歯の圧を強く受けてしまうためです。
当院では入れ歯を完成した後、3~7日後に調整のためにご来院をお願いしております。少しの違和感、弱い痛みの場合はできればご使用いただきたいですが、痛みが強い場合は次回受診時まで使用を控えていただいても構いません。
入れ歯は、口腔内の衛生を保つために洗うことが非常に重要です。入れ歯を適切に洗わないと、細菌が繁殖し、口臭や口内炎、さらには誤嚥性肺炎などの健康リスクを引き起こす可能性があります。歯磨きも入れ歯の洗浄も、両方必ず行ってください。
入れ歯を洗うときは、流水下で義歯用ブラシでこすり洗いし、義歯洗浄剤で漬け置き除菌することが推奨されています。歯ブラシで入れ歯を洗うと、歯ブラシの毛先が短期間で傷んでしまうため、義歯用ブラシの使用がおススメです。
また、歯磨き粉は入れ歯が傷んでしまうため、使わないようにしてください。
粉末タイプやペーストタイプの義歯安定剤は、使用した方が安定感が良いと感じるならば使用しても構いません。
クッションタイプの義歯安定剤は顎堤の吸収を起こすため、使わない方が良いです。
基本的には義歯が安定しないと感じたときは、歯科医院で調整や修理をすることをおススメします。
一般的には毎日の使用が推奨されています。先に流水下で義歯ブラシを用いて軽くこすり洗いし、その後に義歯洗浄剤に漬け置き除菌する、という順番になります。義歯洗浄剤だけ用いて、義歯ブラシを使用しないと、入れ歯に歯石が付着してしまうため、必ず義歯ブラシも併用してください。義歯ブラシによる洗浄だけで、義歯洗浄剤を用いないと、雑菌が繁殖してニオイやヌメリが出たり、誤嚥性肺炎の原因になったりすることがあります。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
料金体系は、料金表をご参照ください。