卒乳が遅くなると、こどもが虫歯になりやすいと聞きました。本当ですか?
2015年12月10日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 院長の坪井です。
今回は卒乳について歯科医師の立場からお話しします。
卒乳の目安時期
現在では、1歳半が卒乳の目安時期とされています。
卒乳時期が遅くなると、虫歯になりやすいということが研究によりわかっています。
そもそも、虫歯とは?
虫歯は虫歯菌が糖を餌に酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことでできます。
甘い飲み物を飲んだ後、歯磨きしないで放っておくと、
口の中がちょっと酸っぱくなったことありますよね。
何故、酸っぱいものを新たに食べてないのに、口の中が酸っぱくなるか?
それは、甘い飲み物に含まれる糖分から、虫歯菌が酸を作っているからなんですね。
虫歯予防のポイントは、いかに口の中が酸性になる時間、
つまり、歯が溶ける時間を短くするか、というのがポイントになります。
歯は溶けたり戻ったりを繰り返している
グラフは食事をした後のお口の中の酸性度(pH)を見たものです。
食べた後すぐ、歯が溶かされるpH 5.4 以下になります。
その後、唾液(つば)の作用により40分で元の状態に戻ります。
口の中のpHが元に戻ると、唾液の働きで「再石灰化」が起きます。
「再石灰化」とは、唾液の中に含まれるカルシウムが歯に戻っていき、食事で溶けてしまった歯が元に戻ることを言います。
歯はいつも同じ形に見えますが、ミクロの世界では、溶けて戻ってを繰り返しているんですね。
では、だらだらと不規則・頻繁に食べ物を食べたり、糖を含んだ飲み物を飲むとどうなるでしょうか。
上の図のように、歯が溶ける時間が長くなってしまう、
すなわち虫歯になりやすくなってしまいます。
これは大人でも同じですよ。
夜間授乳は虫歯リスクが高い習慣!
お母さんの母乳には、乳糖と言われる成分が含まれています。
母乳単独ではほとんど虫歯リスクは無いと言われているのですが、
離乳食と併せて摂るようになると、合わせ技で虫歯リスクが上がります。
つまり上の右側の図のように、離乳食と授乳がそれぞれ「食事」として
口を酸性にしてしまい、歯が溶ける時間が非常に長くなってしまうのです。
特に、夜間授乳は虫歯のリスクを跳ね上げてしまうと
言われていますので、注意してくださいね。
夜間授乳については、また改めてご説明します。
今回のまとめ
・卒乳は1歳半を目安に
・糖分の含まれた食べ物・飲み物をだらだらと摂ると虫歯になりやすい
・離乳食期からの夜間授乳は虫歯リスクが高い
それでは、岩国市のやさしい歯医者さん・つぼい歯科クリニック院長 坪井がお送りしました~(^^)
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