マウスピース型矯正の治療期間と回数の目安
2023年9月24日
マウスピース型矯正の治療期間と回数の目安について
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
当院でも大人気のマウスピース矯正ですが、
患者さんから「治療期間」「通院回数」について、
よくご質問を受けます。
患者さんごとに個人差は大きいのですが、
今回は、おおまかな期間・回数と治療の流れについて、解説していきます。
1)マウスピース型矯正とは?
インビザライン®に代表される、歯をきれいに並べるための治療方法の一つです。
透明なプラスチック製マウスピースを使います。
歯の並びやかみ合わせの問題は、人それぞれ違います。
よって、治療にかかる時間や通院の回数も人によって異なります。
2)マウスピース矯正の治療期間の目安
2-1)前歯~横の歯までの部分矯正(インビザラインGo)
3か月~10か月(中央値:6か月)
通院回数 3~8回程度が多いですが、個人差があります。
2-2)全体矯正(インビザライン)
1年半~2年半(中央値:1年半)
通院回数 8~20回程度が多いですが、個人差が大きいです。
3)マウスピース矯正の治療期間に影響を与えるもの
一般的に、次のようなことが治療の期間に影響を与えます。
3-1)歯並びの状態
歯並びのガタガタが軽度の方
(1本だけ反対に噛んでいる、など)は
部分矯正で済むことも多いです。
最短で4~6か月で治療が終わることも。
一方、かみ合わせが悪い方
(骨格的に受け口・出っ歯型の方)や、
抜歯して治療しなければならないケース、
奥歯を奥側に移動させなければならないケースなどは、
全体矯正となります。
こうした「多めに歯を動かすケース」では
1年半~2年程度の治療期間となることが多いです。
3-2)体の反応
マウスピースを新しいものに交換する頻度や
歯を動かす速さにも、個人差があります。
・標準
一般的にマウスピースは7日ごとに交換していきますが、
特に年齢によって、交換期間に差がでることがあります。
・10代~20代前半の方の場合
通常はアライナーは7日交換ですが、
矯正加速装置を用いることで加速することも可能です。
この場合、4日交換となり、治療期間が半分近く短くて済みます。
加速装置にご興味がある方は、
当院は取り扱いがありますのでスタッフにお尋ねください。
現在他院にかかられている方は、
取り扱いがあるかや別途かかる費用等を
担当医に確認されてみてもよいかと思います。
・40代後半~の方の場合
基本的には7日交換ですが、
難しい歯並びの場合、稀に10日交換となることもあります。
この場合は治療期間が長めにかかってしまいます。
3-3)患者さんの協力度
・マウスピースをサボる・装着時間が足りない
マウスピースは取り外しできるけど、
逆に言えば「サボることが可能」。
当然、サボってしまえば歯は動きません。
・マウスピースの使用方法を独断でアレンジする
本来の使用方法と異なる使い方をされた場合、
当然、歯の動きは悪くなります。
・歯磨きをサボる(治療中に虫歯を作ってしまう)
マウスピースを使用すると、
最強の虫歯予防薬である唾液が歯に触れにくくなります。
ですから毎食後、しっかり歯磨きをすることが
マウスピース矯正では重要になります。
この歯磨きをサボってしまい、虫歯を作ってしまうと…
虫歯治療によって治療が中断したり、
必要に応じて追加アライナーといって
「矯正治療の仕切り直し」が必要となることもあります。
その結果、治療期間が予定よりも長くなってしまいます。
実はいろんな要素が組み合わさって、
治療期間が短くなったり長くなったりしてしまうんです。
・前歯~横の歯までの部分矯正の治療期間は3か月~10か月が多いです。
・全体矯正は1年半~2年半が多いです。
・治療期間を短くするために、矯正加速装置を用いることができる場合もあります。
・矯正の治療期間は、さまざまな要因で決まります。
当院では、インビザライン治療を始める患者さんに
特徴をまとめた冊子や
注意事項を漫画で読める冊子などをお渡しして、
できるだけスムーズな治療になるよう目指しています。
気になる方は、お気軽にお尋ねください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
成長を利用して治す小児矯正で「非抜歯矯正」!
2023年9月1日
成長を利用して治す小児矯正で「非抜歯矯正」!
~小児矯正は顎を育てることで、抜歯せずに歯並びを改善することができる~
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
歯並びを子どものうちに治した方が良いのか、大人になってから治すのでも良いのか、迷われる保護者の方はとても多いです。
今回は、小児矯正と成人矯正の違いを、メリットとデメリットを含めて解説します。
1. 小児矯正の一番の特徴は、成長を利用できること!
小児矯正
– 対象年齢は3歳から12歳くらいまでが多いです。
– 乳歯が交換される前の段階で行われることが一般的です。
– 顎の成長を利用して、小さな顎を大きく育てます。
歯が並ぶスペースを大きくして歯並びを改善します。
– 装置はマウスピース型や、固定式の拡大装置など様々なものがあります。
メリット:
– 成長段階を活かした矯正なので、歯を抜かずに歯並びを改善できるケースもあります。
– スペース不足が大きい重症な歯並びを、顎を育てることで軽症~中等度症例に変えてから成人治療に入ることができます。そうすることで、後戻りリスクが少なく、仕上がりも綺麗になることが多いです。
– 歯並びを悪くするクセ・口腔悪習癖(こうくうあくしゅうへき)がある場合、その改善も同時に行うことができます。
*口腔悪習癖を成人してから治すことは、はほぼ不可能と言われています。
デメリット:
・小児矯正だけで治療が完結しない場合は、永久歯になってから成人治療を必要となることがあります。
・スペースをどの程度確保できるかや、乳歯がどのくらいの大きさの永久歯に生え変わるかなど、不確定な要素があります。そのため、治療を行う段階では、将来的な成人矯正が必要かどうかを正確に判断することは難しいです。
2. 何歳になっていても成人矯正は可能!
成人矯正
– 対象年齢は15歳以上です。60代から始める人もいます。
– 成長が終了しているため、小児とは異なり、骨の成長を利用した治療は行われません。
– 主に固定装置(ブラケットやワイヤー)やマウスピースを使用します。
メリット:
– 永久歯なので、いつからでも治療がスタートできます。
デメリット:
– 小児矯正と比べて、抜歯するケースが多いです。
– 30代以降は、歯の移動速度がやや遅くなる傾向があります。
– 舌突出癖などの口腔悪習癖がある場合、後戻りしやすい場合があります。
3.矯正は小児からが良いの?成人からで良いの?
小児矯正だけで治りそうな極軽症か、
抜歯が必要になりそうな中等度~重症例、
口腔悪習癖を持っている場合は小児矯正から始めるのがおススメ。
軽症かつ口腔悪習癖がない場合は、15歳以降に成人矯正で治してしまった方が早い!
小児矯正から始めた方がメリットが大きいのはこんなケース
極軽症=1本だけ反対に噛んでいる、前歯だけ反対に噛んでいるなど。
歯が並ぶスペースはそこそこあって「小児矯正だけで治りそう」という場合。
費用も治療期間も、成人になってから治すより、かなり少なくてすみます。
中等度~重症の歯が並ぶスペースが無くてガタガタに歯が並んでいる、出っ歯になっている場合。
抜歯が回避できたり、抜歯は避けられなくても仕上がりが綺麗になったりと、利点が多いです。
舌突出癖(舌を前に出してしまう癖)や、口呼吸といった「悪い歯並びの原因」となる口腔悪習癖(こうくうあくしゅうへき)を持つ場合。
口腔悪習癖は10歳までに治療開始しないと、なかなか治せないと言われています。
「悪い歯並びの原因」となる悪習癖がある場合、一度矯正治療しても、後戻りのリスクが高くなってしまいます。
こうした悪習癖は、中年以降に睡眠時無呼吸症候群や、高齢になってからのオーラルフレイルの原因になりやすいです。小児矯正で一緒に治療してしまうことがおススメです。
成人矯正だけで良いケース
逆に、小児矯正だけでは治りにくそう、しかし成人矯正から治しても治療結果に差が出なさそう…という場合で、口腔悪習癖が無いケースは最初から成人矯正で良いでしょう。
4.小児矯正はいつまで出来るの?
乳犬歯が揺れ始めている場合は、生え変わりを待って成人矯正からスタート!
小児矯正は、乳犬歯が揺れはじめてからは乳歯の生え変わりのために難しくなります。
この場合は生え変わりを待って成人矯正からスタートすることが多いです。
まとめ:
・小児矯正は成長段階を活かすことで、抜歯を回避して歯並びを整えることができるケースが多いです。
・口腔悪習癖は成人になってからでは治療困難です。小児のうちに治しましょう。
・何歳になっても、矯正治療は可能です。
・乳犬歯が揺れ始めたら小児矯正はできなくなることが多いです。
歯並びについては個別に判断しなくてはいけないことも多いです。
「結局、うちの子は小児矯正した方が良いの?いらないの?」と迷われた場合は、お気軽にお尋ねくださいね。
また、休日無料矯正相談会(要予約)も行っておりますので、こちらもお気軽にご利用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。