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MFT特集7 舌癖と歯列不正のメカニズムについて

2024年9月26日

MFT特集7 舌癖と歯列不正のメカニズム~舌の悪い癖と歯並びが悪くなることの関わりについて~

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック、小児歯科専門医の吉村です。

今回は、MFT(口腔筋機能療法)の第7回として、舌癖がどのように歯並びに影響を与えるかを解説します。

第1章 舌癖と歯列不正の関係

舌癖は「舌が正しい位置にない状態」とも言えます。

舌に力が入っていないと、舌の厚みや模様がはっきりしません。

 

舌が正しい位置にあれば、力が入り、舌の模様がはっきりします。

 

例えるなら、牛タンのブロックのように厚みがあり、縦にしっかりとした形が舌の正しい姿です。

舌が弛緩して低位になると、上下前歯の間か、下顎に収まるようになります。

  • ・舌が上下の前歯の間に収まるようになれば、舌突出癖が誘発され、『開咬』になります。
  • ・舌が下顎に収まってしまえば、下顎歯列が拡大されて、『反対咬合』の傾向を呈してきます。
  • ・上顎は舌の刺激が少ないため、横幅が狭く、口蓋が高く(上顎のくぼみが深く)なります。
  • ・低位舌の場合、口輪筋が発達不全をおこし、お口ポカン(口唇閉鎖不全)になりやすくなります。
  • ・お口ポカンになると、前歯は『出っ歯』の状態を呈する場合があります。

第2章 舌癖が発音に与える影響

舌癖は発音にも影響を与えます。

舌が正しい位置にないと、サ行やタ行の発音がくぐもった音になり、ナ行やラ行も正しく発音できなくなることがあります。

話している内容は通じるのですが、もごもごしゃべっている感じとか、飴玉をなめている感じという印象になりやすいです。

 

また、舌癖に関連する他の口腔悪習癖も、改善の難易度に違いがあります。

個人差はありますが、一般的に改善しやすいものとしにくいものに分けられます。

 

◆改善しやすいもの:原因が明確で、その癖を継続している期間が短いもの

  • ・口唇閉鎖不全
  • ・咬合力の低下
  • ・弄舌癖
  • ・口唇癖
  • ・一部の歯列異常(非骨格性のもの)

◆改善しにくいもの:複合的な要因によるもの

  • ・口呼吸
  • ・構音障害
  • ・異常嚥下癖
  • ・長期の指しゃぶりや咬爪癖

複合的な要因によるものは、歯科的なアプローチのみでは治療が難しいことがあります。

舌癖は「舌を自由に動かす」感覚が失われている場合が多いです。

MFTや矯正治療を通じて、自由に動かせる舌と理想的な歯並びを手に入れましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

  • ・舌癖がある舌は力が入っておらず、厚みがなく、模様やしわがはっきりしていないという特徴があります。
  • ・舌が低位である場合、上下前歯の付近に存在すれば開咬となり、下顎に位置すれば下顎前突になりやすいです。
  • ・舌癖がある場合、構音障害(くぐもったような発音)になることがあります。
  • ・舌の習癖には治しやすいものと治しにくいものがあり、舌癖のある期間の長さで治療難易度が変わります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

歯並びが治れば滑舌が改善する!?~滑舌と歯並びの関係~

2024年9月19日

歯並びと滑舌の関係

1. はじめに

こんにちは、つぼい歯科クリニックの院長 坪井です。

お子さんの滑舌が悪いことで悩んでいるお母さま方へ、今回は歯並びと滑舌の関係についてお話しします。

 

現代のお子さんの多くが、口唇や舌を正しく使えていないと言われています。

一般的に3割程度のお子さんが、舌や口唇を上手に動かすことが苦手な「口腔機能発達不全症」と言われていますが、小児歯科の臨床に携わる歯科医師の体感としては3割どころではなく、5~7割と感じています。

 

  • 滑舌が悪い
  • 舌の可動域が小さい
  • 舌を挙上するのが苦手
  • 風船を膨らますことができない
  • 蝋燭を吹き消せない
  • 普段から口が開いている
  • 食事がとても時間がかかる

 

今回は、こうした「小児口腔機能発達不全症」の症状のうち、滑舌と歯並びの関係に焦点を当ててお話しようと思います。

 

2. 子供の滑舌と歯並び

歯並びが滑舌に与える影響は非常に大きいです。

歯の位置がずれていると、舌が正しい位置に動かず、発音が難しくなります。

 

例えば、歯並びの横幅が狭く、口蓋(上顎のお椀のような形態)が深い場合、舌を上に持ち上げて上顎に触れさせることが難しくなることがあります。すると「タ行」の発音が難しくなることがあります。

 

また、上の前歯が前に出っ歯となっていて、下の前歯との距離が大きく空いている場合、舌を上の前歯に擦って音を出す「サ行」が言いにくくなることもあります。

 

滑舌が悪いと、友達とのコミュニケーションに支障をきたしたり、コンプレックスになったりすることがあるため、可能ならば低年齢のうちに改善したいところです。

 

3. 歯列矯正の効果

横幅が狭く出っ歯型の歯並びと、正常な歯並びを見比べてみましょう。

 

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横幅が狭く、出っ歯型の歯並び

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正常な歯並び

横幅が狭くなってしまった場合、上顎が深くなってしまい、舌を当てるのが難しくなってしまいます。

こうして舌を正常に動かすことが難しい場合、ちょっと籠ったような発音になることが多いです(口蓋化構音)。

 

歯列矯正治療では前歯を引っ込めたり、(10歳以下の小児の場合は)急速拡大装置と呼ばれる、上顎の横幅をしっかり広げる治療などで、構音が難しくなってしまう原因を治療することができます。

 

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急速拡大装置

 

4. MFTや言語聴覚士によるトレーニングの併用

歯列矯正だけでなく、筋機能療法(MFT)や言語聴覚士によるトレーニングも有効です。

当院は、口腔機能発達不全症のお子様が矯正治療を行う場合、ほぼMFTも併用しています。

*ただし、お子様の年齢が10歳以上の場合で治療効果が薄いと判断した場合は、ご自宅での簡単なトレーニングの指導のみとさせていただいています。

 

MFTについては、こちらの記事もご覧ください。

 

参考リンク:お口の機能発達は10歳までが勝負!

 

参考リンク:当院のMFTの様子(インスタグラム)

*インスタグラムは音がでますのでご注意ください

 

5. まとめ

いかがでしたか?

 

・滑舌と悪い歯並びには関係があり、歯並びを治すことで滑舌が改善することがあります。

・特に「タ行」「サ行」で特に改善が見られます。

・MFTや言語聴覚士によるトレーニングを併用した方が効果的です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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