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プラーク(歯垢)とは?病原性とその対策方法について

2020年11月14日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

 かなり秋も深くなってきました。今年は昨年の暖冬とは異なり、寒い日も多くなるようです。コロナ対策のおかげで、インフルエンザの流行が小さいといううわさもありますが、いずれにしてもいつもの冬とは違います。気持ちを切らさずやっていけるといいですね。

つぼい歯科クリニックでは、治療計画を立てたり、患者さんへのご説明のために、口腔内カメラをよく使っています。
実際、写真に残すといろいろなものが見えてきて、皆さん改めて口の状態に関心を持たれます。
最近患者さんから、健診の時にプラークの成り立ちや色などについて聞かれることがありました。
虫歯や歯周病は生活習慣病な面があるので、日々の生活が変われば、プラークの状態は変化していきます。今回はプラークとプラークの成り立ちについて説明しようと思います。

実は僕は大学院生時代に虫歯の原因菌やプラークを中心に研究しておりました。気をつけますが、今回は少しマニアックになるかも。。

 1)口と大腸、細菌数が多いのはどっち?

大人の人で300~700種類、よく磨けている人の口の中には1000億~2000億個、あまり磨かない人、磨けていない人には4000億~6000億個、ほとんど磨かない人には1兆個もの細菌がいるとされています。一方、大腸には1gあたり100万個ほどの菌しか存在しておりません。

 種類が異なるので、一概に比較はできませんが、お口の方が圧倒的に多いです。また、口腔内のほうが、砂糖の量などの食べ物の内容によって、プラークが増加しやすいなど環境の影響が表れやすいという特徴があります。

 2)口の細菌がインフルエンザや新型コロナウイルスを重症化させる!?

 プラークに含まれる菌を善玉菌と悪玉菌に分けるのは、人間の都合でしかないのですが、歯の表面にまず付着するのはいわゆる善玉菌です。その善玉菌を足掛かりにして、次々に菌が接着していきます。それらの菌は糖分を材料にして菌体外多糖という、のり状物質を産生し、プラークの内部がいわゆる酸欠状態になります。

 酸欠状態になって最も活性化するのが、歯周病原因菌やう蝕原因菌です。そしてさらに増殖することにより、菌数と病原性が強くなっていきます。

 病原性が強い菌の塊はそれだけで危険です。菌の塊が体内に入ると発熱等体調悪化の原因となる可能性が高まり、インフルエンザ等の罹患率も高めていると言われています。きちんとしたデータはなだないですが、コロナウイルスでも同様だと言われています。

 3)プラーク(歯垢)を落とすには?

 とにもかくにも人間にとって悪影響を及ぼすプラークの破壊しかありません。病原性が低いうちは破壊も簡単なので、歯磨き程度でどうにかなります。
しかし固く固着したものは丁寧にはがしていく必要があります。
これが皆さんのイメージする歯科医院でのクリーニングです。

僕は大学時代に、子供に多いオレンジ色のプラークの組成を調べたことがあります。
オレンジ色のプラークの下は脱灰(虫歯になりかけ)していることが多く、少し厄介です。
ただ、調べてみると、そこに存在している菌はあまり病原性の強くないS.sanguinisと言われる常在菌が多かったです。
虫歯になる人は、歯質にもよりますが、ここからさらにねっとりした感じの白いプラークが多くなります。

一方、黒い色素状のプラークがつく人もいます。
目立つのでよく質問を受けますが、砂糖との関連はないようで、どうも病原性もあまりない様です。
しかし、ある程度歯周病が心配な年齢(40歳以上くらい)になってくると、歯肉の中から黒い塊となった歯石が取れてきます。
タバコを吸っておられる場合、特に付着が多いです。
こちらは色合いや雰囲気も凶悪な感じですし、実際病原性の強い歯周病細菌が多くおります。

 いずれにしても、敵(プラーク)を知り、また自分の歯の性質などの状態を知ることが個々人の対策を考える上で最も重要です。
歯科医院では、その方の口の状態に合わせたケアの方法、使う薬剤、歯周病の重症化予防処置の間隔などもお伝えしております。
お気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 口腔内には、大人の人で300~700種類、よく磨けている人の口の中でも1000億~2000億個、ほとんど磨かない人には1兆個もの細菌がいます。
  • プラークはいわゆる善玉菌の歯への付着に始まり、時間および環境の悪化によって菌数や病原性が強くなっていきます。病原性が強い菌の塊はそれだけで危険です。
  • プラークのリスクに応じた予防が重要で、その対策方法(薬剤、来院期間)も異なってきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

妊婦健診には、どうして歯科の健診もあるの?

2020年11月12日

歯周病と妊娠について

こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
新型コロナも5月ごろと比較すると落ち着いてきた印象ですね。
最近になってやっと妊婦健診に来院される方が、コロナ禍が来る前と同じくらいになりました。
当院も、いっそう気を引き締めて安全な歯科医療の提供を続けていきたいと思います!
さて、今日は妊婦健診と妊婦さん、そして歯周病の話題です。

妊婦健診で、歯科の検査項目があるのは何故?

歯周病はいろいろと全身的に影響を及ぼすということが明らかとなってきています。

参考リンク:

歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気

特に今回は妊娠と歯周病との関係について考えてみようと思います。

妊娠すると、歯肉炎といって歯ぐきが腫れやすくなります。
これを妊娠性歯肉炎と言います。

妊娠が歯周病を悪化させるワケ

歯肉炎の状態が進む(悪化する)と歯周病と呼ばれる状態へと移行していきます。
これは原因として妊娠によってホルモンバランスが変化することによって起こるようです。
女性ホルモンであるエストロゲン(聞いたことあるのでは?)やプロゲステロンなどの影響によります。

エストロゲンは歯周病細菌の増殖を引き起こすホルモンです。
そしてプロゲステロンは炎症作用と関係のあるホルモンであります。
これらのホルモンは妊娠時に増えていきます。

妊娠後期には、月経時の10~30倍にもなったりします。
ですので、妊娠後期にかけて歯肉炎が悪化することがあるようです。

そうはいっても歯肉炎の直接の原因は歯周病菌であり、お口の中に歯周病菌が少ない状態(きれいに歯磨きが出来ている状態)ですと、歯肉炎も起こらないか、軽度で済みます。

お母さんの歯周病と、お腹の赤ちゃんの関係

お母さんが歯周病になっていると、低体重児の出産、早産のリスクが高まります。

特に早産については、歯周病のお母さんはそうでないお母さんの7.5倍もリスクが高くなってしまうと言われています。7.5倍というと、ちょっとギョッとする数字ですよね。

歯周病というのは、細菌が歯の周りに存在し、細菌が血中に供給されている状態であると言えます。
さらには、血流に乗り胎盤をも通過し胎児に感染するのではないかと考えられているようです。

歯周病により炎症が広がると、炎症な関連してプロスタグランジンという物質が作られます。
プロスタグランジンという物質は、通常、出産が近くなると分泌され、それがきっかけとなり子宮の収縮が起こり陣痛、出産へとつながっていきます。

娠中のリスクファクターと言えば、喫煙、アルコールなどがあげられますが、歯周病の危険度はそれらをはるかに凌ぎます。

こうした理由から、赤ちゃんとお母さんの健康のために妊婦健診に歯科健診が含まれているんですね。

妊婦健診を活用しましょう!

妊娠に対して、歯周病が大きなリスクであることは明らかであると思います。
もちろん、まずは歯周病にならないことが重要です。
歯の周りの汚れ、歯石などをキレイに取り除くことが基本となります。

とはいえ、歯科医師や歯科衛生士でさえ、セルフケアだけで歯石がつくことを完全に防ぐことはできません。
セルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアの両方をうまく活用して防ぐのがベストだと思います。

妊婦さんに対して、妊婦健診の案内もあるかと思います。
歯科をしっかりと活用して、不必要なリスクを減らしましょう!

まとめ

いかがでしたか?

  • 妊娠すると「妊娠性歯周炎」になりやすい
  • 妊娠性歯周炎はホルモンバランスの変化によって起きる
  • 妊婦健診を活用しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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