子どもがプレオルソを嫌がる場合、どうしたら良い?
2024年10月26日
子どもがプレオルソを嫌がる場合、どうしたら良い? ~低年齢の小児マウスピース型矯正を成功させるコツ~
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
今日は、お子さんがマウスピース矯正装置を嫌がった時、どうしたら良い?というお話です。
お子さんの将来のために、せっかく始めたマウスピース矯正。
代表的なものにプレオルソ、ムーシールド、マイオブレイス、T4Kなどがあります。
しかし、いざ矯正装置を使い始めると、お子さんが嫌がって使ってくれない…
しばしば聞くお悩みです。
今回は、特にプレオルソについて、お子さんが嫌がった場合の対処法や実践的なアドバイスをご紹介します。
1 プレオルソとお子さんの心理
プレオルソは、毎日「日中1時間以上と就寝中」装着する矯正器具です。
プレオルソは柔らかく、歯茎にあたっても痛みはほとんど無い矯正装置です。
友達に見られるわけでも、痛いわけでもないプレオルソを、お子さんはどうして嫌がるのでしょうか?
それは、お子さん自身が歯並びに関心が薄く、矯正の必要性を感じていない低年齢で使用される矯正器具だからです。
親御様はお子さんの将来を考えて、歯並びを治してあげたい。
しかしご本人は、そもそも外見に対する意識が育つ前であり、モチベーションを保つことが難しいのです。
思春期になれば、矯正治療をさせてくれた保護者の方へ感謝する日が来るのですが、4~10歳というプレオルソの対象年齢においては「こんな面倒なことをするくらいなら、歯並びきにしないもん」と思ってしまうお子さんがいても仕方がないと思います。
2 お子さんにマウスピースを使ってもらいやすくなる方法
2- 1 お子さん本人が矯正治療に主体的に参加するように配慮する
保護者の方が準備したプレオルソを「はい、あとはお口に入れるだけよ」とお子さんに渡すより、お子さんが自分で準備するようにした方が、継続率が上がることが多いです。
具体的には
・プレオルソをお湯で軟化させて広げる作業をお子さんに任せる
・プレオルソをリテーナークリーナーなどで消毒する作業をお子さんに任せる
・装着時間の記録(ちゃんと使用できた日に、カレンダーにシールを貼るなど)をお子さんの仕事にする
などです。
ただし、お子さんに任せきりにするのではなく、保護者の方は毎日、手を出さずに側で見守ってあげる必要があります。
2-2 プレオルソの使用と楽しいことをセットにする
プレオルソを装着中は会話が難しいため、お子さんが不快に感じることもあります。
そういう時は、プレオルソとお子さんが楽しいと感じることをセットにしてみましょう。
・プレオルソの日中使用時間(1時間)はスイッチやスマホのゲームをやって良い
・プレオルソの日中使用時間はYouTubeを見て良い時間とする
などです。
ただし、プレオルソを入れたまま、他の事に夢中になるとお口が開いてしまうことがあります。
それではプレオルソの効果が期待できませんから、お口が開いてしまうようなら、お口にテープを貼ってあげるようにしてください。
3. 家族全体でのサポート
家族全員でサポートする姿勢も大切です。例えば、プレオルソを口腔内に装着して喋れない時に、他のご家族がみんなでおしゃべりを楽しんでいたら、プレオルソを外したくなってしまいますよね?
・プレオルソ使用時間に他のご兄弟は宿題をする
・プレオルソ使用時間=テレビやゲームをする時間は、ご兄弟もおしゃべりせずテレビやゲームを楽しむ
・小児矯正の進捗を家族で共有し、小さな成長もみんなで喜ぶ
・矯正装置をしっかり使用できたことを、毎日褒める、親御さんが喜ぶ
など、矯正治療を頑張っているお子さんが疎外感を感じたりしないよう、達成感を感じられるようにサポートをしてくださると、成功率がUPします。
特に低年齢のお子さんの場合、上手にできたことをご家族がとても喜ぶと、大きな達成感を感じてポジティブに矯正治療に取り組むことができるお子さんが多いです。
4.達成感を味わえる仕組みを導入する
小さな目標を達成するたびにご褒美を設けるなど、達成感を得られるような仕組みを取り入れると効果的です。
・引換券制度(エコノミートークン法)
ちゃんと装置を使えたらシールが貰え、シールを何個集めたらご褒美が貰える、という方法。
・コレクションインセンティブ法
男の子ならカードゲームのカード(遊戯王カードやポケモンカードなど)、女の子ならシールなどをコレクションしたいという気持ちを利用する方法。
カードゲームやフレークシールを一緒に選んで購入して、パックごとお子さんに渡さずに、毎日装置をちゃんと使えた1枚もらえる、という感じです。
5. まとめ
プレオルソによる小児矯正は、将来のお子さんの健康な歯並びと笑顔のために効果的な治療法です。お子さんが使用を嫌がる場合も、主体性を大切にしながら、家族でサポートし、楽しみと組み合わせていくことが大事です。
多少の困難があっても継続することで、必ず良い結果につながります。
- ・お子さんがプレオルソを嫌がるのは、頑張るモチベーションが湧かないからです。
- ・お子さんが主体的に矯正治療に参加する実感を持てるよう配慮したり、楽しいこととセットにしたりするなど工夫をすると、嫌がらなくなることも多いです。
- ・ご家族のサポートやご褒美作戦も有効です。毎日のことなので、ご褒美は引換券制にするか、廉価なものを集めさせるかなどの作戦がおススメです。
最後までお読みいただきありがとうございました。