ムーシールドを嫌がる場合、上手に使うコツは?
2018年11月29日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
当院では複数の矯正用マウスピースを扱っておりますが、その中でも受け口のお子さま用の「ムーシールド」というものがあります。
参考記事 子どものマウスピース矯正~お子様の歯並びを取り外しできるマウスピースで治す~
すこし昔はお子さまの受け口用マウスピースといえばムーシールド!という感じだったのですが、今は色んな種類があります。
今、受け口用のマウスピースと言えば、プレオルソが一番流行っているかな?という印象はありますが、私個人としては、ムーシールドのとても壊れない丈夫なところは大好きですし、インターネットなどで調べて来られるの保護者の方からのリクエストも多かったりします。
一方で、ムーシールドを「子どもが嫌がる」とお困りの保護者の方も多いようです。
今日は、ムーシールドの正しい使い方と、お子様が嫌がった場合の対処についてお話しようと思います。
ムーシールドの正しい使い方
口の中に入れて、装置の上に舌を置き、唇が閉じにくいところを、頑張って、唇を閉じる。
唇を閉じることで、口輪筋という口の周りの筋肉が下顎を後ろにひっぱり、装置の上に舌を置くことで、舌を上に持ち上げる筋肉が刺激されます。
ムーシールドを使うと、口の周囲や舌の筋肉がちょっと疲れます。
しかし、疲れるので正解です。
ムーシールドに限らず、マウスピース矯正の装置は「口に入れると歯並びが治る魔法の装置」ではなく、口の中に入れて正しく使うと呼吸や歯並びを整えるための筋トレが出来る「筋トレ補助装置」だからです。
この「疲れる」のがポイントで、ムーシールドを入れた状態で口を開けてしまうと「楽ができてしまう」のです。
楽をしてしまうと、口輪筋や舌筋を鍛え、お鼻で呼吸するトレーニングにはならないので効果が出ません。
お子様が「楽をしている」「嫌がった」場合の対応は?
子どもの自尊心をくすぐってやる気を引き出す
上手に出来た瞬間に「さすが!スゴく上手!嬉しい!」と保護者の方が盛り上げてあげましょう。
低年齢のお子さまには良く効きます。
口の中に装置を入れると「どう?えらいでしょ?」という顔で保護者の方に見せにきてくれるようになったらしめたもの。
毎日、満面の笑顔で褒めてあげる限り、几帳面に続けてくれるようになります。
軟式のマウスピースから慣れさせる
プレオルソやマイオブレイスは軟式マウスピースなので不要ですが(その代わり、チューイングガムのように噛んで遊ばれてしまうと壊れてしまいますが)、ムーシールドは硬くて慣れないうちは不快感が強いです。
抵抗感が強い場合は、ムーシールドに入る前に柔らかいシリコン製のマウスピースで慣れていただくこともあります。
起きている時の短時間から挑戦する
腹筋だって初日から何十回も出来る人はいません。
少ない回数から始めて、慣れていきますよね。
ムーシールドも「筋トレ」の一種なので、短時間からはじめましょう。
ここで重要なのが「寝ている間から始めるのはNG」ということです。
起きている間にちゃんと使えるようになったら、寝ている間も使えるようになります
(ただし起きている時ほどの効果はありませんので、寝ている間「も」使うことで、より効果を増強する感じです)。
勉強やテレビ、ゲームなどの時間にムーシールドを必ずするよう習慣づけする
面倒くさいこと、嫌なこと、疲れることを毎日するのは大変です。
保護者の方も最初は毎日声かけするのですが、だんだんと忘れがちになってしまいます。
おススメは「毎日の習慣に何かとセットで組み込む」ことです。
例えばゲームは1日30分まで、というご家庭のルールがあるなら、40分までOkにする代わりにゲーム中はムーシールドをやる、とかです。お子さまにとってお楽しみの習慣とセットだと習慣化しやすいでしょう。
あとは根気!
…最後のは身も蓋もありませんが、筋トレの一番のポイントかもしれませんね。
いかがでしたか?
多少なりと、口腔内装置を継続するにあたり難しく感じておられる方のヒントになると、うれしいです。
まとめ
ムーシールド、プレオルソ、インファント、マイオブレイス…小児矯正用の装置に上手に慣れる方法とは?
Q:矯正用マウスピースのムーシールドを子供が嫌がります。どうしたらよいですか?
A:
- 子どもの自尊心をくすぐってやる気を引き出す
- 軟式のマウスピースから慣れさせる
- 起きている時の短時間から挑戦する
- 勉強はテレビやゲームなどの時間にムーシールドを必ずするよう習慣づけする
- あとは根気です
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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