子どものマウスピース矯正~お子様の歯並びを取り外しできるマウスピースで治す~
2017年3月24日
乳歯がある時期のプチな矯正「マウスピース矯正」
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
新学期間近の季節ということで、当院でも歯列矯正を希望される方が多いです。
以前、矯正の種類についてご説明しましたが、
参照 歯列矯正はどんなものがあるの?
お子様の治療は「Ⅰ期矯正」でまとめてしまっていました。
本日は、お子様の矯正治療(Ⅰ期矯正)のうち、いちばんお手軽な既成のマウスピースを用いた治療についてご説明したいと思います。
お手軽と言っても、適応症例であれば非常に効果的に歯並びを治すことができます。
この写真はご本人の同意を得て使用しています
こちらは4歳の受け口のお子さまの写真です。
噛んだ状態で、上の歯の前に下の歯が出ています。
受け口ではありましたが、骨格的な問題がまだ無い状態です。
受け口を治すため、半年間、ムーシールドという受け口のお子様用のマウスピースを用いて頂きました。
写真はムーシールドというマウスピースです。
こちらは半年後の写真です。
綺麗に受け口が治りました。
※全てのお子様の受け口がこの装置1つで治るというわけではありません※
お子様のマウスピース矯正の種類
目的や年齢などによって、様々な種類から装置を選択します。
選択のポイントは以下の通りになります。
- 受け口を治す装置、顎を広げる装置、噛み合わせを浅くする装置など目的の違い
- ソフトシリコン製のマウスピースから、芯有りシリコンタイプ、ハードタイプなど、材質の違い
- 既成のもの、型取りしてオーダーメイドで作る物
- そのまま使用するだけのもの、ネジが埋め込まれているもの
お子様のマウスピース矯正の特徴
長所
- 取り外しできるので、食事制限が無い
- 外した状態で食事ができる
- 外して歯磨きできるので衛生的
- 人と会う時は装置を外せるので見た目が綺麗なままでいられる
短所
- 正しい使用法で装着しないと効果が無い
- サボることができてしまう⇒サボると治らない
- 本人の根気が必要
ちゃんと使用しさえすれば効果が出る!という症例でも、ご本人の協力が得られずに結局固定式に変更…というケースも無いわけではありません。
お子様ご本人は歯並びを気にしているわけじゃありませんから、大人の矯正のようにはいきません。
固定式はその点、お子様本人の意思では装置を外すことができませんので、本人の努力や協力に頼らずにすむ利点があります。
小児矯正は、当院の小児歯科専門医も得意としている治療ですので、ご興味をお持ちの方はお気軽におたずねください。
まとめ
小児矯正の1種であるマウスピース矯正は、適応症例の方に正しく使用していただくと非常に効果的に歯並びを治すことができる。
適応症例かどうかを知りたい方は、お気軽にご相談ください。
ぐっと噛みしめることでパワーUP! ~踏ん張りと噛みしめの不思議な関係~
2017年3月15日
こんにちは♪岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
やっと暖かくなってきまして、屋外での運動も楽しくなってきましたね!
さて、今回のテーマは、奥歯を噛みしめる力と、踏ん張る力とスポーツのお話です。
スポーツと歯の関係
皆さんは往年のホームラン王である王貞治(おう さだはる)さんの奥歯が、引退時にはボロボロだった…という話をご存知ですか?
画像 http://shisyubyo-kai.com/
歯科関係者にはとても有名なお話で、プロの投手が投げる剛速球を打ち返すときのバッターの奥歯には、非常に強い負荷がかかると言われています。
一般の方も重いものを持ち上げるときには歯をぐっと噛みしめています。
本当かな?と思った方は、試しにお米の10Kg袋を2個ほど持ち上げてみてください。
ぐっと、奥歯を嚙みしめたはずです。
次に、口を開けて持ち上げてみてください。
噛みしめた時と比べて、力が出なくてビックリされるはずです。
奥歯を噛みしめることで踏ん張りパワーが出る!
試していただくとすぐお判り頂けると思いますが、ぐっと踏ん張って爆発的な力を出そうとすると、奥歯を噛みしめることが大事なんです。しかし、日常的にそんなことをしていると、奥歯が傷んでしまいます。
そこで、最近は「スポーツ用マウスガード(マウスピース)」を用いてスポーツをされる方が増えました。
アメリカンフットボールやラグビー、ボクシングの選手などが口に何か入れて試合しているのをテレビなどでご覧になったことがある方も多いでしょう。
実は、今は高野連(日本高等学校野球連盟)も白とか透明の地味カラー限定で、高校球児たちに使用を許可しているそうですよ。
スポーツ用マウスガードを使うと何がよいの?
強い力を発揮できる
クッション性のある素材でできたマウスガードが、歯と歯が直接噛むとき以上に「噛みしめる」ことを可能にするため、マウスガード無しのときより強い力を発揮できると言われています。
パワーリフティングの選手でも、マウスガードを使用している人は多いと聞きます。
歯を怪我から守ってくれる
コンタクトスポーツでは、歯を怪我から守る役割も。
空手や柔道、ボクシングやレスリングのような格闘技や、アメフトやラグビーのようなタックルがあるスポーツ、野球や剣道などの歯に衝撃のかかりやすいスポーツでは、歯を怪我する例が少なくありません。
アメリカの歯科医師会は、マウスガードの使用により、年間20万件以上のスポーツ外傷が防がれていると報告しています。
スポーツ用マウスガードはクッション性のある素材でできていますので、強い衝撃を吸収して歯を外傷から守る効果もあるのです。
スポーツマウスガード(スポーツマウスピース)はどんなものを使えばいいの?
市販のものから、歯科医院でのオーダーメイドのものまで幅広いラインナップ
市販のマウスガード
画像amazon.com
さて、そんなマウスガードですが…既製品だけでも非常にたくさんの種類があるので、どれが自分に合ったマウスガードなのか迷ってしまうと思います。
選ぶポイント
- しっかりしたクッション性
- 弾力
- 口を開けても落ちてこないフィット感
- 左右の奥歯が均等に嚙めること
- 呼吸がしやすいことなど
口を開けた瞬間落ちてきたり、息がしにくくなったりするようでは、スポーツに集中できません。
オーダーメイド品はともかく、既製品は「安価だけれど、使用感は口に入れてみないと分からない」側面はあると思います。
口に入れたものは返品はできないと思いますが、安価というのは大きなメリットだと思いますので、お時間のある方は既製品をあれこれ試して気に入る物を探すのも良いでしょう。
歯科医院でその方にあったスポーツマウスガードを作る場合は、その方にあったオーダーメイドなので、フィット感は抜群に良いですし、試合中にズレたり落ちたりもありません。
歯科医院でのスポーツマウスガード作成の流れ
2回の来院が必要となります。
<来院1回目>口の中の型どり
次回の来院時までに、型に石膏を流して模型を作成⇒模型を使ってマウスガードを作成
<来院2回目>マウスガードを実際に口にセットして、ちゃんと形が合っているか患者さまとスタッフで確認する
スポーツマウスガードの作成は医療行為にはあたりませんので、医療保険は適応されません。
当院では、保険適応の歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)の費用を10割で頂いて製作しております。
ご興味をお持ちの方は、当院スタッフまでお気軽にご相談ください。
DrヒロのPEC(歯科衛生士ペリオコース)に参加しました!
2017年3月15日
こんにちは岩国のつぼい歯科クリニック 歯科衛生士の前田です
2月26日と3月5日に、歯周病治療で有名な山本浩正先生の歯科衛生士ペリオコース(大阪)に行ってきました
全国から歯科衛生士が集まっています。こちらはコースが始まる前の風景です。
実は、歯を失ってしまう原因のナンバーワンは歯周病です。
虫歯が原因で歯を失ってしまう割合が30%なのに対して、歯周病は56%です。
なので、歯周病の治療や予防は歯を残す上でとっても大切です。
歯みがき中に血が出ることはありませんか?…それ、歯周病のサインです
歯周ポケットの測定検査を行っている時に、「最近歯を磨くと血が出るようになったんです」と仰る方も多いのですが、
これは、歯周病発症のサインです。
今回私が参加したセミナーでは、歯周ポケットの中の歯石と感染したセメント質を取る処置(SRP)がテーマでした。
SRPの目的は、歯周ポケット(緑の矢印部分)のプラーク(ばい菌の塊)と歯石(ばい菌の死骸にさらにばい菌が住み着いたもの)を取り除き、歯ぐきと歯の下の骨を正常に近づけていくことです。
歯周ポケットに細菌の塊(プラーク)や歯石があると歯にとって何が悪いの?
- プラークと歯石は、上にも書いた通り「ばい菌の塊」と「ばい菌の死骸にさらにばい菌が住み着いたもの」です。
特に歯石は毒素を出します。
- 毒素から逃げようとして、歯ぐきと歯を支える骨が下がっていきます。
- そうすると歯周ポケットがもっと深くなっていきます。
- 最終的には歯がグラグラになって抜けてしまいます。
逆に、歯周ポケットから細菌の塊(プラーク)と歯石を取り除くと、歯周ポケットがだんだん浅くなり、歯ぐきが引き締まって、人によっては骨も戻ってくることがあります。
その治療がSRPです。
歯周病菌は常に再発を狙っているので、健康なお口の状態を維持していくためには、生涯を通して定期的なお口のメンテナンスが不可欠です。
もし歯科医に「SRPしていきましょう」と言われたら、私たち歯科衛生士もしっかりケアさせていただきます。
一緒に歯を残す治療をがんばっていきましょう
SRPのことで、わからないことや不安なことがありましたら、ぜひお尋ねください
娘の卒業式に出てきました♪
2017年3月10日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 受付のじゅんちゃんです
昨日はお休みをいただき、娘の中学校の卒業式に出てきました
娘も自分の世界ができて、この1枚しか一緒に撮らせてくれなかったんですが、
ああこんなに大きくなってくれたんだな…と感無量です
つぼい歯科クリニックでは、若いスタッフ達が盛り上げてくれている一方、スタッフのママさん率も上がってきて、仕事と家庭の両立がすごくしやすくなりました
日曜日に積極的に県外の勉強会に行っているスタッフもいますし、パートスタッフのように勤務時間以外に勉強の時間が取れない人も勉強できるように、院内で歯科知識をアップする勉強会を外部講師を招いて月に1回行っています。
私は他院での歯科助手経験もあるのですが、当院に就職してから、以前よりメンテナンスの重要性や歯と全身の関係について勉強して、もっともっと患者さまにお伝えしていきたいと思うようになりました
診察室の中で聞きにくいことや聞き忘れたことがあれば、ぜひお気軽に受付でもお尋ねください
末っ子は虫歯が多い!? 兄弟がいるお子様にありがちな虫歯のできる理由
2017年3月6日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
最近、当院に妊婦歯科健診を受けにいらっしゃる方が多くなってきましたので、妊婦さんと赤ちゃんのためのお口の健康冊子をつくってみました。院内で無料配布しておりますので、ご興味がおありの方はもらってくださいね♪
3月から保育士さんが常駐するようになりましたので、ご出産後も通いやすい体制を整えております。
今日はお子様にあげるおやつのお話です。
おやつのお話は、以前 虫歯になりやすいおやつがあると聞きました。どんなものに注意すればいいですか?や虫歯になりにくい上手なおやつの食べ方についてお話しました。
皆さん、お砂糖たっぷりのおやつが虫歯を作るというのは良くご存じで、第一子のときは大抵の方がおやつ管理をしっかりなさいます。
しかし、第二子、第三子が誕生すると…忘れてしまうのです。
虫歯が多い末っ子あるある ~Aさん宅のおやつ習慣~
Aさん宅には5歳のお兄ちゃん、2歳半の妹ちゃんがいます。
お兄ちゃんは5歳、そろそろ幼稚園でおやつを貰ったりして、市販のお菓子を口にし始めています。
Aさんも、幼稚園がお菓子を配るということはお菓子を食べるに問題ないからだろうし、実際にお兄ちゃんが市販のお菓子を食べても健診で虫歯の指摘がされないので、問題ないと思っています。
お兄ちゃんはお菓子を買ってあげるよと約束すると、とてもお利口さんにしてくれるので、Aさん宅にはご褒美用のお菓子がいつも置いてあります。
2歳の妹ちゃんも、お兄ちゃんがお菓子を貰うのを見て自分も欲しいと主張します。
お兄ちゃんも優しいので、よく妹ちゃんにお菓子を分けてあげます。
二人はお菓子を食べている間は静かにしてくれます。
ある日、歯科医院にフッ素を塗りに行ってみると、こう言われました。
「お兄ちゃんには初期虫歯多少ありますのでフッ素を頑張りましょう。
妹ちゃんには虫歯がたくさんありますので治療になります。」
参照記事 削らなくても治るむし歯があるって本当?
兄妹は同じおやつを食べていたのに、どうして妹ちゃんだけ虫歯だらけになってしまったのでしょうか?
生えたての歯は虫歯になりやすい
歯はいつも同じ形にみえていても、ミクロの世界では「溶ける(脱灰)」「修復する(再石灰化)」を繰り返しています。
口の中の虫歯菌が、おやつや食事の中の糖分を分解すると酸ができて、その酸が歯を溶かします。
その後、唾液が溶けた歯を修復します。
唾液は、フッ素以上の虫歯予防薬なのです。
それだけではありません。
口の中に酸が無い時も唾液は再石灰化を続けますから、歯は生えてから時間が経つにつれ、より丈夫になっていきます。
つまり、生えたての歯は生えてから何年も経った歯と比べて、虫歯になりやすいのです。
時間と量を決めて与えるおやつと、ご褒美用のおやつは別物!
Aさん宅の場合、お兄ちゃんが市販のおやつを口にし始めたきっかけは、幼稚園で市販のお菓子を食べる機会ができたことです。
幼稚園でゴマプリンや、ゼリーを貰うんだから、もうそろそろ問題ないかな?とAさんが思うのは無理もありません。
しかし、幼稚園ではおやつの時間や量を決めて、規則正しく食べさせています。
上でもご説明しました通り、歯は「溶ける(脱灰)」「修復する(再石灰化)」を繰り返しています。
脱灰するのは、口の中に食べ物が入っている間+その後40分間と言われています。
不規則におやつを食べさせたり、量を決めずに(袋ごとのお菓子、本人が食べるには多めの量のお菓子など)を与えると、お子様はだらだらと食べてしまいます。すると歯が溶ける時間が長くなりすぎるのです。
Aさん宅では、お兄ちゃんはフッ素を頑張れば良い程度の初期虫歯で済みましたが、ご褒美おやつを度々食べる食生活が続けば、初期虫歯が進行して虫歯になってしまう可能性もあるのです。
そして妹ちゃんは、生えたばかりの弱い乳歯が虫歯リスクの高い食生活に耐えられずに虫歯になってしまったのです。
お兄ちゃんは2歳半のころは、2歳児用のおやつを食べていた。妹ちゃんは、2歳にしてチョコやアイスを食べている…
上のお子様が市販のお菓子などを食べるようになると、年齢別にお子様のおやつを用意することが困難なため、一番上のお子様の食生活に下のお子様があわせる形になることが良く見られます。
上のお子様がチョコやアイスを食べている姿を見れば、当然、下のお子様も欲しがります。
「これはあなたにはまだ早いのよ」が、幼い下のお子様に通じることは、通常まずありません。
ですから、下のお子様の食生活に上のお子様をあわせましょう。
下のお子様が2歳半なら、まだ市販の甘いおやつは早すぎます。
果物やオニギリなど、より食事に近い形態のものをあげましょう。
上のお子様は、年齢があがるにつれ自分の世界を持ち始めます。
お友達とお菓子を食べたり、交換したりすることもあるでしょう。
その世界は大事にしてあげるとして、お家の中に他所で貰ったお菓子を持ち込むことはやめさせましょう。
お菓子を持ち帰ったら、いったん保護者の方が預かるようにして下のお子様の前で市販のお菓子を食べさせないようする、保護者の方用のお菓子がある場合は「これは大人の食べ物」と断言してお子様の手の届かない場所にしまうなどすると良いでしょう。
Aさん宅のお話はフィクションですが、当院にいらっしゃる患者様の中にも、ご兄弟・ご姉妹でいらして、下のお子様だけ虫歯がいっぱい…というパターンが多く見られます。
まだ虫歯治療が何のためにするものか理解も出来ない幼いお子様が泣きながら治療を受けるのは、心が痛みますよね。
規則正しい食生活、好ましいおやつ習慣で虫歯ゼロをめざしましょう!
なかなか上手におやつがあげられない、どう工夫すれば忙しい中でもおやつ習慣を改善できるか個別に相談したい、などの場合は当院スタッフにお気軽にご相談くださいね。
まとめ
- おやつは一番下のお子様の年齢のものにあわせる
- 規則正しい食生活・おやつ習慣は体にも歯にも優しい
- 個別にご相談がある方はお気軽にどうぞ★