妊婦健診には、どうして歯科の健診もあるの?
2020年11月12日
歯周病と妊娠について
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
新型コロナも5月ごろと比較すると落ち着いてきた印象ですね。
最近になってやっと妊婦健診に来院される方が、コロナ禍が来る前と同じくらいになりました。
当院も、いっそう気を引き締めて安全な歯科医療の提供を続けていきたいと思います!
さて、今日は妊婦健診と妊婦さん、そして歯周病の話題です。
妊婦健診で、歯科の検査項目があるのは何故?
歯周病はいろいろと全身的に影響を及ぼすということが明らかとなってきています。
参考リンク:
歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気
特に今回は妊娠と歯周病との関係について考えてみようと思います。
妊娠すると、歯肉炎といって歯ぐきが腫れやすくなります。
これを妊娠性歯肉炎と言います。
妊娠が歯周病を悪化させるワケ
歯肉炎の状態が進む(悪化する)と歯周病と呼ばれる状態へと移行していきます。
これは原因として妊娠によってホルモンバランスが変化することによって起こるようです。
女性ホルモンであるエストロゲン(聞いたことあるのでは?)やプロゲステロンなどの影響によります。
エストロゲンは歯周病細菌の増殖を引き起こすホルモンです。
そしてプロゲステロンは炎症作用と関係のあるホルモンであります。
これらのホルモンは妊娠時に増えていきます。
妊娠後期には、月経時の10~30倍にもなったりします。
ですので、妊娠後期にかけて歯肉炎が悪化することがあるようです。
そうはいっても歯肉炎の直接の原因は歯周病菌であり、お口の中に歯周病菌が少ない状態(きれいに歯磨きが出来ている状態)ですと、歯肉炎も起こらないか、軽度で済みます。
お母さんの歯周病と、お腹の赤ちゃんの関係
お母さんが歯周病になっていると、低体重児の出産、早産のリスクが高まります。
特に早産については、歯周病のお母さんはそうでないお母さんの7.5倍もリスクが高くなってしまうと言われています。7.5倍というと、ちょっとギョッとする数字ですよね。
歯周病というのは、細菌が歯の周りに存在し、細菌が血中に供給されている状態であると言えます。
さらには、血流に乗り胎盤をも通過し胎児に感染するのではないかと考えられているようです。
歯周病により炎症が広がると、炎症な関連してプロスタグランジンという物質が作られます。
プロスタグランジンという物質は、通常、出産が近くなると分泌され、それがきっかけとなり子宮の収縮が起こり陣痛、出産へとつながっていきます。
娠中のリスクファクターと言えば、喫煙、アルコールなどがあげられますが、歯周病の危険度はそれらをはるかに凌ぎます。
こうした理由から、赤ちゃんとお母さんの健康のために妊婦健診に歯科健診が含まれているんですね。
妊婦健診を活用しましょう!
妊娠に対して、歯周病が大きなリスクであることは明らかであると思います。
もちろん、まずは歯周病にならないことが重要です。
歯の周りの汚れ、歯石などをキレイに取り除くことが基本となります。
とはいえ、歯科医師や歯科衛生士でさえ、セルフケアだけで歯石がつくことを完全に防ぐことはできません。
セルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアの両方をうまく活用して防ぐのがベストだと思います。
妊婦さんに対して、妊婦健診の案内もあるかと思います。
歯科をしっかりと活用して、不必要なリスクを減らしましょう!
まとめ
いかがでしたか?
- 妊娠すると「妊娠性歯周炎」になりやすい
- 妊娠性歯周炎はホルモンバランスの変化によって起きる
- 妊婦健診を活用しましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
妊婦さんと歯について。妊娠中は口の中の環境が変わるので要注意!
2019年9月20日
こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
当院には、小さなお子さまをお預かりできるベテラン保育士が在籍しておりますので、若いお母さん方がたくさんいらっしゃいます。
また、岩国市の行っている妊婦健診も月に3~4人ペースで来院されています。
今回は授乳期のお母さんや、妊婦さんのお口の中の変化について、お話したいと思います。
妊娠による口の変化
妊娠すると様々な変化が起こっていきます。
それによって、口の中でもいろいろな変化が起こっていきます。
つわりによる変化
つわりにより、ニオイに敏感になったり、特定の食事が苦手になったり、あるいは甘いものや酸っぱいものと好むようになったりすることがあります。
奥歯の方に歯ブラシを入れると吐き気をもよおす場合は、お口の清掃状態が悪化することもあるようです。
ホルモンバランスによる変化
妊娠中はホルモンバランスに変化が起こります。
女性ホルモンを餌に増殖するタイプの歯周病菌が活性化するので、妊娠期間~授乳中まで、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
これを妊娠性歯周炎といいます。
なので、妊婦健診に歯科の項目があるんですね。
唾液の量も減ることがあるみたいで、これも虫歯のリスクをあげてしまう原因となります。
妊婦の歯科治療の時期はいつまで?
妊娠初期~4ヶ月
この時期はお腹の中の赤ちゃんの発育にとって大切な時期になります。
市販薬を含め、お薬の服用は極力控えたいところです。
ただし、お熱があったり、あまりにも強い痛みがある時は、ママさんが我慢するストレスが赤ちゃんに与えしまうストレスもあります。
限界まで我慢する前に医療機関にご相談ください。
また、つわりがある場合もあり、あまり積極的な歯科治療は行いにくい時期です。
歯科検診やクリーニングなどは可能ですので、妊婦健診はぜひ受けましょう。
ご自身のお口の中の問題点や、妊娠中のこれからの変化について、知っておくようにしましょう。
関連記事 院長ブログ 歯科の妊婦健診や、おとなの歯科健診って何のためにあるの?
院長ブログ 妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由
妊娠中期
安定期に入ると状況が変わってきます。
ほぼ全ての歯科治療が可能となります。
お薬に関してはやはり注意は必要ですが、比較的安心して使えるお薬もあるため大きな問題とはなりません。
なので、虫歯の治療などはこの時期に行うのが良いとされています。
なので、この時期までには虫歯治療にメドをつけておきたいですね。
妊娠後期
9ヶ月以降となると、治療が難しくなってくることもあります。
麻酔の種類にもよるのですが子宮の収縮を誘発したりするのもあるようです(当院は血管収縮剤不添加の、子宮の収縮を誘発しないタイプの麻酔を使用しております)。
体調的にもお腹にハリが出たり、仰向けになったときに、お腹の中の赤ちゃんの重さによって、血管が押し付けられ血圧に変化が起こってしまうこともあります。
また、痛み止めの服用も、妊娠後期から末期は赤ちゃんにとって、あまり良くないと言われています。
以上により、1回の治療が長時間に渡る処置は難しいかなと思います。
出産後
授乳が開始され、まだまだ女性ホルモンの分泌量も多く、歯ぐきが腫れやすい時期が続きます。
ただ、出産直後は、なかなか来院が難しい期間となるのではないかと思います。
出産後数か月は、お母さんは皆さん、お忙しいですからね。
最後に、お子さんの虫歯を減らすために家族全員で歯科健診を
お子さんが虫歯にならないようにはお父さん、お母さんのお口の中の環境が整っていることが重要です。
虫歯は虫歯菌が引き起こす感染症です。お子さんの虫歯菌への感染経路は母親が50%、父親が30%と言われています。
お父さんお母さんのお口に虫歯がないことが、お子さんの虫歯菌感染リスクをさげることに有効だと、研究により分かっています。
妊婦健診だけでなく、お父さんもご一緒に歯科医院でチェックを受けられるのが、お子さんのためにもより良いと言えます。
関連記事 院長ブログ こどもの虫歯はどこから来るの?
まとめ
- 妊娠初期に妊婦健診を受けるのがベストです。
- 妊婦検診で、治療が必要な部位はないか、もし治療が必要な場合は、安定期に治療を終えられるように計画するとスムーズです。
- ママさんが妊娠中に、ご家族全員の健診と口の中の細菌数を減らしておいて、赤ちゃんにとって良い環境づくりをすることをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
歯科の妊婦健診や、おとなの歯科健診って何のためにあるの?
2018年1月4日
自治体による予防歯科の推進
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
皆さん、「おとなの歯科健診」「歯科妊婦健診」をご存知ですか?
正確に言えば、
「歯科妊婦健診」という制度はなく、「おとなの歯科健診」の対象者が40歳、50歳、60歳、妊娠中の方、というだけなのですが、妊婦の方は産婦人科での妊婦健診が言い慣れておられるのと、母子手帳への記載などもあるので、特別に歯科妊婦健診と言うことが多いです。
どうして無料で歯科健診が受けられるの?
日本人の場合、40歳以上で歯を失う理由の大半が歯周病によるものと言われています。
他にも、歯周病は様々な病気を引き起こしたり悪化させたりすると言われています。
関連記事:歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気
中日新聞は2011年に、定期的に歯科医院で口腔ケアを受けているひとは全ての病気の医療費が少なくなるという報道しています。
関連記事:中日新聞の記事
自治体は保険者として医院での窓口負担以外の7割を医院に支払う組織ですから、歯科健診に行ってもらうことで医療費削減を期待しているんですね。
健康寿命を延ばす、その入り口が予防歯科
これは単に「市民が歯科健診に行けば、医療費が安くなって財政的に良い」というだけのお話ではなく、「歯科健診をきっかけに、糖尿病や脳血管障害といった重篤な病気になったり病気が悪化する確率を下げることで、市民の健康寿命(健康に暮らし働ける期間)が延びた上に医療費まで安くなる」という取り組みです。やらないなんてもったいですよね。
そういう訳で、全国の自治体で節目健診として歯科健診が無料で受けられるのです。
妊婦さんはどうして年齢を問わず、無料で歯科健診が受けられるの?
妊娠中は女性ホルモンの関係で歯周病菌が増えやすく、その結果歯周病になりやすいことが研究により分かっています。
また、歯周病を持つ妊婦さんの場合は、そうでない場合と比較して早産になってしまう確率が7.5倍も高いと言われています。
関連記事:妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由
最近では、歯周病菌の一種であるフゾバクテリウムが流産を起こすという症例も、わずかですが報告があるようです。
赤ちゃんのためにも妊婦さんは歯科健診をうけて、歯周病の予防と治療をした方が良いのです。
子供は社会の宝ですから、自治体がちゃんと制度で応援してくれているんですね。
妊活の一環として、歯科健診を受けることをおススメします
「おとなの歯科健診(検診)」の40歳、50歳、60歳の方と妊婦の方の違い…それは歯科健診の目的がご自身のためか、赤ちゃんのためかということですね。
節目健診で歯周病の指摘を受けた場合は、そこからじっくり治療していけば良いのですが、妊婦の方は「早産リスク」など赤ちゃんへの悪影響が既にある状態になっているわけです。
本当は、「赤ちゃんが出来る前、妊活中に歯周病が無いかチェックしておき、もし歯周病があれば早めに治療しておく」が理想的です。
「おとなの歯科健診(検診)」「歯科妊婦健診(検診)」の受け方
制度としての「おとなの歯科健診(検診)」は、40歳、50歳、60歳の方は岩国市から、がん検診と一緒に受診票が郵送されてきます。
妊婦の方は妊娠届け出時に受診表を渡されます。
どちらも、事前に任意の歯科医院(正確には「おとなの歯科健診実施医療機関一覧」に掲載されている歯科医院ですが、岩国の場合はほぼ全歯科医院が応じていると思います。)に電話予約を入れ、受診票を持って受診するだけ。
「おとなの歯科健診(検診)」では、レントゲン撮影が必要な精密な検査や、治療は含まれていませんので、もし治療した方が良い状態であれば別途で費用がかかります。
もし、引き続き治療が必要となった場合は、次回の予約は「再診」からになるので初診料と再診料の差額(600円程度)分、窓口の費用負担が軽くなります。
クリニックによって差はあるかと思いますが、当院では歯科衛生士による事前検査と歯科医師による検診で、約20分程度の所要時間です。
当院は完全予約制のため、受付からお帰りまで約30分となっています。
せっかく受診票が送られてきたら「痛いところが無いから」と捨ててしまわず、ぜひ使ってみてください。
まとめ
-
- 40歳、50歳、60歳、妊娠中の方には市から「大人の歯科健診(検診)」の券がもらえる
- 40歳以上の日本人の歯を失う原因のNO.1は歯周病
- 歯周病は糖尿病、心臓病、脳血管障害を悪化させる可能性がある
- 歯周病にかかっている妊婦の早産の確率は、健常者と比較して7.5倍という報告がある
- 大人の歯科健診(検診)の券を使用すると、検診のみだと無料。
その後、治療が必要な場合は初診料と再診料の差額分600円ほど安く受診することができる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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歯科ではよくレントゲンを撮るけれど、大丈夫?
2016年10月18日
歯科レントゲンの被ばく量とは
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
当院は妊婦さんやお子様が大勢いらっしゃいますので、歯科のレントゲンの被ばく量についての質問もしばしば受けます。
また、がんの放射線治療やCT撮影など、被ばく量の多い治療をしたばかりの方・する予定の方も、歯科のレントゲンについて不安に思われるかもしれません。
今日は、歯科のレントゲンについてのお話をしていきたいと思います。
歯科用レントゲン
歯科用レントゲンには、顎全体を撮影する「パノラマレントゲン」と、個別に歯を撮影する「デンタルレントゲン」があります。
X線の体への吸収量
- パノラマレントゲン・・・ 0.03ミリシーベルト
- デンタルレントゲン・・・ 0.01ミリシーベルト
東京とニューヨークを飛行機で1往復するときの被ばく量が0.2ミリシーベルトですから、非常に微量であることがご理解いただけると思います。
国立の放射線医学研究施設であるNIRSが発行した放射線被ばく早見表を見てみましょう。
図の一番下に「歯科撮影」とあります。
自然界から何もしなくても受ける年間の放射線量と比較しても極めて少なく、安全性は非常に高いと言えます。
そもそもレントゲンで何を見てるの?
歯や骨、歯茎の中を外側から診るだけでは分からないことが分かります。
具体的には、
- 歯を支える骨の状態
- 歯の根っこの状態
- 歯の根っこの周囲に感染が無いか
- その歯が過去に神経の治療を受けたかどうか
- 詰め物の下に虫歯が無いか
- 歯と歯が接した部分に虫歯が無いか
など、虫歯や歯周病の治療ための重要な情報が分かります。
妊娠中に「ご出産後にレントゲンを撮りましょう」と言われたことがあります。
レントゲンは赤ちゃんにリスクがあるの?
放射線被ばくによる赤ちゃんの奇形リスクは100~200ミリグレイ以上で増加します。
ちょっと違う単位が出て来て分かりにくいですが、ざっくりと「骨盤CT3回分」「医科のレントゲン検査20回分」より多い被ばく量と思ってください。
がんの放射線治療などでは、この線量に達することがあるようですが、一般に歯科のレントゲン検査では、まず達しない線量です。
ただ、それとは別に、被ばくが無くても一定の低い確率で赤ちゃんが障害を持つ可能性はあります。
そして、妊婦検診などのときに、赤ちゃんに少しの可能性でもリスクがあると言われると、お母さんは「あれがいけなかったのかな・・・私のせいなのかな・・・!?」と不安になってしまう人もいます。
あえてご出産前はレントゲンを撮らない範囲で治療を行い、必要に応じてご出産後に改めてレントゲンを撮って再評価するケース
- 軽度~中等度の歯周病
- すぐに痛みが出にくそうな、小さな虫歯の治療
- レントゲンを撮らなければいけない緊急性がさほど高くない症例 など
レントゲン撮影について、ご不安がおありの方は、お気軽に相談してください。
まとめ
歯科用レントゲンの被ばく量は極めて低く、安全性が高い
ただし、不安を感じられる場合はお気軽にご相談ください
次回は「保険の効く歯科治療と効かない歯科治療、どう違うの?~まずは保険の歴史を紐解こう~」をテーマにお送りします。
岩国のやさしい歯医者さん つぼい歯科クリニック
〒740-0034
山口県岩国市南岩国町2丁目78-36
診療時間(予約制) 月~土 9時~12時、14時~18時 水9時~12時
日・祝・水曜午後 休診
矯正相談のみ(完全予約制)18時以降も承ります。
電話 0827-32-7506
お電話受付時間 月~土 9時~20時、水9時~13時
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妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由
2016年10月1日
こんにちは!岩国市のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
今回は妊婦さんとお口の健康に関してお話していきたいと思います。
妊婦検診に歯科の項目があることをご存知の方は多いかと思います。
どうしてかご存知ですか?
その1 男性より女性の方が歯周病になりやすい。
歯周病菌の中には女性ホルモンがあると繁殖するものがあります。
つまり、思春期や周産期の女性は、女性ホルモンがたくさん出ているので、この時期は歯周病が悪化しやすいのです。
その2 歯周病のある妊婦さんは早産や流産の確率が7.5倍!
歯周病を持っていない妊婦さんに比べ、早産や流産の確立が7.5倍にもなるという報告があります。
(UCLA歯学部マイケル・ニューマン教授グループ2000年発表)
歯周病は生活習慣病。予防が可能です。
女性ホルモンが多い時期であろうと、歯周病菌が少なければ歯周病になりにくくなります。
赤ちゃんのためにも、しっかりと歯周病を予防したいですね。
その3 虫歯ができてしまっても、出産後は忙しくてなかなか受診できない
当院にも、多くの妊婦さんが妊婦検診で来て下さっています。
里帰り出産時の受診で珍しくないパターンなのですが、里帰り中に虫歯をまとめて治す心づもりで、臨月になって検診に来られる場合があります。
虫歯も重度の歯周病も無い場合は全く問題ありません。
ただ、中等度以上の歯周病や、複数の虫歯がある場合はご出産までに治し切ることができないことがありますので、ご注意ください。
もちろん、可能な限りスケジュールに間に合うように治療しますが、虫歯の数が多い場合や、歯の神経の治療が必要なケースなどですと、特に要注意です。
ご出産が終えて初乳のころは赤ちゃんと離れられませんし、なにかとお母さんは忙しくなるもの。
歯科の妊婦検診はできれば早めに受けることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
妊婦さんが歯周病やむし歯を予防した方が良い理由として、
- 女性の方が男性よりも歯周病になりやすいこと
- 妊娠中に歯周病にかかると流産や早産のリスクが7.5倍になること
- 虫歯や歯周病の進行度合いや本数によっては、出産までに治療が終わらない可能性があること
をお話ししました。
次回は、「お子さんのお口の中の虫歯菌はどこからくるの?」というテーマでお送りします。
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お母さんが妊娠中に赤ちゃんの歯を丈夫にできる食べ物とは?
2015年12月5日
こんにちは、つぼい歯科クリニック院長の坪井です。
今回は、お母さんが妊娠中に赤ちゃんの歯を丈夫にできる食べ物についてお話したいと思います。
お腹の赤ちゃんにいい食べ物、色々ありますよね。
ミネラルが豊富で、栄養価も高くって…。
では赤ちゃんの「歯を丈夫にする」という食べ物は何でしょうか?
ズバリ「フッ素を含んだ食べ物」です。
海藻やイワシや海老などの海産物、牛肉やじゃがいもなどにも豊富に含まれています。
お茶にも含まれていますが、フッ素だけでなくカフェインも含まれているのでお腹の赤ちゃんにはおススメできません。
歯科医院や学校などでフッ素を歯に塗ったり、フッ素入りの歯磨き粉が売っていたりしますので、フッ素は歯を丈夫にするということは聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
歯はハイドロキシアパタイトという物質で主にできているのですが、これは酸に溶けやすい性質があります。
自由研究の定番のテーマで卵の殻や貝殻を酢につけておくと、柔らかくなるというのがありますよね。
石灰化物(タンパク質にカルシウムがくっついた状態のもの。貝殻、卵の殻、歯や骨など)は酸に溶けやすいという性質があるんです。
フッ素を塗ったり食べたりすると、このハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトという物質に置き換わることで、溶けにくい、丈夫な歯になるわけです。
置き換える方法は、歯に塗るか、食べ物として食べるかです。
「フッ素って歯に塗るものでしょ?食べ物からも摂るの?」
と思われた方も多いんじゃないでしょうか。
実は、フッ素は既に生えた歯に塗るよりも、歯が体のなかで作られている最中に食事を通して歯に取り込まれたほうが効率が良く、歯を丈夫にすることができるんです。
歯が体の中で作られている時期というのは、乳歯の場合、お母さんのお腹の中にいる時期から、乳歯が生えてくる前の時期です。
永久歯の場合、母さんのお腹の中にいる時期から12歳臼歯(じゅうにさいきゅうし)が生えてくる、12歳前後までになります。
大人になってからフッ素の入っている食べ物を頑張って食べても、残念ながら歯は丈夫になりません。
外国では水道水にフッ素を混ぜたりして、制度として子供がフッ素を摂取するようにしている国も多いです。
しかし、日本では家庭ごとの選択権を重視して、食事を通して自然な形で取り入れたり、歯科医院や学校などのフッ素塗布を通じて取り入れる、よりマイルドな方法が取られています。
偏食にならない程度に、ぜひ、食事を通して自然な形でフッ素を取り入れてみてくださいね。