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MFT 「正しい姿勢・咀嚼と嚥下・呼吸」を得るために大事なこと

2024年3月6日

MFT(口腔筋機能訓練)特集その2

「正しい姿勢・咀嚼と嚥下・呼吸」を得るために大事なこと

 

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

 

今回はMFT(マイオ ファンクショナル セラピー 口腔筋機能訓練)の第2回です✨

小児の口腔の発達とMFTについて考えようと思います。

 

1)MFTの目標は「正しい姿勢・正しい咀嚼と嚥下・正しい呼吸」

 

正しい姿勢・咀嚼と嚥下・呼吸とは、なんでしょうか?

リンク先は小児歯科学会の啓発ポスターです。

 

参考リンク:口は閉じて食べましょう!

 

正しい姿勢・咀嚼と嚥下・呼吸として大事なことは、

 

・前歯で噛みきり、しっかり噛んで程よいところで飲み込む

・背もたれは使わずに、背筋を伸ばした姿勢で座る

・足置きを用いて、足裏を床につけて食事する

・口を閉じて食べる

 

とされています。

岩国 歯医者 正しい姿勢

さて、あなたのご家庭では、お子さんは普段、どのような姿勢をしていらっしゃるででしょうか?

 

2)現代家庭ではお子さんは「良い姿勢」を習得しにくい

 

ソファーに座ると、子供の場合は足裏が床につかないですし、ソファーだと背もたれにもたれてしまいますよね?

また、ご家族みなさんで食卓を囲むとき、子供は足置きがなけれは足裏が床につかないはずです。

岩国 歯医者 MFT

 

お子さんは足をブラブラ、させていませんか?

背もたれを使っていませんか?

猫背・巻き肩になっていませんか?

岩国 歯医者 よくない姿勢

診療室でお子さんを見ていると、今はほとんどのお子さんが、こうした「悪い姿勢」になってしまっているように感じています。

 

お子さんが普段の生活でソファーや足のつかない椅子を使っていると、良い姿勢をするための筋肉が発達せずに、良い姿勢をすることそのものが難しくなってしまうんです。

 

3)姿勢の維持には筋肉と関節の柔軟性と筋肉量が重要

 

僕も若いころに比べて姿勢が悪いと言われることが増えてきました。

つい気が緩むと猫背になっていたり、椅子に浅く座って足を組んだりしてしまい、女性メンバーに「姿勢が悪い」と注意されてしまいます。

 

姿勢の維持に重要なのは筋肉、関節の柔軟性とある程度の筋肉量です。

使いやすい筋肉ばかり使用し、使っていない(サボっている)筋肉があると、使い続けている筋肉は緊張して固く短縮してより強くなり、サボっている筋肉は伸びて弛緩し、衰え細くなります。それによってさらに姿勢が悪くなったり、体の不調が出てきます。高齢になると骨が曲がったり、傷みが出てくる原因にもなります。

 

特にパソコンやスマホなどをするときは、ストレートネック(首を前方に傾けるような姿勢)になりやすく、首・肩・舌の周囲筋・表情筋などと連動して筋肉が緊張してしまいます。

 

岩国市 歯医者 ストレートネック

 

お子さんだけでなく、成人でも、

「猫背・巻き肩・ストレートネック」になってしまうと、口腔周囲筋の不調和につながって(程度の差はありますが)口腔機能の低下や、TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)や顎関節症などの症状が出てしまうことがあります。

 

予防や症状改善のためには「正しい姿勢」を維持するために、筋肉のトレーニングやストレッチを行うことや、良くない環境を見直すことが有効とされています。

 

 

4)正しい姿勢をするために見直すこと

 

4-1)小児・成人共通

・椅子に座るときには足裏を床につける

・椅子のせもたれやソファーは使用しない

 

4-2)乳幼児

・離乳食は大人のゲンコツサイズの野菜の水煮などを手づかみ食べさせる

・足をブラブラさせない。サイズにあった乳幼児用椅子を用いる

 

4-3)小児

・口腔周囲筋を良く動かすような遊びをする(口笛、吹き矢など)

・足裏が床につかない時は足置き台を用いる

・学習机に向かう時の椅子も、足置き台を足裏が付くようにする

 

4-4)成人

・スマホやパソコンを使うときの姿勢に気を付ける

・巻き肩にならないよう、肩甲骨を寄せる筋トレを行うか、大胸筋や前腕屈筋群、広背筋を伸ばすようなストレッチを行う

・座り時間が長くなりすぎないように気を付ける

 

5)「仕上げ磨き嫌い」や「食事の好き嫌い」も、口腔の発達不全に由来している!?

 

保護者の方の悩みである仕上げ磨き。

実は、仕上げ磨きが嫌いなお子さんは、口腔機能の発達不全があるかもしれません。

 

口腔内の筋肉の動きが悪い部分=筋肉の強い緊張がある部分は、過敏な部位に変化していきます。

歯磨きが苦手なお子様たちの口を観察すると、舌小帯や上唇小帯の短縮症があったり、低位舌などがある場合が多いです。そうした「発達不全の原因」があるために、口腔内が過敏になって、大人に触られるのを嫌がるようになってしまうんです。

 

ですので、MFTのスタートは過敏を除去する、脱感作となります。

口から舌を突き出したりする動きや、口の周囲をトレースさせる動き、舌に歯ブラシを当てる動きなどです。

また、筋肉の発達とともに過敏も落ち着いてくる場合が多いです。

 

MFTは最終的に歯並びの改善に大きく寄与する場合もありますが、第一に目標とすべきは正しい機能の獲得と発達です。歯磨きが苦手、食事が遅い、口を開けて食べる、好き嫌いが多いなどの問題がある場合、口腔領域全体の発達の問題ととらえて見直してみると良いでしょう。

 

6)まとめ

 

いかがでしたか?

 

・MFTの目標は、正しい姿勢で、正しく噛んで飲み込み、正しく呼吸する、ことです。

・口腔周囲筋の不調和があると、口腔機能発達不全の原因となります。

・仕上げ磨きの嫌いな子は不調和に起因する感覚過敏が原因である場合が多いです。

・歯磨きが苦手、食事の好き嫌いなどの問題がある場合、口腔領域全体の発達の問題ととらえて生活習慣を見直すことをおススメします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

インビザラインのアライナー(マウスピース)の交換頻度は「7日」が基本

2024年3月5日

インビザラインのアライナー(マウスピース)の交換頻度は「7日」が基本

~4日・5日・7日・10日のバリエーションと、その理由~

 

岩国市 マウスピース矯正 歯医者

 

インビザライン(Invisalign)は、歯列矯正を行う際に用いられる透明なマウスピース型の装置です。

従来の矯正装置であるブラケットやワイヤーと比べて目立たず、日常生活に支障をきたしにくいという利点があります。

 

インビザライン矯正の特徴については、こちらの記事もぜひお読みください。

 

参考リンク:マウスピース型矯正とワイヤー矯正の違いとは?

参考リンク:インビザライン矯正の魅力 便宜抜歯を回避できる

 

アライナー(マウスピース)を使用した矯正治療は、患者さんにとって利便性が高いため、とても人気です。

 

アライナーを効果的に使用するためには、適切な頻度でアライナーを交換することが重要です。

今回は、インビザライン矯正に関する「よくある疑問」として、アライナーの交換頻度について解説します。

 

1)アライナー(マウスピース)の交換頻度の基本は7日

 

一般的に、アライナーの交換頻度は7日間を基準としています。

7日交換の場合、4日間使用して歯を動かし、その後3日間は装着したまま歯を安定させるための期間として機能します。このサイクルを繰り返すことで、徐々に歯並びを整えていきます。

 

2)加速装置を用いて4~5日交換にできることも!

 

矯正加速装置は、アライナーを使用する際に歯をより速く動かすための装置です。

症例によっては、この装置を用いて4~5日で交換できることもあります。

 

矯正加速装置は元はインプラントが顎骨と早く結合させるために開発された機械で、骨のリモデリング(吸収と再生)を特殊な光や振動で活性化させます。

 

この装置を用いて4日交換で40代の方の矯正治療ができたという症例報告もあります。

ただし、若年者と比べて、30代以上の方はやはり歯が動く速度が遅くなる傾向があり、当院では30歳以上の方にはあまりおススメしておりません。

 

*30歳以上の方でも、7日交換で使用していただくことは良くあります。

*4日交換できなくても、加速装置を用いることでアライナーの浮き上がりなどが減った結果、トータルの治療期間が短くなることは多いです。

 

3)症例によっては10日交換となることもある

 

症例によっては歯をゆっくりと動かした方が良い場合もあります。

そのような場合は、アライナーの交換頻度を10日間に1回に設定することもあります。

 

以下は、10日交換となる可能性が高い症例の特徴です。

 

3-1)大きな歯の移動が必要な場合

歯並びを大幅に変える必要がある場合、ゆっくりとした動きが歯を過度に負担から守る必要があることがあります。

 

3-2)歯の傾きや回転が多い場合

特に、歯肉退縮しやすい症例(前歯をわずかに唇側に拡大しなければならない症例など)で、歯の元の傾きが大きい場合はゆっくり歯を動かす必要があることがあります。

 

3-3)歯茎や歯槽骨の健康状態が悪い場合

歯茎や歯槽骨の状態が良くない場合、ゆっくりとした動きをすることで、歯を健康に保ちながら歯列を改善することがあります。

 

これはあくまで当院の話ではありますが、10代~30代の方で10日交換をすることはほぼありません。

 

)それ以外に交換頻度が変わることはある?

 

インビザラインなどのアライナー矯正では、IPR(歯と歯の間をわずかにトリミングすること)を行うタイミングが決まっています。

 

また、アタッチメントという、歯と同じ色の装置を歯に接着して歯を動かすのですが、何枚目でこのアタッチメントを新たに付ける、というタイミングも最初から決まっています。

 

この「タイミング」は「アライナー●枚目に交換する前」というタイミングです。

*何枚目でIPRやアタッチメント装着するかは、症例により異なります。

 

ただ、そのタイミングきっちりに歯医者さんに受診できるかというと…

・通院できるのは土曜だけ

・平日は18時以降しか通院できない

となると、IPRやアタッチメント装着のタイミングの前でアライナー交換が出来ずに、結果として交換頻度が下がってしまうことがあります。

 

ただ、アライナー矯正は始めた日から全日程が決まっている治療でもあります。

数回先の予定を確認して、複数回の予約をとったり、受診予定日のスケジュール管理をしっかりすることで、7日交換を維持することが出来ます。

 

IPRの頻度が多い症例の場合、こうした「受診スケジュールの管理」が治療期間を大きく左右することもあるんです。

アライナー矯正は「スケジュール管理」で結果的に治療期間を短くすることができるんです。

 

5)まとめ

いかがでしたか?

 

・アライナーの交換頻度は7日が基本です。

・加速装置を用いることで4~5日交換に出来ることもあります。

・症例によっては10日交換となることもあります。

・スケジュール管理をしっかり行うことで、矯正治療を早く終えることができます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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