子供にホワイトニングさせたいんですけど・・・
2019年6月29日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
雨の日も少しずつ周期的になっていき、梅雨入りなどのキーワードが出てきましたね。
こういう時は夏風邪も流行ったりして、体調も崩しやすいので、皆さんお気をつけください。
子どもにホワイトニングをさせたいんですけど
最近患者さんからご相談を受けて、気になったのが上のご質問です。
つぼい歯科クリニックでは、大人のご希望の方には、自宅でのマウスピースを使った歯の漂白(ホームホワイトニング)を行っています。
このご質問は、当院でのホワイトニングに、ご満足いただいた保護者の方からのものです。
日本では未成年に、歯科医院でのホワイトニングはできない?
最近流行のセルフホワイトニングと異なり、歯科医院でのホワイトニングは漂白です。
歯科医院でのホワイトニングは、サロンやエステでは扱えない薬剤を使用します。
そのため、セルフホワイトニングとは別物で、効果が高いものとなっています。
日本では歯科医院で使用する、ホワイトニングの薬剤は、基本的に18歳未満の方には使用できないことになっています。
なぜでしょうか?
日本で未成年に歯科医院でのホワイトニングが推奨されないワケ
1)そもそも生えたての永久歯は黄色く見えます。
実は、乳歯と永久歯は色合いが違います。
乳歯は青白色と言われており、少し青っぽい色をしています。
一方、永久歯は黄色っぽい色をしています。
これは歯の中の象牙質が、薄いエナメル質(表面)から透けて見えているからです。
ただ、永久歯の歯の色は他の乳歯も永久歯に生え変わることによって、お口全体の全体の色調が統一され、気にならなく(≒白く見えるように)なります。
2)日本人は歯が黄色い?
正解です。
日本人を含めた黄色人種は、白人や黒人の方と比べてエナメル質がやや薄く、柔らかく、透明感が強いという特徴があります。
従って、日本人では象牙質の黄色みが透けて見えやすく、歯が黄色く見えます。
これは「虫歯が進行しやすい」という特徴とも重なりますので、ぜひ覚えておいてください。
3)歯はいつ頃成熟するの?
永久歯は生え始めてから何年かかけて徐々に表面が成熟し、固くなっていきます。
しかし、萌出時期や成熟の早さは個人差があり、成熟の確定診断は難しいと言われています。
ホワイトニングは歯質を少し弱めて、薬を入り込ませて脱色するのですが、未成熟な歯での安全性は確率していません。
そのため未成年でのホワイトニングは適応外とされています。
4)そもそもホワイトニングの適応症とは?着色している歯とは?
そもそもホワイトニングの適応症は、加齢による黄ばみ、軽度のテトラサイクリン変色歯、失活歯などの変色歯です。
これに当てはまる未成年者は、あまりいません。
多くの小児の場合、ほとんどの着色は外来性のものが多いです(麦茶や色の濃いお菓子など)。
この場合においては、歯面は研磨において十分キレイになりますので、それで十分だと考えます。
従って小児の場合、基本的にはホワイトニングよりも、健康な歯肉と歯を獲得することを目標とした定期健診、歯面研磨などの口腔ケアの方が大事です。
ただ外傷等によって歯の色が変わってしまった場合、お子さんが思春期などに、ひどく悩まれる場合があります。
歯科医師としてはこの場合、上記の様な原則にこだわることなく解決する努力をいたしますので、なにかあれば個別にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 日本では18歳未満の方へ、歯科医院での薬物を用いたホワイトニングは適応ではありません。
- 日本人の生えたての永久歯はエナメルが薄いため、少し黄色みががかっています。
- 多くのお子さんにおける歯の着色は、外来性の色素である場合が多いです。
- 基本的には定期健診と、その時に行う歯面清掃によってキレイな状態を保つのがおススメです。
気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
ロイテリ菌に関する院内勉強会を行いました
2019年6月28日
こんにちは!つぼい歯科クリニック スタッフのう~ちゃんです。
外部より、ロイテリ菌に関する講師の方をお招きして、院内勉強会を行いました。
広島県立病院のNICUで乳児の下痢に対して、ロイテリ菌を使用しているとのことでした。
ロイテリ菌の効果として、虫歯や歯周病の予防や、アレルギー改善効果、ピロリ菌に対しても効果があるという内容でした。
スウェーデンでは、赤ちゃんの夜泣き外来というのがあり、そこでロイテリ菌を使用しているそうです。
保護者の方は気づかないのですが、赤ちゃんの夜泣きには、お腹が痛くて泣いていることも結構あるのだとか。
「夜泣きは日中、あまり泣かない、ハイハイしないなどの、現代住宅事情によるお子さんの運動不足が原因」というのは、私も姿勢咬合で習ったのですが、もしお腹が痛くて泣いているなら、とてもかわいそうですね。
実際にロイテリ菌を私自身が使ってみた感想です。
緑の成人向けのタイプ(県病院が採用していないタイプ)は、体質的に合えば、歯周病もアレルギーも、風邪やインフルエンザも予防できていいこと尽くしですが、合うか合わないかは人による印象です。
スタッフの中には「お腹が痛くなった」という人もいました。
一方、赤ちゃん向けの黄色のタイプ(県病院が採用しているタイプ)は、体質的に合わないということが、ほぼない印象です。
メーカーの方によると、緑のロイテリ菌製剤と黄色のロイテリ菌製剤の違いは、緑が2株なので黄色よりも効果は高いそうです。
しかし、基本的には同じものとのことです。
私は、どの人にも合う黄色のタイプが、味もオレンジとストロベリーで食べやすく、良いのかなという印象です。
緑のロイテリ菌製剤を試して、体に合ったスタッフは、
「お腹を壊しやすかったのが、改善した」
「朝、口の中がねばつかなくなった」
と言っていました。
ご興味がある方は、スタッフにお尋ねください。
むせる、飲み込みづらい、舌がもつれる…自分でできる口の若返りトレーニング!
2019年6月15日
自分でできる「お口を若返らせる」トレーニング
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
前回は、オーラルフレイルの兆候を自分で確認できる検査についてご説明しました。
オーラルフレイルとは唾や食事でむせることが多かったり、歳をとって滑舌が悪くなったりといったお口の衰えのことで、お口の周りの筋肉の衰えから起きる、という内容でした。
参考:オーラフレイルを自己チェックしてみよう!
今回は、オーラルフレイルの予防トレーニングについてのお話です。
トレーニングは予防にもなりますし、治療にもなるんですよ。
オーラルフレイル(お口とその周囲の衰え)は治せる!
オーラルフレイルというのは全身のフレイル(衰弱)の前兆、前フレイル状態といわれ、可逆的だと言われています。
つまり、トレーニングで改善できます。
そのトレーニングというのは、口は首まわりの筋肉の「筋トレ」です。
筋肉の衰えが原因なら、筋トレで治るのです。
実際にオーラルフレイルの症状が出て生活にお困りの場合は、お近くの歯科医院で「どこが問題で」「どのような訓練をすれば効果的か」判定して、プロの指導に沿って訓練を行っていく必要があります。
今回は「病院に行くほどじゃないけど最近むせることが多いなぁ…」という方向けに、ご自宅で短い時間で簡単にできるトレーニングをご紹介していきます。
頭持ち上げ体操
①お布団に寝転がっている状態で、頭を少し持ち上げて、お布団から浮かせます。
②最低3秒以上、可能なら20~30秒間、頭を持ち上げ、1分休憩します。
③また持ち上げ、休憩1分
④持ち上げ、この繰り返しを毎日、10回やってみましょう。
「舌骨上筋群」という、喉の筋肉が鍛えられることにより、むせ予防・治療となります。
舌圧アップトレーニング
舌圧というのは、舌を上顎にぐっと押し付ける圧力のことです。
この圧力が低くなると、飲み込みづらい、口呼吸となってしまう、といった症状が出てしまいます。
(口呼吸になると口腔乾燥症にもなってしまいます。参考ドライマウスの原因と自分での治し方)
舌圧をアップするトレーニングは、専用の柔らかいシリコン製のトレーニング器具で、舌と上顎で押しつぶすようにする方法や、筋機能訓練(MFT)などがあります。
シリコン製舌圧トレーニング器具は、1個1200円程度、3本組だと3000円弱で購入でき、直感的に分かりやすく使用も簡単なので、介護施設などでよく使用されています。(ペコぱんだなど)
筋機能訓練は、様々なトレーニングがありますが、簡単でちょっとした空き時間に出来るものを2つ、ご紹介します。
筋機能訓練 初級 ポッピング
①舌全体を上顎に押し付けた状態で口を開けます。
②この状態で、ポンッ!っと舌を鳴らします。
筋機能訓練 中級 バイト&クローズ
ポッピング同様に、舌全体を上顎におしつけて、大きく口を開けます。
ここで舌がくるんと丸くなって、舌先だけが上顎についている状態はNGです。
NG
OK
舌全体が上顎にべったりと押し付けられた状態のままで、大きく口を開けます。
口を閉めて、また大きく口を開け、閉める、を10回×3セット繰り返しましょう。
舌の筋トレですから、舌が疲れてきたら成功です!
あいうべ体操
とても有名で、当ブログでも何度か取り上げている体操です。
あくまで筋トレなので、声は小さくて良いので、口の周りの筋肉を大きく動かすイメージです。
ブローイング
フーッと息を吹くことによって、口唇圧(こうしんあつ・唇を閉じる力)をUPし、軟口蓋(なんこうがい)という上顎の喉に近い部分を持ち上げる力をつけます。
具体的には、吹き戻しや、風船を膨らませるトレーニング、ストローで水の入ったコップにぶくぶくする方法があります。
吹き戻し
吹き戻しは、硬さの違うトレーニング専用の物もあり(3つで900円程度と、ちょっと割高です)、レベル0が出来たらレベル1、そしてレベル2とトレーニングを進めていくこともできます。
100円均一ショップなどの、もっと格安の吹き戻しを使ってみても良いと思います。
100均の吹き戻しはバネが弱めですので、吹く力が小さくても伸ばすことができますが、入門編としては十分と思われます。
吹き戻しの方法
拭き戻しは1回あたり5秒間、フーッと吹いて、バネが延びた状態を維持します。
1日10~30回行うと良いと言われています。
風船トレーニング
風船トレーニングは、その名の通り風船を膨らませるトレーニングです。
吹き戻しが出来るようになって、物足りなくなった方におススメです。
構音訓練
「パ」「タ」「カ」の3つの音を、はっきりと発音することを意識しながら「パパパパパ…」と5秒間に沢山言う訓練です。
これは、前回の「オーラルフレイルを自己チェックしてみよう」というお話の、構音機能検査の項目をご覧ください。
オーラルフレイルを
「毎日パタカラ」というアプリには、検査だけでなく、トレーニングを指示してくれる機能がありますので、そちらもおススメです。
歯科医院でトレーニングを行う場合
飲み込みにくい・むせるといった症状が強い方を、歯科医院でトレーニングする場合は、もっとたくさんの訓練の中から、症状に合ったものを選んで取り組んでいただいています。
飲み込みにくいけれど、自分だけでやるトレーニングはちょっと難しいかな、という方はお近くの歯科医院にご相談くださいね。
まとめ
いかがでしたか?
- オーラルフレイルはトレーニングで改善できます。
- ちょっとした隙間時間でできる、簡単なトレーニングも多いです。
- 症状が重い方はお近くの歯科医院にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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乳児の虫歯予防のポイントは?歯磨きは何歳からがんばればいいの?
2019年6月6日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦和則です。
虫歯予防は生涯にわたって必要なことですが、今回は特に低年齢の虫歯予防について話を進めて行ってみようと思います。
第一回の今回は、乳幼児期についてです。
年齢別虫歯の予防方法について
乳児(0歳児)期
歯みがきより食生活が大事
この時期は、歯磨きよりもフッ素や食生活管理のほうが、確かな予防効果があります。
授乳、卒乳の影響も大きいとされています。
卒乳が遅いと虫歯になりやすいということが、疫学的に分かっています。
食生活管理がちゃんとできていれば、この時期に虫歯になることはあまりありません。
ですから、この時期の歯磨きは「習慣づけ」の側面が大きいと言えます。
保護者の方が、赤ちゃんの口に指を入れて、お口の中をしっかり見ることが出来るよう、慣らしてあげましょう。
「どうしても泣いてしまって難しい」と言う場合は、歯磨きシートで代用することも可能ですが、少しずつ歯磨きトレーニングは始めて行きましょう。
また、低濃度フッ素の活用も効果的です。
赤ちゃん用のフッ素スプレーやジェルもありますので、ご興味がおありの方はお試しください。
離乳食が始まると、ミルクの飲ませ方が大事になる
虫歯というのは、お口の中の細菌の作用によって、「歯が溶ける」ということです。
母乳には乳糖という、糖の一種が含まれていますが、母乳の乳糖濃度のみでは虫歯はできないと言われています。
野生の動物の赤ちゃんが、母乳で虫歯にならないのと同じですね。
ただ、離乳食が始まれば話は別です。
離乳食に含まれる糖分と母乳の糖分が合わせ技で、虫歯をつくってしまうことは、珍しくありません。
母乳はお母さんと赤ちゃんの大切なスキンシップです。
しかし、離乳食が始まったあとは「だらだら飲み」になりやすく、特に、夜間授乳は非常に虫歯のリスクを高くしてしまうことで知られています。
また、1歳半を超えての夜間授乳は、歯科医師としては
「難しいのは承知ですが、それでも、できれば避けてください」と申し上げたいところです。
遅くなれば遅くなるほど、虫歯のリスクが上がってしまいます。
そして、4歳未満で虫歯を作ってしまうと、生涯を通して虫歯リスクが(乳歯が永久歯に生えかわった後も)高いままであることが、研究で分かっています。
でも、今日からすぐに卒乳は無理ですよね。
そんな時は、「歯を強くする、虫歯ができにくい環境をつくる」ということが、重要だと思います。
具体的には2つです。
- 赤ちゃん用のフッ素を使う
- 食事やおやつ、飲み物からの砂糖の量に気を配ること
ぜひお試しください。
1歳半~2歳
歯みがきトレーニングをしましょう
お口の中には前歯と横の歯あわせて16本程度の乳歯が生えてくる時期になります。
1歳半~2歳にかけての虫歯は上の前歯がほとんどです。
歯磨きに慣れながら虫歯予防をすすめていきましょう。
虫歯菌は、常在菌といって、お口のなかに定着している菌のひとつです。
3歳までに80%のお子さんで虫歯菌の定着がおこってしまいます。
虫歯菌の定着は遅いほうが虫歯予防には有利なので、保護者の方とお子様が1本のスプーンを共有して、お食事されるようなことは、避けた方が良いでしょう。
参考:院長ブログ こどもの虫歯菌はどこから来るの?
この時期も、まだ歯磨き(仕上げ磨き)より飲食習慣の管理の方が重要であるとされています。
お兄ちゃん、お姉ちゃんが甘いおやつを既に食べる時期になっていて、1~2歳の下のお子様が、上のお子様のおやつを欲しがるようになり、低年齢でアイスやチョコや飴を口にし始める…というケースもありますので、要注意です。
参考:末っ子は虫歯が多い!? 兄弟がいるお子様にありがちな虫歯のできる理由
この時期に市販のお砂糖たっぷりのオヤツを食べると、あっという間に虫歯になってしまいます。
「おやつは上のお子様が、下のお子様に合わせる」ようにすると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
- 低年齢では、歯磨きより食生活管理が大事
- 離乳食が始まると、夜間授乳による虫歯リスクが高くなります
- 赤ちゃんと保護者の方のスプーンは分けましょう
次回は、3歳以上のお子様の虫歯予防について、お話していく予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
永久歯の本数のトラブル(先天性欠損歯や過剰歯)について
2019年6月1日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
長い連休が終わり、今は暑くもなく寒くもなく丁度良い季節ですね。
5月は幼稚園、小学校などでも検診が行われ、皆さんから歯並びの相談などを受けることがあります。
その中で、最近増えているのが、歯の数の問題です。
今回は永久歯の本数によるトラブルをテーマにお話ししていきます。
歯数の問題には、永久歯の歯の数が足りない先天性欠損と、余分な歯の芽である過剰歯が存在するという大きく二つが挙げられます。
1)永久歯が生えてこない!?先天性欠損歯について
先天性欠損歯については、2010年に日本小児歯科学会の大規模な調査が行われました。
その調査では10%、つまり10人に1人ぐらいに一本以上の先天性欠損(欠損歯)が存在することが明らかになりました。
10人に1人は歯科医師としてはかなり多い頻度に思います。
先日、つぼい歯科クリニックでも、学会の研究協力の一環で、当院における先天性欠損歯の頻度を調べました。
結果は、やはり日本小児歯科学会の大規模な調査と変わらない頻度(7%)でした。
欠損部位について
欠損部位としてよくあるのは、下の前歯(前から1-2番目)と小臼歯(前から4-5番目)です。
下の前歯が少ないと、下顎の前方部の成長が少し悪くなるので、咬み合わせが深い歯並び=出っ歯になることが多いです。
また、上下の歯の真ん中(正中)が少しずれますが、気になるほど目立つことはあまりありません。
小臼歯がない部位で乳歯が抜けると、大臼歯(6番目)が倒れる場合が多くなります。時間の経過とともに咬み合わせが低くなり、顎関節症をおこす原因にもなり得るので、何らかの矯正治療か補綴治療(歯列の隙間を冠やブリッジ、入れ歯などでうめる治療)が望ましいです。
その一方で、虫歯でない場合、乳歯も意外と維持できる(30~40代まで)ので、抜けるまで様子を見るケースもあります。
2)過剰歯について
過剰歯は近年まだ決定的な調査はなされてはおりませんが、2-5%の頻度であると言われています。
当院でも先日併せて調査を行いましたが、2%ぐらいでした。
40-50人に一人、つまりはクラスに1人ぐらいの割合ですね。
過剰歯の場合、圧倒的に上の前歯の間に存在します(70%程度)。
過剰歯には上向き、水平、下向きの3パターンが存在し、上向きの場合、生えてくることがあります。
過剰歯はイメージとして、上顎の真ん中に釘が刺さっているようなもので、前歯の永久歯はそれを避けて生えようとします。
そのため、歯並びが相当悪化する場合があります。
歯並びに影響する場合、過剰歯の抜歯は必須ですし、矯正もかなりの確率で必要です。
3)それら以外の歯の萌出障害
その他にも何らかの原因で、歯の萌出障害(生えてこない・傾いて生えてきた等)を生ずる場合があります。
多いのは、上顎前歯と犬歯(前から3番目)です。
原因によっては、手術込みの矯正治療が必要となる場合があります。
4)治療について
先天性欠損歯は、基本的に今ある乳歯や永久歯を維持し、咬み合わせを保っていく、いわゆる「待ち」の状態で考えます。
一方、過剰歯・萌出障害は処置のタイミングが大事で、手術込みの矯正を行う場合があります。
どちらにしても詳しい診査が必要ですので、歯の数について何かお気づきのことがありましたら、早めにご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 永久歯の本数についてのトラブルには、先天性欠損歯や過剰歯が挙げられます。
- 先天性欠損歯は10%、過剰歯は2-5%と、頻度は意外と高く、最近よく相談をうける問題です。
- 先天性欠損歯の場合、基本的には今ある乳歯や永久歯を維持し、咬み合わせを保っていくことが重要です。
- 過剰歯や、萌出障害の場合、手術込みの矯正が必要となる場合が多く、タイミングが重要で、詳しい精査が必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。