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プラークってなんだろう?~歯磨き粉や歯ブラシのCMでおなじみの、あの言葉~

2021年1月24日

こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。

みなさん、プラークと言う言葉を聞いたことはありませんか?

歯ブラシや歯磨き粉のテレビCMで、良く聞きますよね。
プラークは別名、歯垢ともいいます。

プラーク=細菌と、細菌の分泌物と、細菌の死骸で出来たネバネバ

プラークとは歯の表面に付着している細菌の寄り集まりのようなものです。

色的には白や乳白色といった感じでしょうか、古くなってくると黄色やオレンジっぽくなってきます。

プラーク(歯垢)はバイオフィルムの1種です。

またカタカナ語が出てきましたね。

バイオフォルムも、テレビCMで聞く言葉です。主にパイプ除菌などの商品のCMで耳にするはずです。

バイオフィルム=微生物と微生物の分泌物などで作られた膜

プラークの他には、排水溝などのぬめりなどもこれにあたります。

バイオフィルムは、漂白剤でも使わない限り、物理的に磨き落とすしかない!

「歯磨きが面倒だから、マウスウォッシュだけで綺麗になったら良いのに」
「最近、細かいものが見えにくいから、磨き残しを溶かして落としてくれるお薬があれば良いのに」

と、思ったことはありませんか?

ハイプや排水溝は塩素系の漂白剤で綺麗になりますが、口の中にそんな劇薬を使うわけにはいきません。

酸素系漂白剤としても用いられるオキシドールで、排水溝のぬめりが取れないように、弱い薬剤のみでプラークを完全に溶かすことはできません。

どうしても、物理的に磨き落とす必要があるのです。

バイオフィルムって、なんでそんなに落としにくいの?

細菌が集まって菌体外多糖というネバネバした分泌物で周りを固めたものがバイオフィルムです。
このネバネバがバリアとして働いて、抗生物質や免疫細胞による貪食(細菌を免疫細胞が殺す働き)から細菌を守ります。

お口の中では、虫歯原因菌のミュータンス連鎖球菌が出す菌体外多糖(ムタン=グルカン)がプラークを歯にしっかりと引っ付ける作用をしています。

ちなみに「ミュータンスレンサ球菌」という名前は、ムタンを産生する細菌ということからきている説があります(*他の説もあります)。

参考:外部サイト(日本細菌学会)
http://jsbac.org/youkoso/mutansStreptococci.html

虫歯菌と歯周病菌

ミュータンス菌は砂糖(ショ糖)を原料としてムタンを産生します。これによって他の口腔内細菌とともにプラークとして成熟して行きます。

プラークは細菌の寄り集まりと書きましたが、プラーク1mg中には1~2億もの細菌が存在しているようです。

種類としても600種類ほどの細菌が寄り集まっています。

歯の表面にいる筋の多くは「酸素が好き」な好気性菌と言われる菌です。

しかし、成熟したプラークの中には酸素は届きませんから、分厚いプラークの奥の方には、「酸素が嫌い」な嫌気性菌が増えていきます。

口の中の代表的な嫌気性菌に、歯周病菌もいます。

プラークが古くなる=長いこと落とせずにいるプラークが出来ると、歯周病菌が増えていってしまうんです。

プラークは、むし歯、歯周病のどちらにも関係しています。

先ほどにも書いたのですが、プラークには防御力が備わっています。
しかも時間がたつほど歯にしっかりとこびりついていきます。
うがい程度では除去できませんから、歯みがきで落とすしかありません。

さらに長い間歯面にプラークが存在していると、唾液に含まれるカルシウムなどによって石灰化してしまいます。
これが歯石と呼ばれるもので、灰白色や黒褐色の石灰化物です。
この歯石も、歯周病を引き起こす毒素を出して、歯周病を悪化させていきます。

歯石はさらに除去が困難となるため、歯科医院での歯石取りは定期的に行う必要があるということになりますね。

完全に溶かすことは出来ないのに、マウスウォッシュは何のために使うの?

マウスウォッシュには、大まかに分けて以下の4種類があります。

  1. 口腔の保湿を目的としたもの(バイオティーンなど)…口腔乾燥症の方向け
  2. プラークを落とした上で、歯ぐきの炎症を抑えることを目的としたもの(コンクール、リステリンなど)…歯周病の方向け
  3. プラークを落とした上で、フッ素による再石灰化を目的としたもの(ミラノールなど)…歯周病の心配の少ないお子様向け
  4. タンパク分解作用、消毒作用によりプラークの表面の菌を殺したり、プラークが溶けやすい状態にする目的のもの(POICウォーターなど)…プラークそのものを攻撃するタイプなので、歯周病・虫歯予防両用です。ただし、口腔乾燥症の方には向きません。

プラークを完全に溶かすことはできないけれど、たんぱく質を分解することで取れやすくするウガイ薬はあります。
ご興味のある方は、お気軽にお尋ねください。

インプラント術後の方、矯正装置が口の中に入っていて磨きにくい方、歯並びのガタガタのため磨きにくいところがある方には、特におススメです。

まとめ

  • プラークが硬い歯石になる前に歯磨きで出来るだけ落としましょう。
  • 磨き残しがどうしても歯石になってしまうので、定期的に歯科医院で取り除く必要があります。
  • ウガイ薬だけでプラークを取り除くことはできませんが、取れやすくするものはあります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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