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低年齢の受け口治療 ~目立たない装置で、短期間で改善する!~

2025年1月9日

低年齢の受け口治療 ~目立たない装置で、短期間で改善する~

こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。

下の写真は、同一人物の口腔内です。

実は矯正装置を装着しています。どこにあるか、分かりますか?

答えは上顎の内側でした!

この患者さんは固定式の矯正装置で前歯の受け口を治療しました。

写真の症例について

  • 治療期間: 11カ月
  • 通院頻度: 月に1回
  • 治療方法: SLAの装着
  • 治療費用: 26万9500円(税込)
  • リスク・副作用: 特に無し

以前、マウスピース(ムーシールド)で反対咬合を治療した記事を投稿しました。

ムーシールドの治療期間は半年です。

参考リンク:インスタグラム

https://www.instagram.com/p/C7lcuIAPfgq/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

「受け口の治療って結構、短期間で終わるんだな」と思われませんか?

これが早期治療のすごさです!

今日は、受け口の早期治療のことを、詳しくお話させていただこうと思います。

1. 低年齢児の受け口治療

3~5歳くらいまでの低年齢児の矯正治療がおススメな症例と、そうでない症例があります。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

参考リンク:矯正の早期治療(3歳~)がおススメな症例とは?

2. 3歳前後に開始するのがおススメな症例

  1. 受け口
  2. 交差咬合(斜めに噛んでる)
  3. 下の前歯が上の前歯に完全に隠れて見えない(過蓋咬合)
  4. 歯が並ぶスペースが足りないのは明白という症例

この中でも、特に①②は、そのまま放置してしまうと顎がゆがんで発育してしまうケースが非常に多いため、早期治療がおススメです。

3. 受け口の自然治癒率

受け口は自然と治るケースもあります。

その確率は6~12%と、報告によってまちまちですが、いずれも低い確率である思われます。

自然治癒するケースは、

  • ・受け口の程度が軽いもの
  • ・反対に噛んでいる歯が4歯未満であること
  • ・家族に同様の症状を持つ人がいないこと

などの特徴があるそうです。

つまり「ごく軽度の受け口」で「遺伝要因が無い」場合以外は、だいたい自然には治癒しないということなのです。

4. 受け口を早期治療するメリット

1. 成人の受け口治療と比較して、治療期間が短い

  • ・多くの場合、成長期の半年~1年程度で治療効果が現れます。
  • ・ただし、成長に伴う後戻りの可能性があるため、経過観察が必要です。

2. 顎の成長をガイドできる

成長期の顎の発達を適切な方向へ導くことができます。

3. 将来的な下顎骨の変形、上顎骨の劣成長を予防できる

  • ・顎の成長が適切にガイドされることにより、骨格的な受け口を予防することができます。(遺伝性の場合は、この限りではありません)
  • ・将来的に手術で受け口を治さなければいけないリスクを低くすることができます。

4. 口腔機能の適切な発達を促せる

受け口の場合、多くは低位舌を伴うことが多く、その場合は舌を挙上する動きが苦手であることが多いです。早期に矯正治療を行うことで口腔機能の発達不全を改善することができます。

5. バランスのとれた顔立ちになりやすい

口腔機能の発達不全や、骨格的な問題を予防することにより、バランスの取れた顔立ちになりやすい。

6. 心理的負担の軽減

思春期や成人になってから見た目のことで悩んだり、目立つ矯正器具を使わずに済む、という利点があります。

5. 受け口を早期治療するデメリット

1. 後戻りのリスク

ご家族・ご親族に受け口の方がいる場合は、遺伝性の可能性が高く、思春期成長の時期に後戻りすることが多いです。

2. 遺伝性の場合は追加治療の必要性がある

後戻りした場合でも、小児矯正をしないよりは軽症となることが多いですが、成人治療を追加で受けなくてはいけないケースが多いです。

3. お子様が嫌がることがある

本人は歯並びや容貌について、特に何も感じない時期なので、目的意識を持ちにくい側面があります。マウスピース型矯正の場合、モチベーションを維持できずに使用時間を守れないと、矯正の効果が発揮されないことがあります。

*ページ上部の写真のように、固定式装置で治療するなどの対策もあるので、マウスピース矯正は性格に合わない場合でも、対策は可能です。

6. まとめ

いかがでしたか?

  • ・3~5歳児の受け口の早期治療は、短期間で効果が現れやすく、将来的な複雑な治療を回避できる可能性が高いです。
  • ・大人になってからの受け口の治療は、長期化や外科的処置が必要になることがあるなど、大変です。
  • ・10歳以上になると、小児矯正の治療効果が十分に期待できなくなるため、成人矯正のみで治療することをおススメすることも多いです。

お子様の成長期は、心も体も大きく変化しています。その中で、歯並びや顎の成長を正しくサポートすることは、健康な口腔環境・適切な口腔機能の発達、そして自信に満ちた笑顔や生活の質にもつながります。

「うちの子は、受け口っぽいけど大丈夫かな?」

「この程度はほっておいても、自然になおるかな?」

「治療が必要かどうかが分からない」

など、お子様の歯列について疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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