受け口はインビザラインで治せる?適応条件を解説
2026年2月21日
骨格性反対咬合と、そうでない場合との違いを解説

こんにちは、岩国市の医療法人つぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
「受け口が気になるけれど、手術が必要になることがあると聞いた」
「手術せずに、受け口の矯正をしたい」
「マウスピース矯正で受け口が治るのか知りたい」
こうしたご相談が年々増えています。
受け口(下顎前突:かがくぜんとつ・反対咬合:はんたいこうごう)は、歯科の専門家でなくても「あ、受け口だ」と一目で気づいてしまうことが多い不正咬合です。
また、反対咬合は「8020達成率(80歳で20本以上の歯が残っている)」が特に低いことでも知られています。
こうした背景もあり、治療を希望される方が増えている印象です。
結論として、骨格の大きなズレがない”歯槽性(歯並びタイプ)”の受け口であれば、インビザラインで改善できる可能性があります。
一方で、骨の成長に原因がある”骨格性下顎前突”では、外科的治療が必要になる場合があります。
本記事では、受け口のセルフチェック、医学的な分類、治療の適応範囲、開始時期の考え方まで体系的に解説します。
1)受け口(下顎前突:かがくぜんとつ)とは?
下顎前突は、下あごや下の前歯が、上あごより前に位置している状態を指します。
専門的には「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれます。

見た目の問題だけでなく、
- ・前歯で物が噛みにくい
- ・発音が不明瞭になりやすい
- ・口が閉じにくく、口呼吸になりやすい
といった機能面の問題につながることもあります。
2)受け口セルフチェック
ご自宅で確認できるポイントを整理します。
✅ 横顔の確認
- ・下あごが前に突き出して見える
- ・口を閉じたときに下唇が前に出る
✅ 前歯の噛み合わせ

✅ 第一大臼歯(6番)の位置関係
- ・前から6番目の歯(大きな奥歯のうち、手前の歯)同士の噛み合わせで、上の歯よりも下の歯の方が前に位置している
第一大臼歯の位置関係は、噛み合わせ分類の重要な基準です。
奥歯の位置が前方にズレている場合、骨格的なズレを伴っている可能性もあります。

✅ 家族歴

ただし、セルフチェックだけで骨格性か歯槽性かを正確に判断することはできません。
精密検査が必要です。
当院では無料矯正相談会も実施しています。
▶ 無料矯正相談はこちら
https://tsuboikyousei.com/soudankai/
「まだ治療するか決めていない」段階でも大丈夫です。
現状を知ることが第一歩です。
また、治療方法や費用について詳しく知りたい方は、当院の矯正ページもご覧ください。
▶ 当院の矯正治療について
https://tsuboidental.com/kyousei/
3)医学的な違い|骨格性と歯槽性
3-1)骨格性下顎前突
骨の成長バランスに原因があります。
- ・下あごの骨が過成長している
- ・上あごの成長が不足している
- ・横顔で明らかな突出がある
- ・第一大臼歯の位置関係が大きくズレている
このタイプでは歯だけを動かしても限界があります。
ごく軽度の場合は、歯だけを動かして治療することもありますが、中等度以上では骨格の改善(外科的手術療法)を併用した方が良い場合が多いです。
3-2)歯槽性(歯並びタイプ)
骨格自体は大きな問題がなく、
- ・下の前歯が前に傾いている
- ・上の前歯が内側に倒れている
- ・奥歯のズレが比較的軽度
といった歯の位置異常が原因です。
この場合、歯を適切な位置に移動させることで改善できる可能性があります。
4)インビザラインで治療できる範囲
インビザラインは透明なマウスピース型矯正装置です。

✔ 適応となるケース
- ・骨格的ズレが軽度
- ・主な原因が歯の傾き
- ・第一大臼歯のズレが比較的小さい
歯の移動で噛み合わせを整えられる場合に有効です。
✖ 難しいケース
- ・下あごが明らかに大きい
- ・横顔で骨格突出が強い
- ・第一大臼歯のズレが大きい
- ・噛み合わせ全体が前方にシフトしている
こうした場合、マウスピース単独では根本改善が困難です。
5)インビザラインで治療できない場合はどうする?
骨格性が強い場合は、外科的矯正治療を検討します。
顎矯正手術(骨切り手術)+ワイヤー矯正
流れは以下の通りです。
- 術前矯正
- 顎の骨切り手術
- 術後矯正
骨格から根本的に改善する治療法です。
骨切り手術と聞くと、「怖い」「嫌だな」と感じる方も多いですが、悪いことばかりではありません。
横顔の大幅な改善ができる上に、更生医療機関という特別な医療機関では保険適用で治療が可能です。
医療費の自己負担は3割になります。
さらに、高額療養費制度により、同じ月(1日〜月末)に支払った自己負担額が一定の上限(自己負担限度額)を超えた場合、超えた分があとで戻ってきます。
これは世界に類を見ない手厚い給付だと言われています。
※美容目的ではなく「骨変形症」と病名が付いた場合のみ

6)治療開始時期の考え方
家族に下顎前突の方がいる場合、思春期に下あごが大きく成長する可能性があります。
6-1)原則
思春期成長が完全に終了してから最終治療方針を決定することが重要です。
成長途中で治療を開始すると、後から骨がさらに成長し、再び受け口傾向になる可能性があります。
6-2)治療開始までにすること:身長の定期測定
可能であれば毎月、身長の伸びを記録しましょう。
数ミリでも身長が継続的に伸びているうちは、治療開始は待った方が確実です。
成長の停止を確認したうえで、本格治療を検討します。

7)よくある質問(FAQ)
Q1. 第一大臼歯のズレは重要ですか?
はい。奥歯の位置関係は骨格性かどうかを判断する重要な指標です。
Q2. 軽度ならインビザラインで治せますか?
歯槽性であれば可能な場合がありますが、精密検査が必要です。
Q3. 骨格性は必ず手術ですか?
重度の場合は外科的治療が根本的改善になります。
Q4. 子どもはいつ相談すべき?
気づいた時点で相談し、成長を経過観察することが重要です。
3〜8歳の場合は、いったん治療を完了させる(思春期成長で後戻りするリスクはあるものの、いったんは反対咬合を治癒させる)ことも多いです。
この場合、インビザラインではなく小児矯正治療の対象になります。
特に低年齢のお子さんの場合は、骨格的な不正がまだ出ていないことが多く、スムーズな治療が期待できます。
参考リンク:低年齢の受け口治療 〜目立たない装置で、短期間で改善する〜
参考リンク:ムーシールドで反対咬合を治療 Before After
8)まとめ
- ・受け口には骨格性と歯槽性があり、歯槽性のものならマウスピース矯正で治療可能なこともあります。
- ・中等度以上の骨格性反対咬合の場合は外科矯正がおすすめです。
- ・ご親族に反対咬合の方がいる場合は、成長終了後に矯正しましょう。
- ・低年齢の反対咬合は、骨格的な不正がまだ出ていないことが多く、スムーズな治療が期待できます。
受け口治療は「歯」だけでなく「骨格」「成長」を含めて総合的に判断することが大切です。
正確な診断のもと、最適な治療法を選択してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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「まだ治療するか決めていない」段階でも大丈夫です。
歯並びでお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
インビザライン治療の料金が複数ある理由
2026年2月4日
― コンプリヘンシブ/モデレート/ライトのパッケージの違いを歯科医が解説 ―

こんにちは、岩国市の医療法人つぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
「インビザライン矯正って、医院によって値段が違いすぎませんか?」
「同じ医院なのに、40万円〜80万円と幅があるのはなぜ?」
カウンセリングの現場で、患者さんから非常に多くいただく質問です。
今回はインビザライン矯正の種類と治療費用に関する内容をご説明します。

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が提供する、世界的に標準化されたマウスピース矯正システムです。そのため「どこの歯科医院でやっても同じ治療なのでは?」と思われがちですが、実は”選択する治療パッケージ”によって、中身もコストも大きく変わります。
この記事を読むことで、以下の内容を理解することができます。
- なぜインビザライン治療の費用に幅があるのか
- 費用の異なるインビザライン治療パッケージの具体的な違い
- どのパッケージがどんな人に向いているのか
1) インビザラインは「治療パッケージ」を選ぶシステム
まず大前提として知っておいていただきたいのは、
インビザラインというのは、1種類の治療ではないという点です。
インビザラインには複数の「治療オプション(パッケージ)」があり、
- 使用できるアライナー(マウスピース)の枚数
- 追加アライナー(作り直し)の回数
- 治療期間の上限
- 使用できる診断・計画ツール
がパッケージごとに明確に決められています。
つまり、
40万円のインビザラインと80万円のインビザラインは、そもそも”同じ内容の治療ではない”
ということです。

2) インビザライン矯正の最高峰:コンプリヘンシブパッケージ
~インビザラインで最も自由度が高く、完成度を追求できる安心のプラン~
コンプリヘンシブパッケージは、インビザラインの中で最上位の治療オプションです。
特徴
- アライナー枚数:制限なし
- 5年間、追加アライナーの回数制限なし
- CTデータとの重ね合わせが可能
- 複雑な歯の移動・仕上げの微調整まで対応可能
- 費用はワイヤーの全顎矯正と同程度(当院の場合は80万円+税)
特に重要なのが、CTとの重ね合わせができる点です。
歯は「歯ぐきの中の骨(歯槽骨)」の範囲内でしか安全に動かせません。
CTを用いて歯根と骨の位置関係を確認しながら治療計画を立てることで、
- 前歯を大きく下げる
- 抜歯後のスペースをしっかり閉じる
- 歯肉退縮(リセッション)のリスクを最小限に抑える
といった、安全性と完成度を両立した矯正が可能になります。
また、治療期間の5年間は追加アライナーを作成できるので、出産や受験などで「もしかすると治療の中断が必要になるかもしれないケース」でも安心です。
こんな方に向いています
- 抜歯を伴う矯正治療
- 前歯をしっかり引っ込めたい人
- 噛み合わせまで含めて長期的に整えたい人
- 歯列のガタガタが大き目の人
- 受験や部活、出産など「もしかしたら中断するかもしれない」可能性がある人



3) 軽度の歯列不正の場合に選べることも:モデレートパッケージ
~ 軽度の歯並び改善に向いた現実的な選択肢~
モデレートパッケージは「軽度の歯列不正の方限定」ではありますが、非常にコストパフォーマンスの良いプランです。
特徴
- アライナーは26枚以内
- 3年間、追加アライナーは2回まで
- CTとの重ね合わせは不可
- 軽度歯列不正の方に向け
- コストパフォーマンスが良い(当院の場合は60万円+税)
歯並びのガタつきが「26枚以内でも十分に改善できるケース」に限定されます。
どのような歯並びの人でも選択できるわけではありませんが、適応症例の方にはおススメです。
中等度~重度の歯列不正を無理にモデレートパッケージで治療しようとすると
CTを重ねた精密な歯根・骨評価ができないため、歯肉退縮したり、
歯をフレアアウトさせて並べるためにガタガタは取れたけれども、前歯がかえって出っ歯になったりなど、
「思った治療と違った…」ということになることも。
運が良く、インビザライン担当医から「あなたはモデレートでもOKですよ」と言われた場合のみ、可能なプランという位置づけです。
こんな方に向いています
- 軽度叢生(ガタガタ)
- 抜歯をしない矯正
- 前歯を「少し整えたい」ケース
- 費用と治療内容のバランスを重視したい方


4) 軽度の部分矯正専用プラン:ライトパッケージ/インビザラインGo
~名称は違いますが、ほぼ同じ「軽度部分矯正プラン」~
ライトパッケージ/インビザラインGoは、適応範囲がかなり限定されます。
特徴
- アライナーは14枚以内
- 2年間、追加アライナーは1回まで
- CTとの重ね合わせ不可
- 微調整の余地が少ない
- 奥歯の矯正には不向き
- 3~6か月で終わる
- 動かす歯が少ないため費用はお手頃(当院の場合は40万円+税)
アライナー14枚というのは、歯の移動量としてはごくわずかです。
アライナーが1枚1週間で交換する場合、14週間(3か月半)で1セットが終了する、終了できる範囲の矯正治療ということになります。
そのため、顎全体の治療ではなく、気になる部分のワンポイント矯正に限定されます。
こんな方に向いています
- 後戻りの軽微な修正
- 前歯の隙間を閉じたい/1歯のねじれを治したい など
- 見た目の微調整が目的の方


5) 同じインビザラインでも料金が違う本当の理由
ここまで読むと分かる通り、料金差の背景には
- メーカーに支払うパッケージ費用が違う
- 使えるアライナー枚数・期間・再製作回数が違う
- 治療期間・受診回数が違う
- 安全性(CT評価)と完成度が違う
- 動かせる歯の本数や移動量が違う
これらの違いが、そのまま治療費に反映されています。
「コストや治療期間については考えず、医学的にベストなプラン」
「コストや治療期間と仕上がりについてバランスをとった患者さん本人にとってベターなプラン」
などを、しっかりと検討する必要があります。
インビザライン矯正は、治療前にシュミレーションで「このように治す予定です」という3D画像を確認していただくことができる矯正治療です。
<!–ここにYoutube動画を入れる
www.youtube.com/embed/D6Dzp_zh_m4
–>
当院でも、こうした3D画像を確認していただき、患者さんのイメージと最終的な矯正の仕上がりイメージのすり合わせを行ってから、治療に入るようにしています。
ただ、このような歯並びのシュミレーションを見ていただいていても、実際に治療が進んでくると
「あれ?もっと前歯引っ込まないのかな?」
「3Dイメージを見た時は、十分だと思ったけど、今はもっとこうしたい」
という希望が出てくる場合もあります。
矯正を始める前よりも、毎日矯正治療に取りくむことで、歯並びの審美眼がレベルアップして、元々は「ここだけ治れば良いや」と思っていた気持ちが変わってしまう、ということはよくあります。
当院にも、他院でインビザライン モデレートパッケージで治療を受けているけれども
- 治療が進むにつれ口が閉じにくくなって不安
- かえって上の前歯が目立つようになったと感じている
というご相談を受けることもあります。
おそらくはコンプリヘンシブ・パッケージで抜歯により前歯を引っ込める矯正治療をした方が、口元がスッキリしただろうという症例を、コスト重視でモデレートで治療した結果、前歯がフレアアウト(外側に動いてしまった)したのではないかな?と思われます。

矯正治療にコスパを求めてしまうお気持ちは本当によく分かるのですが、
「自分の症例にあったパッケージを選択する」ことが、結果的に満足度の高い矯正治療につながります。
6) 価格ではなく「自分の歯並びに合った選択」をすることが、治療の満足につながる
インビザライン矯正は、
- どのパッケージを選ぶか
- そのパッケージが自分の歯並びに適しているか
で、結果の満足度が大きく変わる治療です。
「一番安いからライト」
「とりあえずモデレート」
「いくら以内に収めたい」
「とにかく安い医院で治療したい」
ではなく、
その歯並びを、安全に・確実に治すには、どの選択肢が最適かを歯科医と一緒に考えることが、後悔しない矯正治療につながると考えます。
今は多くの歯科医院で矯正相談を受けられると思うので、治療を決められる前に、複数の歯科医院で実際に相談してみるのも良いと思います。

当院では無料矯正相談会も実施しています。
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「まだ治療するか決めていない」段階でも大丈夫です。
現状を知ることが第一歩です。
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7) よくある質問(FAQ)
最後に矯正相談でよくいただく質問をまとめます。
Q1. 安いパッケージから始めて、途中で変更できますか?
インビザラインの場合、途中でパッケージ変更はできません。
インビザラインは治療開始時点で、メーカー(アライン・テクノロジー社)にどのパッケージで契約するかを確定させます。
そのため、
「最初はライトで、ダメならコンプリヘンシブに」
という使い方はできません。
Q2. モデレートやライトでも、きれいに並びますか?
症例を正しく選べば、きれいに並びます。
ただし、
- 歯を大きく動かす必要がある
- 前歯をしっかり下げたい
- 噛み合わせの調整が重要
といったケースでは、
パッケージの制限が仕上がりの限界になることがあります。
Q3. CTを使わないと、そんなに危険なのですか?
必ず危険、というわけではありません。
しかし、
- 前歯の後方移動量が大きい
- 歯槽骨の厚みがもともと薄い
といった条件がある場合、CT評価なしでの矯正は歯肉退縮リスクが高まることが分かっています。
そのため当院では、リスクが高いと判断した症例に対してCTが使えないパッケージを無理に勧めることはありません。
Q4. 他院で「40万円でできます」と言われましたが、同じですか?
同じ「マウスピース矯正」という言葉でも、
- インビザライン・ライト
- 別メーカーのアライナー矯正
- 追加調整が有料のシステム
など、中身はまったく異なることがあります。
金額だけで比較せず、
- アライナー枚数
- 追加調整の可否
- 治療期間
- 適応範囲
を必ず確認することをおすすめします。
Q5. どのパッケージが自分に合っているか分かりません
それが普通です。
インビザライン治療は
「患者さんがパッケージを選ぶ治療」ではなく、
「歯並びに合ったパッケージを提案される治療」です。
矯正相談では、
- 歯並びの状態
- 骨・歯根の条件
- どこまで改善したいか
を踏まえて、
無理のない、後悔しにくい選択肢をご説明します。

Q6 ライトパッケージで治療して、思った仕上がりにならなかった場合、どうすれば良いですか?
そのような「イメージ違い」にならないよう、事前にシュミレーションをしっかり確認していただくことが最も重要です。
ただし、その上で「矯正治療のゴールを変更したい(前歯をもっと下げたい)」などのご要望があった場合、当院ではワイヤー矯正への切り替えであれば追加料金で申し受けております。インビザラインのパッケージ変更はアライン社の仕様上、お引き受けすることができません(最初からの費用負担となってしまいます)。
8) まとめ

いかがでしたか?
- インビザライン矯正には、複数のパッケージが存在します
- 価格が違う場合、提供される治療の内容もことなることがあります
- 最終的な治療終了のイメージをしっかりと歯科医師と擦り合わせることが重要です
- 安さだけを比較せず、治療内容を確認し、ご自身にとってのベストな治療プランを考えることがおすすめです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
インビザライン矯正、抜歯する?抜歯しない?
2025年5月10日
こんにちは、医療法人つぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
今日は、インビザラインの抜歯症例と、非抜歯症例の違いについてのお話です。
1.そもそもどうして矯正治療で抜歯が必要になるの?
口腔内にスペースがないことが原因で、歯並びがガタガタになったり、出っ歯になったりします。
顎骨が成長中のお子さんの場合は、小さい顎を大きく成長させるという手段を使うことができます(小児矯正)。
しかし顎の成長が終わっている成人の場合は、顎を大きくすることは困難です。
すると、歯並びが綺麗に並ぶためのスペースをつくる必要があるのです。
特に、前歯が突出している場合や、顎の大きさに対して歯のサイズが大きい場合(7~8mmのスペース不足がある場合)に抜歯が選ばれることが多くなります。

(治療前)顎のサイズが、横方向に特に小さく、歯のサイズが大きい症例です。
このくらいのスペース不足になると、抜歯して治療する他ありません。

(治療後)前から4番目の歯を抜歯して、歯並びを治療しました。
*******
主訴:歯のガタガタを綺麗にしたい
治療期間:1年半
治療回数:14回
治療費用:88万円(税込)
リスク・副作用:
・マウスピースを使用する時間が不足した場合は治療が長期化する可能性がある
・適切な口腔衛生管理ができないと虫歯のリスクがある
・歯茎部の歯肉のラインは左右対称にできないことがある
治療内容:マウスピース矯正(インビザライン)による歯列・咬合治療
********
2.抜歯せずに治療する場合とは?
歯並びを綺麗に整えるために必要なスペースが7~8mm以下の場合は、抜歯せずに治療することが多いです。
インビザラインは奥歯を、より奥に移動させることができます。
この移動量は、2mm程度までが確実であると言われています。
左右の奥歯を後ろに移動させれば、4mmのスペースを獲得できます。
また、インビザラインではIPR(Inter Proximal Reduction)という、歯と歯の間にあるエナメル質を少し削る処置を行うことが多いです。
隣接する歯の側面を0.1mmから0.5mm程度削ることで、歯が並ぶためのスペースを確保するのです。
歯は片方の顎で合計14本ありますから、IPRの最大量は0.5mm×13か所=6.5mmとなります。
奥歯を後ろに移動させて得る4mmと、IPRで得る6.5mmの合計で10.5mmが、非抜歯で得られるスペースの最大量となります。
しかし、実際は正中を合わせたり、歯根が顎骨からはみ出ない範囲での移動に抑えたりなどの制限がかかります。
以上により当院では、スペース不足が7~8mm以下で、前歯をひっこめる量が4mm以下の症例を非抜歯で治療することが多いです。

(治療前)前歯のガタガタが大きいですが、上の歯だけが前に突出しているわけではなく、糸切り歯(前から3番目の歯)付近の顎の横幅が狭いことが分かります。

(治療後)糸切り歯と、小臼歯(前から4~5番目の歯)を少し傾斜させることで歯並びの横幅を大きくし、さらにIPRと奥歯の移動を合わせて、抜歯せずに歯並びを整えました。
*******
主訴:反対に噛んでいる前歯を治したい。
歯のガタガタを治したい。
治療期間:1年
治療回数:17回
治療費用:88万円(税込)
リスク・副作用:
・マウスピースを使用する時間が不足した場合は治療が長期化する可能性がある
・適切なこう口腔衛生管理ができないと虫歯のリスクがある
・歯茎部の歯肉のラインは左右対称にできないことがある
治療内容:マウスピース矯正(インビザライン)による歯列・咬合治療
********
3.抜歯症例と非抜歯症例で、治療期間に差はあるの?
抜歯か非抜歯かで治療期間が変わるというより、歯の移動量によって治療期間が変わります。
「歯が並ぶスペースが10mm不足しているので抜歯が必要」という場合でも、
「抜歯で歯並びのガタガタを取る」場合、歯の移動量はさほど大きくなりません(左写真)。
一方で「抜歯で前歯をひっこめる」場合は、歯の移動量は大きくなることが多いです(右写真)。

他にも、非抜歯であっても上下の歯の正中を合わせる場合や、奥歯が手前に倒れ込んでいる場合、八重歯の移動量が大きい場合など、時間がかかることが多いケースはたくさんあります。
一般的に、インビザライン治療は約1年から2年程度かかりますが、歯並びの治療プランによって差があるため、抜歯だから長い、非抜歯だから短いということにはなりません。
治療計画ができあがった段階で、個別に担当医にご確認いただくのが一番確実です。
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4.抜歯か非抜歯かで、治療費用は変わるの?
矯正治療のための抜歯は、保険が効きません。
当院は抜歯矯正の場合の抜歯料金は無料(当院での矯正治療のみ。
他院で矯正治療される場合は、便宜抜歯費用を申し受けております)。
ですが、医院によっては別途料金が発生する場合があります。
また、矯正で歯を動かす量が小さい症例(前歯の小さな隙間を閉じたい、前歯の小さなガタガタを取りたい、など)の場合はインビザラインGOなどの少ないアライナー枚数で治療する代わりに費用を抑えたプランを選べることがあります。
インビザラインGOでの治療例(治療前)

インビザラインGOでの治療例(治療後)

このように、歯を動かす量が小さい症例では、治療期間が短くなるだけでなく、費用も安くなります。
*******
主訴:前歯のスキマを閉じたい
治療期間:半年
治療回数:6回
治療費用:44万円(税込)
リスク・副作用:
・マウスピースを使用する時間が不足した場合は治療が長期化する可能性がある。
・アライン社の規定により追加アライナーは1セットに限定されるため、アライナーの使用時間が不足した場合は、最終仕上げがブラケットになることがある。
・適切なこう口腔衛生管理ができないと虫歯のリスクがある。
・歯茎部の歯肉のラインは左右対称にできないことがある。
治療内容:マウスピース矯正(インビザライン)による歯列・咬合治療
********
5.まとめ
いかがでしたか?
・矯正において、顎のスペースが足りない量が大きい場合に抜歯が選択されます。
・7~8mm以下のスペース不足の場合は、非抜歯で治療することが多いです。
・治療期間は、抜歯か非抜歯かよりも、歯の移動量で決まります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
低年齢の受け口治療 ~目立たない装置で、短期間で改善する!~
2025年1月9日
低年齢の受け口治療 ~目立たない装置で、短期間で改善する~
こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。
下の写真は、同一人物の口腔内です。

実は矯正装置を装着しています。どこにあるか、分かりますか?

答えは上顎の内側でした!
この患者さんは固定式の矯正装置で前歯の受け口を治療しました。
写真の症例について
- 治療期間: 11カ月
- 通院頻度: 月に1回
- 治療方法: SLAの装着
- 治療費用: 26万9500円(税込)
- リスク・副作用: 特に無し
以前、マウスピース(ムーシールド)で反対咬合を治療した記事を投稿しました。
ムーシールドの治療期間は半年です。
参考リンク:インスタグラム
https://www.instagram.com/p/C7lcuIAPfgq/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
「受け口の治療って結構、短期間で終わるんだな」と思われませんか?
これが早期治療のすごさです!
今日は、受け口の早期治療のことを、詳しくお話させていただこうと思います。
1. 低年齢児の受け口治療
3~5歳くらいまでの低年齢児の矯正治療がおススメな症例と、そうでない症例があります。
詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
参考リンク:矯正の早期治療(3歳~)がおススメな症例とは?
2. 3歳前後に開始するのがおススメな症例
- 受け口
- 交差咬合(斜めに噛んでる)
- 下の前歯が上の前歯に完全に隠れて見えない(過蓋咬合)
- 歯が並ぶスペースが足りないのは明白という症例
この中でも、特に①②は、そのまま放置してしまうと顎がゆがんで発育してしまうケースが非常に多いため、早期治療がおススメです。
3. 受け口の自然治癒率
受け口は自然と治るケースもあります。
その確率は6~12%と、報告によってまちまちですが、いずれも低い確率である思われます。
自然治癒するケースは、
- ・受け口の程度が軽いもの
- ・反対に噛んでいる歯が4歯未満であること
- ・家族に同様の症状を持つ人がいないこと
などの特徴があるそうです。
つまり「ごく軽度の受け口」で「遺伝要因が無い」場合以外は、だいたい自然には治癒しないということなのです。
4. 受け口を早期治療するメリット
1. 成人の受け口治療と比較して、治療期間が短い
- ・多くの場合、成長期の半年~1年程度で治療効果が現れます。
- ・ただし、成長に伴う後戻りの可能性があるため、経過観察が必要です。
2. 顎の成長をガイドできる
成長期の顎の発達を適切な方向へ導くことができます。
3. 将来的な下顎骨の変形、上顎骨の劣成長を予防できる
- ・顎の成長が適切にガイドされることにより、骨格的な受け口を予防することができます。(遺伝性の場合は、この限りではありません)
- ・将来的に手術で受け口を治さなければいけないリスクを低くすることができます。
4. 口腔機能の適切な発達を促せる
受け口の場合、多くは低位舌を伴うことが多く、その場合は舌を挙上する動きが苦手であることが多いです。早期に矯正治療を行うことで口腔機能の発達不全を改善することができます。
5. バランスのとれた顔立ちになりやすい
口腔機能の発達不全や、骨格的な問題を予防することにより、バランスの取れた顔立ちになりやすい。
6. 心理的負担の軽減
思春期や成人になってから見た目のことで悩んだり、目立つ矯正器具を使わずに済む、という利点があります。
5. 受け口を早期治療するデメリット
1. 後戻りのリスク
ご家族・ご親族に受け口の方がいる場合は、遺伝性の可能性が高く、思春期成長の時期に後戻りすることが多いです。
2. 遺伝性の場合は追加治療の必要性がある
後戻りした場合でも、小児矯正をしないよりは軽症となることが多いですが、成人治療を追加で受けなくてはいけないケースが多いです。
3. お子様が嫌がることがある
本人は歯並びや容貌について、特に何も感じない時期なので、目的意識を持ちにくい側面があります。マウスピース型矯正の場合、モチベーションを維持できずに使用時間を守れないと、矯正の効果が発揮されないことがあります。
*ページ上部の写真のように、固定式装置で治療するなどの対策もあるので、マウスピース矯正は性格に合わない場合でも、対策は可能です。
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現状を知ることが第一歩です。
また、治療方法や費用について詳しく知りたい方は、当院の矯正ページもご覧ください。
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「安い」子供の歯並び改善(小児矯正)|つぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科|土曜も診療
6. まとめ
いかがでしたか?
- ・3~5歳児の受け口の早期治療は、短期間で効果が現れやすく、将来的な複雑な治療を回避できる可能性が高いです。
- ・大人になってからの受け口の治療は、長期化や外科的処置が必要になることがあるなど、大変です。
- ・10歳以上になると、小児矯正の治療効果が十分に期待できなくなるため、成人矯正のみで治療することをおススメすることも多いです。
お子様の成長期は、心も体も大きく変化しています。その中で、歯並びや顎の成長を正しくサポートすることは、健康な口腔環境・適切な口腔機能の発達、そして自信に満ちた笑顔や生活の質にもつながります。
「うちの子は、受け口っぽいけど大丈夫かな?」
「この程度はほっておいても、自然になおるかな?」
「治療が必要かどうかが分からない」
など、お子様の歯列について疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!