親知らずのお話
2021年4月17日
こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
「親知らず」というと、どういったイメージをお持ちですか?
腫れる 抜く まっすぐ生えない 痛い…
あんまりいいイメージはないかもしれませんね。
親知らずとは?
親知らずは一番奥の歯のことで、中央の歯から数えると8本目の歯を指します。
上下左右4本あるのですが、部分的にない人や、退化して小さい歯になっていたり、埋まったままになっていたりと、いろいろなことが起こる歯です。
埋まっているにしても、真横になって埋まっていることもよくあります。
「手前の歯を抜いたら自然と良い位置に生えてきますか?」
と聞かれることがありますが、横向きの親知らずが自力で良い位置に生えることはありません。
10代後半から生えてくることがあり、遅い人ですと30代になってから生えてきたというようなこともあり、個人差が大きい歯です。
親知らずは抜いたほうが良い?
親知らずと聞くと抜いた方がいいというイメージをもっておられる方も多いかと思います。
しっかりと上下ともまっすぐに生えて、咬むことができ、虫歯もないのであれば、もちろん抜かない方がいいです。
それでも、歯磨きの難易度は高いですから、きちんと管理できているか注意は必要です。
不完全に生えたり、たまに腫れる、むし歯になっている、汚れが溜まりやすく、ひとつ前の歯に悪影響を及ぼしているなどのケースだと抜いた方がいいと思います。咬むことに関与していない状態であれば、デメリットを考えて抜くほうがいいことも多いです。
横向きに埋まっていると、前の歯を押していきます。矯正治療を考えているときにも抜歯したほうがいいケースが多くあります。
矯正治療が終わった後などに親知らずが動いてくると、せっかくきれいになった歯並びが崩れてしまったり、後戻りしてしまったりすることがあるからです。
親知らずは、いつ抜くのが良い?
抜くとなったら、若いうち、早いうちが良いと思います。
例えば十代後半の、骨が柔らかかったり、親知らずの根っこが完成していない時期ですと抜きやすいです。
傷の治りも若いうちの方が早いですし、何より手前の歯(7番目の歯)が虫歯になるリスクを下げることができます。
上の親知らずを抜くのは簡単。下の親知らずを抜くのは大変なことも多い
上の親知らずは、手前の歯(7番目の歯)に食い込むように生えることが少ないので、わりとすんなり抜けることが多いかと思います。
下の親知らず、中でも真横を向いている歯を抜くのは、なかなか大変なことが多いです。
歯茎を切り開いて、歯を割ったり、骨を削ることもあります。
親知らずを抜いて腫れるとしたら、下の親知らずの抜歯ですね。
下顎管という、神経と太い血管が入っている管が近い場所にあるので、術前検査が必要なこともあります。
そのため、必要に応じて、専門医である口腔外科の先生へ抜歯を依頼することもあります。
参考リンク:
親知らずの抜歯は口腔外科か歯医者かどちらにかかったらいいですか?
親知らずの抜歯は口腔外科か歯医者かどちらにかかったらいいですか?
まとめ
いかがでしたか?
- 親知らずを抜いた方がいいかどうかは、生え方や腫れの有無、虫歯になっているなどの状態で判断を行います。
- 親知らずを抜歯する場合は、10代後半の方が抜きやすいです。
- 下の親知らずの抜歯は大変なケースがあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。