歯科ではよくレントゲンを撮るけれど、大丈夫?
2016年10月18日
歯科レントゲンの被ばく量とは
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
当院は妊婦さんやお子様が大勢いらっしゃいますので、歯科のレントゲンの被ばく量についての質問もしばしば受けます。
また、がんの放射線治療やCT撮影など、被ばく量の多い治療をしたばかりの方・する予定の方も、歯科のレントゲンについて不安に思われるかもしれません。
今日は、歯科のレントゲンについてのお話をしていきたいと思います。
歯科用レントゲン
歯科用レントゲンには、顎全体を撮影する「パノラマレントゲン」と、個別に歯を撮影する「デンタルレントゲン」があります。
X線の体への吸収量
- パノラマレントゲン・・・ 0.03ミリシーベルト
- デンタルレントゲン・・・ 0.01ミリシーベルト
東京とニューヨークを飛行機で1往復するときの被ばく量が0.2ミリシーベルトですから、非常に微量であることがご理解いただけると思います。
国立の放射線医学研究施設であるNIRSが発行した放射線被ばく早見表を見てみましょう。
図の一番下に「歯科撮影」とあります。
自然界から何もしなくても受ける年間の放射線量と比較しても極めて少なく、安全性は非常に高いと言えます。
そもそもレントゲンで何を見てるの?
歯や骨、歯茎の中を外側から診るだけでは分からないことが分かります。
具体的には、
- 歯を支える骨の状態
- 歯の根っこの状態
- 歯の根っこの周囲に感染が無いか
- その歯が過去に神経の治療を受けたかどうか
- 詰め物の下に虫歯が無いか
- 歯と歯が接した部分に虫歯が無いか
など、虫歯や歯周病の治療ための重要な情報が分かります。
妊娠中に「ご出産後にレントゲンを撮りましょう」と言われたことがあります。
レントゲンは赤ちゃんにリスクがあるの?
放射線被ばくによる赤ちゃんの奇形リスクは100~200ミリグレイ以上で増加します。
ちょっと違う単位が出て来て分かりにくいですが、ざっくりと「骨盤CT3回分」「医科のレントゲン検査20回分」より多い被ばく量と思ってください。
がんの放射線治療などでは、この線量に達することがあるようですが、一般に歯科のレントゲン検査では、まず達しない線量です。
ただ、それとは別に、被ばくが無くても一定の低い確率で赤ちゃんが障害を持つ可能性はあります。
そして、妊婦検診などのときに、赤ちゃんに少しの可能性でもリスクがあると言われると、お母さんは「あれがいけなかったのかな・・・私のせいなのかな・・・!?」と不安になってしまう人もいます。
あえてご出産前はレントゲンを撮らない範囲で治療を行い、必要に応じてご出産後に改めてレントゲンを撮って再評価するケース
- 軽度~中等度の歯周病
- すぐに痛みが出にくそうな、小さな虫歯の治療
- レントゲンを撮らなければいけない緊急性がさほど高くない症例 など
レントゲン撮影について、ご不安がおありの方は、お気軽に相談してください。
まとめ
歯科用レントゲンの被ばく量は極めて低く、安全性が高い
ただし、不安を感じられる場合はお気軽にご相談ください
次回は「保険の効く歯科治療と効かない歯科治療、どう違うの?~まずは保険の歴史を紐解こう~」をテーマにお送りします。
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