2歳6ヶ月ぐらいと6歳ぐらいの子どもの前歯のケガの話
2018年4月26日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
桜の季節も終わり、新学期が始まり、これから!という感じですね。
しかし、4月~5月は心や体に無理が生じる時期でもあります。
実は、お子さまのお口の怪我もこの時期に多い、というデータがあります。
当院にもつい先日、1日で3件の外傷のお子さまが来院されました。
今回はお子さまのお口の怪我をテーマにお話ししていきたいと思います。
歯の外傷には季節性以外にどのような傾向があるのでしょうか?
子どもの歯の外傷の傾向
事故が発生しやすい年齢がある
よちよち歩きから、やや活発に歩けるようになった2~3歳ぐらいと、前歯が生え変った6歳ぐらい、スポーツを活発に行う中高生で多い傾向にあります。
また、幼稚園や小学生では、外傷は春に多い傾向があります。
歯科医師としては、慣れない建物、校庭などで、活発に動くようになるこの時期に事故が起こりやすいのかなという気がしています。
外傷しやすい歯がある
圧倒的に上顎前歯のケガが多いです。
意外なところでは、顎を非常に強く打った場合、奥歯に圧がかかり、欠けることがあります。
また、思いもしない場所に傷がある場合があります(顎の骨折など)。
再発(何度もぶつける)しやすい人がいる
何度も受傷してしまう人もいます。
体の運動能力や、転倒する際の手の使い方などに問題がある場合がありますし、スポーツの種類によっては怪我しやすいものもあります(いわゆるコンタクトスポーツ)。
そのため近年ではスポーツ時のマウスピースも推奨されるようになってきています。
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また、最近は小さいお子さんの物を咥えた状態での外傷が増えています。
単純に転んだ場合と違って、歯だけではなく、命に関わる大きな怪我となるリスクがあります。
ご家庭での歯ブラシやスプーンなどを咥えた際の動きには特にご注意ください。
歯の怪我の治療法は?
一口に歯の怪我といっても、歯の状態によって治療法は大きく異なります。
歯を打ってグラグラしたり出血がある場合
歯を打って、動揺や歯の周りから出血が見られる場合、添え木をするように、固定することがまずは重要です。
歯の位置が変わったり、抜けた場合
歯の位置が少し変わっていたり、抜けてしまった場合も、できるかぎりもとに戻す努力をしてから固定します。また、このような場合、後日変色等が起きる場合が多いです。
そのため神経の処置も必要な場合が多いですが、後日で問題ありません。
歯が折れた場合
一方、歯が折れた場合、その傷面を修復することが重要です。
神経が出てない場合、レジンといわれる樹脂系の材料で修復していきます。
神経が出ている場合、神経の一部もしくはある程度の部分を取り除くことによって感染を防ぎ、修復します。
固定と修復、両方の処置が必要なことも多くあります。
また、外傷の場合、術後すぐに治ったとはなりません。3か月、半年、1年と経過を見ていくことが重要です。
歯の怪我をした時、保護者の方が気を付けることは?
外傷時の処置はできるだけ早く治療することが望ましいです。
なんとか対応することを心がけていますので、緊急の際はお早めにご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯や口の怪我にはある程度の傾向がみられます。
・歯の外傷を生じやすい年齢、時期がある
・外傷しやすい歯がある。
・再発(何度もぶつける)しやすい人がいる - 歯の治療法は歯を打った場合、折れた場合で異なり、両方の処置が必要な場合が多い
- 外傷した歯の処置はできるだけ早く行い、その経過は半年、1年と見ていく必要がある
最後までお読みいただき、ありがとうございました。