3歳~6歳ぐらいの子どものおやつの話
2018年10月26日
こんにちは!つぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
10月31日はハロウインです。
最近はだいぶ定着してきましたね。
個人的にはおやつを配る社会習慣は、どうかと思っているのですが、文化として定着しつつある以上、皆さんにもおやつの食べ方やそれらの個別の虫歯のリスクを知っていただきたく思い、今回のブログのテーマにしました。
今回は一般的な内容で、個別の口腔内状況等に当てはまらない人もいます。
歯科医院に定期的にメインテナンスで通院されている方は、かかりつけの歯科医院の指導内容を一番の参考にしてください。
最もだいじなこと、それはわが家の「おやつルール」を作ること
虫歯を作らない基本は、虫歯菌が酸を出す機会を減らすことです。
それには、おやつのあげ方が重要です。
具体的には、次のようなことに気を付けましょう。
おやつの時間を決める
時間を決めずにだらだらとおやつを与えてしまうと、口の中に常に食べ物があるので、虫歯菌が酸を作りやすい環境になってしまいます。リスクが少ない、大事なご飯が食べられないことにもつながりますので、おやつは時間を決めましょう。
特に唾液が減る夜は食べないようにしましょう。
楽しみのための飲み物と、水分補給のための飲み物を分ける
甘い乳酸飲料、炭酸飲料はもちろんのこと、清涼飲料水や普通の100%ジュースにも糖分がたくさん含まれています。
普段の水分補給はお茶や水を中心にしましょう。
食後のケア
おやつ後には歯磨きをするのがベストですが、難しければ、せめてお茶で口をゆすぐようにしましょう。
おやつ危険度分類
おやつルールでも書きましたが、飲食をすると口の中が酸性になります。
酸性のお口の中で虫歯菌が糖分と出会うと、歯の表面でさらに酸が出され、虫歯の原因になります。
ではここで、クイズです!
虫歯になりにくいおやつとは、なんでしょう?
そうです!
糖分が少なく口の中に残る時間が短い、歯にくっつきにくいおやつということです。
以下、『虫歯のなりやすさ=危険度』として、★分類していきます。
1)虫歯に要注意! 危険度MAX:★★★★★ のおやつ
アメ・ガム・キャラメル・グミ 乳酸飲料(ヨーグルトドリンク・ヤクルト・カルピスなど)、炭酸飲料など
<キケンポイント>
- 糖分がとても高い。
- 口の中に長い間ある(アメ)
- 歯にくっつきやすい(キャラメル)
これらのおやつは、子ども大好きだけど虫歯菌の大好物です。
また、酸をベースにし、爽やかさを出した乳酸、炭酸飲料はリスク大です。
2)虫歯注意! 危険度高:★★★★☆ のおやつ
チョコレート・ドーナツ・クッキー・和菓子・ケーキ・マカロンなどのお菓子
<キケンポイント>
糖分が多く口の中に残りやすい
個人的には、チョコレート>ドーナッツ>クッキー>和菓子>ケーキ>マカロンの順で歯にくっつきやすいように思います。
食べた後は、うがいや歯磨き、殺菌成分の含まれる緑茶などをコップ1杯飲む事で、虫歯になるリスクを減らせます。
3)油断大敵! 危険度中:★★★☆☆ のおやつ
プリン・ゼリー・バニラアイスなど
<キケンポイント>
アイスに関しては、チョコチップやクッキーが入っていたりすると危険度アップ!
食べてすぐにうがいやコップ1杯のお茶、お水を飲んで糖分を流せば、より効果的!
4)意外と虫歯になりにくい! 危険度低:★★☆☆☆のうれしいおやつ
おせんべい・クラッカー・スナック菓子、おしゃぶり昆布やするめなど
<うれしいポイント>
甘みが少なくてサクサクとすぐに砕け、簡単に飲み込める。
中でも、硬くて歯ごたえのあるおせんべいや昆布、するめなどは、よく噛むことで唾液(殺菌成分があります)の分泌を促し、満腹感もでます。
5)虫歯にならないおやつ! 危険度なし:★☆☆☆☆の安全なおやつ
砂糖を使わず、甘味料としてキシリトールを100%使っているものです。
例えば、キシリトールガム(トクホ・特定保健用食品)、キシリトール100%のタブレットやチョコレートなどがあります。
これらは食後の虫歯予防にもお勧めですし、最近商品も増えてきています。
チェックポイントとしては、キシリトール配合と記載されているけど、実は砂糖が入っている商品でないかどうか(還元水あめは大丈夫です)。
1回や2回、楽しみでケーキなどたべたらすぐに虫歯になる、ということはありませんが、何事も習慣とそのバランスです。
メリハリをつけていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- まずはおやつルールを作り、食べる時間や内容を決めましょう。
- おやつは『糖分が少ない』『口の中に残る時間が短い』『歯にくっつきにくい』というポイントで選びましょう。