今どきの歯磨きとデジタル化
2022年6月6日
今どきの歯磨きとデジタル化
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
今回は、ハミガキをテーマに、昔と比較して考え方が変わったものと、変わらず大切なポイントについてお話します。
お子さまに限らず、大人でも歯磨きはなかなか大変です。
僕が歯科医師になった20年ぐらい前では、歯磨きと言えば小さなヘッドで上手に、丁寧に磨くバス法が勧められていました。
バス法
その歯磨きの基本は今も変わっていませんが、今どきは歯磨きアプリなどもあるようです。
今回は小児歯科医として、歯磨きの大事と思うポイントと、今の流れについてお話していきます。
虫歯予防の「昔から変わらない」特に大事なポイント
1)砂糖の摂取量をコントロールする
特に小児においては、砂糖の量のコントロールが虫歯予防のキモになります。
2)歯磨きでプラーク(歯垢)をしっかり取り除く
歯磨きスキル×時間の掛け算で、プラークがどのくらい取り除けるかが決まります。
歯磨きが上手でも30秒では磨き残しも出るでしょうし、歯磨きがさほど上手でなくても、時間をかければ綺麗にできます。
ちなみに、ある程度綺麗に磨ける状態になるためには、最低「3分以上」歯磨きした方が良いと言われています。
虫歯予防の「今では常識が変わった」項目
歯ブラシのヘッドの大きさや、毛の密度は個人の好みで変えて良さそうですが、「歯ブラシ1本でオーラルケアは十分!」という時代は、どうやら終わったようです。
日本人…小さな歯ブラシで磨き、フロスや歯間ブラシはあまり使わない
ヨーロッパやアメリカ…大き目の歯ブラシでザっと磨いて、フロスや歯管ブラシなどを併用するのが常識
今の歯科界の結論…歯ブラシ磨きだけでは無理、フロスや歯間ブラシの併用が必要
日本人は器用なので、歯ブラシ1本で済ませようとしてしまう方が多いのです。
しかし、今や、フロスや歯間ブラシは必須という考え方が主流になっています。
虫歯予防の「最近登場した、便利な道具」…電動歯ブラシ+連動アプリ
電動歯ブラシと、それに連動するアプリで例の黄金時間である3分を目標として、アプリで指示される部位を見ながら必要な時間当てていく…という方法があります。これが非常に効率が良く、おススメです。
その他の歯磨きアプリも、手用で磨くとしても必要な歯磨き時間の間、歯磨きを続けたくなるようにゲーム要素を加えたものなどが人気です。
目的にあった歯磨きペーストを選ぶ
~電動歯ブラシを用いる場合は研磨剤不使用の歯磨きペーストを使おう~
歯磨き剤も歯磨剤の添加、無添加・フッ素など薬効成分など細分化されています。
私、現在46歳なのですが、歯茎の下がりを切に感じております。
歯茎が下がれば象牙質の露出が増え、知覚過敏がおきてしまいます。
そのため、電動歯ブラシを使う際には、研磨剤の入っていない歯磨剤を使う必要があります。
他にも、フッ素による再石灰化を強みにした歯磨剤、
手磨きによるステイン除去(歯の着色汚れ)を想定したもの、
歯周病予防をメインにしたもの、
知覚過敏の人におすすめなものなど、
歯磨きペーストによって特徴があります。
どんな歯磨き粉が自分に合うか分からない方は、お気軽に相談してくださいね。
結局のところ、歯を守りたいという意識の高さが大事
また、電動歯ブラシを使っている人でも、なんとなくヘッドを歯にあてているだけ…という人の場合は、磨き残しが多くあるなんてことは珍しくありません。
やはり結局のところ、歯が大事と思う価値観と、全体を磨く意識が大事なんだと思います。
意志と道具、薬効の特徴を上手に使って、歯を大事にしていきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
・虫歯予防として、糖分の摂取量を減らすこと、3分以上歯磨きをすることが重要です。
・歯みがきに使う道具は好みによって変えてよいと思います(歯ブラシのヘッドなど)が、フロスや歯間ブラシも併用しましょう。
・電動歯ブラシはかなり自動化されているのでお勧めです。
・知覚過敏の有無や虫歯の罹患しやすさなど、年齢によって歯ブラシと歯磨剤の適応も変わります。
意志と道具、薬効成分を上手に把握して、歯を大事にしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。