歯医者が「回数がかかる」と言われるワケ ~根管治療の手順~
2023年3月18日
こんにちは、つぼい歯科クリニック勤務医の荒田です。
今回は前回に引き続き、根管治療のお話の続きとなります。
前回のお話
歯医者が「回数がかかる」と言われるワケ ~根管治療~
根管治療に種類があることをお話しいたしました。
今回は、根管治療の手順についてお話させてください。
①虫歯の部分を削り取る
神経がある場所まで歯を削ります。
この時当然麻酔をかけて行うのですが、
例えば治療前からすでに痛みがある場合、麻酔が効きにくい場合があります。
そのような場合は、先に服薬で炎症を抑えて
麻酔が効きやすくなってから治療開始することもあります。
②神経を取る
根の先端まで細い針金のようなヤスリを通し、神経を取っていきます。
③根の管をキレイにする
消毒液で根の管を消毒します。
理想は無菌にすることですが、現実的には不可能と言われています。
細菌を含んでいる唾液が入らないように、
隔壁(唾液が入らないようにするための防波堤のようなもの)をつけたり
ラバーダムやZOOといった唾液が入らないようにする道具を用いて
根管を綺麗にしていきます。
【注意!】根の治療中は、ウガイできない!
根管治療の辛いところは、なんといっても
「ウガイが出来ない」「口をあけっぱなしでいないといけない」ところ。
なぜ開け続けなければならないのか、というと、前述のとおり
「唾液が根管に入らないようにしなければいけないから」
口を閉じてしまうと、どうしても唾液が根管に入ってしまいますし、
そもそもラバーダムやZOOを用いている場合は口が閉じられません。
口を閉じることすらできない状態なので、
休憩や中断なしに治療が進みます。
顎がだるくて大変だとは思いますが、
この治療中だけは患者さんに頑張ってもらわないといけません。
④薬を詰める
さて、根の管を完全にキレイにし終えた後、
薬を詰めて終了となります。
レントゲンを撮り、根の先までキレイに薬が詰まっていれば
晴れて根の治療完了となります。
そのあとは歯の形を取り戻していく治療が開始されていくのです。
そう…つまり、このあと
⑤土台を作る
⑥冠の形を作って型を採る
⑦冠を装着する
と、まだ続くのです…。
回数かかりますね。
歯医者が「長い」と嘆かれてしまう、手順の多さを
知っていただけたら嬉しいです。
まとめ
根の治療には時間がかかるが、必ずやらねばならない治療である
二回にわたって根の治療に関して話してきましたが、少しでも分かっていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。