ぐっと噛みしめることでパワーUP! ~踏ん張りと噛みしめの不思議な関係~
2017年3月15日
こんにちは♪岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
やっと暖かくなってきまして、屋外での運動も楽しくなってきましたね!
さて、今回のテーマは、奥歯を噛みしめる力と、踏ん張る力とスポーツのお話です。
スポーツと歯の関係
皆さんは往年のホームラン王である王貞治(おう さだはる)さんの奥歯が、引退時にはボロボロだった…という話をご存知ですか?
画像 http://shisyubyo-kai.com/
歯科関係者にはとても有名なお話で、プロの投手が投げる剛速球を打ち返すときのバッターの奥歯には、非常に強い負荷がかかると言われています。
一般の方も重いものを持ち上げるときには歯をぐっと噛みしめています。
本当かな?と思った方は、試しにお米の10Kg袋を2個ほど持ち上げてみてください。
ぐっと、奥歯を嚙みしめたはずです。
次に、口を開けて持ち上げてみてください。
噛みしめた時と比べて、力が出なくてビックリされるはずです。
奥歯を噛みしめることで踏ん張りパワーが出る!
試していただくとすぐお判り頂けると思いますが、ぐっと踏ん張って爆発的な力を出そうとすると、奥歯を噛みしめることが大事なんです。しかし、日常的にそんなことをしていると、奥歯が傷んでしまいます。
そこで、最近は「スポーツ用マウスガード(マウスピース)」を用いてスポーツをされる方が増えました。
アメリカンフットボールやラグビー、ボクシングの選手などが口に何か入れて試合しているのをテレビなどでご覧になったことがある方も多いでしょう。
実は、今は高野連(日本高等学校野球連盟)も白とか透明の地味カラー限定で、高校球児たちに使用を許可しているそうですよ。
スポーツ用マウスガードを使うと何がよいの?
強い力を発揮できる
クッション性のある素材でできたマウスガードが、歯と歯が直接噛むとき以上に「噛みしめる」ことを可能にするため、マウスガード無しのときより強い力を発揮できると言われています。
パワーリフティングの選手でも、マウスガードを使用している人は多いと聞きます。
歯を怪我から守ってくれる
コンタクトスポーツでは、歯を怪我から守る役割も。
空手や柔道、ボクシングやレスリングのような格闘技や、アメフトやラグビーのようなタックルがあるスポーツ、野球や剣道などの歯に衝撃のかかりやすいスポーツでは、歯を怪我する例が少なくありません。
アメリカの歯科医師会は、マウスガードの使用により、年間20万件以上のスポーツ外傷が防がれていると報告しています。
スポーツ用マウスガードはクッション性のある素材でできていますので、強い衝撃を吸収して歯を外傷から守る効果もあるのです。
スポーツマウスガード(スポーツマウスピース)はどんなものを使えばいいの?
市販のものから、歯科医院でのオーダーメイドのものまで幅広いラインナップ
市販のマウスガード
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さて、そんなマウスガードですが…既製品だけでも非常にたくさんの種類があるので、どれが自分に合ったマウスガードなのか迷ってしまうと思います。
選ぶポイント
- しっかりしたクッション性
- 弾力
- 口を開けても落ちてこないフィット感
- 左右の奥歯が均等に嚙めること
- 呼吸がしやすいことなど
口を開けた瞬間落ちてきたり、息がしにくくなったりするようでは、スポーツに集中できません。
オーダーメイド品はともかく、既製品は「安価だけれど、使用感は口に入れてみないと分からない」側面はあると思います。
口に入れたものは返品はできないと思いますが、安価というのは大きなメリットだと思いますので、お時間のある方は既製品をあれこれ試して気に入る物を探すのも良いでしょう。
歯科医院でその方にあったスポーツマウスガードを作る場合は、その方にあったオーダーメイドなので、フィット感は抜群に良いですし、試合中にズレたり落ちたりもありません。
歯科医院でのスポーツマウスガード作成の流れ
2回の来院が必要となります。
<来院1回目>口の中の型どり
次回の来院時までに、型に石膏を流して模型を作成⇒模型を使ってマウスガードを作成
<来院2回目>マウスガードを実際に口にセットして、ちゃんと形が合っているか患者さまとスタッフで確認する
スポーツマウスガードの作成は医療行為にはあたりませんので、医療保険は適応されません。
当院では、保険適応の歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)の費用を10割で頂いて製作しております。
ご興味をお持ちの方は、当院スタッフまでお気軽にご相談ください。