むせる、飲み込みづらい、舌がもつれる…自分でできる口の若返りトレーニング!
2019年6月15日
自分でできる「お口を若返らせる」トレーニング
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
前回は、オーラルフレイルの兆候を自分で確認できる検査についてご説明しました。
オーラルフレイルとは唾や食事でむせることが多かったり、歳をとって滑舌が悪くなったりといったお口の衰えのことで、お口の周りの筋肉の衰えから起きる、という内容でした。
今回は、オーラルフレイルの予防トレーニングについてのお話です。
トレーニングは予防にもなりますし、治療にもなるんですよ。
オーラルフレイル(お口とその周囲の衰え)は治せる!
オーラルフレイルというのは全身のフレイル(衰弱)の前兆、前フレイル状態といわれ、可逆的だと言われています。
つまり、トレーニングで改善できます。
そのトレーニングというのは、口は首まわりの筋肉の「筋トレ」です。
筋肉の衰えが原因なら、筋トレで治るのです。
実際にオーラルフレイルの症状が出て生活にお困りの場合は、お近くの歯科医院で「どこが問題で」「どのような訓練をすれば効果的か」判定して、プロの指導に沿って訓練を行っていく必要があります。
今回は「病院に行くほどじゃないけど最近むせることが多いなぁ…」という方向けに、ご自宅で短い時間で簡単にできるトレーニングをご紹介していきます。
頭持ち上げ体操
①お布団に寝転がっている状態で、頭を少し持ち上げて、お布団から浮かせます。
②最低3秒以上、可能なら20~30秒間、頭を持ち上げ、1分休憩します。
③また持ち上げ、休憩1分
④持ち上げ、この繰り返しを毎日、10回やってみましょう。
「舌骨上筋群」という、喉の筋肉が鍛えられることにより、むせ予防・治療となります。
舌圧アップトレーニング
舌圧というのは、舌を上顎にぐっと押し付ける圧力のことです。
この圧力が低くなると、飲み込みづらい、口呼吸となってしまう、といった症状が出てしまいます。
(口呼吸になると口腔乾燥症にもなってしまいます。参考ドライマウスの原因と自分での治し方)
舌圧をアップするトレーニングは、専用の柔らかいシリコン製のトレーニング器具で、舌と上顎で押しつぶすようにする方法や、筋機能訓練(MFT)などがあります。
シリコン製舌圧トレーニング器具は、1個1200円程度、3本組だと3000円弱で購入でき、直感的に分かりやすく使用も簡単なので、介護施設などでよく使用されています。(ペコぱんだなど)
筋機能訓練は、様々なトレーニングがありますが、簡単でちょっとした空き時間に出来るものを2つ、ご紹介します。
筋機能訓練 初級 ポッピング
①舌全体を上顎に押し付けた状態で口を開けます。
②この状態で、ポンッ!っと舌を鳴らします。
筋機能訓練 中級 バイト&クローズ
ポッピング同様に、舌全体を上顎におしつけて、大きく口を開けます。
ここで舌がくるんと丸くなって、舌先だけが上顎についている状態はNGです。
NG
OK
舌全体が上顎にべったりと押し付けられた状態のままで、大きく口を開けます。
口を閉めて、また大きく口を開け、閉める、を10回×3セット繰り返しましょう。
舌の筋トレですから、舌が疲れてきたら成功です!
あいうべ体操
とても有名で、当ブログでも何度か取り上げている体操です。
あくまで筋トレなので、声は小さくて良いので、口の周りの筋肉を大きく動かすイメージです。
ブローイング
フーッと息を吹くことによって、口唇圧(こうしんあつ・唇を閉じる力)をUPし、軟口蓋(なんこうがい)という上顎の喉に近い部分を持ち上げる力をつけます。
具体的には、吹き戻しや、風船を膨らませるトレーニング、ストローで水の入ったコップにぶくぶくする方法があります。
吹き戻し
吹き戻しは、硬さの違うトレーニング専用の物もあり(3つで900円程度と、ちょっと割高です)、レベル0が出来たらレベル1、そしてレベル2とトレーニングを進めていくこともできます。
100円均一ショップなどの、もっと格安の吹き戻しを使ってみても良いと思います。
100均の吹き戻しはバネが弱めですので、吹く力が小さくても伸ばすことができますが、入門編としては十分と思われます。
吹き戻しの方法
拭き戻しは1回あたり5秒間、フーッと吹いて、バネが延びた状態を維持します。
1日10~30回行うと良いと言われています。
風船トレーニング
風船トレーニングは、その名の通り風船を膨らませるトレーニングです。
吹き戻しが出来るようになって、物足りなくなった方におススメです。
構音訓練
「パ」「タ」「カ」の3つの音を、はっきりと発音することを意識しながら「パパパパパ…」と5秒間に沢山言う訓練です。
これは、前回の「オーラルフレイルを自己チェックしてみよう」というお話の、構音機能検査の項目をご覧ください。
オーラルフレイルを
「毎日パタカラ」というアプリには、検査だけでなく、トレーニングを指示してくれる機能がありますので、そちらもおススメです。
歯科医院でトレーニングを行う場合
飲み込みにくい・むせるといった症状が強い方を、歯科医院でトレーニングする場合は、もっとたくさんの訓練の中から、症状に合ったものを選んで取り組んでいただいています。
飲み込みにくいけれど、自分だけでやるトレーニングはちょっと難しいかな、という方はお近くの歯科医院にご相談くださいね。
まとめ
いかがでしたか?
- オーラルフレイルはトレーニングで改善できます。
- ちょっとした隙間時間でできる、簡単なトレーニングも多いです。
- 症状が重い方はお近くの歯科医院にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。