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予約なしで受診できる歯科医院が減った3つの理由

2025年9月5日

昔はシンプルに順番待ちしていた歯科医院。最近そういう歯科医院って減りましたよね?

岩国 歯医者 予約

こんにちは。岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井です。

最近、「予約が取りにくい」と言われることが少し増えたように感じています。

 

「こちらは困っているのに、なんで今日中に診てくれないの?」
「先生だけ夜に残って、他のスタッフが帰った後にでも診ることはできませんか?」
「待つと言っているのに、どうして今日中に診る程度のことが出来ないの?」

「日中は仕事があるから、17時半以降しか行けない。何とか診て欲しい」

 

お気持ちはよく分かります。

20年前だと対応してくれた歯科医院の方が多かったと思うので、どうしても昔と比べてしまいますよね。

 

もちろん今でも、当院を含めた多くの医院で、当日急患のお申し込みを受け入れていると思います。

しかし20年前のように「待ちさえすれば絶対に当日中に治療を受けられる」という歯科医院が減っていると感じる人もいらっしゃるかもしれません。

 

今回は、当院を含めた多くの歯科医院が予約制・完全予約制に移行していった理由と、急なお口のトラブルの時に予約を取りやすくするためのポイントについて、解説します。

 

 


1. むかしは「予約優先制」「予約目安制」の医院が多かった

 

昔は、完全予約制の歯科医院は少なく、予約時間は目安程度で、実際は予約時間よりも待たされる歯科医院が多かったと思います。

岩国市 歯医者 予約

これは、診療室数や歯科医師や歯科衛生士の人数よりも、多くの人数の患者さんの予約を入れるために起きていました。

 

わかりやすく例をあげてご説明します。

 

診療室が4部屋、歯科医師が1人、歯科衛生士が3人いる歯科医院があったとします。

15時30分からの予約枠で、完全予約制の歯科医院では、その時間に予約を受けることができる患者さんの上限人数は4人です。

 

しかし、予約が目安の歯科医院では、診療室や医療従事者よりも多い人数、同時刻に6~7人の患者さんの予約を受けることもよくあります。

キャンセルと診療申し込みの両方が多い場合は、予約制にしない方が「1日にお役に立てる患者さんの人数は多くなる」ので、メリットが大きいです。

 

一方で、もしご予約のキャンセルがなければ、4部屋しか診療室がないのに、同時刻に6~7人の患者さんの予約が入っているので、患者さんの診療室での待ち時間が長くなる、というデメリットもあります。

 

予約優先制(予約目安制)というスタイルは、今でも内科などの処置のない(問診と投薬主体の)医院ではよくあると思います。

時間通りに行っても、時間ピッタリに診療が始まるわけではなく、場合によっては1時間程度待つことも。

 

待つ代わりに、

・(1枠に複数の患者さんの予約を入れているので)キャンセルには寛容

・(他の患者さんも待つことを前提にしているため)直前の急患申込みをしても予約が取れることが多い

というスタイルです。

 

実は当院も、2016年の開業当初は予約目安制、つまり「患者さんはお待たせするけど、当日中に必ず診察可能」というスタイルをとっていました。

当日受け入れた患者さん全員の治療が終わっていない場合(ほぼ毎日でしたが)、スタッフに残業を頼んで21時ごろまで診療していました。

しかし、多くの問題が起こり、2017~2019年にかけて「完全予約制」「すべて時間内診療」に移行していきました。

 

 


2. なぜ「予約制医院が増えた」のか——背景にある3つの変化

1)タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)重視の時代

これが「予約制医院が増えた一番の理由」です。

社会全体で「待たない」「計画的に動く」志向が強まりました。

 

歯医者のために半日確保する、ということが難しい患者さんが大多数になりました。

歯科医院もそのニーズに応える形で、予約制が普及しました。

岩国市 歯医者 予約

 

実際、当院でも「予約が取りにくい」というご意見をいただくことよりも「待ち時間がないのが良いね!」とほめていただける方が多いです。

最近は医科(内科・外科等)でも予約導入が進み、世の中全体がタイパ重視型にシフトしています。

 

2)社会全体の人手不足

歯科医院は、歯科医師以外のほとんどのスタッフが女性です。

男性にとっても女性にとっても、残業が長い職場はブラックと言われたり、選ばれない職場になってきました。

ことに女性はその傾向が高いため、残業が多い職場は、勤労世代人口が減ってきた現在、人材確保に非常に苦労するようになりました。

 

歯科医院は労働集約型の職場で、スタッフがいないとそもそも何もできません。

歯科医師が一人で診療と受付や片付けなども行うより、歯科医師と歯科衛生士と歯科助手と受付が協働したほうが、ずっと効率が良く、多くの患者さんの診療を行うことができます。

 

岩国市 歯医者 チーム医療

 

残業の多い職場でスタッフの採用ができず、院長がなにもかも1人で行う場合に診療できる1日の患者さんの人数。

残業がない/少ないの職場だからこそ、スタッフを採用できて、院長とスタッフみんなで1日に診療できる患者さんの人数。

一般的に後者の方が、多くの患者さんのお役に立つことができます。

そうした背景から、時間外診療の廃止や、診療時間の短縮が、多くの歯科医院で行われるようになりました。

 

3)コンプライアンスの向上・仕事の分業化と高度化

30~40年前は、歯科衛生士と歯科助手が似たよう仕事をする医院も多くありました。

(歯科助手が歯科衛生士の職務の一部を担う医院も存在しました。)

 

現在は法令遵守の意識が業界全体に浸透し、きっちりと分業体制をとる医院が多くなりました。

歯科衛生士は、資格が必要な業務を集中して行い、歯科助手や受付メンバーは歯科医師の指導の下、資格が必要でない業務を担当することで、より多くの患者さんの治療を行う医院が増えています。

歯科衛生士は採用倍率23倍(1人に対して23軒の歯科医院が手を上げている状態)で採用難なので、年々この流れは加速しています。

 

分業化は、自分の専門領域に集中できることで、専門領域の成長が早くなるというメリットがあります。

デメリットとしては、自分の専門領域以外の仕事がわからないので、医院全体の業務の流れをわかった上で動くことが難しくなります。

 

例えば私のケースです。

開業当初は私も電卓と手で計算するレジで、会計を行うことができました。

しかし現在は、レセプトコンピュータ連動型POSレジを導入しており、操作は全くわかりません。

POSレジはレジ合わせ作業も不要ですし、日報と連動もしています。

大変素晴らしいのですが、(直感で操作できるアナログレジと比べて)覚えることは多いです。

 

器具の洗浄滅菌もそうです。

開業当時は、器具は手洗い→超音波洗浄→アナログのオートクレーブ(医療用滅菌窯)を使用していました。

 

現在は、手洗いかジェットウォッシャーを、使用した器具によって使い分けしています。

その後の滅菌も、クラスNオートクレーブまたはクラスBオートクレーブを、滅菌する器具によって使い分けています。

洗浄効率は高くなりましたが、作業は高度化しています。

 

岩国市 歯医者 滅菌

 

分業と高度化によって、院長が一人いても

・会計の仕方が分からない

・片付け方が分からない

・道具の置き場が分からない

のようになって、結局一人では診療は出来ない…となってしまうのです。

 

 


3.当院の変遷 「予約優先制」時代に起きたトラブル

~予約外でも受診できることと、待ち時間が長いことと、スタッフの残業は3つでセット~

 

 

2016年1月開業当初、当院は「予約優先制」でした。
岩国市 歯医者 予約
予約外の方も、緊急性やお困り度が高ければ、もともと他の方の予約が入っている時間でも受け入れしていました。
すると、次のような問題が日常化してしまいました。

 

1)予約どおり来院された方をお待たせしてしまう

岩国市 歯医者 予約

1時間以上お待たせするのが日常化。

終業までにあと2時間という状況で、処置待ちの患者さんが7~8名もいる状態。

そうなると、どうしても1回あたりの処置量を減らすことで、時間調整をせざるを得ない場面もありました。

 

診療終了は18時30分のところが、連日21時前後。

遅い時間帯に“駆け込み診療申し込み”が重なってしまうと、患者さんお一人お一人に、予定していた処置内容を全力投球していくことが困難になっていきました。

 

2)歯科医師が自分の全力を出し切れない状態に

「整理券制(早い者順)」でも100%の実力を出せる歯科医師はいます。

ただしそれは、患者さんが「1~2時間待つのが当たり前」と受け入れてくれる環境が前提です。

あくまで当院の話ではありますが、10年前の当院の大多数の患者さんは、それは望んでおられませんでした。

 

常に患者さんに「まだですか?」と思われ、こちらも「あと〇人の患者さんがお待ちだから、早くしなければ!」と思っている状況では、歯科医師は技術研鑽も、難症例にじっくり取り組む経験も積めません。
それは、私の思い描く歯科医院像、歯科医師像とは異なるものでした。

 

岩国市 歯医者 予約優先制

 

3)スタッフの入退職が非常に頻繁になった

予約優先制は忙しい時は本当に忙しく、残業も多く、初心者スタッフへの負荷が高めの職場になります。

その結果、スタッフの入退職が頻繁になりがちでした。

スタッフの入れ替わり頻度が高いと、仕事を教えることができるスタッフが教育の方に入ることになるので、ますます人手不足は悪化します。

 

歯科医院は器具の洗浄・滅菌(医療用滅菌窯を1日10サイクルくらいかけるほど、滅菌するものが多いのです)や、在庫管理、外注先から納品される技工物の管理、受付や会計に電話応対など、診療以外の業務もかなり多いため、人手不足は診療の質にも影響してしまいます。

 

「予約外でも受診できることと、待ち時間が長いことと、スタッフの残業は3つでセットならば、予約外診療を諦めよう。

その代わりに、患者さんの待ち時間とスタッフの残業をゼロにして、さらに歯科医師が目の前のどの患者さんにも、自分の100%の実力が出せる歯科医院を目指そう!」と、私は2017年に決意しました。

 

その後、約2年かけて、待ち時間や残業をほぼゼロに近づけていきました。

以来、私たちは“お待たせしない+治療の質は落とさない”をモットーに、常に予定通り・計画通りに診療を進めていくよう努力しています。

 

岩国市 歯医者 完全予約制

 


4. 予約優先制 VS 完全予約制

~どちらが「より良い」ではなく、どちらが自分のライフスタイルに「合っている」か~

 

ここで強調したいのは、どちらのスタイルにも存在意義があり、優劣がないということです。

そして、患者さんご自身のライフスタイルに合っているスタイルの歯科医院を選んでいただくことが、最もストレスが少なく、安心して歯科治療を受けることにつながると思います。

 

予約優先制

長所:キャンセルしやすく、予約がとりやすい
短所:待ち時間は長め

 

完全予約制

長所:待ち時間がほとんどない
短所:当日直前キャンセルや無断キャンセルをしないで下さいと言われる、予約の空き枠が少ない

 

岩国市 歯科医院 予約

医療資源(人・時間・設備)は有限で、どちらかを最大化すると、もう一方が成り立ちにくくなります。


当院は、当時の患者さんのニーズとスタッフの働きやすさ、そして診療の質を担保することを重視して、完全予約制のスタイルを選びました。

 

もちろん、予約優先制(待つけれどキャンセル自由)の価値も理解しています。

うつ病や、癌、妊娠などにより「どうしても体調不良で急にキャンセルをすることがある」状態にある患者さんや、高齢で認知機能が少し下がってきている患者さんなどは、きっちり時間が決まっているよりも、柔軟性がある予約体制の方が通いやすいことが多いです。

 

お仕事が忙しく、ご自身の健康や治療よりもお仕事の予定がどうしても優先になってしまう、というタイプの患者さんには、当院の予約体制は通いにくいと言われることもありました。

その人にとって通いにくくても、当院の何かを気に入ってくださって、当院を選んで通ってくださっているなら良いのです。

しかし、他の「通いやすいスタイルの歯科医院」を知らないために苦しい思いをされているならば不幸なことです。

 

ライフスタイルや価値観によって、「理想的な予約体制」は変わるものです。
だからこそ、ご自身のライフスタイルにあった歯科医院を選んでいただくことが重要だと思います。

 


5. 急なお口のトラブルの時に予約を取りやすくするためのポイント

無断・直前キャンセルがないほど“急患対応枠”は増える

早めのキャンセル連絡をいただければ、その空いた枠で急患対応ができます。

お熱の時、用事が入った時に、早めにご連絡をしていただくことで、そのお時間に他の患者さんの急患に対応できる可能性は広がります。

 

急患のご相談のお電話をいただいた患者さんに「キャンセルの方が出たらご連絡させていただきますね」と待っていただいていることは、毎日数件あります。

 

もしご予約時間の2~3時間前にキャンセルのご連絡をいただいていたら、すぐに医院に来ることができる患者さんであれば、診療ができます。

しかし、ご予約の30分前にキャンセルのご連絡をいただいても、ほとんどの人はその後電話を受けて、さらに時間に間に合うように医院に来ることはできません。その枠はただの空き枠になってしまいます。

 

患者さんお1人お1人が、来院のご予定がつかなくなってしまった時は「早めのご連絡」を心掛けてくだされば、その分の時間を「今、まさに困っている患者さんの急患対応」に当てることができます。

回り回って、多くの患者さんが急患受診が必要な時に、受診ができる医院に近づきます。

どうかご協力をよろしくお願いいたします。

無断・直前キャンセルを繰り返す方と、他の人のために事前にご連絡をいただける方/ご予約通りご来院くださる方を「本当の意味で平等に」

当院は、「当日の空き枠」がある場合は、基本的にどなたでも急患受け入れを行っております。
当日ご予約がいっぱいの場合は、他のご予約の患者さんにご迷惑がかかる可能性がありますので、慎重に決定します。

 

1 医学的に緊急の治療が必要かどうか

2 初診の方か通院中の方か

3 普段の受診状況(無断キャンセル・直前キャンセルの有無)

当院においては、上記3つの軸で判断しています。

 

1は、わかりやすいと思います。

2は 通院中>初診・治療やメンテナンスの受診が途絶えている人

の順番で、当院における患者さんの口腔内の管理義務が大きいと考えています。

3はご予約のキャンセル状況についてです。

現代人はみんな忙しいです。

その中で、頑張ってご予約通りにご来院くださる患者さんと、直前キャンセル・ご連絡のないキャンセルが多い患者さんを、『急患のご予約の取りやすさ』という点で同列に扱うことは、いつもご予約通りに来ていただいている患者さんを軽視することに繋がります。

 

「そんなこと知らなかった」「最初から言ってくれたらよかったのに」と思われる患者さんがいらっしゃると思いますので、当院では以下のキャンセルポリシーを設けて明文化しております。

 

キャンセルポリシー

*無断キャンセルの定義・・・ご連絡のないキャンセル・ご予約時間を過ぎてから当院にご連絡をいただいた場合

*当日キャンセルの定義・・・ご予約日当日のご予約時間前にお電話やWEBからキャンセルのご連絡をいただいた場合

 

  • 無断キャンセル・当日キャンセルの無い患者さんの急患のお申し込みは、当日ご予約がいっぱいの場合でも、並列診療を行うなどの最大限の努力して、出来る限り受け入れを行っております。通常診療への影響を最小化しつつ、可能な限り痛みや不具合を軽減します。
    *優遇対象の患者さんが複数人急患申し込みをされた場合は、当日中のご予約を承れないケースもございます。
  • 無断キャンセル・複数回の当日キャンセルがある通院中の患者さんについては、なるべく直近の空き枠のご案内を行います。
  • 無断キャンセルを複数回される患者さんについては、通常の予約ルール(急患対応ではなく、担当歯科医師の予約可能なお時間をご案内)で対応させていただいております。

 

お仕事や持病など、さまざまな事情があることはもちろん承知しております。
ただこれは「待ち時間がほぼゼロの歯科医院」であり続けるために、どうしても必要なことです。
ご理解ご協力をお願い申し上げます。

 


6.“最大多数の最大幸福”を目指して

当院は待たない×高品質×公平性という軸で努力を続けています。

 

具体的には

・患者さんをお待たせしないこと

・歯科医師が実力を100%出せる環境を作ること

・ご予約を守ってくださる(急患応対をする余力を医院に作ってくださる)方が、緊急時も急患受診しやすい体制を守ること

について、日々工夫しながら診療を行っております。

 

待たないことと、キャンセル自由の両立はできません。

だからこそ、あなたのライフスタイルに合う医院を選んでいただくことが大切です。

 

岩国市 歯科医院 歯医者

 

 


7.まとめとお願い

いかがでしたか?

 

・完全予約制の医院はお待たせしない代わりに、予約優先制の医院よりは予約が取りにくい傾向があります。
・ライフスタイルに合わせて、ご自身に最適な予約スタイルの医院を選ぶことが大切です。
・患者さんみなさんのメリットのためにも、来院が難しいと分かった時点で、早めのご連絡をお願いします。
・クリニックのお電話が通じない場合も、診察券アプリからキャンセル/再予約が可能です。
・無断・当日(直前)キャンセルは、本当に困っている誰かの急患枠を奪ってしまいます。
・無断・当日キャンセルをされない方(早めにご連絡くださる方)については、直近での急患応対をするよう最大限努めています。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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