良くない口の習慣、「口呼吸」 ~風邪をひきやすく、虫歯・歯周病・口臭・出っ歯の原因にもなる~
2020年1月31日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
あなたは、口呼吸と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
対する言葉としては、鼻呼吸です。
鼻で呼吸するということはどういうことでしょうか?
鼻には体を守る色々な作用が備わっています。
加湿作用や、粘膜によるウイルス、細菌に対する防御作用などです。
口呼吸のデメリットはよく言われているように思います。
口で呼吸するので、鼻での作用の恩恵が受けられませんから、当然ながら感染しやすかったり、乾燥の原因となったりするようです。
口呼吸のデメリット…その1 口の乾燥
口の乾燥も、色々なリスクとなります。
虫歯ができやすくなる
唾液にはカルシウムが豊富に含まれ、口の中が虫歯になりやすい環境になったときに、歯を補修する働きがあります。
唾液が少なくなると、むし歯ができやすくなるのですが、同じように口呼吸による乾燥でもむし歯になりやすくなります。
歯周病になりやすくなる
歯周病も感染症です。唾液の抗菌作用が、口の乾燥によって低下してしまうので歯周病の危険が増してしまいます。
口臭が出やすくなる
口臭についても乾燥の影響で強くなってしまうようです。
参考リンク ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と自分での治し方
歯への着色が起こりやすい
口呼吸をされる方は、ちょうど前歯の唇が当たらない部分に、着色が起こりやすいです。
唾液の作用っていろいろな面に作用していて大きいのです。
口呼吸のデメリット…その2:歯並びが悪くなる
口呼吸は、歯ならびにも関係してきます。
口で呼吸しているということは、当然ながら口は開いているんですよね。
口を閉じるのは口の周りの筋肉(口輪筋)の作用ですので、この力が弱いのです。
舌の位置についても鼻で呼吸するのとは違い、口で呼吸しやすい位置に舌が移動してしまいます。
歯ならび、歯列というのは外からの力、頬や唇ですね。それと内からの力、舌の力のバランスによって大きく影響を受けます。
つまり、口で呼吸しているというのは、歯ならびが悪くなるリスクになるのです。
矯正治療をする場合でも「後戻り」の大きなリスクとなることがあります。
長い期間をかけて歯並びをキレイに整えて行くのが矯正治療ですが、歯に(骨に)力をかけることで歯が動いていきます。
矯正治療が終わった後でも、歯に力がかかっていると、当然歯は動いてしまいます。つまり、後戻りのリスクがあるとも言えます(後戻りのリスクが高いと判断される場合は、後戻り防止装置が外せないこともあります)。
力のバランスが取れていないと、治療した歯並びが変化してしまうということが起こってしまうのです。
鼻呼吸で、感染や歯並びのリスクを予防しましょう!
口で呼吸することにはデメリットがいっぱい。
可能であれば意識して鼻で呼吸するようにしていきましょう。
テレビを見るときなど、ボーッとしていてもお口はつむっているようにしていただくことが大事です。とはいえ…夢中になっている時に、意識できない…という声もあるかと思います。
口の周りの筋肉(口輪筋)が十分に発達していないと、口を閉じ続けるのが難しいことがあるのです。そんなときは、「口の周りの筋肉の筋トレ」が必要です。
筋トレなので、すぐに効果が出るわけではありませんが、「インフルエンザ予防に効果がある」として、取り入れている小学校も多い体操です。
歯科医師としてもおススメです!
まとめ
- 口呼吸は、デメリットが多いので止めましょう
- 口呼吸のデメリットとして、風邪をひきやすくなる、虫歯・歯周病・着色・口臭などの原因となることがあります。
- 口呼吸は、出っ歯や矯正治療後の後戻りの原因となることがあります。
- 鼻呼吸トレーニングとして「あいうべ体操」がおススメです。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。