上下の歯が触れる時間が1日20分以上あると、○○になってしまう!?
2020年10月14日
あなたはTCHという言葉を聞いたことはありますか?
「初めて聞いた」という方もいれば、ここ数年、歯科関係のブログやコラムでもよく見かける言葉なので、「あ!聞いたことある」「知ってる!」という方もいるかもしれません。
では、なぜTCHがよく言われるようになったのか?
TCHとはそもそもどんな症状で、どんな良くないことを将来引き起こしていくのか。
今回はTCHをテーマにお話していきます。
TCH(歯列接触癖)だとなぜ良くないのか?
1日20分以上、上下の歯が触れ合っている習慣を持っている人は、歯がしみたり、痛みが出たり、顎関節症のような症状を引き起こしてしまうことがあります。
TCH(歯列接触癖)とは?
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略です。
日本語でいうと、歯列接触癖といいます。
口の癖として、上下の歯と歯が当たっているというものです。
上下の歯が触れている時間は1日20分までが良い
食事をしている時、緊張している時、力を込めている時などには上下の歯は当たっていますね。
何かに集中している時なんかも当たっているかもしれません。
その他の時間は上下の歯は当たっていない状態が正常です
リラックスしている状態では上下の歯は、2~3mm離れた状態になっています。
これを安静空隙(あんせいくうげき)と言います。
『1日のうちで上下の歯が接触している時間のトータルでも20分以下にしないといけない』と、患者さんにお伝えすると、
「え!そうなんですか?歯と歯が触れているのが普通の状態だと思っていました」と言われる方も多いです。
TCHによって、どんなことが起こってしまうのか
「1日20分以上歯を触れ合わせてはいけないということはわかった。
でも、TCHによってどんな悪いことが起こるだろう?」と思われる方もいるかもしれません。
具体的には、
- 歯がしみる
- 歯が痛む
- 詰め物が壊れる
- 顎が痛む
- 歯周病が悪化する
- 歯が揺れてくる
- 歯並びが悪くなる
などの症状を引き起こすことがあります。
TCHは、噛む力の強さは関係ない
噛む力は弱くても、時間が長ければTCHに該当します。
弱い力でも長時間当たっているということによって影響が起きてしまうんです。
歯ぎしりは歯に良くないというのは聞いたことがあるかと思いますし、イメージもしやすいですね。
ギリギリと大きな音がなる歯ぎしりは、いかにも歯や顎に悪そうです。
しかし、噛む力が弱くても、長時間やれば悪い影響が出てしまう。
実は歯ぎしりと同じような影響が起こるんです。
歯がすり減ってしまったり、それに伴って起こる今までに治療した歯の詰め物や被せなどに起こる不具合が起きたり、歯が欠けたり割れたり、知覚過敏を起こしてしまったり。
他にも、歯並びに影響がでてしまったり、骨隆起という顎骨にボコボコができてしまったり。
歯だけでなく、頭痛、肩こりといった首回りの症状を引き起こしてしまうこともあるようですね。
私も顎関節症なのでTCHがあるかもしれない、思っています。
TCHが増えてきた原因
一つはスマートフォンやゲームなどで、うつむいている時間が増えたことが原因かもしれないと言っている人もいます。
また、歯ぎしりや食いしばりにも共通しますが、ストレスが原因とも言われています。
リモートワークなどでパソコンの時間が増えた人など、ご自分がTCHでないか一度チェックしてみることも、ご提案します。
TCHの治し方
では、どうするかというと、当たらないようにするしかないんですよね。
癖なので、治すのはなかなか大変です。
爪噛みなどと同じで、「これをやればすぐ治ります!」という方法は、残念ながら現在のところありません。
対策として、歯を離すことを意識したり、作業の時の姿勢に意識したりするのも良いかと思います。
改善方については、こちらのブログページもありますので、ぜひ参考にしてください。
参考リンク:https://tsuboidental.com/2020/03/28/incho-69/#TCH-3
最後までお読みいただき、ありがとうございました。