インビザラインのアライナー(マウスピース)の交換頻度は「7日」が基本
2024年3月5日
インビザラインのアライナー(マウスピース)の交換頻度は「7日」が基本
~4日・5日・7日・10日のバリエーションと、その理由~
インビザライン(Invisalign)は、歯列矯正を行う際に用いられる透明なマウスピース型の装置です。
従来の矯正装置であるブラケットやワイヤーと比べて目立たず、日常生活に支障をきたしにくいという利点があります。
インビザライン矯正の特徴については、こちらの記事もぜひお読みください。
参考リンク:マウスピース型矯正とワイヤー矯正の違いとは?
参考リンク:インビザライン矯正の魅力 便宜抜歯を回避できる
アライナー(マウスピース)を使用した矯正治療は、患者さんにとって利便性が高いため、とても人気です。
アライナーを効果的に使用するためには、適切な頻度でアライナーを交換することが重要です。
今回は、インビザライン矯正に関する「よくある疑問」として、アライナーの交換頻度について解説します。
1)アライナー(マウスピース)の交換頻度の基本は7日
一般的に、アライナーの交換頻度は7日間を基準としています。
7日交換の場合、4日間使用して歯を動かし、その後3日間は装着したまま歯を安定させるための期間として機能します。このサイクルを繰り返すことで、徐々に歯並びを整えていきます。
2)加速装置を用いて4~5日交換にできることも!
矯正加速装置は、アライナーを使用する際に歯をより速く動かすための装置です。
症例によっては、この装置を用いて4~5日で交換できることもあります。
矯正加速装置は元はインプラントが顎骨と早く結合させるために開発された機械で、骨のリモデリング(吸収と再生)を特殊な光や振動で活性化させます。
この装置を用いて4日交換で40代の方の矯正治療ができたという症例報告もあります。
ただし、若年者と比べて、30代以上の方はやはり歯が動く速度が遅くなる傾向があり、当院では30歳以上の方にはあまりおススメしておりません。
*30歳以上の方でも、7日交換で使用していただくことは良くあります。
*4日交換できなくても、加速装置を用いることでアライナーの浮き上がりなどが減った結果、トータルの治療期間が短くなることは多いです。
3)症例によっては10日交換となることもある
症例によっては歯をゆっくりと動かした方が良い場合もあります。
そのような場合は、アライナーの交換頻度を10日間に1回に設定することもあります。
以下は、10日交換となる可能性が高い症例の特徴です。
3-1)大きな歯の移動が必要な場合
歯並びを大幅に変える必要がある場合、ゆっくりとした動きが歯を過度に負担から守る必要があることがあります。
3-2)歯の傾きや回転が多い場合
特に、歯肉退縮しやすい症例(前歯をわずかに唇側に拡大しなければならない症例など)で、歯の元の傾きが大きい場合はゆっくり歯を動かす必要があることがあります。
3-3)歯茎や歯槽骨の健康状態が悪い場合
歯茎や歯槽骨の状態が良くない場合、ゆっくりとした動きをすることで、歯を健康に保ちながら歯列を改善することがあります。
これはあくまで当院の話ではありますが、10代~30代の方で10日交換をすることはほぼありません。
4)それ以外に交換頻度が変わることはある?
インビザラインなどのアライナー矯正では、IPR(歯と歯の間をわずかにトリミングすること)を行うタイミングが決まっています。
また、アタッチメントという、歯と同じ色の装置を歯に接着して歯を動かすのですが、何枚目でこのアタッチメントを新たに付ける、というタイミングも最初から決まっています。
この「タイミング」は「アライナー●枚目に交換する前」というタイミングです。
*何枚目でIPRやアタッチメント装着するかは、症例により異なります。
ただ、そのタイミングきっちりに歯医者さんに受診できるかというと…
・通院できるのは土曜だけ
・平日は18時以降しか通院できない
となると、IPRやアタッチメント装着のタイミングの前でアライナー交換が出来ずに、結果として交換頻度が下がってしまうことがあります。
ただ、アライナー矯正は始めた日から全日程が決まっている治療でもあります。
数回先の予定を確認して、複数回の予約をとったり、受診予定日のスケジュール管理をしっかりすることで、7日交換を維持することが出来ます。
IPRの頻度が多い症例の場合、こうした「受診スケジュールの管理」が治療期間を大きく左右することもあるんです。
アライナー矯正は「スケジュール管理」で結果的に治療期間を短くすることができるんです。
5)まとめ
いかがでしたか?
・アライナーの交換頻度は7日が基本です。
・加速装置を用いることで4~5日交換に出来ることもあります。
・症例によっては10日交換となることもあります。
・スケジュール管理をしっかり行うことで、矯正治療を早く終えることができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。