妊婦さんと歯について。妊娠中は口の中の環境が変わるので要注意!
2019年9月20日
こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
当院には、小さなお子さまをお預かりできるベテラン保育士が在籍しておりますので、若いお母さん方がたくさんいらっしゃいます。
また、岩国市の行っている妊婦健診も月に3~4人ペースで来院されています。
今回は授乳期のお母さんや、妊婦さんのお口の中の変化について、お話したいと思います。
妊娠による口の変化
妊娠すると様々な変化が起こっていきます。
それによって、口の中でもいろいろな変化が起こっていきます。
つわりによる変化
つわりにより、ニオイに敏感になったり、特定の食事が苦手になったり、あるいは甘いものや酸っぱいものと好むようになったりすることがあります。
奥歯の方に歯ブラシを入れると吐き気をもよおす場合は、お口の清掃状態が悪化することもあるようです。
ホルモンバランスによる変化
妊娠中はホルモンバランスに変化が起こります。
女性ホルモンを餌に増殖するタイプの歯周病菌が活性化するので、妊娠期間~授乳中まで、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
これを妊娠性歯周炎といいます。
なので、妊婦健診に歯科の項目があるんですね。
唾液の量も減ることがあるみたいで、これも虫歯のリスクをあげてしまう原因となります。
妊婦の歯科治療の時期はいつまで?
妊娠初期~4ヶ月
この時期はお腹の中の赤ちゃんの発育にとって大切な時期になります。
市販薬を含め、お薬の服用は極力控えたいところです。
ただし、お熱があったり、あまりにも強い痛みがある時は、ママさんが我慢するストレスが赤ちゃんに与えしまうストレスもあります。
限界まで我慢する前に医療機関にご相談ください。
また、つわりがある場合もあり、あまり積極的な歯科治療は行いにくい時期です。
歯科検診やクリーニングなどは可能ですので、妊婦健診はぜひ受けましょう。
ご自身のお口の中の問題点や、妊娠中のこれからの変化について、知っておくようにしましょう。
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院長ブログ 妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由
妊娠中期
安定期に入ると状況が変わってきます。
ほぼ全ての歯科治療が可能となります。
お薬に関してはやはり注意は必要ですが、比較的安心して使えるお薬もあるため大きな問題とはなりません。
なので、虫歯の治療などはこの時期に行うのが良いとされています。
なので、この時期までには虫歯治療にメドをつけておきたいですね。
妊娠後期
9ヶ月以降となると、治療が難しくなってくることもあります。
麻酔の種類にもよるのですが子宮の収縮を誘発したりするのもあるようです(当院は血管収縮剤不添加の、子宮の収縮を誘発しないタイプの麻酔を使用しております)。
体調的にもお腹にハリが出たり、仰向けになったときに、お腹の中の赤ちゃんの重さによって、血管が押し付けられ血圧に変化が起こってしまうこともあります。
また、痛み止めの服用も、妊娠後期から末期は赤ちゃんにとって、あまり良くないと言われています。
以上により、1回の治療が長時間に渡る処置は難しいかなと思います。
出産後
授乳が開始され、まだまだ女性ホルモンの分泌量も多く、歯ぐきが腫れやすい時期が続きます。
ただ、出産直後は、なかなか来院が難しい期間となるのではないかと思います。
出産後数か月は、お母さんは皆さん、お忙しいですからね。
最後に、お子さんの虫歯を減らすために家族全員で歯科健診を
お子さんが虫歯にならないようにはお父さん、お母さんのお口の中の環境が整っていることが重要です。
虫歯は虫歯菌が引き起こす感染症です。お子さんの虫歯菌への感染経路は母親が50%、父親が30%と言われています。
お父さんお母さんのお口に虫歯がないことが、お子さんの虫歯菌感染リスクをさげることに有効だと、研究により分かっています。
妊婦健診だけでなく、お父さんもご一緒に歯科医院でチェックを受けられるのが、お子さんのためにもより良いと言えます。
まとめ
- 妊娠初期に妊婦健診を受けるのがベストです。
- 妊婦検診で、治療が必要な部位はないか、もし治療が必要な場合は、安定期に治療を終えられるように計画するとスムーズです。
- ママさんが妊娠中に、ご家族全員の健診と口の中の細菌数を減らしておいて、赤ちゃんにとって良い環境づくりをすることをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。