斜めに生えた親知らずはいつ抜歯する?~10代が良い5つの理由~
2023年12月15日
斜めに生えた親知らずはいつ抜歯する?~10代が良い5つの理由~
こんにちは!岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 院長の坪井文です。
さて突然ですが、あなたはご自身の親知らずの状態について、詳しくご存じですか?
親知らずが生えてきている方は、下記のどれに当てはまりますか?
・きちんとケアできていて今後も維持できる
・今後、他の歯に悪さする可能性はあるものの、症状が無いので様子を見ている
・抜いたほうが理想的だと歯医者で言われたことがある
・良く知らない
「親が知らないうちに(成人してから)生えてくる」と言われる親知らず。
現代日本では「上下左右の親知らずがまっすぐ生えて、お向かいの歯と嚙み合っている」人は全体の7%程度と言われています。
つまり親知らずについて「抜歯もしくは特殊なケアが必要な状態である」人が、なんと93%もいるんです。
そこで今回は、
・親知らずを抜かなければいけない場合
・抜かずにケアできる場合
・もし親知らずを抜くなら、いつが良いか
などについて解説します。
そろそろ親知らずが生えてくる10代後半のお子様の保護者の方、
親知らずを抜いた方が良いと言われたけど放置している方や、
ご自身の親知らずについて特に考えたことが無い方に、
是非お読みいただきたいです。
目次
1.「親知らず」は抜いた方が良いのか、抜かなくても良いのか!?
2. 抜いた方が良い親知らずの特徴
3.親知らずを抜いた後に起こるデメリット
4.親知らずは10代のうちの抜歯がおススメな理由
5.まとめ
1・「親知らず」は抜いたほうが良いのか、抜かなくても良いのか!?
「親知らず」を抜かなくても良いケース
・上下左右の親知らずがまっすぐ生えていて、咬んでいる
・多少傾いて生えているものの適切にセルフケアできていて、手前の歯に悪さをしていない
・セルフケアが出来ていて、虫歯や歯周病のリスクが低い
奥に生えている親知らずは、ただでさえお手入れの難易度が高く
しかも生えるスペースが足りない場合は斜めに生えてくることも多いです。
しかし、親知らずが生えてくるスペースが十分にあれば
まっすぐに生えてきますし、セルフケアも難しくありません。
歯科医院で、親知らずとその手前の歯が虫歯や歯周病になっていないかチェックしてもらい、
「大丈夫!」と言われたら、抜く必要はありません。
抜かなくて良い場合も、お口の中の最も奥に生える親知らずはセルフケアの難易度が高い歯になります。
虫歯や歯周病にならないように、セルフケア方法はしっかりと歯科衛生士さんに伝授してもらってくださいね。
一般に、太い通常の歯ブラシより、ワンタフトなどの「毛束が1つだけ」の歯ブラシや、小ぶりの歯ブラシ、ヘッドが薄い歯ブラシなどの方が、親知らずは歯磨きしやすいです。
イラストの真ん中の、小さな毛束の歯ブラシが特におすすめです。
たいていの歯医者の窓口販売で取り扱いがあると思いますから、ご興味がある方は使ってみてくださいね。
2・抜いた方が良い親知らずの特徴
「親知らず」を抜いた方が良いケース
・斜めに生えてきている
・半分~大半が歯茎に埋まっている
・手前の歯が、親知らずのせいで虫歯や歯周病になった/なりそう
・すでに何度か腫れたことがある
・歯並びに悪影響が出る可能性がある
・矯正治療を予定していて、親知らずが邪魔になっている
これらの条件に当てはまる場合、親知らずの抜歯を考えた方が良いかもしれません。
抜いた方が良いかどうかは、まだ親知らずが骨の中に埋まっている状態でも10代前半になったら判定可能です。
お子様が歯医者さんに受診して、顎全体のレントゲン(パノラマレントゲン)を撮影したら、
「親知らずはありますか?」
「親知らずを将来的に抜く必要はありますか?」
と、ぜひ訊いてみてくださいね!
ただし、
「抜歯した方が良いような状態の親知らずを抜く」のは、一般開業歯科医院では困難な場合も少なくありません。
「抜いた方が良いけど、抜くのは病院口腔外科で」なんてことも珍しくは無いので、そこはご容赦くださいね。
3・親知らずを抜いた後に起こるデメリット
では、親知らずを抜いた後はどうなるでしょうか?
・抜歯後1週間程度腫れることがある
・親知らずの手前の歯に、深い歯周ポケットをつくることがある
・親知らずの手前の歯がしみるようになることがある
・親知らずの根っこの位置が深い場合は、オトガイ神経に麻痺がでることがある
特に最後の「オトガイ神経麻痺」は1~2年程度、
・下唇に温度が感じにくくなる
・下唇とオトガイがしびれる
などの症状が出てしまいます。
オトガイ神経に近い部分に親知らずの根っこが位置している場合、
抜歯の際にオトガイ神経麻痺のリスクを避けられなくなることもあるんです。
このオトガイ神経麻痺のリスクを小さくする方法の一つが
「10代のうちに親知らずを抜歯する」なんです。
4・親知らずは10代のうちの抜歯がおススメな理由
10代のころの親知らずは、根っこがまだできていません。
つまり、オトガイ神経の近くにいないことが多いんです。
この「幼若な親知らず」は親知らずの手前の歯とも少し離れた位置にいるのです。
そのため10代での親知らずの抜歯には、以下のメリットがあります。
・歯並びへの悪影響を防ぐ
斜めに埋まった親知らずが周囲の歯に圧迫をかけることがあり、これが原因で歯並びが乱れることがあります。
十代のうちに抜歯することで、歯並びの問題を未然に防ぐことができます。
ちなみに親知らずが原因で歯並びがいったん悪くなってしまうと、親知らずを抜歯しても元に戻ることはありません。歯並びの悪化が「さらに悪化はしなくなる」だけです。
ですから、「歯並びが悪化する前に親知らずを抜歯する」ことがおススメです。
・将来の歯周病リスクを軽減する
手前の歯と少し離れた位置に埋伏した親知らずを抜歯することになるので、抜歯後に手前の歯に深い歯周ポケットを作るということを防ぐことができます。
・将来の虫歯リスクを軽減する
手前の歯と接していない段階での抜歯になるので、手前の歯が虫歯になってしまうリスクを小さくすることができます。
・抜歯によってオトガイ神経麻痺になるリスクが低い
親知らずの根っこが完成していないので、オトガイ神経と距離が十分にあることが多いためです。
・手術が比較的容易
十代のうちに抜歯すると、まだ歯が十分に発育しているため、手術が比較的容易です。成人後に手術すると、歯や骨が硬くなり、手術が難しくなることがあります。
ただし、いくら10代といっても、10~14歳は「親知らずの抜歯にはまだ早い」ことが多いです。
小一時間かかる抜歯に耐えられなくて泣いてしまったり、親知らずの上の骨がまだ分厚くて、逆に抜歯難易度が高いことがあるからです。
個人的には「15~17歳」がおススメです✨
5.まとめ
いかがでしたか?
・抜歯した方が良い親知らずがあります。
・親知らずの状態を歯医者で確認し、抜歯が必要か不要かチェックしておくことがおススメです。
・15~17歳くらいの抜歯がおススメです!
親知らず、どうせ抜歯するなら10代がおススメな理由についてお話していきました。
10代前半のうちから、抜歯した方が良い親知らずなのか、保存できる親知らずなのかどうかは
歯科医院で判定可能ですので、まだ診断を受けたことがないという方は
早めの受診をおすすめします♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!