歯ぐきに出来るコブ「骨隆起」を見つけたら気を付けること
2023年12月21日
歯ぐきに出来るコブ「骨隆起」を見つけたら気を付けること
こんにちは、岩国市のつぼい歯科クリニックおとなこども矯正歯科 歯科医師の藤東です。
あなたの口の中には、下顎の内側や上顎の中央などにコブのような硬い膨らみがありませんか?
・痛くない
・表面はつるつるしている
・硬くて大きい
・膿や出血は無い
・若いころには無かった
これらの特徴をすべて満たしているなら、
それは「骨隆起」かもしれません。
1)骨隆起の種類
・下の顎に出来る『下顎隆起』
・上の顎の中心近くにできる『口蓋隆起』
・歯を支えている骨にできる『歯槽隆起』
骨隆起は、どの場所にできるにしても、ゆっくり骨が成長して出来ていきます。
ですから、歯医者の受診の際に指摘されて初めて気がつくことが多いです。
骨の過成長によものなので体に悪影響は無く、大きくなったとしても害はありません。
2)骨隆起ができる原因
骨隆起は噛む力から顎を守る防御反応
骨隆起は噛む力が強くかかる部分にできます。
噛む力による負荷に顎の骨が耐えられるように、骨が過成長したもの、それが骨隆起の正体です。
人間のグッと食いしばる力は70kg近くあるので、この力に耐えられるように骨が大きくなるんですね。
3)骨隆起ができやすい人
・力仕事をする方
・スポーツ選手
・長時間のPC作業や、下を向いて行う作業がある方
・食いしばりや歯軋りのある方
ぎゅっと噛みしめたり、上下の歯を長時間接触させる癖がある方に、多く見られます。
逆に、骨隆起の発見から、ご自身では気がついていなかった睡眠時の食いしばりや歯ぎしりが発覚につながることも珍しくありません。
食いしばりや歯ぎしりなどは以前の記事にも記載していますので、こちらもご覧ください。
4)骨隆起を見つけたら気を付けること
骨隆起そのものは、基本的には処置は不要です。
ただし、
・背景に歯と顎への過度の負担がある。
・長期間に渡る歯への負荷のため、歯が折れたり、詰め物が割れたりする原因となる。
・将来的に歯を失って義歯を使用しなくてはいけなくなった場合、骨隆起の出っ張りが邪魔になる。
・骨が出っ張った部分に、口内炎ができやすいことがある。
などの問題につながることがあります。
ですから、骨隆起の背景となった過度の負荷を軽減することは考えた方がよいでしょう。
5)骨隆起につながる顎の力をコントロールする方法
過剰な「噛む力」と「噛む時間の長さ」が原因となっているので、
予防策は「大きな負担を歯や顎にかけないこと」になります。
5-1)スポーツスプリントや歯ぎしり用マウスピースの使用
プラスチック製のマウスピースに噛む力を一部吸収させ、歯や骨にすべての力がかからないようにする方法です。
特にウェイトリフティングや野球(バッター)、ラグビーなど、パワーを出す時に臼歯部を強く噛みしめるスポーツでは、スポーツスプリントがクッションとなって歯や骨に伝わる衝撃・負荷を軽減することで、より強いパフォーマンスを発揮できるようになります。
歯や顎を守りながら、パフォーマンスも伸ばせるため
5-2)上下の歯があたっている時間をコントロールする
噛む力はさほど強く無くても、噛んでいる時間が長時間であれば、歯と顎に負荷がかかります。
そこで、「噛む時間をコントロールする」という視点も重要です。
長時間、上下の歯を接触してしまう癖の改善方法は
・下を向く時間を短くする(特にスマホ、PCの閲覧で長時間化しやすい)
・上下の歯が噛んでいたら意識して離すよう意識する
・姿勢が崩れやすいので、椅子の背もたれを使わないようにする
などが効果的だとされています。
詳しくは、以前の記事をご参照ください。
歯医者で「歯ぎしりか食いしばりがありそうですね」と言われたけれど、思い当たる節がない…それは、TCH(歯列接触癖)かも!?
まとめ
いかがでしたか?
・骨隆起は噛む力が強い方に多く発現します
・基本的には処置は必要無く経過観察をすることが多いです
・骨隆起が出来る生活習慣の改善はした方が良いです。
治療は不要と言われる骨隆起、されど骨隆起が起きる習慣の改善は大事です。
ぜひ、試してみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!