幼稚園、小学生のこどもの成長に合わせた自宅での歯みがきポイントとは?
2019年4月28日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
まだまだ肌寒い日もありますが、季節は確実に変わっていきますね。
また、先日は、新しい年号の発表もあり、僕は季節だけでなく、時代の変わり目まで感じてしまいました。
お子さんもそれぞれ進学、進級され、新たな目標を立てたりされていると思います。
つぼい歯科クリニックでは、定期健診時に、個々のお子さまに合った歯磨きの指導をしています。
今回は、お子さまの成長ステージに合わせた、ホームケアの目標をテーマにお話していきます。
お子さまの成長ステージに合わせたホームケアの目標
1)赤ちゃんや未就園児について
ポイント 食習慣
この時期は、歯磨き習慣よりも、食生活習慣が虫歯に影響する割合が多いです。
母乳に対する対応や、食生活に対する指導が中心です。
参考:卒乳が遅くなると、こどもが虫歯になりやすいと聞きました。本当ですか?
歯磨きも自分でやりたがるお子さんも多いと思いますが、歯ブラシを本人用に持たせることはあっても、歯磨きの主体は保護者による仕上げ磨きです。
参考:こどもが歯磨きを嫌がってさせてくれません。どうすれば良いでしょうか?
また適宜、フッ素を使用することも重要です。
2)幼稚園児
ポイント 食生活+仕上げ磨き+フッ素
幼稚園児では、食生活も重要ですが歯磨きの重要性も増してきます。
乳歯が生えそろうと、乳歯は歯と歯が面でくっついているので、保護者の方によるフロスの使用が効果的です。
また、年長ぐらいになると6歳臼歯など永久歯が生えてきます。
そのため、個別にしっかり磨くと共に、フッ素を効果的に使用することが望まれます。
3)小学生低学年(2年生まで)
ポイント 歯みがき+仕上げ磨き+フッ素
この頃になると、永久歯も前歯と6歳臼歯がだいたい生えそろいます。
6歳臼歯が萌出したり、乳歯が生え変わる時期では歯茎が痛いなど、いろいろなことがありますが、
ほとんどは不潔性の歯肉炎の状態であることが多いです。
少し痛くてもしっかり磨く事が重要ですので、永久歯の磨き方をしっかり指導します。
また本人のみで磨きたいなどの発言も増えますが、歯質の面からも7-8歳までは保護者様に仕上げ磨きをしていただきたいのが、歯科医の本音です。
4)小学校中学年(4年生頃まで)
ポイント 歯みがき+フッ素
このころになると、乳歯がだいぶ抜け出します。
また、6年生でしっかり自分でコントロール=自律的に磨いていくのを目標とした場合、急に自分で磨く事が重要になってくる時期です。
お子さんもまだ思春期前で、素直な面もありますので、歯垢染色液などを定期的に使用して、自分で苦手な部分の磨き方を習得できるよう、指導します。
フロスも時間はかかりますが、自分でできる子もいます。あきらめずにチャレンジさせてみましょう。
5)小学校高学年(6年生頃まで)
ポイント 自律的な歯みがき+フッ素
小学校も高学年ともなりますと、思春期の入りかけです。このころになると、自分でできる自律的な歯磨きが大事になります。
『お口を開けて』なんて言っても、嫌がられる場合もありますので、かえって第三者の目=歯科医院での指導が大事になる時期です。
僕も5年生の娘がいますが、声掛けには悩みます。
実際、この時期に幼若永久歯での大きな虫歯が見つかる方も多くいます。
この時期に大きな虫歯になると、お子さまが将来30~40代になった時に、厳しい状態になるケースが多いです。
また、本格的な矯正なども視野に入る時期ですので、歯科医院をしっかり利用して適切な指導をするのが重要であると考えます。
お子さまの乳歯が虫歯だらけで心配、という保護者の方へ
たとえ乳歯で虫歯が多くても、生え変わりでリセットがかかります。
永久歯の萌出直後の弱い時期を上手に乗り越えれば、その後の虫歯リスクはかなり低くなります。
小学生の時期は状態も心も大きく変わるので、保護者の方、歯科スタッフともに、お子さまへの声かけ・かかわり方が重要です。
保護者の皆様、ご自宅でも、お子さまへの適切な声掛けや指導をよろしくお願いします!
まとめ
いかがでしたか?
- 子どもの年齢、時期によって、歯磨きにおいても、目標が違ってきます。
- 小学校高学年での自律的な歯磨きを目指して、段階的に指導するのが重要です。
- 永久歯での健全な口腔内状況を目指した、適切な指導とフッ素等の使用が大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。