3歳~6歳ぐらいの子どものおやつの話
2018年10月26日
こんにちは!つぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
10月31日はハロウインです。
最近はだいぶ定着してきましたね。
個人的にはおやつを配る社会習慣は、どうかと思っているのですが、文化として定着しつつある以上、皆さんにもおやつの食べ方やそれらの個別の虫歯のリスクを知っていただきたく思い、今回のブログのテーマにしました。
今回は一般的な内容で、個別の口腔内状況等に当てはまらない人もいます。
歯科医院に定期的にメインテナンスで通院されている方は、かかりつけの歯科医院の指導内容を一番の参考にしてください。
最もだいじなこと、それはわが家の「おやつルール」を作ること
虫歯を作らない基本は、虫歯菌が酸を出す機会を減らすことです。
それには、おやつのあげ方が重要です。
具体的には、次のようなことに気を付けましょう。
おやつの時間を決める
時間を決めずにだらだらとおやつを与えてしまうと、口の中に常に食べ物があるので、虫歯菌が酸を作りやすい環境になってしまいます。リスクが少ない、大事なご飯が食べられないことにもつながりますので、おやつは時間を決めましょう。
特に唾液が減る夜は食べないようにしましょう。
楽しみのための飲み物と、水分補給のための飲み物を分ける
甘い乳酸飲料、炭酸飲料はもちろんのこと、清涼飲料水や普通の100%ジュースにも糖分がたくさん含まれています。
普段の水分補給はお茶や水を中心にしましょう。
食後のケア
おやつ後には歯磨きをするのがベストですが、難しければ、せめてお茶で口をゆすぐようにしましょう。
おやつ危険度分類
おやつルールでも書きましたが、飲食をすると口の中が酸性になります。
酸性のお口の中で虫歯菌が糖分と出会うと、歯の表面でさらに酸が出され、虫歯の原因になります。
ではここで、クイズです!
虫歯になりにくいおやつとは、なんでしょう?
そうです!
糖分が少なく口の中に残る時間が短い、歯にくっつきにくいおやつということです。
以下、『虫歯のなりやすさ=危険度』として、★分類していきます。
1)虫歯に要注意! 危険度MAX:★★★★★ のおやつ
アメ・ガム・キャラメル・グミ 乳酸飲料(ヨーグルトドリンク・ヤクルト・カルピスなど)、炭酸飲料など
<キケンポイント>
- 糖分がとても高い。
- 口の中に長い間ある(アメ)
- 歯にくっつきやすい(キャラメル)
これらのおやつは、子ども大好きだけど虫歯菌の大好物です。
また、酸をベースにし、爽やかさを出した乳酸、炭酸飲料はリスク大です。
2)虫歯注意! 危険度高:★★★★☆ のおやつ
チョコレート・ドーナツ・クッキー・和菓子・ケーキ・マカロンなどのお菓子
<キケンポイント>
糖分が多く口の中に残りやすい
個人的には、チョコレート>ドーナッツ>クッキー>和菓子>ケーキ>マカロンの順で歯にくっつきやすいように思います。
食べた後は、うがいや歯磨き、殺菌成分の含まれる緑茶などをコップ1杯飲む事で、虫歯になるリスクを減らせます。
3)油断大敵! 危険度中:★★★☆☆ のおやつ
プリン・ゼリー・バニラアイスなど
<キケンポイント>
アイスに関しては、チョコチップやクッキーが入っていたりすると危険度アップ!
食べてすぐにうがいやコップ1杯のお茶、お水を飲んで糖分を流せば、より効果的!
4)意外と虫歯になりにくい! 危険度低:★★☆☆☆のうれしいおやつ
おせんべい・クラッカー・スナック菓子、おしゃぶり昆布やするめなど
<うれしいポイント>
甘みが少なくてサクサクとすぐに砕け、簡単に飲み込める。
中でも、硬くて歯ごたえのあるおせんべいや昆布、するめなどは、よく噛むことで唾液(殺菌成分があります)の分泌を促し、満腹感もでます。
5)虫歯にならないおやつ! 危険度なし:★☆☆☆☆の安全なおやつ
砂糖を使わず、甘味料としてキシリトールを100%使っているものです。
例えば、キシリトールガム(トクホ・特定保健用食品)、キシリトール100%のタブレットやチョコレートなどがあります。
これらは食後の虫歯予防にもお勧めですし、最近商品も増えてきています。
チェックポイントとしては、キシリトール配合と記載されているけど、実は砂糖が入っている商品でないかどうか(還元水あめは大丈夫です)。
1回や2回、楽しみでケーキなどたべたらすぐに虫歯になる、ということはありませんが、何事も習慣とそのバランスです。
メリハリをつけていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
- まずはおやつルールを作り、食べる時間や内容を決めましょう。
- おやつは『糖分が少ない』『口の中に残る時間が短い』『歯にくっつきにくい』というポイントで選びましょう。
5歳から6歳児の熱中症対策としての飲み物について
2018年7月28日
こんにちは!岩国市のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
あまりにも暑い日が続きますね。みなさまはいかがお過ごしですか?こんな中でも、先日の豪雨災害の後片付けや、お子さんの体を動かす習い事など、暑い中で作業や運動を行い、大量の汗をかいている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本日はたくさん汗をかく時期の飲み物について歯科医師の立場からお話していきたいと思います。
歯とスポーツドリンクについて

脱水を予防するには塩分も必要
汗をかくと、体内の水分と一緒に塩分が失われます。
水分と塩分の両方が過度に減少すると、いわゆる脱水症状になってしまいます。
汗をかく季節の水分補給は、通常の水分補給とは異なり、意識して塩分の補給もしなくてはいけません。
そのため、学校などではスポーツドリンクなどが推奨される場合があります。
スポーツドリンクに含まれる砂糖の量は角砂糖11個分!?

しかし、そのスポーツドリンク、虫歯の原因となるため飲みすぎは危険です。
スポーツドリンクには、確かに熱中症に有効なミネラル(主にナトリウム)が多くふくまれます。
一方で、糖分を見ると、砂糖や果糖ぶどう糖液糖、甘味料(スクロース)などが記載されています。
ポカリスエットの糖分は、500ml(ペットボトル)中で33.5g。
角砂糖(3g)の約11個分です。
この量は、風邪における栄養補給としては適量ですが、ふだんの飲料としてはとっても多めです。
スポーツドリンクは薬として捉えて飲むぐらいの意識が必要です。
飲んだ後には少し水やお茶なども飲み、お口から洗い流すなど工夫しましょう。
歯と炭酸飲料について
炭酸飲料もむし歯のリスクが高い飲み物です。
炭酸飲料は水とは違う喉での動きがあるようで、炭酸ガスと酸性度によるのど越し(定義があいまいです)と、糖分によるリラックス効果が美味しさの秘訣なようです。
実際、この『のど越し』というのは最近の飲料ではキーワードで、最近のノンアルコールビールは酸性度を高くして、さわやかさを演出しているようです。
炭酸飲料の酸性度は歯によくない
この酸性度も歯にとっては危険です。
pH7で中性、7以下になればなるほど酸性になります。
人間の歯はpH5.5を下回ると溶けだします。
上にあげたスポーツドリンクのpHは3-4、炭酸飲料はpH2付近なので、簡単に歯が溶けます。
酸性+砂糖で、虫歯リスクは大変高いものになります。
歯にとって良い水分補給のできる飲料とは?
では、結局どうしたらいいのでしょうか。
まず、熱中症には、ナトリウムの摂取を意識したほうが良いようです。
麦茶にも大目のナトリウムが入っており、砂糖0、pHにも問題なく、歯科医としては最もおすすめです。
ただし、厚生省の発表している熱中症予防でとるべき塩分量(50mgを30分-1時間ごとに摂取)をとるためには、500ml(ペットボトル1本)とる必要があります。
一方のスポーツドリンクでは、ナトリウム、砂糖も濃すぎるくらい入っているので、一口ぐらいで十分だと言えます。
歯にとって良く、熱中症予防にもなる塩麦茶

今回いろいろ調べたところ、虫歯にならないお子様の熱中症対策として最も良いのは、麦茶1リットルに塩一つまみ(2g)ぐらいの塩麦茶です。
どうしてもスポーツドリンクにしたい場合、スポーツドリンクを水で2-3倍ぐらいに薄めて下さい。
炭酸飲料が飲みたい場合には、砂糖や風味も何も添加されていない、ただの炭酸水、これは歯科医師として推奨できます。
少しだけpHは低いのですが(pH5付近)、砂糖が入ってないので、虫歯にはなりません。
日々の飲み物、これはかなり歯にも影響があります。
体にも、歯にも、バランスが大事です。
理解した上で、上手に水分補給をすることをおススメします。
まとめ
いかがでしたか?
- 汗をかくと、体内の水分と一緒に塩分が失われ脱水症状になることがあります。
- 学校などではスポーツドリンクが推奨されることがありますが、歯には良くないです。
- ジュースを飲んだ直後に水を飲む、お茶にほんの少し塩を加えた自家製の予防ドリンクを作るなど工夫をすることがおススメです。
- 日々の飲み物は歯にもかなりの影響があり、体にも、歯にも、バランスが大事です。
工夫して上手に暑い季節を乗り切りましょう!
ご質問等があればお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
キシリトールガムが危険ってホント?
2018年7月14日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
今日はキシリトールガムの話題です。
キシリトールってすごいですよね、甘いのに虫歯を作らないなんて!
皆さんはキシリトールと聞くと、何を連想されますか?
ネットではキシリトールの危険性について調べていらっしゃる方が多いようです。
今回はキシリトールとはそもそもどんな物質で、危険性の噂が本当かどうかについてお話していきます。
キシリトールってそもそも何?
キシリトールとは、糖アルコールと呼ばれる物質の一つです。
簡単に言うと糖に近い分子構造を持っているので甘く感じるけれど、虫歯菌が消化出来ず、人間も消化しにくい甘味料です。
危険性は無いのですが、消化に悪いものを一度にたくさん食べると、下痢を起こしやすくなります。
キシリトールガムやキシリトールのど飴などに「一度にたくさん食べると、お腹が緩くなることがあります」と書いてあるのは、この理由からです。
糖アルコールは人間も消化しにくい甘味料なので、虫歯予防の他にダイエットや糖尿病の方の食べられる甘味料としても利用されています。ドラッグストアなどで売られているエリスリトールなども、糖アルコールです。
エリスリトールはキシリトールと比べて下痢を起こしにくいため、家庭用の代用糖として袋売りできるんですね。
キシリトールを「天然素材」「天然由来甘味料」と解説されているウェブサイトをたまに見かけますが、天然にあるものを抽出して売られているわけではありません。白樺やトウモロコシの芯を原料にキシランという成分を抽出し、それを加工することでキシリトールが作られます。キシリトールは非常に安全性が高く、摂取上限も特にありません。
分類で言うと、「糖質系甘味料」の仲間です。
人工甘味料は危険!?
さて、太らない・虫歯にならない・糖尿病の方も安心というキシリトールですが、どうして「危険」説があるのでしょうか?
これは憶測になるのですが、人工甘味料にまつわるいくつかのエピソードが関係していると思っています。
キシリトールは人工甘味料の分類ではなく、糖質系甘味料の一種ですが、人工的に加工された甘味料ですので、混同されているのですね。
「人工甘味料」と聞いて「健康的!子どもに食べさせたい!」というイメージ、…あんまりないですよね。
これは「サッカリン」「アスパルテーム」という、物議をかもしたことがある人工甘味料によって、人工甘味料全体のイメージが悪くなってしまったことによるかと思います。
サッカリン…1960年代以前に、代用糖と言えばコレ!というくらいに人気があった人工甘味料。
1960年代に発がん性があるというセンセーショナルな実験結果が出て、大騒ぎになりました。日本では1973年に食品への使用が禁止されました。
アスパルテーム…ペットボトル飲料や市販のお菓子に現在でもよく使用されています。
コーヒーシュガーとしても良く使用され、家庭用では「パルスウィート」という商品名等で袋売りされています。
フェニルアラニンとアスパラギン酸というアミノ酸からできている人工甘味料で、発がん性は現在のところ確認されていません。
一方で、自然な食事では起こりえない、単一のアミノ酸を特別に多く摂取する生活を長期間続けることへの懸念は、今でも払拭されていません(安全だ、という論文もたくさんあります)。
この二つの人工甘味料はあちこちで批判されましたので、人工甘味料や代用糖そのもののイメージを大きく損なう原因となりました。
しかし、人工甘味料や代用糖そのものが悪いというわけでは無く、安全な物を選んで使用することは賢い選択だと思います。

出典:https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm
その他の代用糖(特に手軽に入手できるもの)
還元水飴…糖アルコールの一種。虫歯を作らない。市販のキシリトールガムやノンシュガー飴によく使われている。糖アルコールなので虫歯を作らず低カロリー。
羅漢果(らかんか)…ウリ科の植物の実を乾燥させたもの。100%羅漢果粉末はなかなかお目にかかれませんが、エリスリトールとブレンドしたものがドラッグストアで売られています(商品名:ラカントなど)
マルチトール…これも糖アルコールの一種です。
スクラロース…安全性の高い人工甘味料と言われていて、よくお菓子や清涼飲料水に含まれています。
また、これらの人工甘味料の原材料が気になるという意見もよくあります。
ただ、個人的な意見では、原材料の問題は人工甘味料だけに言えることではなく、市販の加工食品やおかし、パンなど全般的に言えることだと思います。市販のお菓子やパンやジュースをお子さまに与える場合、同じように原材料の問題は発生します。
もちろん、「砂糖=悪」ではない!
カロリーが高いというのは言い換えると栄養価が高いということですし、虫歯になりやすい一方で消化によく、お砂糖がすなわち悪、というわけではありません。
取り方さえ間違えなければ、問題ありません。
歯科に関係することでは、歯にやさしいお砂糖の摂り方は、だらだらとお砂糖の入ったお菓子やジュースを飲んだり食べたりせず、時間を決めて食べる。
食べた後は歯みがきするなどです。
大切なのことは、メリット・デメリットを理解した上で選んだり、上手に組み合わせることだと思います。
まとめ
- キシリトールもキシリトールガムも安全であるが、一度にたくさん食べるとお腹が緩くなることがある。
- 甘味料にはたくさんの種類があり、虫歯になりにくいもの、カロリーが少ないものなどもある。
- お砂糖と甘味料を、上手に使い分けましょう!
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歯の強さは遺伝するの?
2018年6月28日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
季節も変わり、暑い日も増えてきましたね。
ジュースやアイスクリームに誘惑される季節ですが、気をつけてくださいね。
最近質問をお受けしたものの中に、以下のものがありました。
Q「うちの子は歯が弱いんです。気にしていない家庭もあるのにどうして?
私も歯が弱いので遺伝でしょうか?」
Aお答えとしては、一部は遺伝であり、一部は遺伝でないものがあります。
今回は歯の強さと遺伝というテーマでお話していきます。
具体的にどんなものがあるのか解説していきます。
遺伝するもの
1)歯の性質
実際に歯の性質が強い方は存在します。
しかし実際に診療室でお見かけするのは、親子で歯の弱い方で、その方たちのほうが遺伝要素が強いです。
エナメル質や象牙質の厚さや質、こういったものが遺伝しています。
2)噛み合わせ、歯並び、鼻炎などの体質
あごの大きさや歯の大きさは遺伝要素が強いため、結果的に歯並びやかみ合わせはかなり似てきます。
また、鼻炎などがあると、お口での呼吸(口呼吸)となり、口の中が乾燥しやすくなることで、虫歯にになりやすくなる原因となります。
3)唾液の性質
唾液の性質は年齢で変化していく部分が大きいのですが、遺伝も多少関係ありそうです。
唾液の量が少なく、さらに粘ついていると唾液の自浄作用(何もしなくても歯の清潔が保たれるという作用)が減り、虫歯になりやすくなります。
遺伝ではないもの(家庭環境によるもの)
1)生活環境
一緒に生活している以上、食べ物の好みや選択は、家庭によって大きく異なり、また家族で似てきます。
ご両親が飴などをよく食べる、間食が多い、お茶やお水でなくジュースが多い生活だと、お子さんも似てくる結果、虫歯が増えてきます。
小さいお子さんの場合だと、もともと生まれ持った歯が弱さより、良くない生活習慣によるものの方が、より口腔の状態を悪化させます。
2)虫歯菌の性質
虫歯菌は家族内で伝播する(伝わる)と言われています。
お子さんに伝わる約半分が母親から、20~30%が父親からと言われています。
菌の種類や組み合わせによっても、虫歯になりやすい部位などが変わっていくと言われています。
親子ですから似てくるものは多いのですが、環境の因子が多く、ある程度自分でコントロールできます。
その証拠に、オーストラリアでは、先住民族のアボリジニの方々は砂糖の無い、原始的な生活をしている時代はほぼ虫歯がありませんでした。
しかし、西洋式生活と砂糖の入った食生活になってからは、虫歯が非常に増えたという歴史があります。
つまり、遺伝よりも環境の方が虫歯への影響力が大きいということですね。
以上の理由から、
絶対に虫歯にならないとは言い切れませんが、虫歯になりにくい環境を作ることができます。
ご自分やお子さんのリスクを把握しながら、そういった生活を目指していくことをおススメします。
まとめ
いかがでしたか?
- 遺伝するものには、歯の性質、噛み合わせ、歯並び、鼻炎などの体質、唾液の性質などがある。
- 遺伝しないが、家族間で似てくるものには、生活環境、虫歯菌の性質などがあげられる。
- 虫歯への影響は、遺伝よりも環境の因子が強い。
- 従って自分のリスクを把握できれば、虫歯にならない生活を逆算できるので、それを目指しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
口腔崩壊とは?学校歯科検診結果で治療が必要な子どもの半数が受診していない日テレの報道について
2018年6月8日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
6月7日の日テレニュース24で、『学校歯科健診で治療が必要と判断された子どものうち半数以上が、その後歯科に通っていなかった』という報道がありました。
歯科医としては、とても残念なニュースです。
原因としては、歯科医院に通院する時間を捻出することができなかったり、医療費を捻出することができないなど、ご家庭のやむを得ない状況が反映されているものと思われます。
また、部活や習い事などでお子さん本人がお忙しい場合もあるかと思います。
大人の方の場合、日本のほとんどの地方自治体で節目検診として歯科健診を無料で受けることができます。
関連記事 歯科の妊婦健診やおとなの歯科健診ってなんのためにあるの?
しかし、無料の歯科健診を受けられる方は全体の4.3パーセント程度( 平成27年の推定)と言われています。
無料でも、痛みがないのに歯の健診に時間の割くことが難しい社会人の方が多いのではないかと思います。
今回は、口腔崩壊をテーマにお話ししていきたいと思います。
口腔崩壊ってどのような状態?
さて、このニュースでは口腔崩壊という言葉が登場します。
奥歯が虫歯だらけになってしまった、あるいは根っこだけの状態になってしまった場合などで、本来の咬み合わせが分からなくなってしまった状態を、我々歯科の業界では咬合(コウゴウ、咬み合わせ)が崩壊したと言ったり、咬合が喪失した状態と言います。
番組では、これを一般の方に分かりやすく言い換えたのでしょう。
番組では子どもの口腔崩壊をテーマにしていましたが、口腔崩壊は全年齢に当てはまります。
口腔崩壊を起こしてしまったらどんなデメリットがあるの?
治療費がかかる/治療期間が長くかかる
口腔崩壊と言う状態まで行ってしまうと、治すのは大変です。
まず元の噛み合わせの高さが分からなくなっていますので、たくさんの歯を治療しながら、仮歯を使って咬み合わせを戻す治療を行います。
治療する歯の本数が10〜15本の場合、保険診療でも数万円かかってしまうことも珍しくありません。
(歯科の詰め物、被せ物は貴金属を使用していることが多いです。よって保険診療でも被せ物が3割負担でもで5000円程度してしまいます。)
また、治療期間も半年ほどもかかってしまうことも…。
子どもの口腔崩壊のリスクとは?
大人と異なり、子どもは歯が生え変わります。
しかし、乳歯に大きな虫歯ができると、以下のことが起こる可能性があります。
- 永久歯が変色や変形をしている状態(ターナー歯)で生える。
- 永久歯の生える方向がズレてしまったり、生えるスペースが失われて歯並びが崩れてしまう。
乳歯は生え変わりますが、永久歯や大人になってからの歯並びに重大な影響を及ぼすのです。
歯科健診、今は痛くないし時間もないし…
けれど、悪くなってからだと時間も費用ももっともっとかかってしまいます。
何より、一度失った歯は2度と戻りません。
時間も費用も歯も、みんなもったいないですよね。
病気を悪化させて痛くなってから治療するより、痛くないうちに検診で悪いところがないかチェックする、あるいは軽微なうちに治してしまうことをおススメします。
まとめ
- 学校歯科健診の紙をもらっても歯科受診しない子どもの割合が多く、口腔崩壊の一つの原因となっている
- 大人の場合も自治体の歯科健診を受けている人はまだまだ少ない
- 口腔崩壊を起こすと、治療費がかさんだり、治療期間が長くなるリスクがある
- 子どもの口腔崩壊は永久歯や大人になってからの歯並びに悪影響を及ぼすリスクがある
- 早期発見早期治療がおススメです。
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虫歯はないって思っていたのに、急に激痛が!?
2018年3月2日
神経の入った歯の「おでき」中心結節(ちゅうしんけっせつ)ってなんだろう?
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
今回は歯の形のバリエーション、中でも歯に生まれつきついている「おでき」のお話です。
歯にはおおよその決まった形があります。しかし、細かい部分ではひとりひとり形が違います。
手相と同じように、溝の位置がちょっと違ったり、大きさが違ったり。
その中で「結節」と呼ばれる、生まれつき歯についている「おでき」があります。
「おでき」といっても腫れたり引っ込んだりするわけではなく、生まれつきそういう形になっている、というものです。
結節の種類

- 基底結節
上の前歯の舌側にできる。虫歯になりやすいことがあるので注意。
中心結節横の歯(小臼歯)の、溝の真ん中にできる。知らずに折れて、時差でとても痛くなることも。
- カラベリー結節
上の6歳臼歯の舌側にできる。あって困ることは別に無い。
- 臼傍結節
上の12歳臼歯や親知らずの頬側にできるおでき。歯磨きがしにくい。
- プロスタイリッド
下の奥歯の頬側にできる。あっても困らない。
たくさん種類ありますね。
「あ~、色んな形の歯があるんだな~」くらいに思ってください。
ほとんどの場合、「おでき」があったとしても特に何も不都合はありません。
あったとしても、ない人と比べて歯磨きが難しくなるとか、虫歯になりやすい程度です。
しかし、一つだけそれだけではすまないものがあります。
中心結節 ~知らずに折れて、あとでとても痛くなることがある~
*症例写真は、患者様および保護者の方の許可を頂いています。症例については、解説しやすいようにフィクションも交えています*
小学5年生A君の場合
小学校5年生のA君は、とてもキレイ好きで毎日の歯磨きも頑張っています。
学校検診でも虫歯は指摘されませんでした。
ところが、ある日、歯が急に痛くなりました。
そういえば昼食のとき、何か違和感を感じたような気もします。
その日のうちに、お母さんがすぐに歯科医院に連れて行ってくれましたが、歯科医院に行ったときは痛みが落ち着いていたこともあり、「少し様子をみましょう」というお話になったそうです。
その日と翌日、しみる感じはするものの、そのまま様子をみていました。
しかし2日後、今度はズキズキと夜も寝られない程の痛みになってきたため、翌朝、たまたま予約のとれた当院に急患来院されました。
その時の写真です。
いったい、どこが痛みの原因でしょうか?
写真はご本人の許可を得て掲載しています。
拡大して見てみましょう。矢印の先です。
写真はご本人の許可を得て掲載しています。
小さな穴が開いているのが分かりますでしょうか?
よ~く目をこらしてみて、初めて気づくほどの小ささです。
実は中心結節が折れています。
食事中の違和感というのが、たぶん中心結節が折れた瞬間と思われます。
敏感な人は「ポキっ」と折れたのが分かる場合もあるようですが、ほとんどの方が「何もしてないのに(心当たりがないのに)急に痛くなった」とおっしゃいます。
その日のレントゲン写真がこちら。
写真はご本人の許可を得て掲載しています。
赤丸がついているところが中心結節が折れた歯の根っこの先です。
黄色丸のついた反対側の歯の根っこの先と比べて、赤丸の方には影があるのが分かります。
中心結節が折れて、歯の神経が口の中に出てしまった結果、神経の管から根っこの先まで細菌に感染してしまったのです。
写真はご本人の許可を得て掲載しています。
電気的歯髄診(でんきてきしずいしん)という、歯に微弱な電気を流して神経が生きているかどうかを判定する試験でも、神経が既に死んでしまっているという結果が出たので、この歯は 根っこの処置をすることになりました。
後から痛みが出たり、神経を取りましょうという話になりますと「違和感を感じた直後に何かすれば、神経を取ることは避けられたのでは?」と考えてしまう方もいるでしょう。
この症例では、中心結節が折れた直後=根っこまで感染が広がっていない時期はこのようにレントゲンに影が出ていなかったと思われますし、しみると感じていたということは神経は生きていたはずです。
神経の処置をするかどうかを決める電気的歯髄診という検査でも、おそらく多少なり反応があり「神経を温存できる可能性がある」として様子見するしかなかったと思います。
折れた中心結節の中に神経が見えている(出血している)わけでないなら、折れた衝撃で違和感がしばらくあるものの、落ち着くこともあります。
もちろん、今回のケースのように目で見えないほどの小さな穴で神経が口の中に露出して、後で痛みがでることもあります。
中心結節が折れるのは、予防できないの?
折れてしまったあとに出来ることは、症状が出るなら神経の処置、症状が出なければ様子見…程度ですが、実は最初から「中心結節が折れないように予防」することはできます。
出典https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/34/4/34_842/_pdf
黄色の丸で囲んだ部分が中心結節です。
まだ乳歯が上にあって、中心結節の生えた永久歯は生えていません。
歯はレントゲンに写りますので、中心結節も生える前からレントゲンで確認することができます。
そして、中心結節が折れるタイミング…これは歯が生えてきて、お向かいの歯と噛むようになってから。
つまり、6~8歳くらいの時期にレントゲン撮影をしたら、まだ生えていない小臼歯に中心結節がないかあらかじめチェックしておき、生え変わりのタイミングに歯科医院で予防処置を受ければ良いのです。
中心結節が折れないようにする予防処置って?
とてもシンプルな方法で「少しずつ中心結節を削る」という方法を取ります。
生えたばかりの歯は、とても生命力に満ちていて「中心結節をわずかに削られる」という刺激を受けると、中心結節の中の神経が歯の質(二次象牙質)を作って逃げてくれます。
上下の歯が噛み合うほど生える前に、少しづつ中心結節を削っていき、最終的に結節をほぼ削り取ってしまうのです。
だいたい、1年半~2年ほどかけて、ゆっくり少しずつ、歯の中の神経が逃げてくれる速度に合わせて削っていきます。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯の形には色々なバリエーションがある
- バリエーションの一つである「中心結節」は、折れると大変
- 中心結節が無いか、生え変わえり前にレントゲンでチェックができる
- 中心結節のある歯が生えたら、少しづつ削ることで折れるのを予防できる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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2歳ぐらいのこどもの虫歯の話
2018年1月25日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
2歳から3歳ぐらいのお子さまの保護者の方から、「歯に着色している」と相談を受けることがあります。
実際、お茶などによる着色で歯を磨いて様子を見る、という場合も多いのですが、残念ながら虫歯がすすんでいる、といった場合もあります。
今回は2歳~3歳のお子さまの虫歯治療と予防についてお話ししたいと思います。
2歳前後の子どもの虫歯の治療と予防
虫歯は感染症と生活習慣病の2つの要素があるのですが、低年齢児ではとくに生活習慣病の要素が強いです。
小児歯科学会などの報告によりますと、低年齢児の虫歯予防については以下の3つが有効とされています。
- 甘みの摂取量の制限
- フッ素塗布
- シーラント(歯の溝の予防的な処置)
特に砂糖の量と虫歯の数には強い相関関係があります。
低年齢児の虫歯の原因とは?
低年齢児で明らかな虫歯、となると原因は大きく2つと考えられます。
- 過去もしくは現在までの哺乳(母乳を含む)状態
- 現在の食生活
低年齢児の虫歯治療
まずは食習慣を見直しましょう
低年齢児で明らかなむし歯がある場合は、まずジュースやおやつなどの食生活習慣を見直していただくことが第一となります。
歯科医院で行う治療
歯の表面(エナメル質)だけの初期むし歯ならまずフッ素による進行止め
低年齢児の虫歯は、カルシウムが抜けてチョークのように割れやすく、欠けやすい状態であることが多いです。
食生活習慣の改善を行った上で、フッ化ナトリウムを何度か塗って、歯を強くします。
少し進行した歯の表面の虫歯にはサホライドによる進行止め
もう少し虫歯が進行してくると、サホライド(フッ化ジアミン銀)による進行止めをおすすめすることがあります。
サホライドを塗ると、歯に銀が定着して黒くなるものの、進行が抑えられる場合があります。
サホライド(フッ化ジアミン銀)でも進行が抑えられない大きさの虫歯は削ったりする治療が必要
フッ化ジアミン銀で進行を抑えられないくらいの大きさの虫歯となると、歯を削るような治療が必要になります。
2歳―3歳はエナメル質や象牙質が薄く、いざ治療となる場合、皆さんが考えるよりも状態が良くない場合が多いです。
子どもでも神経まで達している虫歯の治療はした方がいいの?
神経に達しているような大きな虫歯の場合はお子さんであっても、歯のことだけを考えてみると治療はした方が良いでしょう。
虫歯には大腸内と同レベル、あるいはそれ以上の細菌が存在します。
乳歯の奥歯や、今後生えてくる永久歯のことを考えると、虫歯を治療することが、新たなむし歯への予防策となりますので、治療をおすすめしています。
低年齢児の大きな虫歯治療は、お子さま、保護者の方、歯科スタッフの全員にとって大変!!
① 治療期間が長くなる
小さなお子さまの治療を安全に行うことは、歯科医院にとって容易ではありません。
1回は使用する器具などを説明し、トレーニングしますが、2-3歳ではあまり効果がない場合もあります。
② 麻酔を使うリスクがある
そして大きな虫歯の場合、麻酔を使用します。
つぼい歯科クリニックでは最新の電動の浸潤麻酔機器を使うことが多いので、痛みには配慮していますが、完全に無痛にはできません。
③ 安全性に配慮するために、人員が必要となり、予約が取りにくくなる
つぼい歯科クリニックでは、安全に、またお子さまになるべく楽に治療を受けていただくために、ベテランの保育士も診療室に同伴し、お子さまへのお声がけや安全管理を行うなど、人手を多く使うことがあります。
他の治療の患者さまと比較して2倍以上のアシスタントがいないと安全に治療が行えない、つまり、他の患者さまの治療と同じようにどの枠でもすぐに予約が取れる、というわけにはいかなくなります。
その他、パルスオキシメーターをつけた状態で診療を行い、血中の酸素飽和度をチェックしながら行うことで安全性に配慮していますが、大泣き大暴れのお子さまではつけてもすぐはずしてしまうこともあります。
治療の緊急性が高く、かつ、当院にはない設備による治療(薬を用いた鎮静など)が適する場合は、大学病院等の高度専門機関をご紹介することもあります。
④ 保護者の方が歯科医院にお子さまを連れてくることが大変になる
お子さまにとって歯科が「痛いことをされる場所」「押さえつけられる場所」になってしまうと、歯科医院に連れてくることそのものが大変になります。
歯科医院側もお子さまのために通常の診療の2倍の人員を確保していたのに、お子さんがぐずって来られないことが何度か続くと、「他のご予約を希望される患者さまにご迷惑をかけられないので、影響の少ないこの時間帯で…」となり、保護者の方はさらにお子さんを医院に連れてくるのが大変になります。
上記のような治療中心ではじまった歯科医院との出会いは、お互いにとって厳しい面もありますが、一方で、通院を重ねて治療が終了し定期健診に移行した場合、当院にも慣れて楽しく通院が出来るようになったお子さんも多くおられます。
また新たに治療が必要となった場合もスムーズな場合が多いです。
低年齢のお子さんは虫歯を作らず検診で通院してもらうと治療になってもスムーズ、みんなハッピー
虫歯ができる前に、虫歯ができないよう予防するために通院し、歯科医院が「ほめられるところ」「楽しく歯みがきするところ」となると、お子さまも保護者の方にも負荷がより少ないことは言うまでもありません。
当院では小さなお子さまにこそ、予防歯科をおすすめしています。
まとめ
いかがでしたか?
・ 小さなお子さまの場合、歯磨きも重要ですが、食生活習慣の方がもっと大事です。
・ まずはフッ素を用いた歯質強化や虫歯の進行抑制から試みます。
・ 象牙質まで至った虫歯の場合、進行が速いので治療した方がよいです。
・ 小さなお子さまの治療は最も大変なので、安全性の確保を含め、様々な準備が必要です。
虫歯がなく、削らないこと、それがかかりつけ歯科医の一番の幸せです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
3歳ぐらいの子どもとフッ素とキシリトールについて
2018年1月18日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
つぼい歯科ではよく定期健診をおすすめしておりますが、2歳から3歳ぐらいではよく歯磨きやフッ素についても質問を受けます。
また、最近はキシリトールの摂取の仕方について質問を受けることがあります。
(つぼい歯科でも昨年のクリスマスイベントでは、キシリトール入りのグミをクリスマスプレゼントにしました。)
今回はフッ素やキシリトールについて、保護者の方のよくある質問にお答えしていきたいと思います。
低年齢児の虫歯予防について
小児歯科学会などの報告によりますと、低年齢児の虫歯予防については、甘みの摂取量の制限、フッ素塗布、シーラント(歯の溝の予防的な処置)が有効とされています。
歯磨きについては、完全に有効性を求めるのであれば、歯科医院で20分ぐらいかけてプロフェッショナルな研磨(PMTC)が必要なようです。
また逆に、甘いものをそんなに摂取してない場合は、お子さんは唾液が多いので、朝晩の一日2回の歯磨きができればなんとかなります。
子どもが歯みがきを嫌がる場合は
小さなお子さんが歯磨きを嫌がる場合は、その原因を考えてみましょう。
歯磨きを嫌がる原因には「痛い」「怖い」「眠い」があります。
関連記事 こどもが歯みがきを嫌がってさせてくれません。どうしたらいいでしょうか?
ただこれは、服を着るとか、排せつの時などでもあり得ることです。
このような「習慣化」を目指す場面では、子供が保護者の求めに従う状況を作ることが重要です。
お子さんのちいさなお口に手や歯ブラシをいれる、それはたしかに最初は怖く感じるものですが、親御さんの「怖い」と言う感情はお子さんにも伝わってしまいます。
こういった親御さんの感情やちょっとした事が原因で嫌がられてしまう、ということがよくあります。
慣れればなんてことのない、ちょっとしたコツもありますので、お気軽に聞いてくださいね。
つぼい歯科ではフッ素塗布と共に、年齢にあわせた仕上げ磨きのコツを伝授させていただいております!
フッ素について
フッ素はご存知の方も増えてきましたが、自然界の成分の一つです。
歯のカルシウムが酸などで一部抜けてしまった後に、フッ素が適量入ることにより、歯を強くすることができます。
歯磨き粉に入っているフッ素について
フッ素は近年、歯磨き成分にも多く含まれています。
最近の歯磨き粉の使用説明書には、歯磨き後の含嗽(すすぎ)はごく少量と記載されています。
おちょこ1杯、最近認められたフッ素多めの歯磨き粉ではさらに減って大匙1杯程度の水が良いと書いてあるものがあります。
すすぎ過ぎていませんか?
キシリトールのタブレットについて

また、最近のキシリトールのタブレットには歯磨き後にもおすすめしているものがあるようです。
キシリトールの効果は、専門的には「無益回路」と言いい、砂糖に似ているために虫歯菌が間違って取り込むため、虫歯の原因である「酸」を作らないことにあります。
さらに食後にタブレット等を食べる事により、唾液の作用を正常に戻し、口の中のphを元に戻す効果が大きいようです。
従って食べる量や回数よりも、食べている時間(タイミング)が大切になります。
食後・おやつなど食事をした後に摂取する(食べる)事が望ましいのです。
ですから、キシリトールのタブレットやグミ、ガムなどは、甘いおやつ後にたべるのが、一番有効なようです。
寝る前に使用しても問題はありませんが、お子さんの場合は、歯磨き後は飲食はしないという生活習慣の方が好ましいでしょう。
このように最近は様々なものがメディアなどで勧められています。
今後も歯科的な解説を心がけていきますので、ご興味のある点などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
- 小さなお子さんの場合、歯磨きも重要ですが、食生活習慣の方がもっと大事。
- お子さんが歯磨きを嫌がる場合は、原因を考えてみましょう。
- 最近のフッ素入り歯磨き粉では、あまりうがい(すすぎ)は推奨されておらず、ごく少量で十分となっています。
- キシリトールは量よりも食べるタイミングが重要で、食後(特におやつ後)が好ましいでしょう。就寝前はおススメできません。
歯磨きと共に歯に良いものを使って健康的にすごしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
歯周病が認知症を悪化させる!?アルツハイマーを悪化させる歯周病菌
2018年1月15日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
今回はH30年1月5日の朝日新聞デジタル版で報じられた、ちょっとホットな話題をご紹介します。
歯周病が認知症の症状を悪化させる仕組み

認知症の6割を占めるアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞の中にアミロイドβという「ゴミ」が溜まることでダメージを受け、このダメージの蓄積が認知症の症状につながると言われています。
今回の報道は、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、名古屋市立大学などの研究グループが、アルツハイマー病を持つマウスが歯周病により脳のアミロイドβ量が増え、認知能力も低下したというもの。
歯周病菌が直接アミロイドβを分泌するわけではなく、歯周病菌を攻撃するために体の免疫細胞がサイトカインというタンパク質を分泌し、これがアミロイドβを増やす原因になっていると予測されるようです。
歯周病の予防や治療で、アルツハイマー病の予防や進行抑制ができる!?
実は、今までも統計上
「歯が少ない、無い人は認知症の発症率が高い」
「歯を失くして入れ歯を使っていない人は認知症になりやすい」
「歯が無い人は転倒リスクが高い」
ということは知られていました。
- 歯は膨大な情報を脳に送る感覚器官でもあり、歯がないことで脳に送られる情報が減ることによって認知症になりやすくなるのかも
- 歯がないと転びやすくなるので、転んで骨折などを機に認知症になる人が多いもかも
などと予測されていました。
今回の研究では、新たに歯周病菌そのものがアルツハイマー型認知症の原因因子になっている可能性があるとのことです。
いずれにしても、生活習慣病である歯周病を予防することで、認知症の発症や進行をできるだけ少なくすることができるんですね。
他にも、「歯周病によって悪化する可能性が高い病気、なりやすくなる病気」には糖尿病、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、関節炎や腎炎などが知られています。
関連記事:歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気
これらの恐~い病気を、歯周病という「予防できる病気」が招いてしまったり、悪化させてしまうというだなんて…とても残念なことです。

「俺の若いころは誰もそんなの教えてくれなかったよ。歯周病になって歯を失くした後にそんなこと言われてもなぁ~…」
お気持ちは良く分かります。
昔は、歯周病と全身疾患の関係はあまりよく分かっていなかったとはいえ、歯を失くしてしまってから知ってしまうと、とても残念ですよね。
でも大丈夫。
歯周病は「管理できる」病気でもあります。
すでに失くしてしまった歯や、保存できないほど悪化した歯はやむを得ない場合は抜いて、入れ歯やブリッジなどで補う
関連記事:歯を失ってしまった後、どんな治療法があるの?
重度の歯周病は手術で治す、軽度~中等度の歯周病は毎日のセルフケアと定期的なブロフェッショナルケアで治す、自分が歯周病かどうか分からないときは自治体の無料検診でチェックする
関連記事:歯科の妊婦健診や、おとなの歯科健診って何のためにあるの?
歯周病はいろんな方法で「治療」「管理」をすることができるのです。
歯周病は治療より予防の方が、重症より軽症の方が通院回数が少なくてすみ、費用も安い
重度の歯周病の治療法で「手術」と書きましたが、一般の方は「歯周病の治療のために手術する」と聞くと驚かれる方が多いです。
当院でも歯周ポケットが5~6㎜ある場合で、一般的な歯石取りをしてもあまり改善せず、かつ手術により大きな改善が期待できそうな場合は症例によりお勧めすることがあります。
しかし、患者さまによってはかなり勇気が必要な方もおられるようです。
歯周病が軽度であればあるほど、治療の痛みも少なく、通院回数も少なく、治療費用も安くなります。
どんな病気も「早期発見・早期治療」が一番良いということですね。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯周病により糖尿病、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、関節炎や腎炎など様々な病気が悪くなると言われている
- 歯周病は「管理できる」病気である
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
院長ブログ一覧
歯科の妊婦健診や、おとなの歯科健診って何のためにあるの?
2018年1月4日
自治体による予防歯科の推進
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
皆さん、「おとなの歯科健診」「歯科妊婦健診」をご存知ですか?

正確に言えば、
「歯科妊婦健診」という制度はなく、「おとなの歯科健診」の対象者が40歳、50歳、60歳、妊娠中の方、というだけなのですが、妊婦の方は産婦人科での妊婦健診が言い慣れておられるのと、母子手帳への記載などもあるので、特別に歯科妊婦健診と言うことが多いです。
どうして無料で歯科健診が受けられるの?
日本人の場合、40歳以上で歯を失う理由の大半が歯周病によるものと言われています。
他にも、歯周病は様々な病気を引き起こしたり悪化させたりすると言われています。
関連記事:歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気
中日新聞は2011年に、定期的に歯科医院で口腔ケアを受けているひとは全ての病気の医療費が少なくなるという報道しています。
関連記事:中日新聞の記事
自治体は保険者として医院での窓口負担以外の7割を医院に支払う組織ですから、歯科健診に行ってもらうことで医療費削減を期待しているんですね。
健康寿命を延ばす、その入り口が予防歯科
これは単に「市民が歯科健診に行けば、医療費が安くなって財政的に良い」というだけのお話ではなく、「歯科健診をきっかけに、糖尿病や脳血管障害といった重篤な病気になったり病気が悪化する確率を下げることで、市民の健康寿命(健康に暮らし働ける期間)が延びた上に医療費まで安くなる」という取り組みです。やらないなんてもったいですよね。
そういう訳で、全国の自治体で節目健診として歯科健診が無料で受けられるのです。
妊婦さんはどうして年齢を問わず、無料で歯科健診が受けられるの?
妊娠中は女性ホルモンの関係で歯周病菌が増えやすく、その結果歯周病になりやすいことが研究により分かっています。
また、歯周病を持つ妊婦さんの場合は、そうでない場合と比較して早産になってしまう確率が7.5倍も高いと言われています。
関連記事:妊婦さんが歯周病や虫歯を予防した方がいい3つの理由
最近では、歯周病菌の一種であるフゾバクテリウムが流産を起こすという症例も、わずかですが報告があるようです。
赤ちゃんのためにも妊婦さんは歯科健診をうけて、歯周病の予防と治療をした方が良いのです。
子供は社会の宝ですから、自治体がちゃんと制度で応援してくれているんですね。
妊活の一環として、歯科健診を受けることをおススメします
「おとなの歯科健診(検診)」の40歳、50歳、60歳の方と妊婦の方の違い…それは歯科健診の目的がご自身のためか、赤ちゃんのためかということですね。
節目健診で歯周病の指摘を受けた場合は、そこからじっくり治療していけば良いのですが、妊婦の方は「早産リスク」など赤ちゃんへの悪影響が既にある状態になっているわけです。
本当は、「赤ちゃんが出来る前、妊活中に歯周病が無いかチェックしておき、もし歯周病があれば早めに治療しておく」が理想的です。
「おとなの歯科健診(検診)」「歯科妊婦健診(検診)」の受け方
制度としての「おとなの歯科健診(検診)」は、40歳、50歳、60歳の方は岩国市から、がん検診と一緒に受診票が郵送されてきます。
妊婦の方は妊娠届け出時に受診表を渡されます。
どちらも、事前に任意の歯科医院(正確には「おとなの歯科健診実施医療機関一覧」に掲載されている歯科医院ですが、岩国の場合はほぼ全歯科医院が応じていると思います。)に電話予約を入れ、受診票を持って受診するだけ。
「おとなの歯科健診(検診)」では、レントゲン撮影が必要な精密な検査や、治療は含まれていませんので、もし治療した方が良い状態であれば別途で費用がかかります。
もし、引き続き治療が必要となった場合は、次回の予約は「再診」からになるので初診料と再診料の差額(600円程度)分、窓口の費用負担が軽くなります。
クリニックによって差はあるかと思いますが、当院では歯科衛生士による事前検査と歯科医師による検診で、約20分程度の所要時間です。
当院は完全予約制のため、受付からお帰りまで約30分となっています。
せっかく受診票が送られてきたら「痛いところが無いから」と捨ててしまわず、ぜひ使ってみてください。
まとめ
-
- 40歳、50歳、60歳、妊娠中の方には市から「大人の歯科健診(検診)」の券がもらえる
- 40歳以上の日本人の歯を失う原因のNO.1は歯周病
- 歯周病は糖尿病、心臓病、脳血管障害を悪化させる可能性がある
- 歯周病にかかっている妊婦の早産の確率は、健常者と比較して7.5倍という報告がある
- 大人の歯科健診(検診)の券を使用すると、検診のみだと無料。
その後、治療が必要な場合は初診料と再診料の差額分600円ほど安く受診することができる
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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