まやさんが卒業しました
2020年12月25日
こんにちは。岩国のつぼい歯科クリニック スタッフのう~ちゃんです。
本日、まやさんが新しいチャレンジをするために、つぼい歯科を卒業しました。
いつも笑顔で、とってもやさしいまやさんは、スタッフからも患者さまからも大人気の歯科衛生士でした。そして勉強熱心で頼れる先輩で、私もとてもお世話になりました。
さみしいですが、まやさんの次のチャレンジも、とてもハッピーなものであるよう、お祈りしています。
いままでありがとうございました!
2020年12月25日
こんにちは。岩国のつぼい歯科クリニック スタッフのう~ちゃんです。
本日、まやさんが新しいチャレンジをするために、つぼい歯科を卒業しました。
いつも笑顔で、とってもやさしいまやさんは、スタッフからも患者さまからも大人気の歯科衛生士でした。そして勉強熱心で頼れる先輩で、私もとてもお世話になりました。
さみしいですが、まやさんの次のチャレンジも、とてもハッピーなものであるよう、お祈りしています。
いままでありがとうございました!
2020年12月11日
こんにちは!つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
新型コロナの影響で、マスクがエチケットとして定着しましたね。
マスクは感染防御にとても重要ですが、一方でマスクをしている間は鼻ではなく口で息をする人が多くなると言われています。
特にお子さんが口呼吸の癖をつけてしまうと、悪い歯並びの原因になることも多いので、注意をお願いします。
そしてもう一つ、口呼吸を悪癖として身に着けてしまうと、良く起きるのが「唾液が乾燥しやすくなる」こと。唾液には様々は効果があるため、口呼吸により乾燥してしまうと困ったことになってしまいます。
今回は、「唾液の働き」についてお話していこうと思います。
唾液には漿液性、粘液性といった種類があります。
サラサラした唾液で、アミラーゼなどの消化酵素を多く含みます。食事を助ける働きがあり、飲み込みやすくしたりします。
副交感神経が優位な状態、つまりリラックス時に分泌されやすくなります。
ネバネバとしただ液で、細菌に対抗する成分を含みます。
他にも、お口の中の粘膜を保護する成分を含み、保湿に重要な役割を果たします。
交感神経が優位な状態、つまり興奮時、緊張時に分泌されやすくなします。
前述の通り、興奮すると粘液性の唾液が増え、漿液性の唾液は増えません。
緊張したときにお口の中はカラカラのネバネバといった状態になった経験はありませんか?
リラックスしている時や、食事中なんかは、逆にサラサラの唾液が多く分泌され消化を助けたりします。
お口の中には唾液が作られる部位が複数あります。
主だった部位が3つあり、耳下腺、顎下腺、舌下腺と呼ばれています。
耳の前あたりにあり、サラサラの唾液が分泌されます。
下顎の下側にあり、サラサラ・ネバネバの両方の唾液が分泌されます。
舌の下にあり、ネバネバの唾液が分泌されます。
他には、小唾液腺と呼ばれる米粒ほどのサイズの小さな唾液腺が、お口の中に多数存在しています。
緊張してお口がカラカラ、あるいは口腔乾燥症で口が渇いて…という時は、耳下腺・顎下腺・舌下腺という3つの大きな唾液腺をマッサージすると、口の中に唾液がジワ~っと口の中に出てきます。
参考リンク:ドライマウス対策
ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と自分での治し方
唾液には、さまざまな効果・作用があります。
参考リンク:唾液の機能
https://tsuboidental.com/2019/04/20/incho-61/#i-3
その中でも、最も重要な機能の一つに、「虫歯の予防効果」があります。
むし歯は虫歯菌の作用で、歯が溶けることで起こるんですけど、それを防ぐ作用や修復作用が唾液に備わっています。
酸の作用で歯の表面から溶けていきます。酸性に傾いたお口の中の状態を中性に戻す作用があります。これを緩衝作用(かんしょうさよう)と言います。
表面が溶けてしまった歯は進行するとむし歯になっていきますが、唾液の中に含まれるカルシウムやリンなどによって修復されます。
これが再石灰化と呼ばれる作用です。
唾液が少なくなってくると、今までむし歯になったことがあまりない人でもむし歯になってしまう可能性が増してしまいます。
唾液の少なくなってしまう原因としては、以下のものがあります。
もし、お口の乾燥を気になる方は、上のリンクのページの動画を参考に唾液腺マッサージをしてみてくださいね。
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年12月3日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
再び新型コロナの波が大きくなってきてしまいましたね。
資料を見ると、コロナについてもインフルエンザ同様、1日3回~4回歯磨きすると、感染予防になるようです。新しい生活様式の一つに歯磨きも入れていきましょう。
お子さんの定期健診の時に、滑舌などのしゃべる機能について質問を受けることがあります。今回は滑舌をテーマにお話していきます。
人間は赤ちゃんの時はみんな上手にしゃべれませんが、大きくなっていくにしたがって、上手にしゃべれるようになっていきます。
当然、その程度には個人差があります。中には滑舌トレーニングによって、発達を手助けしてあげた方がいい場合もあります。
上手にしゃべるということは、以下の定義ができます。
歯科で判断できるのは、特に発音についてです。
歯科では特に『さしすせそ、たちつてと』が気になります。
この2行の音については、舌がお口の中の正しいスタート場所(スポット、と言います)にあり、上手に舌を動かさないときれいに聞こえません。
口で呼吸する癖があったりすると、舌の筋肉が鍛えられず、この「スポット」に舌を当てることが難しくなってしまうことがあります。
すると、滑舌が悪くなってしまうのです。
こうした場合は、トレーニングによって舌の動きを改善してあげる必要があります。
舌の正しい動きはまずスタートポイント(スポット)に舌があることから始まります。
そもそも歯は、舌と唇に押されて、バランスが取れる位置に並びます。
舌の位置が正しい位置にないと歯は前に溢れだします。
骨格の影響もかなりありますが、前に歯が溢れだすと出っ歯さんや開咬(口を閉じても前歯が上下で当たらない咬み合わせ)になり、
舌がやや下よりに押し出すと受け口さんになります。
牛タンなどを食べたことがある人なら良くわかると思いますが、舌は細かな、柔らかめの筋肉の集合体です。
舌のトレーニングとは、舌の筋トレです。
筋トレには筋力をつける(強い力を出せるようにする)ことと、機能を向上させる(動きを良くする)両面がありますが、舌、口周囲ではトレーニングすると機能がまず向上します。
また、機能が一定以上のレベルに達すると、舌や口の周りの筋力のバランスが取れて舌、口の周囲が「キュ!」とコンパクトにまとまります。
一方、筋力が足りない場合は、他の体のパーツでもそうですが、弱い一部分が大きく変形していきます。これが歯列不正の主たる原因です。
口輪筋(こうりんきん)という、口を閉じる筋肉の力が弱ければ、歯は前に飛び出て出っ歯さんとなってしまいます。
また、噛む筋肉が弱ければ、開咬(かいこう)といって、口を閉じても前歯が咬まない(奥歯しか咬めない状態)になってしまうのです。
参考リンク 歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて
歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて
簡単にできるトレーニングは3つです。
人間は縄文時代には、1回の食事で4000回噛んでいました。
しかし現代では、1回の食事あたり噛む回数は600回程度と劇的に減少しています。
噛む回数の減少が、このような筋肉や機能の減退をひきおこし、様々なトラブルを起こしているのは間違いないです。
よく噛むこと、筋肉をトレーニングすることを意識していきましょう。
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年11月14日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
かなり秋も深くなってきました。今年は昨年の暖冬とは異なり、寒い日も多くなるようです。コロナ対策のおかげで、インフルエンザの流行が小さいといううわさもありますが、いずれにしてもいつもの冬とは違います。気持ちを切らさずやっていけるといいですね。
つぼい歯科クリニックでは、治療計画を立てたり、患者さんへのご説明のために、口腔内カメラをよく使っています。
実際、写真に残すといろいろなものが見えてきて、皆さん改めて口の状態に関心を持たれます。
最近患者さんから、健診の時にプラークの成り立ちや色などについて聞かれることがありました。
虫歯や歯周病は生活習慣病な面があるので、日々の生活が変われば、プラークの状態は変化していきます。今回はプラークとプラークの成り立ちについて説明しようと思います。
実は僕は大学院生時代に虫歯の原因菌やプラークを中心に研究しておりました。気をつけますが、今回は少しマニアックになるかも。。
大人の人で300~700種類、よく磨けている人の口の中には1000億~2000億個、あまり磨かない人、磨けていない人には4000億~6000億個、ほとんど磨かない人には1兆個もの細菌がいるとされています。一方、大腸には1gあたり100万個ほどの菌しか存在しておりません。
種類が異なるので、一概に比較はできませんが、お口の方が圧倒的に多いです。また、口腔内のほうが、砂糖の量などの食べ物の内容によって、プラークが増加しやすいなど環境の影響が表れやすいという特徴があります。
プラークに含まれる菌を善玉菌と悪玉菌に分けるのは、人間の都合でしかないのですが、歯の表面にまず付着するのはいわゆる善玉菌です。その善玉菌を足掛かりにして、次々に菌が接着していきます。それらの菌は糖分を材料にして菌体外多糖という、のり状物質を産生し、プラークの内部がいわゆる酸欠状態になります。
酸欠状態になって最も活性化するのが、歯周病原因菌やう蝕原因菌です。そしてさらに増殖することにより、菌数と病原性が強くなっていきます。
病原性が強い菌の塊はそれだけで危険です。菌の塊が体内に入ると発熱等体調悪化の原因となる可能性が高まり、インフルエンザ等の罹患率も高めていると言われています。きちんとしたデータはなだないですが、コロナウイルスでも同様だと言われています。
とにもかくにも人間にとって悪影響を及ぼすプラークの破壊しかありません。病原性が低いうちは破壊も簡単なので、歯磨き程度でどうにかなります。
しかし固く固着したものは丁寧にはがしていく必要があります。
これが皆さんのイメージする歯科医院でのクリーニングです。
僕は大学時代に、子供に多いオレンジ色のプラークの組成を調べたことがあります。
オレンジ色のプラークの下は脱灰(虫歯になりかけ)していることが多く、少し厄介です。
ただ、調べてみると、そこに存在している菌はあまり病原性の強くないS.sanguinisと言われる常在菌が多かったです。
虫歯になる人は、歯質にもよりますが、ここからさらにねっとりした感じの白いプラークが多くなります。
一方、黒い色素状のプラークがつく人もいます。
目立つのでよく質問を受けますが、砂糖との関連はないようで、どうも病原性もあまりない様です。
しかし、ある程度歯周病が心配な年齢(40歳以上くらい)になってくると、歯肉の中から黒い塊となった歯石が取れてきます。
タバコを吸っておられる場合、特に付着が多いです。
こちらは色合いや雰囲気も凶悪な感じですし、実際病原性の強い歯周病細菌が多くおります。
いずれにしても、敵(プラーク)を知り、また自分の歯の性質などの状態を知ることが個々人の対策を考える上で最も重要です。
歯科医院では、その方の口の状態に合わせたケアの方法、使う薬剤、歯周病の重症化予防処置の間隔などもお伝えしております。
お気軽にご相談ください。
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年11月12日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
新型コロナも5月ごろと比較すると落ち着いてきた印象ですね。
最近になってやっと妊婦健診に来院される方が、コロナ禍が来る前と同じくらいになりました。
当院も、いっそう気を引き締めて安全な歯科医療の提供を続けていきたいと思います!
さて、今日は妊婦健診と妊婦さん、そして歯周病の話題です。
歯周病はいろいろと全身的に影響を及ぼすということが明らかとなってきています。
参考リンク:
歯科と糖尿病、脳血管障害、要介護度は関係が深い!?あれこれ関わっているお口の病気
特に今回は妊娠と歯周病との関係について考えてみようと思います。
妊娠すると、歯肉炎といって歯ぐきが腫れやすくなります。
これを妊娠性歯肉炎と言います。
歯肉炎の状態が進む(悪化する)と歯周病と呼ばれる状態へと移行していきます。
これは原因として妊娠によってホルモンバランスが変化することによって起こるようです。
女性ホルモンであるエストロゲン(聞いたことあるのでは?)やプロゲステロンなどの影響によります。
エストロゲンは歯周病細菌の増殖を引き起こすホルモンです。
そしてプロゲステロンは炎症作用と関係のあるホルモンであります。
これらのホルモンは妊娠時に増えていきます。
妊娠後期には、月経時の10~30倍にもなったりします。
ですので、妊娠後期にかけて歯肉炎が悪化することがあるようです。
そうはいっても歯肉炎の直接の原因は歯周病菌であり、お口の中に歯周病菌が少ない状態(きれいに歯磨きが出来ている状態)ですと、歯肉炎も起こらないか、軽度で済みます。
お母さんが歯周病になっていると、低体重児の出産、早産のリスクが高まります。
特に早産については、歯周病のお母さんはそうでないお母さんの7.5倍もリスクが高くなってしまうと言われています。7.5倍というと、ちょっとギョッとする数字ですよね。
歯周病というのは、細菌が歯の周りに存在し、細菌が血中に供給されている状態であると言えます。
さらには、血流に乗り胎盤をも通過し胎児に感染するのではないかと考えられているようです。
歯周病により炎症が広がると、炎症な関連してプロスタグランジンという物質が作られます。
プロスタグランジンという物質は、通常、出産が近くなると分泌され、それがきっかけとなり子宮の収縮が起こり陣痛、出産へとつながっていきます。
娠中のリスクファクターと言えば、喫煙、アルコールなどがあげられますが、歯周病の危険度はそれらをはるかに凌ぎます。
こうした理由から、赤ちゃんとお母さんの健康のために妊婦健診に歯科健診が含まれているんですね。
妊娠に対して、歯周病が大きなリスクであることは明らかであると思います。
もちろん、まずは歯周病にならないことが重要です。
歯の周りの汚れ、歯石などをキレイに取り除くことが基本となります。
とはいえ、歯科医師や歯科衛生士でさえ、セルフケアだけで歯石がつくことを完全に防ぐことはできません。
セルフケアと、定期的なプロフェッショナルケアの両方をうまく活用して防ぐのがベストだと思います。
妊婦さんに対して、妊婦健診の案内もあるかと思います。
歯科をしっかりと活用して、不必要なリスクを減らしましょう!
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年10月30日
こんにちは!つぼい歯科クリニック スタッフの、みゆさんです。
10月に、NDLより先生をお招きして、SRPミドルセミナーに参加しました。
今回は、少し難易度の高い、分岐部を中心に、SRPの理論と実践を先生に教えていただきました。
教えていただいたことを実践して、より、患者さまに安心して、喜んでいただけるSRPを目指していきたいです。
2020年10月14日
あなたはTCHという言葉を聞いたことはありますか?
「初めて聞いた」という方もいれば、ここ数年、歯科関係のブログやコラムでもよく見かける言葉なので、「あ!聞いたことある」「知ってる!」という方もいるかもしれません。
では、なぜTCHがよく言われるようになったのか?
TCHとはそもそもどんな症状で、どんな良くないことを将来引き起こしていくのか。
今回はTCHをテーマにお話していきます。
1日20分以上、上下の歯が触れ合っている習慣を持っている人は、歯がしみたり、痛みが出たり、顎関節症のような症状を引き起こしてしまうことがあります。
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略です。
日本語でいうと、歯列接触癖といいます。
口の癖として、上下の歯と歯が当たっているというものです。
食事をしている時、緊張している時、力を込めている時などには上下の歯は当たっていますね。
何かに集中している時なんかも当たっているかもしれません。
その他の時間は上下の歯は当たっていない状態が正常です
リラックスしている状態では上下の歯は、2~3mm離れた状態になっています。
これを安静空隙(あんせいくうげき)と言います。
『1日のうちで上下の歯が接触している時間のトータルでも20分以下にしないといけない』と、患者さんにお伝えすると、
「え!そうなんですか?歯と歯が触れているのが普通の状態だと思っていました」と言われる方も多いです。
「1日20分以上歯を触れ合わせてはいけないということはわかった。
でも、TCHによってどんな悪いことが起こるだろう?」と思われる方もいるかもしれません。
具体的には、
などの症状を引き起こすことがあります。
噛む力は弱くても、時間が長ければTCHに該当します。
弱い力でも長時間当たっているということによって影響が起きてしまうんです。
歯ぎしりは歯に良くないというのは聞いたことがあるかと思いますし、イメージもしやすいですね。
ギリギリと大きな音がなる歯ぎしりは、いかにも歯や顎に悪そうです。
しかし、噛む力が弱くても、長時間やれば悪い影響が出てしまう。
実は歯ぎしりと同じような影響が起こるんです。
歯がすり減ってしまったり、それに伴って起こる今までに治療した歯の詰め物や被せなどに起こる不具合が起きたり、歯が欠けたり割れたり、知覚過敏を起こしてしまったり。
他にも、歯並びに影響がでてしまったり、骨隆起という顎骨にボコボコができてしまったり。
歯だけでなく、頭痛、肩こりといった首回りの症状を引き起こしてしまうこともあるようですね。
私も顎関節症なのでTCHがあるかもしれない、思っています。
一つはスマートフォンやゲームなどで、うつむいている時間が増えたことが原因かもしれないと言っている人もいます。
また、歯ぎしりや食いしばりにも共通しますが、ストレスが原因とも言われています。
リモートワークなどでパソコンの時間が増えた人など、ご自分がTCHでないか一度チェックしてみることも、ご提案します。
では、どうするかというと、当たらないようにするしかないんですよね。
癖なので、治すのはなかなか大変です。
爪噛みなどと同じで、「これをやればすぐ治ります!」という方法は、残念ながら現在のところありません。
対策として、歯を離すことを意識したり、作業の時の姿勢に意識したりするのも良いかと思います。
改善方については、こちらのブログページもありますので、ぜひ参考にしてください。
参考リンク:https://tsuboidental.com/2020/03/28/incho-69/#TCH-3
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年10月13日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
当院の場合、多くの患者さんに定期健診でご来院いただいているのですが、『痛くなってから歯医者に行く、僕の小さいころとは違うなあ』と言われる場合があります。今回は定期健診の意義と間隔についてまとめてみました。
検診と健診はそもそも対象が異なります。
検診は、学校、職場など、大きな集団の健康を維持することを目的にしている
どんな集団でも状態がいい人と悪い人が存在します。検診は大きな集団では特に悪い人の検出して、その方に「医療機関へ受診された方が良いですよ」とご案内することを目的にしているのです。
学校検診や職場の検診では、歯医者さんは勉強用のスタンドライトや、懐中電灯、ペンライト、日光などの明かりで口の中を診ます。当然、小さい虫歯は見えないこともあります。しかし、集団の中で重症の方や、早く歯科医院へ受診された方が良い方を検出することが目的ですから、問題とされません。
診療室での健診は、無影灯という特別に明るいライトで口の中を照らし、また唾液や歯垢で見えない部分があれば器具を用いて歯が良く見える状態にして、チェックしますし、必要があればレントゲン検査や、透照診といって光を透かして歯を検査したり、歯の揺れぐあいなどを検査したりします。学校検診や職場の検診とは、まったく違うものなのです。
1960~1970年代のスウェーデンでの研究がベースになっています。
1960年より前のスウェーデンは世界でも有数の砂糖消費国でした。
午後のおやつの習慣はイギリスがイメージ強いですが、北欧各国にもその習慣があり、虫歯も非常に多かったそうです。
そこで、スウェーデンでは1960年代に虫歯とそのリスク因子について大々的な調査が行われ、「虫歯を減らす政策」を実行したのでした。
その時に健診の期間についての議論がなされ、主に歯周病の観点で「健診は3か月間隔」とされました。
現在では、スウェーデンは予防歯科先進国として、80歳の平均の歯の数は21本(スウェーデンは2015年の報告データ。ちなみに日本は、2017年のデータで、80歳で13本が平均)という、非常に素晴らしい結果を出しています。
日本では、このスウェーデンの成果を参考に、3か月間隔がおススメされることが多いのです。ちなみに小児に関しては、その後の研究で、おおむねそれに準ずる期間が勧められています。
虫歯には、慢性のものと、急性のものがあります。
慢性う蝕はその名の通り、数年単位で進行するもので、壮年期に多くみられます。
一方、急性う蝕は数か月~半年単位で進むもので、乳歯や弱若永久歯など、小児期に多くみられます。したがって、子供の虫歯は進行がとても早いのです。
う蝕を確定診断するのはレントゲン検査が必要ですが、数か月で治療の必要が出てくるようなものは間違いなく急性う蝕です。
急性う蝕は
などの条件があれば発生しやすいです。
つぼい歯科クリニックでは、虫歯の治療の場合、虫歯を残さず取りきれるように、ただし削りすぎないように、う蝕検知液を用いています。
虫歯の部分だけが染まる染色液に、虫歯を染めながら治療するんですね。
ただ、虫歯を取り切った場合でも、詰め物の維持できる期間は、その後の口腔衛生状態によります。
歯と詰め物が完全に同じ硬さ、完全に同じ弾性を持つ…ということは無く、違う素材をくっつけている以上、継ぎ目が傷みやすいという性質があります。
継ぎ目がわずかに傷んだあと、いつも磨き残しが少ない口と、いつも磨き残しが多い口では、詰め物の状態が変わってしまうんです。
定期健診を行った場合、岡山大学の研究結果では乳歯の場合も、大幅に詰め物を良い状態に保てた期間が延びたという研究結果が出ています。
フッ素は1900年代にアメリカで有効性が確認された薬物です。薬物といっても、じゃがいもや海藻、牛肉などにも含まれる成分ですが、人工的に薬物として一定以上の濃度を精製している以上、当然いい面と悪い面があるんです。
良い面…虫歯予防効果が高い!
悪い面…一度に大量に摂取すると、中毒になることもある。
フッ素については、こちらに詳しく書いていますので、よろしければ読んでくださいね。
参考 ドクターズブログ:
中毒と聞いてびっくりされた方もいると思いますが、市販のフッ素ジェルは濃度が低く作ってありますので、めったな量では中毒にはなりません。
ただ、歯科医院用のフッ素ジェルの場合、歯科医師や歯科衛生士が「安全性の高い量」を患者さんに使うことが出来るため、ずっと高濃度になっています。
ダメということは無いのですが、歯科医院用と家庭用のフッ素ジェルを併用した方が、効果が高いので、併用をおススメしています。
実は、同じフッ素ジェルでも、家庭用と歯科医院用では作用機序が異なります。
歯科医院用の高濃度フッ素は、濃度が高いためにいきなり歯に入っていかずに、歯のあちこちに「フッ化カルシウム」という形で沈着します。
このフッ化カルシウムが、口の中が酸性に傾いた時(虫歯になりやすい環境の時)に再度溶けて、低濃度のフッ素イオンが作られ、そのフッ素イオンが歯を修復します。
家庭用の低濃度フッ素は、口の中でフッ素イオンに分離して歯を直接修復しますが、歯の表面に留まらないため、効果は一瞬で終わります。
予防効果は高い方が、もちろん良いですが、家庭用フッ素を1日に何度も塗りますか?
さすがに摂取しすぎになってしまいますし、現実的でもありません。
歯科医院用の「長く効く」フッ素に1日歯を守って貰って、就寝前の歯磨き後に家庭用フッ素で「その日の歯のダメージをリセット」するのが効果的だと思います。
お子さんの場合、ある程度の年齢になると、自分でしっかり磨けるように歯科医院でも歯磨き指導をしていきます。
実をいうと、この観点では定期健診の間隔は全く足りない気がします。
お子さんの習い事の多くは1回1時間以上でだいたい毎週ありますよね?
その意味では年4回ぐらいでは軽い刺激ぐらいにしかなっていません。
キチンとした歯磨きを習得するなら毎月、いや毎週でも指導する必要がありますが…そのペースでの歯科医院通いは現実的ではありませんよね。
ですから保護者の方には、ご家庭での復習や仕上げ磨きをぜひ、頑張っていただけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年9月30日
こんにちは!スタッフのみやぴーです。
(ブログを書いていたのですが、手違いでアップロードができていませんでした)
当院では、9月の誕生日の人が多いです。
今回は、りょうさんとめぐさんと、キバちゃんとみほさんの4人でした!
ケーキはラポルトルージュさんで。
しほさんが「大人買い楽しい~♪」と言いながら買ってきてくれました。
今回もラポルトルージュさんには、ケーキを個包装+付箋をしていただきまして、本当にありがとうございました。
ケーキも秋のケーキになっていて、とってもおいしかったです!
4人とも、お誕生日おめでとうございます♪
2020年9月24日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
今日は、ブラキシズムのお話です。
ブラキシズムとは、睡眠時や覚醒時を問わずに歯を動的、または静的にすり合せたり、噛み締めたりする癖のことを指します。
簡単に言えば、「歯ぎしり・食いしばり」のことですね。
原因としては、ストレスなどの複合的な要因とされています。
ブラキシズムは無意識に行われる癖であり、動作が行われる際には筋肉の異常緊張と、それに伴って、歯および歯の周りの組織への炎症性破壊、更には顎の関節に異常な負荷がかかってしまいます。
ブラキシズムは、その動作形態により3つの型に分類されています。
上下の歯を臼の如くすり合わせる運動(臼磨運動)を行う癖を指します。
ギシギシと音を立て、歯に異常な力が働くので、歯質の崩壊を招きやすいようです。
睡眠時に多く、一般に呼ばれる「歯ぎしり」はグラインディングを指す事が多いとのこと。
上下の歯を静的に強く噛み合わせる動作のことです。
起きている時に無意識にやってしまっていることが多く、自覚症状はもちろん、他覚症状もほとんど無いために発見が遅れがちです。
上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作のことです。
頻度としては夜間の出現頻度は8~16%、昼間も含めると8~34%と報告されています。
ブラキシズムの治療法としては咬合調整、マウスピース療法、ストレスマネージメント療法などがあります。
第一選択は、取り外しのできるマウスピース療法(スプリント療法)でしょうか。
咬合調整(かみ合わせを削ったり、盛ったりして調節する治療)は、歯を削ってしまったら戻りませんから、まずはマウスピースから始めることが多いです。
もっとも、削る必要が無く、盛る一択の咬合調整が必要な場合は、そちらから始めることもあります。この2つの治療法は、あくまで対症療法です。
マウスピースは短期的にブラキシズム抑制に効果があるようです。
ですが、すべての患者さんに有効ということでもないようです。しかし、歯を守るという点では効果が期待できる治療です。
歯より先にマウスピースが削れてくれますから、歯が保護されるんです。
あとは顎の関節への負担軽減にも役立ちますね。
ストレスマネージメント療法については…「ストレス」が原因で起こることが多いブラキシズムですから、その元になるストレスを軽減させることができたら、もちろん一番良いとは思います。
が、そんなに簡単にストレスを減らせるなら、苦労は無いんですよね。
原因療法としては、あまり効果的な治療法は見受けられないようです。
ブラキシズムとは異なるのですが、TCHという考え方が近年注目されています。
TCHというのは上下歯列接触癖の英語の頭文字をとったもので、
一日のうち上下の歯の接触している総時間が増えてしまう習癖を指します。
参考リンク
歯医者で「歯ぎしりか食いしばりがありそうですね」と言われたけれど、
思い当たる節がない…それは、TCH(歯列接触癖)かも!?
いろいろな影響を生じてしまう状態であり、顎関節症などへの原因となったりするようです。
これについては、また後日詳しくお伝えしてみようと思います。
いかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
料金体系は、料金表をご参照ください。