むし歯の治し方について
2020年6月15日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
今回はむし歯をどうやって治していくかについてお話をしてみようと思います。むし歯は大きさによって治し方、治療法が異なってきます。
初期虫歯
まずは、小さいものから、穴も開いていないような、初期う蝕と呼ばれる状態があります。
歯の表面や間など白く濁ったような色合いになっている感じです。
参考リンク:削らなくても治る虫歯があるって本当?
この段階では、削って治すということは、しないことが多いです。
はみがきのアドバイスやフッ素塗布などで、むし歯の進行を妨げ、表面性状を正常化させることを目的とした治療を行います。
CR(コンポジットレジン)充填
次の段階の治療となると、CR充填と呼ばれるものとなります。
多くの場合、エナメル質の内側の象牙質と呼ばれる部分にむし歯が進行しているので、麻酔をしていきます。
その後にむし歯となっている部分を削っていきます。
基本的には、むし歯となっている部分はすべて削ります。
むし歯を削り終えているかの判定には、う蝕検知液(うしょくけんちえき)というものを用います。
う蝕検知液はすぐれもので、むし歯の部分が残ってないか確認したい部分に塗って水洗します。むし歯になっている部分のみに色が残るので、視覚的にむし歯の部分が残っていないか確認できるんです。
しっかりと確認した後で、削った部分を埋めていきます。
CR(コンポジットレジン)は歯科用のプラスチック樹脂に、フィラーと呼ばれるセラミック粒子などを混ぜたもので、特殊な光を当てることによって硬化が始まるようになっています。
それを削った穴に詰めていくというのがCR充填です。
こういった歯科治療の大敵となるのが、水分です。
患部を防湿処置して歯面の表面処理後にCRを詰めていきます。
形を整えて、光を当てて固めます。
硬化後に噛み合わせ、形態修正等を行い終了となります。
1日で治療が終わるので、前歯の小さな虫歯などには、CR充填が治療の第一選択になることが多いです。
インレー修復
もう少し大きいむし歯、詰め物のやり替えなどは、CR充填では心もとないことが多く、型を取って作る詰め物(インレー)で治療するケースが多いです。
インレーには、材質によっていろいろ種類があります。
当院の場合では、しっかりと説明させていただいて、患者さんの価値観に合わせて選んでいただいています。
インレー修復の流れ
治療の流れとしては、むし歯を取り除くとこまではCR充填と同じです。
虫歯が大きい場合は、神経を保護する処置をすることもあります。
そして、詰め物の必要とされる形態に歯を整えます。
被せ物やインレーの種類によって削る形が異なります。
形態が整いましたら、型採りをします。
インレーや被せ物は歯科医師が作るのではなく、専門職である歯科技工士さんがきっちりと作ってくれます。
修復物ができるまでの間は、仮歯や、仮の蓋をして待っていただくことになります。
修復物ができると、それを調整し接着して治療完了となります。
多くの場合、削って型採り→詰め物を装着する、の計2回で治療が終了します。
むし歯が大きくなるほどステップも増え治療回数も増えることになります。
歯冠補綴(被せ物)
さらに大きなむし歯だと、被せ物を作ることになることもあります。
被せ物と言っても、セラミック・銀・金・プラスチック・ジルコニア・金属+セラミックなど、様々な種類があります。
見た目の綺麗さ、自然さ、劣化しやすさ、汚れの付きやすさ、虫歯の再発しやすさ、アレルギーの起しやすさなど、材質によって特徴が異なります。
この辺りは、治療の際に直接説明を聞いたり、選んだりされると良いでしょう。
さらに、虫歯が大きいと神経を取らないとならないこともあります。
その話はまた次回以降にしてみようかと思います。
まとめ
- 初期むし歯は削らず、フッ素塗布や歯ブラシ指導が行わられることが多い。
- 小さなむし歯、特に前歯の小さなむし歯はCR充填が行われることが多い。
- 虫歯が大きくなってくると、型どりをして詰め物(インレー)を入れる治療になることが多い。
- さらに虫歯が大きくなると、型どりして被せ物(クラウン)が入る治療になることが多い。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。