歯並びが悪いのは遺伝ですか?その1 受け口編
2017年8月7日
~歯並びを悪くしてしまう「悪い癖」をしていませんか?~
こんにちは、つぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
夏休みになり、最近は長期休暇のうちにと、歯並び相談にお見えになる方が多くなってきました。
そこでたまに、患者様から質問を受けることがあります。
「どうして、歯並びが悪くなってしまったんでしょう?遺伝ですか?」
答えは、遺伝であることもありますし、歯並びを悪くしてしまう「癖」によるものもあります。
今回は代表的な「悪い歯並び」の中から、受け口(うけくち)に焦点をあててご説明させていただきます。
受け口とは?
「受け口」は「下顎前突(かがくぜんとつ)」とも呼ばれ、下顎が上顎より前に出ている噛み合わせを指します。
下の写真をご覧ください。
オーストリアの王家であったハプスブルク家は受け口の家系として知られています。
受け口=遺伝性、とは限りませんが、ご親族に受け口の方がいらっしゃる場合は遺伝性であることが多いと言われています。
画像:書籍 大山紀美栄:ハプスブルグ家の顔より
一方で、ご親族に受け口の方がいらっしゃらない方で、下顎を前に突き出して噛む癖がある場合や、1~2本の前歯が反対の顎の歯に引っかかることで、下顎が前に出たままとなってしまうこともあります。
特にお子様の場合は、骨格的には受け口ではないことが多いので、簡便な装置で短期間に治療が終わることも多いのです。
受け口になる悪い癖を防ぐには?
歯並びを悪くする代表的な癖である指しゃぶりや爪噛みと比べても、受け口になりやすい「癖」というのは無意識に行ってたり、歯が物理的に引っかかっているなど本人ではどうしようも無いことが多いので、止めようと思って止められるもので無いことがほとんどです。
例えば、受け口だから下顎の唇やオトガイに力を入れる、舌で上の前歯を押すようにすると良いですよ、と言われてもどうしていいか分かりませんよね。
そのため、歯並びを悪くする癖を取り除いたり、口の周囲の筋のバランスを整えることで歯並びが悪くなるのを防いだりする「口元の筋トレ」筋機能療法を行うことがあります。
口の中に入れるだけでこの筋トレができる装具(ムーシールドなど)もあり、状態や年齢によっておススメしております。
参考記事
口の中に入れるだけで筋トレ…と言われると、分かりにくいかもしれませんが、例えて言うなら歯並び用の大リーグボール養成ギブスみたいなものですね!
画像:http://ichinazakaclub.89dream.jp/modules/news/
着けるだけで魔法のように歯並びが治ってしまう楽ちんな方法!というより、着けると強制筋トレになるので口周囲の筋肉が鍛えられることで歯並びが治っていく…という感じです。
もちろん、正しい使い方や、適応年齢、症状やライフスタイルに応じて合う・合わないがありますので、ご興味がおありの方はお気軽にお尋ねくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯並びが悪い原因は遺伝の場合とそうでない場合がある
- 悪い癖によっても歯並びは悪くなることがある
- 悪い癖を治すために、筋機能療法がある
次回は、
どうして歯並びが悪くなるの?~歯並びを悪くしてしまう「悪い癖」をしていませんか?~ その2 出っ歯編 をお送りします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。