子どもの発音、発声について
2021年6月5日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
最近診療時に、保護者の方から、お子さんの発音・発声などについて相談を受けることが多くなってきました。
発音、発声は「構音=目的の語音を出すためのメカニズム」によって可能になります。
今回は、お子さんの「構音」についてお話していきます。
どうして乳幼児の発音は舌足らずなの?それって問題ないの?
日本語の発音
日本語の発音は、母音(あいうえお)と、子音(カ行以降)の組み合わせで構成されます。
母音(あいうえお)の発音の舌の位置と、息をあてる位置

画像出典:https://field-music.com/vocal/2019-10-05
母音は舌の位置(前か後)によって、発音しています。
子音の発音
子音は声道に様々な強い狭めや閉鎖などの構音様式を母音と組み合わせて作られます。

画像出典: https://www.onecareer.jp/articles/2428
これらの構音様式の獲得の順序はおおよそ決まっています。
構音様式の獲得の順番
母音に近い音から習得していきます。
サ行・ザ行、タ行の中ではツ、ヅなどは発音が難しく、4歳以降に習得します。
それまではサ行などは近い別の音で発声します。
例えば、『ウサギ』が『ウタギ』などに聞こえます。
舌足らずに聞こえますが、発達の順番が正常であれば問題ありません。
3~4歳になると、しりとりゲームなどの言葉遊びによって自分で発音の違いに気づき、正しい発音に置き換えていきます。
発達障害か、口腔機能発達不全症か
発音の発達に問題があるのか、言語能力やコミュニケーション能力に問題があるのか
発音を気にする前に、言葉やモノに対する興味やコミュニケーション能力が正常な発達しているかが重要なポイントになります。
そのため、歯科以外の専門家にも、よく相談する必要があります。
コミュニケーション能力に問題が無く、お口の機能だけに問題があるお子さんの場合、口腔機能発達不全症である可能性があります。
その名の通り、口腔の機能が十分に発達していなかったり、発達が遅れていたりする状態です。
口腔機能発達不全症の場合に、よく見るべき3つの項目
1.口唇閉鎖不全(唇をしっかり閉じることが難しい状態)
口唇閉鎖不全には
- なんとなく、口がぽか~んと開いている場合(習慣性のもの)
- 上の歯並びが出っ歯さんで、唇が閉じにくいのが原因の場合(歯列不正によるもの)
- 鼻づまりで口呼吸をすることが原因の場合(鼻閉によるもの)
の3パターンがあります。
口唇閉鎖不全があると、起きること
- パ、バ、マの音が不明瞭になる
- 習慣性や鼻閉による口唇閉鎖不全でも、歯列不正につながりやすい
- ウィルス性疾患などにかかりやすい
口唇閉鎖不全の治療
- 歯並びを治す(唇を閉じれる位置まで前歯を移動させる。歯列矯正する。)
- 口回りの筋肉が正常に動くように、筋トレする(筋機能訓練:MFTを行う)
*MFTの最も簡単なものに「あいうべ体操」があります。
参考リンク:あいうべ体操
2.舌小帯の異常
舌小帯とは、舌の下の中央にあるヒダのことです。

舌小帯短縮症 (舌小帯が短い)
舌が自由に動ける範囲が小さくなり、タ、ダ、ナ、サ、ザ、ラなどの音が不明確になります。
ただ、舌は大きな筋肉であるため、代償的な発達がよくおこります。
そのため舌小帯に問題があっても、発音に問題がない場合もあります。
3.口腔悪習癖
口の悪い癖のことです。中でも、構音に特に関係あるのは舌突出癖です。

全体的に舌が前に出るために、構音の不明瞭さや審美的な問題が起きる場合があります。
口唇閉鎖不全、舌小帯異常、口腔悪習癖の3つは相互に関係している
人によって割合が異なりますが、上記の3つはお互いに関係していることが多いです。
治療法は、
- 矯正治療や舌小帯延長術で「原因を取り除く」
- 筋機能訓練で「正しい機能を得る」
正しい機能を得るための訓練は、発達段階にある10代前半までが獲得しやすいと言われています。
Withコロナ時代のマスク事情と口腔機能発達不全症
新型コロナ感染症予防のために、幼い頃からマスクをしている今時のちびっ子達。
マスクをしていると、より口呼吸になりやすいと言われています。
新潟大学の行った大規模な全国疫学調査があります。
日本人の子どもたち(3~12歳)のお口ぽかん率は30.7%であったという論文が、2021年1月に発表されました。
ひと昔前より、お口をぽか~んと開けてしまう子どもたちが増えたと言われています。
これらの症状は、成長とともに自然と改善することは少ないです。
気になることがありましたら、お気軽ご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 日本語は舌の位置と口唇などで構成される母音と、様々な閉鎖部を作ること(構音)によって音が決まる子音を組み合わせることにより構成されます。その発達の順序はおおむね決まっています。
- 構音の問題がお口にある場合、その原因として指摘されるのは口唇閉鎖不全、舌小帯の異常、口腔悪習癖などです。これらは相互に関係している場合が多く、正しい構音の獲得のためには、形の獲得(歯科矯正など)とともに、機能の獲得(トレーニング)が重要になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
子どものいびきについて
2021年5月20日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
5月中旬、気持ちのいい季節になりましたね。
ただ、この時期は朝晩の気温差が大きく、また黄砂が多い時期で、鼻炎・鼻づまりになりやすい時期でもあります。
今回は、鼻炎になりやすい季節によくある「いびき」の悩みについてお話していきます。
どうして「いびき」が出るの?
起きているとき、大人も子どもも呼吸音は出ません。
これは気道の確保が十分にできていることの表れです。
ところが、睡眠時は舌が重力によって気道を押し、気道が狭くなってしまいます。
気道が狭くなってしまうと、喉の部分でホイッスルのように音が出てしまいます。
これが「いびき」で、大人も子どもも音が発するメカニズムに違いはありません。
参考リンク)いびきの原因って?~音が鳴るメカニズム~
いびきの原因って?~音が鳴るメカニズム~
いびきには、様子を見ても問題ない「いびき」と、気にしないといけない「いびき」があります。
気にしなくて良い「いびき」、要注意な「いびき」
日本人は顎が小さく、体格的にいびきが起きやすいと言われています。
特に子供においては近年増加傾向にあり、習慣的にいびきをする割合が10%程度あると言われています。
気にしなくて良い「いびき」
要注意な「いびき」
- やや高い音
- 不規則なもの(たまに途切れるなど)
- 寝起きが悪い、日中眠気を覚える
要注意な「いびき」とは、睡眠時無呼吸症候群や、その予備軍のサインであることが多いです。
体内に十分な酸素が入っていっていないことが考えられます。
子どものいびきの原因は、アレルギー性の鼻炎、もしくはアデノイド・扁桃腺の肥大が多いです。
アデノイドは免疫を獲得する6-7歳で最も大きくなります。
通常であれば問題ないですが、免疫が過敏な子どもでは腫れあがり、いびきにつながることがあります。
アデノイドと歯並びの関係
アデノイドが腫れている子どもは、歯列不正が起きやすいと言われています。
面長(ロングフェイス)や下顎が小さく引っ込んだ顔を総称してアデノイド顔貌と言い、上顎前突(出っ歯)や叢生(歯並びがガタガタしている)が非常に起きやすくなっています。
アデノイド顔貌はここ10年ぐらいで、特に増えたと言われています。
その他の症状としては、アデノイドは耳管も閉塞するため、中耳炎が起きやすかったりします。
また、多くはないのですが、子供でも睡眠時無呼吸症候群が起きている場合があります。
子供の睡眠時無呼吸症候群
子供の睡眠時無呼吸症候群の発生率は1-2%程度と言われています。
1時間の中で、5回程度10秒以上の呼吸が停止している場合に、診断がつきます。
睡眠時無呼吸症候群外来や、小児の場合は小児科で検査することになります。
子供の睡眠時無呼吸症候群の問題点
- 日中も眠く、フラフラしてしまう
- 成長ホルモンの分泌が阻害され、発達や身長の伸びなどに問題が出る場合がある
このような状態でのいびきは大変に危険です。早めにご相談下さい。
まとめ
いかがでしたか?
- 日本人は骨格的にいびきをかきやすく、子どもにおいては増加傾向です。
- 10%程度の子どもがいびきをかいており、1-2%は特に重症の睡眠時無呼吸症候群を併発している場合があります。
- アデノイド、扁桃腺の腫脹が原因で起きるいびきでは、歯列不正を伴う場合が多いです。
- 睡眠時無呼吸を伴ういびきの場合、成長発達までかかわる重症な場合があり、注意が必要です。
思い当たることが…という方は、お気軽にご相談ください。
永久歯が生えてこない原因は?
2020年8月8日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
夏ですね。これまでは「キンチョウの夏」といえば風情ある蚊取り線香を連想しましたが、今年はコロナ禍による「緊張(きんちょう)の夏」です…。
本当に、いつ終わるのでしょう…。
最近、『歯が生えない』などの相談をいただくことがあります。
レントゲンで調べてみると「もうすぐ生えそうです」という場合の方が多いです。
しかし、自力で歯が生えてくるには難しい状況のお子さんもいます。
歯が自力で生え変わる場合と、そうでない場合は、どう違うのでしょうか?
今回は、歯(特に永久歯)の生えない原因と対策について、お話していきます。
永久歯が生えてこない原因
そもそも歯の生えるスピードが遅い
歯は体の生理的な年齢を表すようなところがあり、第二次性徴の時期などに大きな影響を受けます。
背が伸びるのが早い子とゆっくりな子がいるように、単純に生えてくるスピードがゆっくりである、というケースです。
全体のレントゲンを撮影し、左右対称に観察して差がなければ、歯がなかなか生えてこなくても心配ない場合がほとんどです。
先行乳歯が早く抜けている
乳歯はダメージを受けた場合、早く抜けてしまいます。
特に大きな虫歯や怪我などにより神経の処置をした場合、うまくいっても一年程度早く抜けてしまう場合があります。
乳歯が早く抜けた部分は、骨(歯槽骨)も粘膜も治癒します。
しかし、これが生えてこようとする永久歯にとっては「少し硬め」であり「生えるために溶かすのに苦労する」という側面があります。
通常の生え替わりの場合、揺れている乳歯の下は、粘膜や骨があまりありません。
そして、乳歯の根っこが溶けてできたスペースに生えようとしている永久歯が収まっています。
それに比べて、「ちゃんと治癒した」粘膜や骨は、しっかり厚みもあります。
よって、永久歯にとっては溶かして生えるのが大変なのです。
このような場合は、自力で生えることを期待して様子を見る場合が多いです。
歯肉が邪魔をしている場合は、少し切れ目を入れて永久歯が生えやすくしてあげる処置をすることがあります。
永久歯が生えるスペースがない
「乳歯のうちはスキッ歯が普通」と、聞いたことはありませんか?
スキッ歯(空隙歯列弓)
実はこの隙間は、とても大事なスペースなのです。
乳歯に比べ永久歯は1.2~1.5倍も大きいため、この隙間を利用して永久歯と乳歯が生え変わっていきます。
ただし、スペースが足りなくなってしまう場合もあります。
それは大きく分けて、下の3つです。
- 乳歯のうちから「隙間がまったく無い(閉鎖歯列弓)」
- 「すでに歯が重なって生えている(叢生)」
- 永久歯が平均よりずっと大きiい場合など
その場合、スペース不足のひずみは犬歯の生えるスペースに偏り、八重歯となってしまうことがあります。
犬歯の頬側は骨の厚みがあり、歯も移動しながら生えるため、八重歯になりそうな場合は、生えるのが遅れることも少なくありません。
この場合、矯正も視野に入りますので、歯科での相談が必要です。
隣や近隣の歯に異常がある
隣の歯が矮小歯など、歯の成熟度や大きさに異常がある場合、隣の歯の萌出も遅れる場合があります。
どうして歯の萌出が遅れるのか、そのメカニズムは分かっていません。
また、過剰歯や歯牙腫など、異常な構造物がある場合、永久歯はすぐに生えることができなくなってしまいます。
この場合、手術を伴う矯正治療が必要となる場合が多いですので、歯科での相談が必要です。
「永久歯が生える」ということはかなり繊細
永久歯は、乳歯が早く抜けて骨がしっかりある、あるいは乳歯をケガしたことがある、などの「過去の出来事」でも生えにくくなったりします。
また、邪魔な構造物があってもダメ、顎骨の異常(弱い部分)があるとすぐに生える向き(萌出方向)を変えてしまう…と、とても繊細です。
気になりだして一般的に3か月~半年で生えないと、上に示したような異常が見つかる場合が多いです。
永久歯の自然に生える力があるのは、歯が生え始めて1年~2年ぐらいです。
そのタイミングを生かして、抜歯なり手術こみの矯正なりをすることが重要です。
手術や矯正などをお子さんが嫌がっているので、本来生え変わらないといけない時期になっている乳歯をいつまでも大事にする…、
ということも、小児歯科専門医として「あまり好ましくない」と感じています。
いずれにしても個別のケース分析が重要です。
定期的な歯科受診を受けることで、本来生え替わる時期に入っている乳歯が無いか、その乳歯は自力で永久歯に生え変わってくれるのか、管理することが重要だと考えます。
まとめ
いかがでしたか?
- 永久歯が生えない原因はいくつかあります。
原因に応じた処置が必要なので、生え代わりがスムーズに起きていない場合は、歯科医院で定期管理を受けましょう。
- あまり心配する必要がないものは、そもそも歯の生えるスピードが遅い、先行乳歯が早く抜けている場合で、レントゲン診査の結果様子を見る場合がほとんどです。
- 歯科での分析、外科や矯正などの処置が必要なのは、スペースがない場合と、隣や近隣の歯に異常がある場合です。
近隣の歯の異常は影響が大きい場合があります。
- 永久歯の萌出はかなり繊細で、邪魔な構造物があったりするとすぐに生えなくなり、顎骨の異常(弱い部分)があるとすぐに向きを変えます。
- 歯の萌出時期の半年~1,2年が非常に重要です。
タイミングを逃さず歯科医院にご相談下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お子さんの歯並びと8020(ハチマルニイマル)
2020年7月22日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
新型コロナウイルスの流行期、マスクをする時間が増えた方が多いのではないでしょうか?
マスクをしていると、口呼吸になりやすい
「マスクをすると口呼吸になりやすい」とよく言われています。
子どもの頃からこんなに長期間、マスクをする羽目になってしまった今のお子さん達が心配です。
顎や頭の骨が成長している最中の子どもが、口呼吸の癖をつけてしまうと、鼻(正確に言えば「副鼻腔」という、鼻と連結した空洞です)が十分に発達しません。
そのため、上顎が横に成長することができなくなり、
その結果、歯が前にあふれてしまう…。
つまり出っ歯さんになりやすくなってしまうのです。
歯並びが悪いと何が起こるのか、矯正のタイミングなどの質問にお答えします!
1)年をとった時に、自分の歯を残せない歯並びとは?
みなさんは8020(ハチマルニイマル)という標語はご存じですか?
「80歳で20本の歯を残しましょう!」という意味の言葉です。
なぜ80歳の時に20本歯が残っているのが良いのか?
80歳で20本の歯が残っている人は、そうでない人と比べて、要介護度が低く、高齢でも自活できる人の割合が高いと言われています。
東北大学の研究で、80歳で歯が20本以上ある人と0本の人を比較すると、寿命だけでなく、健康寿命を比較しても、男性で92日、女性で70日の差が出ました。
健康寿命というのは、寝たきりなどにならずに、自分の力で日常制限を受けずに生活できる寿命です。
また、20本歯が残っていれば、たいていのものを食べることができると言われています。
8020を達成しにくい歯並び
8020を達成しにくい歯並びの人がいることがわかっています。
反対咬合・開咬
2000年の東京文京区と千葉市の結果ですが、
反対咬合(はんたいこうごう:受け口)と開咬(かいこう:前歯が咬んでいない咬み合わせ)の人の8020達成率は驚異的に低く、ほぼ0%です。
反対咬合
開咬

共通しているのは、
奥歯で、すべての咬合力をほぼ支える咬み合わせであるという事です。
奥歯が抜けると徐々に前に…という負のスパイラルを生じやすいのです。
叢生
次点で問題のある咬み合わせは、
いわゆる叢生(そうせい:ガタガタの歯並び)です。
叢生は虫歯リスクの高さと関係があるようですが、個人差も大きい印象です。
叢生

2)お口ポカンを防ぎたい!噛み合わせを鍛える時期とは?
お口ポカンはなぜ悪い?
近年、お口がよく開いているお子さんが増えています。
お口がポカンと開きっぱなしになっていても、口呼吸になってしまいます。
また、歯並びが崩れてしまいます。
「お口ポカン」も、防ぎたい「悪い口の癖」と言えます。
前回の小児歯科学会学術大会でも、そのような報告が多くされています。
お口ポカンの原因は口輪筋の発達不全
お口周りの筋(口輪筋:こうりんきん)の強さが、その能力に大きく関係していると言われています。
研究によると、
口輪筋の強さは、3歳児では3ニュートン(N)、6歳児で6N、11歳で8Nまで上がりますが、12歳では8.5Nで、それ以降はあまり伸びていかないことが報告されています。
つまりは口輪筋の発達は、3歳から6歳が最も旺盛で、11歳ぐらいでその成長は落ち着いてしまうということです。その成長のピークに合わしてトレーニングするのが最も効率的と言われています。
口輪筋を鍛えてお口ポカンを改善する
お口ポカンを防ぐトレーニングについては、過去の記事をご覧くださいね。
あいうべ体操
3)子供時代に口腔機能の能力をしっかり高めて、高齢になっても機能低下しにくい口をつくっておく
口腔機能は乳幼児期で一気に発達し、成人期では変化が少なく、高齢期で低下します。
よって、まずすべきことは、
小児期(3歳~6歳、遅くとも11歳)ぐらいまでに口腔機能をできるだけ鍛え、ピークを上げることです。
将来的に問題が出やすい咬み合わせ(反対咬合、開咬、叢生)の治療も、そのころまでに治しておくことが、正常な発達の上で重要です。
高齢期で機能を落とさないやり方はいくつかありますが、最も大事なことは、歯と筋肉をなくさない、これに尽きます。
できるだけピークを上げて、成人期~高齢期ではメンテナンスを行い、機能を落とさないようにしていきましょう。
まとめ
- 口腔機能を保つためには、まず発達時期に適切に機能を発達させることと、そのピークを落とさないことが重要です。
- お子さんの口の機能の発達は、3歳から6歳までが最も旺盛で、11歳ぐらいまでは成長がみられますが、そこからは変化が少なくなります。
- 8020を達成しにくい咬み合わせは、奥歯で多くの負担をかけている開咬と反対咬合です。可能であれば11歳ぐらいまでに治療を行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
良くない口の習慣、「口呼吸」 ~風邪をひきやすく、虫歯・歯周病・口臭・出っ歯の原因にもなる~
2020年1月31日
こんにちは、つぼい歯科クリニック 歯科医師の松浦です。
あなたは、口呼吸と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
対する言葉としては、鼻呼吸です。
鼻で呼吸するということはどういうことでしょうか?
鼻には体を守る色々な作用が備わっています。
加湿作用や、粘膜によるウイルス、細菌に対する防御作用などです。
口呼吸のデメリットはよく言われているように思います。
口で呼吸するので、鼻での作用の恩恵が受けられませんから、当然ながら感染しやすかったり、乾燥の原因となったりするようです。
口呼吸のデメリット…その1 口の乾燥
口の乾燥も、色々なリスクとなります。
虫歯ができやすくなる
唾液にはカルシウムが豊富に含まれ、口の中が虫歯になりやすい環境になったときに、歯を補修する働きがあります。
参考リンク:削らなくても治る虫歯があるって本当?
唾液が少なくなると、むし歯ができやすくなるのですが、同じように口呼吸による乾燥でもむし歯になりやすくなります。
歯周病になりやすくなる
歯周病も感染症です。唾液の抗菌作用が、口の乾燥によって低下してしまうので歯周病の危険が増してしまいます。
口臭が出やすくなる
口臭についても乾燥の影響で強くなってしまうようです。
参考リンク ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と自分での治し方
歯への着色が起こりやすい
口呼吸をされる方は、ちょうど前歯の唇が当たらない部分に、着色が起こりやすいです。
唾液の作用っていろいろな面に作用していて大きいのです。
口呼吸のデメリット…その2:歯並びが悪くなる
口呼吸は、歯ならびにも関係してきます。
口で呼吸しているということは、当然ながら口は開いているんですよね。
口を閉じるのは口の周りの筋肉(口輪筋)の作用ですので、この力が弱いのです。
舌の位置についても鼻で呼吸するのとは違い、口で呼吸しやすい位置に舌が移動してしまいます。
参考リンク:いつでもお口がポカンと開いている「口呼吸」
歯ならび、歯列というのは外からの力、頬や唇ですね。それと内からの力、舌の力のバランスによって大きく影響を受けます。
つまり、口で呼吸しているというのは、歯ならびが悪くなるリスクになるのです。
矯正治療をする場合でも「後戻り」の大きなリスクとなることがあります。
長い期間をかけて歯並びをキレイに整えて行くのが矯正治療ですが、歯に(骨に)力をかけることで歯が動いていきます。
矯正治療が終わった後でも、歯に力がかかっていると、当然歯は動いてしまいます。つまり、後戻りのリスクがあるとも言えます(後戻りのリスクが高いと判断される場合は、後戻り防止装置が外せないこともあります)。
力のバランスが取れていないと、治療した歯並びが変化してしまうということが起こってしまうのです。
鼻呼吸で、感染や歯並びのリスクを予防しましょう!
口で呼吸することにはデメリットがいっぱい。
可能であれば意識して鼻で呼吸するようにしていきましょう。
テレビを見るときなど、ボーッとしていてもお口はつむっているようにしていただくことが大事です。とはいえ…夢中になっている時に、意識できない…という声もあるかと思います。
口の周りの筋肉(口輪筋)が十分に発達していないと、口を閉じ続けるのが難しいことがあるのです。そんなときは、「口の周りの筋肉の筋トレ」が必要です。
参考リンク:口呼吸を改善する!「あいうべ体操」
筋トレなので、すぐに効果が出るわけではありませんが、「インフルエンザ予防に効果がある」として、取り入れている小学校も多い体操です。
歯科医師としてもおススメです!
まとめ
- 口呼吸は、デメリットが多いので止めましょう
- 口呼吸のデメリットとして、風邪をひきやすくなる、虫歯・歯周病・着色・口臭などの原因となることがあります。
- 口呼吸は、出っ歯や矯正治療後の後戻りの原因となることがあります。
- 鼻呼吸トレーニングとして「あいうべ体操」がおススメです。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
普通だけれども普通に見えない・・醜いアヒルの子の時期? ~子どもの前歯の隙間~
2019年12月12日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
寒いですね。すっかり冬になりました。
最近保護者の方からのご相談で多い、お子さんの状態で正常だけれどもそうは見えにくく、不安を思われているケースがいくつかありましたので、お話していきたいと思います。
1)前歯がすきっ歯に見えます。
永久歯、特に上の前歯は顎の狭いところに折り重なって控えているので、乳歯と比べ、やや八の字で生えてきます。
そのため、前歯部ではすきっ歯な感じで生えてきます。
その後、2番目の前歯(側切歯)、犬歯が生える時に、前歯を押し込む方向に力が働くので、気が付けばきれいな歯並びになっていきます。
この時期は焦らず、歯が生えるのを待ってみましょう。
小児歯科ではugly dukling stage『みにくいアヒルの子の時期』と言います。

画像引用:医歯薬出版 デンタルハイジーン別冊コミュニケーションから歯科処置までを”つかむ”
いずれは白鳥になるっていう意味ですが、考えた先生は洒落がきいてますね。
ちなみに、アヒル、ガチョウにはすごい歯(歯ではないが髭の一部らしいです。構造学的には。)があります。
なかなか衝撃的ですので、興味がある人は動物園とかで見てみてください。

画像引用:buzzfeed
2)下の前歯がかなり奥(乳歯の後ろ)から生えてきてます
下の前歯は一番最初に揺れはじめて、最初に永久歯に生え変わりますが、ここだけ他の歯とは異なる特徴があります。
ここもやはり後継永久歯の控えるスペースがないため、永久歯は乳歯のやや後ろに位置しており、生えてくるのは乳歯のやや後ろである場合が多くあります。
これは『エスカレーター式交換』といいます。
この時期も焦らず待っておくと、生えてきた歯が舌に押されて前にいき、唇と舌の筋肉の圧が折り合うところに落ち着きます(図参照)。

両方とも、乳歯よりも1.5倍程度も大きな永久歯が、出生前後の小さな頭蓋骨の時期に形作られるために体が作った巧妙な仕組みです。
最初の乳歯の生え変わり時期に起こることなので、心配になりますが、状態をよく見ながら経過を観察してください。
うまくいかない場合もまれにあり、その場合は抜歯や矯正等必要になる場合があります。
まとめ
いかがでしたか?
- 生え変わりの時期(特に初期)には、正常であっても歯並びが心配に見える時期があります。
- 上の前歯ではすきっ歯に見える時期があり、下の前歯では乳歯の後ろから生えて歯並びが悪く見えるのが典型的です。
- 経過観察してるとよくなることが多いですが、本当に歯列不正の場合もあり、抜歯や矯正が必要になる場合があります。
「うちの子は大丈夫かな?」とご心配の方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
したはうえに(舌は上に)!
2019年11月21日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
朝晩はもはや寒い感じになり、秋も深まってきておりますね。季節の変わり目は風邪などを引きやすく、今年はインフルエンザが早めに流行しているらしいので、注意しましょう。
最近気になった患者さんの相談に、お口がポカンとよく空いている、前歯が噛めていないというものがありました。実際にお口をみると前歯が噛めていない状態で、舌がチロチロと見え、いわゆる開咬(かいこう)といわれるものでした。最近よく相談を受ける不正咬合の一つでもありますので、今回はその原因と対策についてお話していきます。
1)開咬(かいこう)の原因は?

開咬の原因は大きく2つに分けられ、指、爪、ものしゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、口呼吸、舌小帯(舌の下の筋)の付着が原因となって、舌が低位になることにより生ずる『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがあります。その両方が並行して起きている場合もよくあります。
2)指しゃぶり、ものしゃぶりの場合
指しゃぶり、ものしゃぶりは不安や緊張を和らげる心理作用があると言われ、1歳半から2歳ぐらいまではある程度しょうがないものです。ただ、3歳以上ではその後の歯並びに影響するといわれておりますので、そのあたりまでには中止できるようにしましょう。
指しゃぶり、ものしゃぶりの対策とは?
対策としては、ある程度周囲の話が分かるようになったら話して聞かし、眠い時に指が入るのであれば、手をつないで眠るとか、手にテーピングしたり、ミトンをはめたりして、物理的に入れにくくするなどの地道な対策が有効です。ただ、心理的な面の影響も強いので、その子の性格や発達状態によっては、スムーズに中止するのが難しい場合もあります。おしゃぶりは指よりも柔らかいので、影響はやや少なめにはなりますが、お勧めはできない習慣です。
3)舌癖の場合
上下の歯の間に舌を押し付けるような習慣を舌癖と言います。本来の正しい舌の位置は上顎の前歯の後ろから、口蓋(口の天井)に舌全体を軽く押し付けているのが正しい姿勢です(したはうえに(舌は上に)!)。その位置にないと、舌の姿勢が悪いということになります。その結果、歯並びに影響したり、発音(サ行、タ行)の発音がおかしくなる場合があります(例:サクラがさいた→タクラガタイタに聞こえる)。
舌癖の原因とは?
原因としては、指しゃぶりなどの残存、卒乳の遅れ、舌小帯が強いこと、口呼吸などがあります。指しゃぶりは(2)で説明した通りです。母乳の摂取は舌を使って搾り取る、幼児嚥下の典型ですので、2歳以降では悪影響の面が強くなります。
口呼吸は、舌小帯が強いことと表裏の関係です。呼吸に用いる筋肉、つまりは舌を含めた口周囲の筋肉が発達していないことによって生じます。筋肉ですので、トレーニング次第によっては発達する可能性もありますが(したはうえに(舌は上に)!)、一度も経験していないところに、舌を意識的に持っていくのは難しいと思います。
ある程度、矯正器具を用いることも必要ですし、呼吸筋のトレーニングのために、お口にテープなどを軽く張って、鼻呼吸を意識させることも効果的です。
また、舌や上唇の小帯が強そうな場合は、付着部分を少し切除し、筋トレを頑張ることが結果的には最も効果的です。
いずれにしても、お口の状態はいろいろと診査してみないとわかりません。そのうえで、メニューや矯正装置を選択しますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 開咬(かいこう)の原因は指しゃぶりなどの『モノ』を常にお口に入れることによって発生するものと、『舌癖(ぜつへき)』でおきるものがある。また、両方併発している場合も多い。
- 指しゃぶりなどの場合は、3歳ぐらいまでに中止できたら、影響は少なめであると言われている。
- 舌癖の場合は、原因を追究したうえで、その改善と舌の姿勢の改善(お口の筋トレ)の併用が重要。
具体的にお子さまの状態などが気になる、という保護者の方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
5-6歳のお子さんの自宅でできる歯並び矯正とは?
2019年3月3日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
まだまだ寒い日もありますが、暦の上では春になり、花粉情報なんかも出始めましたね…。
アレルギー性鼻炎のある僕も、つらいシーズンです。
最近、歯並び相談などを受ける際によく聞かれるのが「家庭でできることないですか」というのがあります。
ご家庭でできること・・実はたくさんあるんです。
歯並びは歯列(しれつ)と咬合(こうごう)に分けられます。
1)歯並びは歯列と咬合(咬み合わせ)に分けられます。
歯列とは
叢生(そうせい)や八重歯など
咬合とは
歯の咬み合わせ(出っ歯や受け口、開咬、噛み合わせのズレ(交差交合))など
特に咬合に問題がある場合は、口の機能全体に影響が出る場合があります。
2)歯並びを治療するには順番がある
歯科医が歯並びを治療するには、鉄則ともいえる順番があります。
- 機能的な異常の問題
- 前後的な問題
- 上下的な問題
- 幅の問題
まず、手をつけなければいけないのはお口の機能的な問題です。
Ⅰ.機能的な問題(お口の悪い癖)
指しゃぶり、頬杖、舌の動きの異常、左右の咬み合わせが違う交差交合、鼻詰まり(口呼吸)などがあげられます。
Ⅱ.前後的な問題・上下的な問題
出っ歯や受け口と言われる前後的な問題、咬み合わせが深い過蓋咬合(かがいこうごう)などの上下的な問題を治療することとなります。
※開咬(かいこう)は機能的な問題の要素が多いので、そちらに含まれます。※
幅の問題は(叢生〔そうせい〕や八重歯などの歯列)は最後です。
3)機能的な異常の治療は、家庭でも治せるものもある
機能的な問題の中には、先ほど挙げた指しゃぶり、頬杖、鼻詰まり(口呼吸)などが含まれます。
頬杖
家庭で正しい姿勢で過ごすことなどや座り方などで改善することがあります。
指しゃぶり
精神的な要素が多く、歯科のみでは改善しません。
また鼻詰まりもアレルギー体質であれば難しい問題であり、耳鼻科で治療する必要があります。
4)スマホで歯並びも悪くなる?
また最近多くみられるのが、お口が開いてるお子さんです。
この場合、原因はいくつか考えられます。
鼻が悪い、舌が下の歯に当たっている(低位舌)。
そういった問題がある子もいますが、関係あるのがスマホの見過ぎです。
ゲームすると下を見るためにストレートネックとなり、首が前に落ち込み、舌も下に落ち込み、その結果お口が開いている…
お子さんはそんなことになっていませんか?
5)結局は体も心もバランスが大事です。
僕も姿勢が悪く、歯並びも矯正して直しましたので、大きなことは言えませんが、最近特に、歯並びと姿勢には深い関連性が示されています。
また指しゃぶりや癖には心の動きが関連しており、歯科だけでは治せない問題が多く含まれます。お子さんの歯並び以外に問題がないか、歯並びを見る際に少し考えてみませんか?
まとめ
いかがでしたか?
- 歯並びは歯列と咬合に分けられる。
- 歯並びを治すには順番があり、まず機能的な異常が問題となる。
- 機能的な問題の中には、癖や習慣などは家庭で注意すれば解決できることもある
「うちの子はどうかな…?」と思われる方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
6歳ぐらいの子どもと矯正治療について
2018年12月25日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。
今年も年の瀬になりました。
今年一年皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。
いい子のみんなのところにはサンタさんがやってきたよね⁉
つぼい歯科クリニックでは、定期的に健診を行い、皆さんの歯の健康を保つ努力をしておりますが、虫歯の心配と共に、よくあるのが歯並びの心配です。
最近も保護者の方から「遺伝で歯並びが悪くなる可能性が心配です」「現在の乳歯の隙間が狭いのが心配です」というご相談をよく受けます。
そこで、今回は歯並びをテーマにお話ししていきます。
歯並びが悪くなる原因とは
歯並びはいろいろな要素がありますが、やはり家族の中で似通ってきます。
ご家族で似たような歯並びになる原因としては、遺伝と、同じような生活習慣をしていることがあげられます。
遺伝によるもの
・歯の大きさ
・顎のバランス、大きさ
生活習慣によるもの
・口呼吸
・指しゃぶりなどの癖
・姿勢
歯の大きさと、顎のバランスで歯並びは半分決まります。
その他のアレルギー・体質・性格・姿勢などの因子や食生活も、家族間ではなにかしら似通っているので、家族間で似たような歯並びになりやすいです。
次に、歯並びに関するご相談でよく受けるものに
「歯並び治療はいつごろから行うのがよいのでしょうか?」というものがあります。
歯並び治療を行うのに適した時期とは?
こちらは歯並びの状態や、お子さまの年齢、治療への協力度などによって変わってきます。
不正咬合にも、様々な状態や種類があるので、一概にも言えませんが、かなり重度な場合、中程度な場合、軽度な場合に分けられ、治療法も異なります。
軽度~中程度な場合
顎の拡大や簡単な矯正装置で改善する場合もあります。
重度な場合
顎の拡大だけでは無理で、抜歯を伴う矯正が必要となるケースも多いです。
2~4歳
早期治療ではマウスピースを用いたり、低年齢から始めることができる歯並びを良くするトレーニングを行うこともあります。
6歳~7歳ぐらい
下顎4本、上顎2-4本の前歯が交換する頃だと、歯並びも将来的な予測ができますので、かなり精度の高い治療が可能となります。
軽度や中程度の不正咬合の場合、それだけで治療が完了する場合もあります。
12歳ぐらい
永久歯に生え変われば、もはや咬合としては95%ぐらい完成しているので、抜歯を含めたすべての治療が可能となります。
以上のように、矯正治療はお子さんの状態と時期の組み合わせにより、治療パターンは少なくとも10~12通りぐらいありえます。
我々歯科医師はその中でなるべくベストなパターンを診断し、そのメリット、デメリットをお伝えします。
そういう私も矯正治療を受けた経験があり、今となってはよかったなと思っています。
治療としては、健康保険がきかず自由診療となりますが、その成果は一生ものの価値があると思います。
いずれにしても、お子さまの歯並び矯正治療は、保護者の方の積極的な協力がないと難しいケースも多いです。
そのため、保護者の方にもしっかりとした説明をさせていただいております。
歯並びの矯正にご興味のある保護者の方は、まずはお気軽にご質問ください。
まとめ
いかがでしたか?
- 歯並び・咬合は遺伝要素と生活習慣がかなり強く表れてくる。
- 不正咬合の程度や年齢によって治療のパターン、やり方はいろいろあり得る。
- 適切なやり方の矯正をタイミングよくするのが重要ですので、定期検診を行いながら、適切なタイミングを待って矯正を行うのが良いでしょう。
まずはお気軽にお問合せください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ムーシールドを嫌がる場合、上手に使うコツは?
2018年11月29日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 院長の坪井文です。
当院では複数の矯正用マウスピースを扱っておりますが、その中でも受け口のお子さま用の「ムーシールド」というものがあります。
参考記事 子どものマウスピース矯正~お子様の歯並びを取り外しできるマウスピースで治す~
すこし昔はお子さまの受け口用マウスピースといえばムーシールド!という感じだったのですが、今は色んな種類があります。
今、受け口用のマウスピースと言えば、プレオルソが一番流行っているかな?という印象はありますが、私個人としては、ムーシールドのとても壊れない丈夫なところは大好きですし、インターネットなどで調べて来られるの保護者の方からのリクエストも多かったりします。
一方で、ムーシールドを「子どもが嫌がる」とお困りの保護者の方も多いようです。
今日は、ムーシールドの正しい使い方と、お子様が嫌がった場合の対処についてお話しようと思います。
ムーシールドの正しい使い方
口の中に入れて、装置の上に舌を置き、唇が閉じにくいところを、頑張って、唇を閉じる。
唇を閉じることで、口輪筋という口の周りの筋肉が下顎を後ろにひっぱり、装置の上に舌を置くことで、舌を上に持ち上げる筋肉が刺激されます。
ムーシールドを使うと、口の周囲や舌の筋肉がちょっと疲れます。
しかし、疲れるので正解です。
ムーシールドに限らず、マウスピース矯正の装置は「口に入れると歯並びが治る魔法の装置」ではなく、口の中に入れて正しく使うと呼吸や歯並びを整えるための筋トレが出来る「筋トレ補助装置」だからです。
参考記事 歯並びが悪いのは遺伝ですか?その1 受け口編
この「疲れる」のがポイントで、ムーシールドを入れた状態で口を開けてしまうと「楽ができてしまう」のです。
楽をしてしまうと、口輪筋や舌筋を鍛え、お鼻で呼吸するトレーニングにはならないので効果が出ません。
お子様が「楽をしている」「嫌がった」場合の対応は?
子どもの自尊心をくすぐってやる気を引き出す
上手に出来た瞬間に「さすが!スゴく上手!嬉しい!」と保護者の方が盛り上げてあげましょう。
低年齢のお子さまには良く効きます。
口の中に装置を入れると「どう?えらいでしょ?」という顔で保護者の方に見せにきてくれるようになったらしめたもの。
毎日、満面の笑顔で褒めてあげる限り、几帳面に続けてくれるようになります。
軟式のマウスピースから慣れさせる
プレオルソやマイオブレイスは軟式マウスピースなので不要ですが(その代わり、チューイングガムのように噛んで遊ばれてしまうと壊れてしまいますが)、ムーシールドは硬くて慣れないうちは不快感が強いです。
抵抗感が強い場合は、ムーシールドに入る前に柔らかいシリコン製のマウスピースで慣れていただくこともあります。
起きている時の短時間から挑戦する
腹筋だって初日から何十回も出来る人はいません。
少ない回数から始めて、慣れていきますよね。
ムーシールドも「筋トレ」の一種なので、短時間からはじめましょう。
ここで重要なのが「寝ている間から始めるのはNG」ということです。
起きている間にちゃんと使えるようになったら、寝ている間も使えるようになります
(ただし起きている時ほどの効果はありませんので、寝ている間「も」使うことで、より効果を増強する感じです)。
勉強やテレビ、ゲームなどの時間にムーシールドを必ずするよう習慣づけする
面倒くさいこと、嫌なこと、疲れることを毎日するのは大変です。
保護者の方も最初は毎日声かけするのですが、だんだんと忘れがちになってしまいます。
おススメは「毎日の習慣に何かとセットで組み込む」ことです。
例えばゲームは1日30分まで、というご家庭のルールがあるなら、40分までOkにする代わりにゲーム中はムーシールドをやる、とかです。お子さまにとってお楽しみの習慣とセットだと習慣化しやすいでしょう。
あとは根気!
…最後のは身も蓋もありませんが、筋トレの一番のポイントかもしれませんね。
いかがでしたか?
多少なりと、口腔内装置を継続するにあたり難しく感じておられる方のヒントになると、うれしいです。
まとめ
ムーシールド、プレオルソ、インファント、マイオブレイス…小児矯正用の装置に上手に慣れる方法とは?
Q:矯正用マウスピースのムーシールドを子供が嫌がります。どうしたらよいですか?
A:
- 子どもの自尊心をくすぐってやる気を引き出す
- 軟式のマウスピースから慣れさせる
- 起きている時の短時間から挑戦する
- 勉強はテレビやゲームなどの時間にムーシールドを必ずするよう習慣づけする
- あとは根気です
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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