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虫歯のなりやすさと体質について

2022年1月14日

岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。

現在、当院には虫歯予防に努力してくださっている方が多く通院してくださっています。
とてもうれしく思っています。
以前に作ってしまった、削るほどではない初期虫歯を管理するのも、我々歯科医師の重要な役目です。

参考リンク:削らなくても治る虫歯があるって本当?

削らなくても治る虫歯があるって本当?

 

しかし、残念ながら、虫歯ができてしまう方もおられます。
そこで今回は、お子さんの虫歯のなりやすさと体質を中心にお話していきます。
大人はまた少し違うので、またいつか解説します。

1)虫歯のなりやすさを左右する因子

キースの輪

歯科医師が大学で最初に習う、キースの輪と呼ばれる虫歯の原因因子同士の重なりを示すものがあります。

画像参照https://www.apagard.com/oralpedia/oralcare/details/Vcms4_00000101.html

細菌、歯質、糖分、時間の重なりで、多く重なるとリスクが高まります。
最近の統計学的なアプローチで検討している論文では、虫歯の原因因子の重要度ランキングでは

1位 唾液量
2位 乳歯う蝕の経験歯数
3位 菌の量
4位 プラーク(歯垢)量
5位 飲食回数
6位 フッ素使用頻度

という順でした。

個人的な感覚にはなりますが、この他に虫歯の重症度(大きさ)なども、重要だと考えています。

2)小児と唾液について

イグノーベル賞という、人々を笑わせ、考えさせられるユニークな研究などに贈られる賞があります。
2019年のイグノーベル賞に、小児の一日唾液量を研究した、という明海大の渡部教授の研究がありました。

専門外の方にとっては、『なぜ小児の一日の唾液量を知りたいと思ったのか』が笑いポイントなのでしょうが、歯科医師、特に小児歯科医師にとっては「知りたかった!」という重要な研究です。

それによると、小児(6歳児)の唾液量は500mlで、成人よりも若干少ないという結果でした。

大学病院勤務時代、小児がんなどのため、抗がん剤を投薬されていたお子さんたちの口腔内を診察する機会がありました。
唾液量や唾液の緩衝能(虫歯を防ぐ効果です)などが低く、虫歯リスクはどうやっても高いままでした。

抗がん剤ほどではありませんが、多くの薬で、唾液量の減少が見られることが知られています。
薬を常用している場合は注意が必要です。

3)歯質と虫歯リスクについて

学校健診などでは、細菌が原因でなくても歯の状態が悪ければ、う蝕と診断されます。
特にエナメル質形成不全は虫歯と診断され、最近よく見かけます。

エナメル質形成不全についてはこちら
参考リンク:エナメル質とその形成不全について~治療と原因~

エナメル質とその形成不全について~治療と原因~

ちなみに近年の発表では、エナメル質形成不全の歯が一本でも見られる人の発生率は20-25%にも昇るようです。
4-5人に1人はそういう歯をお持ちの割合になります。
また、黄色人種はそのほかの人種に比べてエナメル質が薄い傾向にあり、虫歯が進行しやすく注意が必要です。

まとめ

  • 細菌、歯質、糖分、時間のリスクが重なり、虫歯ができます。
  • 虫歯の原因因子は、唾液量、乳歯う蝕の経験歯数、菌の量、プラーク量、飲食回数、フッ素使用頻度などがあります。
  • 唾液量、歯質などは個人差が大きいですが、総じて日本人は歯が強くない傾向にあります。

以上のような要素を考えながら、予防対策を行うことが重要です。

診療室では、虫歯に最もなりやすい人に対しても、なりにくい方法を考えます。
そして、その対策を説明しています。

「チョコ止めましょう」
「グミやめましょう」
「そろそろ卒乳が必要です」
など、飲食習慣の改善も含めたお話になることもあります。
そのため、少し厳しく聞こえる場合もあるかもしれません。

しかし、個人の体質や虫歯リスクに対して、最も効果的な予防や処置を行うことが重要と思っています。

ご不明な点や、虫歯予防について話が聞きたい場合は、お気軽におたずねください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

小児歯科とアレルギーについて 

2021年12月13日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。

最近、アレルギー体質の方が多く来院されています。
当院も、様々な配慮をしつつ歯科治療を行っています。
もしアレルギーが起きた場合の酸素設備やエピペンという薬剤を常備し、緊急時の対応研修等も定期的に行っています。

歯科医療では多くの薬品や材料を使います。
日本全体でアレルギー体質の方が増え、色々なものに対してアレルギーを出す人が増えてきている印象です。

そこで今回は小児歯科とアレルギーについて、お話していきます。

1)アレルギー反応の種類

ひと口にアレルギーといってもその種類・症状は様々です。

抗原(アレルゲン)の種類によって、引き起こされるアレルギー症状も違ってくるからです。

代表的なアレルゲン

  • 食物
  • 薬物
  • ハウスダスト(ペット類の毛やダニなど)
  • 花粉

代表的なアレルギー症状

  • じんましん
  • 皮膚炎
  • ぜん息
  • 発熱
  • 喉頭浮腫(呼吸困難を起こします)

また、アレルギーの種類は、IgE抗体によって起こるⅠ型から、Ⅳ型までの4種類に分けられます。
それぞれ免疫機構や抗体の種類などの違いによって発症する病気も違ってきます。

アレルギー疾患の発症には遺伝的な体質も関わっているといわれます。
アレルギー体質・アトピー素因とよばれるもので、こういった人たちはIgE抗体がつくられやすい体質です。

アレルギー反応はその程度、状態によって分けられます。

程度の低いものはアレルギー反応と呼ばれ、じんましんや皮膚炎など。
呼吸器症状や血圧にまで影響する重篤なものは、アナフィラキシー(ショック)と呼ばれ、エピペンなどの使用が必要となる場合があります。

2)アレルギーと歯科で使う薬品・材料

平成20年の皮膚科学会の調査によると、日本のアナフィラキーショックの多い原因は抗ガン剤、造影剤、血液製剤、抗菌薬です。

それ以下のものとして、痛み止めに用いられる非ステロイド系の鎮痛薬(代表的なものとして、ロキソプロフェンなどの痛み止め。カロナール/アセトアミノフェンは少し作用機序が異なり、アレルギーは比較的出しにくいと言われています)、麻酔薬も挙げられています。
これらのうち、抗菌薬、非ステロイド系鎮痛薬、麻酔薬は歯科でよく使います。
麻酔薬でのアナフィラキシーの頻度は1%程度と言われています。

以上のような薬品は使うべきでないという意見もあるかもしれませんが、医療はメリットとデメリットの両面があり、メリットが上回れば、薬品は適正に使用すべきと考えられています。

フッ素はアレルギーを起こすか

歯科でよく用いられるフッ素は、アレルギーの可能性はゼロではないものの、非常に稀です。
アレルギー症状は起きない、とアメリカの皮膚科学会でも定義されています。

ただ、歯磨き剤でのアレルギー反応の報告はいくつかあります。
原因は、添加されている他の材料と考えられています。

詰め物、被せ物による金属アレルギー

詰め物、被せ物による金属アレルギーは、その反応に時間を要すアレルギーⅣ型と言われています。
金属が長い時間で溶けてイオン化して発症します。

金属ではアナフィラキシーショックは起こりずらいと考えられます。
しかし、全身に吸収されて遠隔部位に皮疹が生じる全身性接触皮膚炎(全身型金属アレルギー)なので、アトピー性皮膚炎の悪化や、皮膚炎が治らない時、原因が歯科金属であることがわかりにくいことが問題となっています。

対策としては、金属から非金属の詰め物、被せものに変更することで、徐々に改善していきます。

アレルギーを起こさない最大の防御法は、虫歯を作らないこと

小児受診をされると、初めてのこと、行為が多く、ご心配な点は多いかと思います。
使われる薬剤や材料によるアレルギーがご心配な方は、『虫歯にならない』『予防をがんばる』これが最大の対策だと思います。

アレルギー体質の方も増加しています。
ご心配な方、重篤な方は、アレルギー科や皮膚科、大学病院での検査や加療が必要な場合があります。
口腔内の状態を含め、ベストの方法を考えましょう。

まとめ

いかがでしたか?

  • アレルギー反応は食物、薬、ハウスダストなど様々な原因で発症し、体質や素因で反応の出方が異なります。
    急激に発症し、重篤なものには、アナフィラキシー(ショック)があります。
  • 歯科で用いる抗菌薬、非ステロイド系鎮痛薬、麻酔薬などでもアレルギー反応が出るリスクはあります。
    治療上のメリットが多ければ使うケースもあります。
  • 金属アレルギーと直後のアレルギー反応は、発症の仕組みが異なります。

虫歯にならないことが最大の対策です。頑張って予防していきましょう。

萌出障害などの小児歯科領域での歯科用CTについて~へんかと経過と診断~

2021年11月27日

こんにちは、岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

当院には、歯の生え方などに問題があるお子さんが多く来院されます。

歯の生え方や、生える前の永久歯がどうなっているかは、通常「パノラマエックス線写真」と呼ばれる顎全体のレントゲンで判断します。
それでもよく分からない場合、CTで精査をすることもあります。

当院でも、骨の中の永久歯の状態や、他の歯との位置関係を確認するためにCT撮影をする機会が増えてきました。

そこで今回は小児歯科とCTについてお話していきます。

1)歯科で撮影するレントゲンの種類

歯科医院で撮影するレントゲンは主に3種類です。

デンタルエックス線写真

1-2本の歯をチェックする撮影で、問題のある部分が主に黒く写ります。
一度に撮影できる範囲が狭いです。
しかし、わずかな被爆量で詳細に歯を診ることができるのが特徴です。

ただし、デンタルエックス線写真は、影絵のようなものです。
3次元的な位置関係は精細に分かるわけはありません。
「X線の入射角に対する影の長さで推定する」という感じです。

パノラマエックス線写真

顎全体を撮影をします。
末端にひずみがありますが、広範囲を診ることができるのが特徴です。

詳細に診ることには向いていません。
顎全体を虫歯がないか、重度の歯周病がないか、生える前の永久歯の位置は問題ないか、などを大まかに判定することに使用します。

これも影絵ようなものです。
3次元的な位置関係は分かりません。

パノラマエックス線写真で大まかに「問題がありそう」と思った部分については、デンタルエックス線写真やCTで精査することも多いです。

CT

何枚もレントゲンを撮影し、それをコンピューター上で組み合わせたものです。
患部を3D画像で確認できるのが特徴です。
他のレントゲン写真は「影絵」なのに対して、立体的に確認することができます。

情報量としては、「影絵」と「3D模型」では、それはもう段違いです。
手術前のCT撮影で、手術した時と同じぐらいの情報量が得られます。

一方で、CTは他のレントゲン写真撮影と比べて被爆量は多くなります。
何枚ものレントゲン写真を撮影するからです。

それでも、一回あたり0.1mSv程度です。
歯科用のCTは医科用のものと比べ約1/20〜1/30程度の被曝量とされています。

ちなみに、日本で普通に生活した場合、年間2.4mSv被曝すると言われています。
政府によると、年間被曝量20mSv以下であれば「一応」安全とされています。

「一応」というのは、わずかな自然被爆だけでも病気になる人もいれば、大量の被爆があっても何も起きない人がいるからです。
ただ、20mSvという基準以内あれば、ほとんどの人には問題ないと言ってよいでしょう。
もちろん、被爆は少ない方が良いので、CT撮影は医学的に必要最小限で行っています。

2)萌出(ほうしゅつ)障害とCT撮影のメリット

つぼい歯科クリニックでは、必要に応じてパノラマエックス線写真を撮影し、全体のチェックを行うようにしています。

その結果、時々『なんか変。』と思う部位が出てきます。
多くは、まだ生えていない(骨の中にある状態の)永久歯の位置や、生えようとする方向が、通常と違う…というパターンです。

そんな場合は、定期的にデンタルエックス線写真で撮影し、経過を観察していきます。
精査や処置が必要な状態であるか、このまま生えるのを待つだけで良いかの判断をするためです。

その上で異常がある場合は、必要に応じてCT撮影します。

この流れが表題にしております『へんかと経過と診断』で、小児歯科では非常に大事とされています。

3)CTが有用な症例

一般的に、萌出障害の原因には以下があげられます。

  • 歯が生えるスペースの不足
  • 先行歯の異常
  • 過剰歯や歯牙種などの存在
  • 骨の異常

「歯が生えるスペースの不足」は模型で分析して判定します。
しかし残りの原因については、レントゲン撮影で判断することとなります。

パノラマエックス線写真やデンタルエックス線写真では情報が不足する場合は、CT撮影が有効です。

またCT撮影すると、う蝕や根の治療も状態が完全に判定でき、状態がわかります。

萌出障害は手術を伴う治療が多いです。
しかしCT撮影することで、我々歯科医師も、患者さんの痛みや侵襲が最も少ない治療プランを、術前に考えることができます。それは、患者さんにとっては被爆量というデメリットを越えるメリットになります。

しかるべき年齢になっても歯が生えてこない、乳歯が抜けて随分になるけれど歯が生えない、などのお悩みがある場合は、ぜひ一度ご相談ください。

歯の萌出障害は、保険適応で出来ることも多いので、早めのご相談をおススメします。

まとめ

  • 歯科で撮影するレントゲン検査には、デンタルエックス線写真、パノラマエックス線写真、CTがあります。
  • CT撮影によって、萌出障害の原因、異常を判明することができます。
  • 原因がわかれば、最小の侵襲での治療プランを考えることができるようになります。
  • お子さんの永久歯が生えてこないなどの悩みがある場合は、早めにご相談ください。

コロナ禍で指しゃぶりが増えている!?指しゃぶりの原因とは?

2021年10月23日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村剛です。

コロナの第5波、急速に終息の雰囲気ですね。
よかったなあと心の底から思う反面、子ども達を取り巻く環境に、コロナ禍のひずみが顕在化してきているようですね。
昨年度よりも不登校や自殺が増えているという報道も見聞きします。
長い休み明けによく出る話題ですが、大変難しい問題です。

「(子どもの)指しゃぶりがやめられません」という保護者の方からの相談が最近増えています。

今回は指しゃぶりをテーマにお話していきます。

指しゃぶりすべてが悪いわけではない

指しゃぶりは低年齢の時期は正常な発達過程の一つの行為です。
しかし、ある時期からはやめてほしい問題行動として捉えられます。

子供の成長発達と指しゃぶり

乳児期(1歳まで)

日本小児歯科学会の見解では、乳児期(1歳まで)の指しゃぶりは、乳児期の発達過程における生理的な行為とされています。

幼児期前半(1歳~2歳)

幼児期前半(1歳~2歳)からは、遊びの過程で指しゃぶりは減少していきます。
眠い時や退屈な時だけで指しゃぶりを行うのであれば、発達によって自然と減少していきます。

幼児期後半(3歳~就学前)

幼児期後期(3歳~就学前)からは、社会性の発達と共に、指しゃぶりなどの悪習癖は減少していく可能性が高いと言われています。

しかしながら頻繁な指しゃぶりの場合、3歳以降からは、噛み合わせや咬合などの口の形に影響を及ぼす可能性が高まり、上顎前突や開咬(前歯がかみ合わない)になると言われています。

問題行動となる指しゃぶり

就学以降にも継続している場合は、指しゃぶりなどは問題行動とされます。
原因追究などにおいて、心理学的な面からのアプローチが重要になります。

指しゃぶりをやめさせるには?

幼児期後期からの、やめたいけどやめられない程度の習癖の場合、おすすめなのは指しゃぶり以外に別のおもちゃなどに興味を持たせることです。

保護者の方におススメしている方法

  • 手遊び歌などのスキンシップを多めにし、眠たくなったら手を握って眠るまで待つこと
  • 手に絆創膏など違和感強めのものを張っておき、手を口に入れたら気付かせること

また幼児期後期には、兄弟姉妹ができて環境が変わり、赤ちゃん返りと共に一時的に頻度が上がってしまう場合があります。
気持ちの落ち着きとともに頻度が下がっていく場合が多いです。
しばらくはおおらかな気持ちで見守っていくことが大事です。

影響が大きな場合の歯科的・心理学的アプローチとは?

歯並びに指しゃぶりが悪影響を与えている場合

指しゃぶりの力が強いと、歯並び矯正で器具が歯や顎にかける力よりも、強い力が顎にかかります。
そこで歯並び矯正を開始するためには、指しゃぶりの癖を止めていること、もしくは止めたいと思っていることが重要になります。

お子さま本人が、例えば「保護者の方の注目を集めたいために指しゃぶりを行う」などの心理が原因なら、やみくもに叱っても指しゃぶりの癖はやめられません。
ある程度の年齢のお子さんの場合、「なぜ指しゃぶりをしてしまうのか」そして「どうなったら指しゃぶりを止めたいと思えるのか」という点について心理学的に追究しないと効果が低いです。

指しゃぶりが収まってきた場合、開咬(かいこう)であればタンクリブと言われる、咬合関係に舌や指が入らないようにする装置が有効です。

開咬(かいこう)

また前突(ぜんとつ)に関しては、歯列幅の拡大と、ブラケットを用いた矯正が有効である場合が多いです。
(抜歯を伴う、伴わないなど状態の診断も必要となります)

前突(ぜんとつ)

指しゃぶりについてご心配な方は、お気軽にご相談下さい。

まとめ

いかがでしたか?

  • 指しゃぶりは1-2歳児では発達に伴う生理的な行為とされますが、3歳以降はなるべく、就学以降(6歳以降)はやめるべき習癖とされています。
  • 癖(習癖)をやめるには、本人の自覚、そしてやめるという決心が大事です。必要に応じて、原因追及や行動変容のために、心理学的なアプローチを行います。
  • ある程度習癖が落ち着けば、タンクリブ、拡大装置、ブラケットなどを組み合わせた矯正治療が適応となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

大人の歯の本数が足りない?!そんな時はどうすれば良いの?

2021年8月16日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
どうなるかと思っていた東京オリンピックが、無事に終わりましたね。

最近、診療室で生まれつき永久歯の本数が足りない、という症例について患者さんにご説明をすることがよくあります。
永久歯の歯の数のトラブルについては、一度ブログでも書いたことがあります。

参考リンク

永久歯の本数のトラブル(先天性欠損歯や過剰歯)について

今回は、歯の本数が少なかった時の対処法などについてのお話です。

人間の歯は退化している!

歯は人間の歴史においては退化傾向にあります。

縄文時代人の歯を見ると、親知らずと言われる第3大臼歯までしっかり咬んでいます。
しかも現代人より歯のサイズも顎のサイズも、全体的に大きいです。

旧人類に近いほど歯の山の部分(咬頭)が多く、大きく、複雑な形をしています。

現代人では親知らずがある人でも咬頭が少なく、小さくなっていく傾向(5咬頭→3→1に減少)にあります。
また、親知らず自体が生まれつきない人もいます。

それ以外では、前から2番目の前歯、5番目の小臼歯の欠損が多いです。
そして、上顎よりも下顎が先天性欠損は多い傾向にあります(2010年の日本小児歯科学会の調査による)。

画像引用 朝日新聞(2011年3月7日)

同調査によりますと、何らかの形で1本以上の歯がないお子様は現在10人に1人程度の比率となっています。
2018-19年に僕が当院で調べた時も、比率は同様でした。

10人に1人ですから、クラスに数人は歯の先天性欠損のお子さんがいる感じですね。

実際僕の近しい肉親にも永久歯が欠損している人がいます。
なので、歯の退化傾向をまさに実感しています。
原因は基本的にはわかりません。
遺伝、薬物(抗がん剤などの強力なもの)、栄養状態などが考えられています。

歯の先天性欠損の治療法や考え方(部位や本数別に)

1)乳歯の本数が足りない場合

乳歯でも先天性欠損はたまに見かけますが、基本的には様子を見ます。

顎は歯が押し合いながら大きくなっていきます。
よって、欠損があった場合、欠損がある側の顎が小さくなる傾向が確認されています。

2)永久歯の本数が足りない場合

・下顎の2番目の歯の場合

下顎の前歯の場合は、上下で顎の正中が合わなくなる、という欠点はあります。
しかし、そこまで目立たないということもあり、経過を観察する場合が多いです。

・上顎の2番目の歯の場合

上顎前歯は正中が合わないと、やや目立ちます。
矯正をおすすめすることが多いと思います。

・上下の5番目の歯の場合

小臼歯の欠損の場合は、先行乳歯が抜けないように保存することが大切です。

虫歯にさえならなければ、乳歯といえども根がしっかりしているので、30代ぐらいまではもつ場合が多いです。
歯並びが悪い場合は、残った乳歯を抜歯して、歯並びを整えることもあります。
ただし、歯並びが良い場合は、乳歯が抜けて出来たスペースを矯正で埋めきることが難しいこともあります。

・6本以上、歯の数が不足する場合

6本以上の多数歯欠損の場合、大学病院などに代表される、国の指定医療機関であれば矯正を行います。
2020年からはインプラントも条件によっては保険治療が可能となりました。

しかし、これだけの多数歯であれば矯正+補綴の治療を効率よく組み合わせる必要があります。
また、インプラントも矯正も子どものうちは出来ない治療です。
ある程度の年齢になるまで乳歯を使って、そのうえで長期的な治療プランを立てることになります。

「乳歯を使う」という選択肢が無くならないように、先天性欠損の場合は最終的な治療が出来るようになるまで乳歯を無傷で残す努力が必要です。

誰にでも起こりうる事態ですので「乳歯は生え変わるから」と軽く考えずに、赤ちゃんの頃から大事にしていきましょう。

・大人になってから永久歯の代わりに使っていた乳歯が抜けた場合

虫歯や歯周病で歯を失った場合と同じようにブリッジ、インプラント、義歯の治療を行うことになります。

まとめ

いかがでしたか?

  • 永久歯の先天性欠損は近年増加傾向にあります。
    10人に1人ぐらいは観察されています。その治療法や考え方は歯のない部位(欠損部)で異なります。
  • 乳歯は大事に使えば長くもつ場合もあります。
    また、多数歯がない場合は保険がきく症例も稀にあります(指定医療機関に限る)。
    各個人の状況・時期によりベストな治療法が異なります。

歯が生え変わらない理由には、他にも「ただ単に生え変わりが非常にゆっくりなだけ」というケースもあります。
気になる場合は歯科医院で相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

子どもの発音、発声について

2021年6月5日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

最近診療時に、保護者の方から、お子さんの発音・発声などについて相談を受けることが多くなってきました。

発音、発声は「構音=目的の語音を出すためのメカニズム」によって可能になります。

今回は、お子さんの「構音」についてお話していきます。

どうして乳幼児の発音は舌足らずなの?それって問題ないの?

日本語の発音

日本語の発音は、母音(あいうえお)と、子音(カ行以降)の組み合わせで構成されます。

母音(あいうえお)の発音の舌の位置と、息をあてる位置

画像出典:https://field-music.com/vocal/2019-10-05

母音は舌の位置(前か後)によって、発音しています。

子音の発音

子音は声道に様々な強い狭めや閉鎖などの構音様式を母音と組み合わせて作られます。

画像出典: https://www.onecareer.jp/articles/2428

これらの構音様式の獲得の順序はおおよそ決まっています。

構音様式の獲得の順番

母音に近い音から習得していきます。

サ行・ザ行、タ行の中ではツ、ヅなどは発音が難しく、4歳以降に習得します。

それまではサ行などは近い別の音で発声します。
例えば、『ウサギ』が『ウタギ』などに聞こえます。
舌足らずに聞こえますが、発達の順番が正常であれば問題ありません。

3~4歳になると、しりとりゲームなどの言葉遊びによって自分で発音の違いに気づき、正しい発音に置き換えていきます。

発達障害か、口腔機能発達不全症か

発音の発達に問題があるのか、言語能力やコミュニケーション能力に問題があるのか

発音を気にする前に、言葉やモノに対する興味やコミュニケーション能力が正常な発達しているかが重要なポイントになります。
そのため、歯科以外の専門家にも、よく相談する必要があります。

コミュニケーション能力に問題が無く、お口の機能だけに問題があるお子さんの場合、口腔機能発達不全症である可能性があります。
その名の通り、口腔の機能が十分に発達していなかったり、発達が遅れていたりする状態です。

口腔機能発達不全症の場合に、よく見るべき3つの項目

1.口唇閉鎖不全(唇をしっかり閉じることが難しい状態)

口唇閉鎖不全には

  • なんとなく、口がぽか~んと開いている場合(習慣性のもの)
  • 上の歯並びが出っ歯さんで、唇が閉じにくいのが原因の場合(歯列不正によるもの)
  • 鼻づまりで口呼吸をすることが原因の場合(鼻閉によるもの)

の3パターンがあります。

口唇閉鎖不全があると、起きること
  • パ、バ、マの音が不明瞭になる
  • 習慣性や鼻閉による口唇閉鎖不全でも、歯列不正につながりやすい
  • ウィルス性疾患などにかかりやすい
口唇閉鎖不全の治療
  • 歯並びを治す(唇を閉じれる位置まで前歯を移動させる。歯列矯正する。)
  • 口回りの筋肉が正常に動くように、筋トレする(筋機能訓練:MFTを行う)

*MFTの最も簡単なものに「あいうべ体操」があります。

参考リンク:あいうべ体操

2.舌小帯の異常

舌小帯とは、舌の下の中央にあるヒダのことです。

舌小帯短縮症 (舌小帯が短い)

舌が自由に動ける範囲が小さくなり、タ、ダ、ナ、サ、ザ、ラなどの音が不明確になります。

ただ、舌は大きな筋肉であるため、代償的な発達がよくおこります。
そのため舌小帯に問題があっても、発音に問題がない場合もあります。

3.口腔悪習癖

口の悪い癖のことです。中でも、構音に特に関係あるのは舌突出癖です。

全体的に舌が前に出るために、構音の不明瞭さや審美的な問題が起きる場合があります。

口唇閉鎖不全、舌小帯異常、口腔悪習癖の3つは相互に関係している

人によって割合が異なりますが、上記の3つはお互いに関係していることが多いです。

治療法は、

  • 矯正治療や舌小帯延長術で「原因を取り除く」
  • 筋機能訓練で「正しい機能を得る」

正しい機能を得るための訓練は、発達段階にある10代前半までが獲得しやすいと言われています。

Withコロナ時代のマスク事情と口腔機能発達不全症

新型コロナ感染症予防のために、幼い頃からマスクをしている今時のちびっ子達。
マスクをしていると、より口呼吸になりやすいと言われています。

新潟大学の行った大規模な全国疫学調査があります。
日本人の子どもたち(3~12歳)のお口ぽかん率は30.7%であったという論文が、2021年1月に発表されました。

ひと昔前より、お口をぽか~んと開けてしまう子どもたちが増えたと言われています。
これらの症状は、成長とともに自然と改善することは少ないです。
気になることがありましたら、お気軽ご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 日本語は舌の位置と口唇などで構成される母音と、様々な閉鎖部を作ること(構音)によって音が決まる子音を組み合わせることにより構成されます。その発達の順序はおおむね決まっています。
  • 構音の問題がお口にある場合、その原因として指摘されるのは口唇閉鎖不全、舌小帯の異常、口腔悪習癖などです。これらは相互に関係している場合が多く、正しい構音の獲得のためには、形の獲得(歯科矯正など)とともに、機能の獲得(トレーニング)が重要になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

子どものいびきについて

2021年5月20日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

5月中旬、気持ちのいい季節になりましたね。
ただ、この時期は朝晩の気温差が大きく、また黄砂が多い時期で、鼻炎・鼻づまりになりやすい時期でもあります。

今回は、鼻炎になりやすい季節によくある「いびき」の悩みについてお話していきます。

どうして「いびき」が出るの?

起きているとき、大人も子どもも呼吸音は出ません。
これは気道の確保が十分にできていることの表れです。

ところが、睡眠時は舌が重力によって気道を押し、気道が狭くなってしまいます。
気道が狭くなってしまうと、喉の部分でホイッスルのように音が出てしまいます。

これが「いびき」で、大人も子どもも音が発するメカニズムに違いはありません。

参考リンク)いびきの原因って?~音が鳴るメカニズム~

いびきの原因って?~音が鳴るメカニズム~

いびきには、様子を見ても問題ない「いびき」と、気にしないといけない「いびき」があります。

気にしなくて良い「いびき」、要注意な「いびき」

日本人は顎が小さく、体格的にいびきが起きやすいと言われています。

特に子供においては近年増加傾向にあり、習慣的にいびきをする割合が10%程度あると言われています。

気にしなくて良い「いびき」

  • やや低めの音
  • 周期的であまり大きくない

要注意な「いびき」

  • やや高い音
  • 不規則なもの(たまに途切れるなど)
  • 寝起きが悪い、日中眠気を覚える

要注意な「いびき」とは、睡眠時無呼吸症候群や、その予備軍のサインであることが多いです。
体内に十分な酸素が入っていっていないことが考えられます。

子どものいびきの原因は、アレルギー性の鼻炎、もしくはアデノイド・扁桃腺の肥大が多いです。

アデノイドは免疫を獲得する6-7歳で最も大きくなります。
通常であれば問題ないですが、免疫が過敏な子どもでは腫れあがり、いびきにつながることがあります。

アデノイドと歯並びの関係

アデノイドが腫れている子どもは、歯列不正が起きやすいと言われています。

面長(ロングフェイス)や下顎が小さく引っ込んだ顔を総称してアデノイド顔貌と言い、上顎前突(出っ歯)や叢生(歯並びがガタガタしている)が非常に起きやすくなっています。

アデノイド顔貌はここ10年ぐらいで、特に増えたと言われています。
その他の症状としては、アデノイドは耳管も閉塞するため、中耳炎が起きやすかったりします。
また、多くはないのですが、子供でも睡眠時無呼吸症候群が起きている場合があります。

子供の睡眠時無呼吸症候群

子供の睡眠時無呼吸症候群の発生率は1-2%程度と言われています。

1時間の中で、5回程度10秒以上の呼吸が停止している場合に、診断がつきます。
睡眠時無呼吸症候群外来や、小児の場合は小児科で検査することになります。

子供の睡眠時無呼吸症候群の問題点

  • 日中も眠く、フラフラしてしまう
  • 成長ホルモンの分泌が阻害され、発達や身長の伸びなどに問題が出る場合がある

このような状態でのいびきは大変に危険です。早めにご相談下さい。

まとめ

いかがでしたか?

  • 日本人は骨格的にいびきをかきやすく、子どもにおいては増加傾向です。
  • 10%程度の子どもがいびきをかいており、1-2%は特に重症の睡眠時無呼吸症候群を併発している場合があります。
  • アデノイド、扁桃腺の腫脹が原因で起きるいびきでは、歯列不正を伴う場合が多いです。
  • 睡眠時無呼吸を伴ういびきの場合、成長発達までかかわる重症な場合があり、注意が必要です。

思い当たることが…という方は、お気軽にご相談ください。

ご飯を食べる時にくちゃくちゃ音が出てしまうお子さんの話 

2021年3月26日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

春ですね。春といえば花粉症です。前回も書きましたが、今年は大変です。ついつい口呼吸になっちゃいますね。

最近小児歯科学会のホームページを見ていると、お子さんの鼻の発達が悪くなってきた、口呼吸が増えたことが問題視されています。
背景に、マスクの使用があると言われています。
マスクを着用すると、どうしても口呼吸になってしまう方が増えてしまうんです。

口呼吸になってしまった結果、食べる時にくちゃくちゃ音が出る子が増えています。

「くちゃくちゃ」と唇を閉じずに食事する癖がついてしまうと、大人になってからマナー的な面で会食時に困ったり、コンプレックスになったりしてしまうかもしれません。

コロナ禍の現在、感染予防対策の面からも問題なので(口呼吸は免疫力低下の原因にもなってしまいます)学会としても注意喚起ポスターを配ったりしています。

今回は、口呼吸の原因と対策をまとめてみました。

口呼吸の原因と対策

1)歯並びが良くない

歯並びのバランスが良くないと、食事をする際に噛みやすい部分に歯を自然とずらしてしまうことになります。
また、かみ合わせた時に隙間があると食べ物を捕らえ辛く、同じように噛み合わせを自然にずらす際に口を開ける必要があり、音が出やすくなると思われます。

特に上顎前突と開咬でよく音が出やすいようです。
対策はやはり矯正することですが、併せて口周囲の筋肉を鍛えることが重要です。

上顎前突 

開咬

 2)鼻づまりによる口呼吸

口呼吸が主だと、ご飯を食べる時に大忙しです。

呼吸をしながら、咀嚼し、嚥下する。
実は、どれも同時にはできない構造になっています。

試しに、口で呼吸しながら唾を飲み込もうとしてみてください。

絶対に、できないんです。飲み込むその瞬間は、呼吸が止まります。

 

鼻が詰まった状態で食事をしようとすると、すべてが中途半端になり、結果的に音がたくさん発生します。
空気を飲み込む量も多い様です。

鼻呼吸が自然にできない人は、鼻、咽頭、喉や首、舌、唇の筋肉も弱い傾向にあります。
口呼吸を獲得するためには、鼻炎を治す治療をした上で、鼻で呼吸をするトレーニングも大事です。

有名な「あいうべ体操」や、夜間に鼻呼吸で睡眠するように口を軽くテープで止める方法などがあります。

参考リンク
あいうべ体操
https://tsuboidental.com/2019/04/20/incho-61/#i-6

3)ご飯に集中していない、食べる音をわざと立てて楽しんでいる

これは難しい問題を含んでいますが、ご飯の孤食も原因にあるようです。

子供はご飯の食べ方などは、周りの兄弟や大人を見ることで、適切な時期に「見て覚え」ます。
コロナも相まって、孤食が多い場合は、ご飯の食べ方が下手な子が多いようです。
具体的には、一口量が多い、スプーンやフォークなどの持ち方が正しくない、など。
また、食卓にご飯以外にテレビやスマホなどがあると、当然集中できておらず、「正しい食べ方を学習する」機会を失ってしまう原因になります。

一度、苦手意識ができるとわざと音を立てる子も出てくるため、悪循環が起きてしまいます。
基本的には昔ながらのやり方、つまり食卓のご家族で囲んで、家庭でのルール、マナーを再確認することが重要です。

学会からも、口呼吸や不正咬合などの個人の状態の問題と、孤食をしない、テレビを見ながら食べないなど、家族・家庭での問題を分けて考えるべきとされています。

まとめ

いかがでしたか?

  • ご飯を食べる時にくちゃくちゃ音が出る子には、鼻が詰まって口呼吸が多い場合や、歯並びが悪い場合など、口及び口周囲の機能に問題がある場合があります。必要であれば矯正も考えます。
  • 口の周囲の筋力の問題もあるので、鼻呼吸を獲得するための筋トレとして「あいうべ体操」がおススメです。
  • 適切な時期に摂食が上手くならなかったことにより、ご飯の食べ方に苦手意識がある子もいます。家庭での食事時の状態を、生活の面からも見直すことも重要です。

歯科医院として治療が必要であれば支援していきますので、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

歯ぐきの色の話~赤・白・黒 この色、大丈夫なの!?~

2021年1月31日

あけましておめでとうございます。本年1回目のブログです。岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。

最近患者さんから、歯茎の着色やほくろ状の黒点など、歯以外の粘膜の色や着色について質問を受けました。そこで今回は、歯以外の組織の色についてお話していきます。

歯茎や口腔粘膜の赤や白い「できもの」「潰瘍」「腫れ」などは、炎症に関係するものが多い

皮膚・粘膜の赤みが気になる時

皮膚・粘膜は充血したら赤くなります。
大きな虫歯や、歯をぶつけて怪我をすることで、歯茎の炎症がおこる場合があります。お子さんの場合は皮膚、粘膜の赤みと共に腫れや痛み、発熱などを伴う場合が多いです。
大人に関しては虫歯や怪我では基本的に同じですが、それ以外にも歯周病が進行しても、赤黒いブヨブヨした歯肉になります。

白いものの場合には、口内炎、歯の膿が原因の場合も

口内炎については、下記リンクの記事をご覧ください。
白い潰瘍が出来ます。
口内炎が多発している場合は麻疹などのウイルス感染の場合があります。

参考記事:口内炎の話。

口内炎の話 

フィステル(歯根の先に溜まった膿が排出された出口=排膿路)といわれるものも、よく見られます。

その他に、珍しい「白い粘膜疾患」も

白板症

前癌病変と言われ、悪化すると癌化することがあります。
歯医者がメンテナンス通院されている患者さんの口腔をチェックするとき、こうした「良くない粘膜疾患」が無いかどうかもチェックしています。

口腔扁平苔癬

両頰に現れる白いレース状の慢性炎症性病変です。
40代の女性に多く、潰瘍などを伴うこともあります。

口腔カンジダ症

舌や上顎の内側などに、白いフワフワしたものが付着してくることがあります。この白いフワフワは「カンジダ菌」というカビの一種で、拭うと取ることが出来ます。お口の中の清掃と、お薬で治療します。

以上のように、
赤と白の場合は炎症などに伴う場合が多いので、口腔内と共に全身の状態をよくチェックして、歯科医院や病院など適切な医療機関を受診しましょう。

黒色には色んな原因が!

黒いものには、面積が狭い場合と、広い場合があります。

粘膜の黒い部分の面積が小さい場合

ホクロ

口の中の皮膚にも、ホクロはあります。
メラニン色素の沈着が原因で、ほとんどの場合は放置して問題ありません。

悪性黒色腫(メラノーマ)

「あれ?口の中の黒いホクロが大きくなってきた…?」と感じたら、すぐに歯科医院もしくは病院口腔外科に受診してください。
癌の一種である、悪性黒色腫の可能性があります。
平成26年の資料では、口の中の悪性黒色腫の5年生存率は20%以下と非常に低く、早期の専門治療が必要となります。

メタルタトゥー

歯科治療に用いる金属が溶けだして、金属イオンによって歯茎に入れ墨のような着色が起きてしまうことがあります。
メタルタトゥーは、銀とアマルガム(水銀化合物)によって起こることが多く、金属アレルギーの原因となることもあります。
見た目が問題にならない場合は、治療をしないことが多いです。

血豆

頬を噛んでしまったり、歯茎を強くぶつけたりすることで出来ます。
基本、手足の血豆と同じく、特に治療せずに治癒を待ちます。

粘膜の黒い部分の面積が広い場合

喫煙などによる着色

喫煙している場合、歯茎や粘膜は確実に黒くなります。また家族が喫煙している場合、副流煙などの影響があって黒くなる場合があると考えられています。

メラニン色素の沈着

メラニン色素の場合は肌の色に比例して黒い場合や、口呼吸に伴ってお口を開けてる時間が長く、粘膜も日焼けしているなどの原因が多い様です。

子供の歯茎や歯肉が黒いのは時々見られ、上記の様な日焼け、口呼吸、たばこの副流煙などの要素が影響しているのは感じます。
しかし、大学病院時代の同僚の先生の研究でも、完全な原因の特定までは至りませんでした。複合的に影響している可能性があると考えます。

黒い歯茎を治したい場合は?

悪性黒色腫は抗がん治療を病院口腔外科などで行うことになります。
その他の「色素が沈着しただけ」の場合には、いくつかの方法があります。

いずれも保険適応はされていない「審美目的」の治療の範疇になっています。

レーザーや薬品によって歯肉を変性させて、組織を再生させることにより脱色する

ホクロなどのメラニン色素沈着の場合は、口腔粘膜の浅い部分に位置しているので比較的簡単にきれいにできるようです。

女性の方で、美容皮膚科のレーザーによるホクロの除去を行った方は分かると思いますが、レーザーをパチパチと照射して、一過性にカサブタのようなものが出来て、それが自然と取れたら色が抜けている感じです。

一方、メタルタトゥーの場合は歯茎の深い部分まで入りこんでいる場合が多いので、除去できるかは状態によります。

子どもの歯肉の脱色治療はできますか?

おススメしません。

お子さんの場合、生活環境の変化や成長によって、口腔内の状態や粘膜の色まで変化していくので、着色も自然と減少する場合もあるからです。

物理的には可能です。
口内炎の痛みを取るためや、外科処置のためにお子さんにレーザーを使用することもありますから、医学的に禁忌であるという訳ではありません。
しかし、自然と消える可能性があるので、あまりオススメしません。

歯肉・歯茎の着色は、色と種類によって原因や状態が大きく異なります。
レアケースな場合も含め、口の粘膜の病気は上に書いた以外にも多くあります。

「これ、前からあったっけ?」
「これ、放っておいても大丈夫なモノ?」

と疑問を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

  • 歯茎の一部が赤や白は、炎症や病的な状態に伴うものが多いので要注意です。
  • 歯茎が黒い場合は、大きさや色合いによって原因が大きく異なります。メラニンの沈着や歯科金属のメタルタトゥーの場合は治療できる場合があります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

キレイにしゃべる ~子どもの滑舌(かつぜつ)のためにできること~

2020年12月3日

こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
再び新型コロナの波が大きくなってきてしまいましたね。

資料を見ると、コロナについてもインフルエンザ同様、1日3回~4回歯磨きすると、感染予防になるようです。新しい生活様式の一つに歯磨きも入れていきましょう。

お子さんの定期健診の時に、滑舌などのしゃべる機能について質問を受けることがあります。今回は滑舌をテーマにお話していきます。


人間は赤ちゃんの時はみんな上手にしゃべれませんが、大きくなっていくにしたがって、上手にしゃべれるようになっていきます。
当然、その程度には個人差があります。中には滑舌トレーニングによって、発達を手助けしてあげた方がいい場合もあります。

1)上手にしゃべるってどういうこと?

上手にしゃべるということは、以下の定義ができます。

  • 『あいうえお、あかさたな』とひとつひとつの音がはっきりしていて、一定のテンポを保ちながら発音ができる
  • 言葉がつまる、噛んでしまうことがない

歯科で判断できるのは、特に発音についてです。
歯科では特に『さしすせそ、たちつてと』が気になります。
この2行の音については、舌がお口の中の正しいスタート場所(スポット、と言います)にあり、上手に舌を動かさないときれいに聞こえません。

口で呼吸する癖があったりすると、舌の筋肉が鍛えられず、この「スポット」に舌を当てることが難しくなってしまうことがあります。
すると、滑舌が悪くなってしまうのです。

こうした場合は、トレーニングによって舌の動きを改善してあげる必要があります。

2)舌の正しい動きとは?

舌の正しい動きはまずスタートポイント(スポット)に舌があることから始まります。

そもそも歯は、舌と唇に押されて、バランスが取れる位置に並びます。

舌の位置が正しい位置にないと歯は前に溢れだします。
骨格の影響もかなりありますが、前に歯が溢れだすと出っ歯さんや開咬(口を閉じても前歯が上下で当たらない咬み合わせ)になり、
舌がやや下よりに押し出すと受け口さんになります。

3)お口のトレーニングで鍛えたらどうなる?逆に、鍛えないとどうなるの?

牛タンなどを食べたことがある人なら良くわかると思いますが、舌は細かな、柔らかめの筋肉の集合体です。

舌のトレーニングとは、舌の筋トレです。

筋トレには筋力をつける(強い力を出せるようにする)ことと、機能を向上させる(動きを良くする)両面がありますが、舌、口周囲ではトレーニングすると機能がまず向上します。
また、機能が一定以上のレベルに達すると、舌や口の周りの筋力のバランスが取れて舌、口の周囲が「キュ!」とコンパクトにまとまります。

一方、筋力が足りない場合は、他の体のパーツでもそうですが、弱い一部分が大きく変形していきます。これが歯列不正の主たる原因です。

口輪筋(こうりんきん)という、口を閉じる筋肉の力が弱ければ、歯は前に飛び出て出っ歯さんとなってしまいます。
また、噛む筋肉が弱ければ、開咬(かいこう)といって、口を閉じても前歯が咬まない(奥歯しか咬めない状態)になってしまうのです。

参考リンク 歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて

歯並びが悪いのは遺伝ですか?その2 出っ歯編②お口ポカンについて

4)口と口の周囲の筋トレをしようと決意しました!まずできることは?

簡単にできるトレーニングは3つです。

  1. 『イー、ウー』音を繰り替えすような体操
  2. 大きめなボタンを唇で挟み唇を鍛えるボタンプル
  3. 割りばしなどを噛んで大きく発音する割りばしトレーニングなど

人間は縄文時代には、1回の食事で4000回噛んでいました。
しかし現代では、1回の食事あたり噛む回数は600回程度と劇的に減少しています。

噛む回数の減少が、このような筋肉や機能の減退をひきおこし、様々なトラブルを起こしているのは間違いないです。
よく噛むこと、筋肉をトレーニングすることを意識していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

  • 上手にしゃべるということは、ひとつひとつの音がしっかり一定のテンポを保ちながら発音ができること、言葉がつまる、噛んでしまうことがない、と定義できます。歯科で判断できるのは、特に発音についてです。
  • 舌の正しい動きはまずスタートポイントに舌があることから始まります。舌もしくは口周囲の筋がバランスよくないと、不正咬合が生じます。
  • 現代になって食事の時の噛む回数が劇的に減少したことが、こういった不正咬合を引き起こしています。噛むことだけでなく、口周囲の筋肉をトレーニングすることも意識しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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