笑気ガスによる歯科診療を導入しました
2018年8月28日
こんにちは!岩国のつぼい歯科クリニック 小児歯科専門医の吉村です。
暑い日が続きますが、朝晩など、少し涼しく感じる時も出てきましたね。
やっと夏の終わりが見えてきました。
先日、つぼい歯科クリニックでは笑気ガスを導入いたしました。
今回は笑気ガスをテーマにお話ししていきます。
笑気ガスとは?
笑気ガスは亜酸化窒素(N2O)と言われる、無色でわずかに甘い香りのある無刺激性の吸入麻酔薬です。
笑気ガスにより、歯科治療に対する恐怖をやわらげた状態で治療を行うことができます。
笑気ガスは精神鎮静作用があり、身体も心もリラックスし恐怖心が少なくなり、
にこやかな楽しい気分になります。大人の方だと、軽く酔っぱらったような感じですね。
最近当院に受診される患者さんで、低年齢で歯科に対する恐怖心が強く、しかもかなり重症の虫歯の方が増えてまいりましたので、導入に踏み切りました。
小さいお子さんの場合は、「怖い」という気持ちを素直に表現します。
泣いたり暴れたりして、患者さん本人にも当院のスタッフにも安全を確保した状態で治療を行うことには、非常に難しいのです。
笑気ガスをしたら麻酔はしなくてもいいの?
歯科治療の際は、低濃度の笑気と100%酸素を混合したガスを鼻から吸入します。
笑気ガスの効果には個人差があります。少し眠気が出るケースもあります。
笑気ガスには、歯の痛みをやわらげる効果はありませんので、通常の部分麻酔も併せて使用します。
笑気ガスのデメリットは?
笑気ガスは診療前に導入をして、効き始めてから治療を行うので、通常の診療よりも時間がかかります。
また、笑気がある程度抜けるまで待合で休憩していただきます。
個人差もありますが、通常の診療時間を40分だとすると、笑気を使用する日は60分~75分を目安にしていただくと良いかと思います。
大人の方で自動車の運転をされる方は、しっかり笑気が抜けるまでは運転は危険です。
当日診療後のご予定は、余裕をもったスケジュールでお願いします。
笑気ガスの効果は?
効果の個人差は大きいです。
お子さんによっては、酔ったような感じの中でも、いやなものは嫌という感じがある程度残ります。
ある一点の行為が(人によります)がどうしても嫌で、あばれてしまうこともあります。
ですので、どの行為が一番嫌なのか、それを歯科医師とご家族で把握しながら、オーダーメイドの治療法を探っていくしかありません。
笑気は治療前からすでに泣いてしまうお子さんにはあまり効果がありません。
しかし、笑気ガスを使用することで、何とか出来るようになったお子さんも多くおられます。
「歯医者さんは苦手」「歯医者さんは怖い」という方は大勢います。
そのせいで、痛い歯があるのに我慢して、虫歯がどんどん悪くなってしまうのは、よくありません。
上記のようなお悩みをお持ちの方は一度笑気にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
低年齢児はむし歯を作らせないことが一番大切
小さいお子さんは虫歯を作らせないように、まずは食生活、それから歯みがきトレーニングと保護者の方の仕上げ磨きなどの『予防』が一番大切です。
歯科医の立場では、小さなお子さんの虫歯の治療はとても大変です。
治療中、保護者の方は泣いている子さんを、とても辛い気持ちで見守っておられます。
(当院では基本的に低年齢のお子さまと母子分離・父子分離は行いません。
お母さんが妊娠中、低年齢のご兄弟連れなどのケースを除けば、レントゲン室・診療室に保護者の方も同伴していただいております。
また、保護者の方にも積極的に声かけなどの治療補助に参加していただくこともあります。)
一番良いのは治療せずに済むことです。予防重視で生活習慣から見直しましょう。
結局それが一番簡単で、良い方法です。
なお、大人の方で歯科恐怖が強い方にも適応可能ですので、興味がある方はお気軽にお問合せください。
まとめ
いかがでしたか?
- 笑気ガスは笑気吸入鎮静法と言われる、鎮静法の一つです。
- 診療時間が通常よりかかりますが、リラックス効果が期待できます。
◎笑気鎮静法はこんな患者さまにおすすめです◎
- 小さいお子さま
- 歯科治療に対して恐怖心や不安感を持っていて、緊張しやすい方
- 口の中を触られると吐き気を催される方
笑気ガス鎮静法は非常に安全性の高い治療法です。
しかし、患者さまによって向き不向きはあります。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。